NEW職種・資格情報

言語聴覚士とは?仕事内容や年収、国家試験について紹介

4 days ago

「言語聴覚士とはどのような職種かよく分からない」という方もいるでしょう。言語聴覚士とは、言語機能に障がいがある方や嚥下機能が低下している方に対して、検査や評価、訓練などを行うリハビリの専門職です。この記事では、言語聴覚士の主な仕事や職場、平均年収について紹介します。言語聴覚士国家試験についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

簡単60秒!あなたにピッタリの案件が届く 無料会員登録

言語聴覚士(ST)とは

job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「言語聴覚士」によると、言語聴覚士とは、言葉によるコミュニケーションや嚥下機能に問題がある方を対象に、訓練や指導などを行うリハビリの専門職のことです。

言葉によるコミュニケーションの問題は、脳卒中後の失語症や聴覚障害、言葉の発達の遅れ、声・発音の障がいなど、多岐にわたります。そのため、医師や歯科医師の指示の下、問題の本質や発現のメカニズムを明らかにし、対処法を見出すための検査や評価を実施するのが、言語聴覚士の主な役割です。

また、言語聴覚士は、言語機能の問題に加え、摂食・嚥下機能に関する問題についても、訓練や指導を行います。よって、医療・保健・福祉・心理の専門職や教師など、さまざまな職種と連携をとりながら業務を行うのも、言語聴覚士の特徴の一つです。

言語聴覚士と理学療法士・作業療法士の違い

言語聴覚士と同様にリハビリを行う専門職に、「理学療法士」と「作業療法士」があります。言語聴覚士・理学療法士・作業療法士の主な違いは、リハビリの対象や症状を改善するためのアプローチ方法です。

job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理学療法士(PT)」によると、理学療法士は、主に身体に障がいがある方に対して、身体機能の回復や維持・向上を目指したリハビリを行います。具体的には、関節可動域練習や筋力増強練習などの運動療法や、温熱や電気刺激、超音波などを用いた物理療法を行うのが、理学療法士の特徴です。

一方、job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「作業療法士(OT)」によると、作業療法士とは、身体や精神に障がいがある方に対して、心身機能の回復を目的とした訓練や指導を行う専門職です。作業療法士は、食事や歯磨きなどの日常生活の動作や、家事・遊び・スポーツなどの動作を用いた作業療法を行います。

参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「言語聴覚士」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理学療法士(PT)」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「作業療法士(OT)」

簡単60秒!あなたにピッタリの案件が届く 無料会員登録

言語聴覚士の主な仕事内容

言語聴覚士は主に、以下のような業務を行います。

  • 検査や評価を行い、問題解決の対処法を探る
  • 訓練目標の設定や訓練プログラムの作成を行う
  • 症状に合わせた訓練や指導、支援などを行う

言語聴覚士は、「話す」「聞く」「食べる」の主に3つの動作に関する問題に対して、原因を明らかにしたり、リハビリをとおして症状の改善を目指したりするのが特徴です。患者の症状によって、アプローチ方法は異なるものの、検査によって原因や対処法を見つけ、目標を基に設定した訓練プログラムに沿って訓練を行う流れは、共通しているでしょう。

言語聴覚士の主な職場

一般社団法人日本言語聴覚士協会「言語聴覚士とは」によると、言語聴覚士の主な職場には、以下のようなものがあります。

  • 医療施設(病院やリハビリテーションセンター、診療所など)
  • 介護施設(介護老人保健施設やデイケア、訪問看護事業所、訪問リハビリテーション事業所など)
  • 福祉施設(肢体不自由児施設や重度心身障がい児施設、児童発達支援センター、放課後等デイサービスなど)
  • 保健施設(保健所や保健センター、行政機関など)
  • 教育機関(小中学校や特別支援学校、研究施設、言語聴覚士教育施設など)

言語聴覚士の多くは、医療や介護の現場で働いています。しかし、医療施設や介護施設以外にも、福祉・保健施設や教育機関など、幅広い分野で活躍できるのが、言語聴覚士の特徴です。

