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訪問歯科とは?サービス内容や外来との違いを紹介

3 days ago

「訪問歯科とはどのようなものかよく分からない」という方もいるでしょう。訪問歯科とは、患者の居宅や病院などを訪問し、歯科診療を行うサービスのことです。この記事では、歯科診療の主なサービス内容や外来との違いについて紹介します。訪問歯科を行ううえで気をつけることや利用までの流れについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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訪問歯科とは

訪問歯科とは、歯科医師や歯科衛生士が患者の居宅や病院を訪問し、歯科診療を行うサービスのことです。自宅や病院で療養していたり、介護施設に入居していたりする方のなかには、歯科診療を必要としているものの、歯科医院への通院が困難な方も多くいます。そのような方が、歯科医院に通院せず、歯科診療を受けられるサービスが訪問歯科です。

訪問歯科では主に、歯科医師や歯科衛生士、歯科助手などが、患者の居宅や病院などを訪問します。特に規模の大きな病院や介護施設を訪問する場合、1回の訪問で複数の患者に対して歯科診療を行うことも。そのため、訪問歯科診療を行う際は通常、歯科医師・歯科衛生士・歯科助手などが複数人で訪問することが多いようです。
ただし、職員が少ない歯科医院や、訪問先が少ない場合などでは、歯科医師や歯科衛生士が単独で訪問するケースもあるでしょう。

訪問歯科の利用対象者

訪問歯科は主に、歯科医院への通院が困難な方を対象としたサービスです。そのため、具体的には、以下のような方が訪問歯科の利用対象者となります。

  • 疾病や傷病により、身体が不自由な方
  • 障がいや認知症などにより、一人での通院が難しい方
  • 歯科がない病院に入院している方

訪問歯科の利用対象に該当するか否かは、一人で通院できることが基準となります。そのため、けがや手術後などのように、一時的に通院ができない状態にある場合も、訪問歯科の利用対象となるケースが一般的でしょう。

なお、訪問歯科での訪問先は、患者の自宅や入院中の病院、入居中の介護施設など、患者が日々生活している場所に限定されるのが特徴です。そのため、デイケアやデイサービスなどの通所型サービス事業所は、原則として、訪問歯科の訪問先の対象外となります。

訪問歯科の現状

厚生労働省「令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」によると、2023年9月時点での歯科診療所の総数と、在宅サービスを実施している施設数は、以下のとおりとなっています。

  • 歯科診療所数:6万6818施設
  • 医療保険などによる在宅サービスを実施:2万2674施設(総数の33.9%)
  • 介護保険による在宅サービスを実施:1万1698施設(総数の17.5%)

医療保険などによる在宅サービスとして実施されるのは、訪問診療や訪問歯科衛生指導などです。一方で、介護保険による在宅サービスには、居宅療養管理指導や介護予防居宅療養管理指導、介護施設での介護予防サービスを含む口腔関連のケアなどが該当します。

なお、2023年9月時点で、歯科診療所のうち在宅サービスを行っている施設数は半数に満たないことから、訪問歯科診療を利用できる歯科診療所は限定的であるといえるでしょう。

しかし、厚生労働省「歯科医療提供体制の現状について」によると、患者の居宅における歯科訪問診療を提供している歯科診療所は、増加傾向にあるようです。そのため、今後は高齢化に伴い、訪問歯科への需要の高まりや、訪問歯科を実施する歯科診療所の増加などが起こる可能性もあるでしょう。

参考:厚生労働省「令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」
厚生労働省「第1回 歯科医師の適切な配置等に関するワーキンググループ」

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訪問歯科と外来の違い

訪問歯科と外来の主な違いは、診療の対象者です。前述のとおり、訪問歯科を利用する場合、一人での通院が困難であることが一つの条件となります。そのため、訪問歯科で診療を行う患者は、疾病や障がいのある方や高齢者が中心となるのが特徴です。一方、歯科医院や診療所の外来の場合、利用対象は限定されていないため、誰でも利用できます。

また、突発的な痛みや症状が生じた場合の対応の有無も、訪問歯科と外来の違いの一つです。病院の外来では、定期的な検査や診察だけでなく、突発的な痛みなどが生じた場合にも診察を受けられます。歯科医院によっては、予約不要で受診できるところもあるのが特徴です。

