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療法士の種類とは?違いやPT・OT・STの覚え方を紹介

5 days ago

「療法士の種類がよく分からない」という方もいるでしょう。療法士の種類には、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリの専門職が挙げられます。この記事では、療法士の種類ごとの仕事内容や職場、国家試験の合格率などの違いを紹介します。PT・OT・STなどの略称の覚え方についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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療法士の種類とは?

「療法士」と呼ばれる代表的な職種には、理学療法士や作業療法士などがあります。また、名称に「療法士」は含まれていないものの、言語聴覚士も、理学療法士や作業療法士と同様に、リハビリ療法を行う専門職の一つです。

ここからは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士について、詳しく見ていきましょう。

理学療法士(PT)とは

job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理学療法士(PT)」によると、理学療法士とは、身体に障がいがある方の身体運動機能の回復や維持・向上を目的としたリハビリを行う専門職のことです。理学療法士は、「PT」と呼ばれることもあります。

理学療法士は、脳性麻痺や事故・病気による障がい、脳卒中後遺症、老化による障がいなど、幅広い身体の障がいを対象にリハビリを行うのが特徴です。また、理学療法士が実施する療法は、関節可動域や筋力増強のための訓練や歩行動作などの練習、温熱・電気・超音波などを用いた物理療法などが主となります。

作業療法士(OT)とは

job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「作業療法士(OT)」によると、作業療法士とは、身体や精神に障がいがある方が、心身機能を回復し、日常生活や社会生活に復帰できることを目的としたリハビリを行う専門職です。作業療法士は「OT」と呼ばれることもあります。

作業療法士は、食事や歯磨きなどの日常生活の動作や家事、スポーツなど、生活の中における動作や作業などを用いた訓練・指導・援助を行うのが特徴です。また、作業療法士は、病院だけでなく、訪問介護の現場でもリハビリを行うことがあります。

言語聴覚士(ST)とは

job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「言語聴覚士」によると、言語聴覚士とは、言葉によるコミュニケーションや嚥下機能に問題がある方を対象に訓練や指導を行う専門職のことです。言語聴覚士は「ST」と呼ばれることもあります。

言語聴覚士の主な仕事は、医師や歯科医師の指示の下、コミュニケーションや嚥下に関する問題の程度や発生のメカニズムを評価し、その結果に基づいて訓練や指導、助言などを行うことです。具体的には、絵カードや文字カードを用いた言語機能の訓練や、口の運動や正しい音を発する訓練、言葉の発達の遅れに対する訓練などを行います。

また、医療専門職や保健福祉専門職、心理専門職など、さまざまな職種と連携をとりながら、リハビリテーションの目標や訓練プログラムに係る実施計画の作成を行うことも、言語聴覚士の仕事の一つです。

参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理学療法士(PT)」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「作業療法士(OT)」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「言語聴覚士」

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療法士の種類(PT・OT・ST)の覚え方

療法士を表す略称は、英語名の単語の頭文字から付けられています。そのため、療法士の種類ごとの略称は、名称に含まれる英単語の意味と、主な仕事内容を結び付けることで、簡単に覚えることが可能です。

たとえば、理学療法士を意味する「PT」とは、「Physical Therapist」の略称で、「身体的な」や「物理的な」という意味をもつ「physical」という単語が含まれています。理学療法士は、電気や熱、超音波などを用いた物理療法を主に行うことから、「PT(Physical Therapist)」は理学療法士を表すと覚えられるでしょう。

また、作業療法士を意味する「OT」とは、「Occupational Therapist」の略称です。作業療法士は、日常生活における動作や作業を用いて訓練や指導を行います。よって、作業や活動という意味を含む「occupation」の形容詞形である「occupational」がつく「OT(Occupational Therapist)」が作業療法士を指す用語であると覚えると良いでしょう。

そして、言語聴覚士を意味する「ST」とは、「Speech-Language-Hearing Therapist」や「Speech Therapist」の略称です。「ST(Speech-Language-Hearing Therapist/Speech Therapist)」には、言語聴覚士が扱う「発話」を意味する「speech」という単語が含まれています。よって、「ST」は言語聴覚士を指す用語であると覚えるのがポイントです。