参考:一般社団法人日本言語聴覚士協会「言語聴覚士とは」

簡単60秒!あなたにピッタリの案件が届く 無料会員登録

言語聴覚士の平均年収

政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」によると、規模計が10人以上の企業で働く言語聴覚士の平均給与額は以下のとおりです。

  • きまって支給する現金給与額:31万1400円
  • 年間賞与その他特別給与額:70万4700円

上記の金額から年収換算(きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額)すると、言語聴覚士の平均年収は約444万円となります。

ただし、上記の金額は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の平均です。よって、言語聴覚士のみの平均給与額や平均年収は、上記とは異なる可能性もあるため、あくまで参考程度にご確認ください。

参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」

簡単60秒!あなたにピッタリの案件が届く 無料会員登録

言語聴覚士になるには

job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「言語聴覚士」によると、言語聴覚士になるには、大学や言語聴覚士養成校を卒業した後、国家試験に合格することが必要です。

高校卒業者の場合は、文部科学大臣が指定した大学(3~4年制の大学・短大)または、都道府県知事が指定した言語聴覚士養成校(3~4年制の専修学校)に入学し、卒業することで、国家試験の受験資格が得られます。

一方、一般4年制大学の卒業者の場合、言語聴覚士国家試験を受けるには、指定された大学・大学院の専修科または2年制の専修大学に入学後、指定科目を修了し卒業することが必要です。
なお、一般4年制大学において、言語聴覚士の養成に関わる一定基準の科目を習得している場合は、指定校で1年学ぶと、言語聴覚士国家試験の受験資格が得られます。

言語聴覚士国家試験の概要

厚生労働省「言語聴覚士国家試験の施行」によると、2026年に実施される第28回言語聴覚士国家試験の概要は、以下のとおりです。

項目
概要
試験日 2026年2月21日(土)
試験地 北海道・東京都・愛知県・大阪府・広島県・福岡県
試験科目 - 基礎医学
- 臨床医学
- 臨床歯科医学
- 音声・言語・聴覚医学
- 心理学
- 音声・言語学
- 社会福祉・教育
- 言語聴覚障がい学総論
- 失語・高次脳機能障がい学
- 言語発達障がい学
- 発声発語・嚥下障がい学
- 聴覚障がい学
合格発表日 2026年3月26日(木)

参考:厚生労働省「言語聴覚士国家試験の施行」

言語聴覚士国家試験は、例年2月中旬から下旬ごろに実施されています。
また、試験時間は例年午前150分・午後150分で実施されているため、第28回言語聴覚士国家試験についても同様となる可能性が高いと考えて良いでしょう。

なお、合格基準については、配点を1問1点、合計200点満点とし、120点以上の得点が基準となるのが一般的です。

言語聴覚士国家試験の合格率

厚生労働省「国家試験合格発表」によると、過去に実施された言語聴覚士国家試験の合格率は、以下のとおりです。

実施回(実施年) 受験者数 合格者数 合格率
第25回(2023年) 2515人 1696人 67.4%
第26回(2024年) 2431人 1761人 72.4%
第27回(2025年) 2342人 1707人 72.9%

参考:厚生労働省「第25回言語聴覚士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第26回言語聴覚士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第27回言語聴覚士国家試験の合格発表について」

2023年~2025年の3年間に実施された言語聴覚士国家試験の合格率は、7割前後が平均となっています。平均合格率は比較的低い傾向にあるため、言語聴覚士国家試験に合格するには、入念に試験対策を行う必要があるでしょう。

参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「言語聴覚士」
厚生労働省「言語聴覚士国家試験の施行」
厚生労働省「第25回言語聴覚士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第26回言語聴覚士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第27回言語聴覚士国家試験の合格発表について」

簡単60秒!あなたにピッタリの案件が届く 無料会員登録

言語聴覚士は言語機能や嚥下機能の訓練・改善を行う

  • 言語聴覚士は、「話す」「聞く」「食べる」の動作に関する問題に対してリハビリを行う
  • 言語聴覚士は、医療・介護・福祉・保健・教育など幅広い分野で活躍している
  • 言語聴覚士になるには、養成校の卒業や国家試験への合格が必要

簡単60秒!あなたにピッタリの案件が届く 無料会員登録

おすすめ記事