一方、訪問歯科では、継続的な治療や診察を目的としているため、治療計画に沿って訪問・治療を行います。そのため、臨時的な診療は行わないのが一般的です。このようなケースに対応するサービスは「往診(往診歯科)」と呼ばれ、訪問歯科とは区別されていることが多いでしょう。

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訪問歯科の主なサービス内容

訪問歯科では、主に以下のようなサービスを行います。

  • う蝕(虫歯)治療
  • 歯周病治療
  • 抜歯
  • 歯石の除去
  • 有床義歯(入れ歯)の作製・修理・調整
  • 歯科疾患に対する指導・管理
  • 口腔ケア
  • 嚥下に関する訓練

訪問歯科で受けられる診療の内容は、外来で受けられるものと大きく変わらないのが特徴です。
特殊な機器を用いた治療が必要な場合、自宅や病院などの訪問先では処置が行えないこともあるでしょう。しかし、訪問歯科では、治療に必要な機器を持って、患者の居宅や病院などを訪問します。そのため、虫歯や歯周病の治療、入れ歯の調整などの基本的な歯科治療であれば、訪問先で行うことが可能です。

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訪問歯科を行うまでの流れ

訪問歯科を行うまでの基本的な流れは、以下のとおりです。

  • 訪問歯科診療の利用依頼の受付(依頼内容の確認や訪問先の基本情報の入手など)
  • 訪問日時の調整
  • 訪問の準備(機材・器具の準備や患者の状態に関する情報共有など)
  • 治療前の準備(バイタルチェックや患者への治療内容の説明・同意など)
  • 歯科治療・指導

訪問歯科は、患者本人や家族だけでなく、ケアマネジャーや地域包括支援センターの職員などから依頼を受けて行うことが多いのが特徴です。特に、かかりつけ医が訪問歯科を行っていない場合、地域の歯科医院の訪問歯科サービスを利用することとなります。

このように、訪問歯科では、通院歴がない患者からの利用依頼を受けることもあるでしょう。その場合、ケアマネジャーやかかりつけ医などから患者に関する情報を収集したうえで、治療の計画を立てる必要があります。よって、訪問歯科では、通常の歯科医院での診療とは異なり、地域の関係機関と連携をとりながら、計画的に治療を進めていくことが重要です。

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訪問歯科を行ううえで気をつけること

ここまで、訪問歯科とはどのようなサービスなのかを見てきました。ここからは、訪問歯科を行ううえで気をつけることを2つ紹介します。

患者に関する情報を収集したうえで治療を行う

訪問歯科では、患者に関する情報を収集したうえで治療を行うことが重要です。前述のとおり、訪問歯科では要介護者や疾病、障がいのある方などに対して、歯科診療を行います。そのため、訪問歯科で診療を行う際には、担当医やかかりつけ医、ケアマネジャーなどと連携をとり、診療時の患者の健康状態を確認しておくことが大切です。

また、場合によっては、歯や口腔に関する問題が、ほかの症状に影響を及ぼす可能性もあります。そのため、訪問歯科における治療方針についても、多職種間で情報を共有し、同意を得たうえで治療を進めることが大切です。

訪問先が訪問診療の対象であるか確認する

訪問歯科を行ううえでは、訪問先が訪問診療の範囲内や対象施設であるかを確認しておくことも大切です。
厚生労働省「訪問診療・往診等における距離要件について」によると、医療保険の範囲内で訪問診療を行う場合、保健医療機関から患者の居宅や病院までの距離は、原則半径16km以内であることが条件となります。

また、前述のとおり、通所型の介護サービス事業所などは、訪問歯科の利用対象外です。そのため、訪問歯科を行ううえでは、「歯科医院から半径16km以内にある、患者が生活している場であること」を確認することが重要となります。

ただし、患者の居宅や入院中の病院などから半径16km以内に訪問歯科を行っている歯科医院がない場合など、例外的に訪問歯科の利用が可能となるケースも。そのため、原則対象外となる場合においても、状況によっては訪問対象となるケースがあることも、頭に入れておくと良いでしょう。

参考:厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会(第576回)議事次第」

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訪問歯科とは患者の居宅を訪問して歯科診療を行うこと

  • 訪問歯科では歯科や歯科衛生士が患者の居宅を訪問し、歯科診療を行う
  • 訪問歯科は、原則一人での通院が困難な方が利用対象
  • 訪問歯科では虫歯の治療や口腔ケアなど、治療計画に基づいた継続的な診療を行う

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