なお、日本語の「言語聴覚士」には、「therapist」にあたる「療法士」という言葉は含まれていません。しかし、言語聴覚士は療法を行う専門職の一つであることから、英語では「therapist」と表現されていると考えられます。

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療法士の種類ごとの違い

ここまで、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の概要を見てきました。ここからは、3つの療法士の種類ごとの違いを紹介します。

職場の違い

job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理学療法士(PT)」、job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「作業療法士(OT)」、job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「言語聴覚士」によると、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の主な職場は、以下のとおりです。

  • 理学療法士:病院・リハビリテーションセンター・障がい者福祉センター・障がい児通所(入園)施設・保健福祉センター・老人保健施設・高齢者介護施設
  • 作業療法士:病院・リハビリテーションセンター・障がい者施設・障がい児通所(入園)施設・老人保健施設・訪問介護事業所・保健所
  • 言語聴覚士:医療機関・福祉施設・介護施設・教育機関・研究機関・保健所

いずれの職種も、医療機関や福祉施設などで多く働いているものの、職種によって、訪問介護事業所や研究機関、保健所など、ほかの職種とは異なる職場で活躍していることもあります。

参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理学療法士(PT)」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「作業療法士(OT)」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「言語聴覚士」

国家試験の合格率の違い

ここからは、それぞれの職種の国家試験の合格率を紹介します。

厚生労働省「国家試験合格発表」によると、2023年~2025年に実施された理学療法士国家試験の合格率は以下のとおりです。

実施年(実施回) 受験者数 合格者数 合格率
2023年(第58回) 1万2948人 1万1312人 87.4%
2024年(第59回) 1万2629人 1万1266人 89.2%
2025年(第60回) 1万2691人 1万1373人 89.6%

参考:厚生労働省「第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第59回理学療法士国家試験及び第59回作業療法士国家試験の合格発表について」厚生労働省「第60回理学療法士国家試験及び第60回作業療法士国家試験の合格発表について」

理学療法士国家試験の合格率は、8割後半が平均となっています。

また、同資料によると、作業療法士国家試験の合格率は、以下のとおりです。

実施年(実施回) 受験者数 合格者数 合格率
2023年(第58回) 5719人 4793人 83.8%
2024年(第59回) 5736人 4822人 84.1%
2025年(第60回) 5693人 4887人 85.8%

参考:厚生労働省「第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第59回理学療法士国家試験及び第59回作業療法士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第60回理学療法士国家試験及び第60回作業療法士国家試験の合格発表について」

作業療法士国家試験の場合、8割前半が合格率の平均となっています。

そして、2023年~2025年に実施された言語聴覚士国家試験の合格率は、以下のとおりです。

実施年(実施回) 受験者数 合格者数 合格率
2023年(第25回) 2515人 1696人 67.4%
2024年(第26回) 2431人 1761人 72.4%
2025年(第27回) 2342人 1707人 72.9%

参考:厚生労働省「第25回言語聴覚士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第26回言語聴覚士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第27回言語聴覚士国家試験の合格発表について」

2023年からの3年間における言語聴覚士国家試験の合格率は、6割後半から7割前半の間で推移しているようです。

このように、職種によって、国家試験の平均合格率は異なります。なお、いずれの国家試験も、受験者数と合格者数の変動は大きくないことから、国家試験の難易度は比較的安定しているといえるでしょう。

参考:厚生労働省「第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第59回理学療法士国家試験及び第59回作業療法士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第60回理学療法士国家試験及び第60回作業療法士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第25回言語聴覚士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第26回言語聴覚士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第27回言語聴覚士国家試験の合格発表について」

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療法士の種類には理学療法士や作業療法士などがある

  • 代表的な療法士の種類には、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が挙げられる
  • 療法士の種類の略称は、英単語の意味と主な仕事内容を結び付けて覚えるのがポイント
  • 療法士は種類によって、主な職場や国家試験の合格率が異なる

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