職種・資格情報

理容師とは?美容師との違いや免許の取得方法を紹介

10 days ago

「理容師とはどのような職種かよく分からない」という方もいるでしょう。理容師とは、頭髪の刈込や顔そりなどによって、容姿を整える「理容」を業とする職種です。この記事では、理容師の主な仕事内容や年収、免許の取得方法について紹介します。理容師のキャリアパスや美容師との違いについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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理容師とは

job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理容師」によると、理容師とは、お客さまの要望に合わせて、ヘアカットや顔そりなどを行い、容姿を整える職種のことです。理容師は、一般的に「床屋」や「理容室」と呼ばれる施設で働いています。

e-Gov法令検索「理容師法」によると、頭髪の刈込や顔そりなどは「理容」と呼ばれており、理容師以外が理容を業とすることは認められていません。
また、法律や政府統計などにおいて、理容の業を行うために設けられた施設は「理容所」と呼ばれ、理容師が理容所以外で理容を行うことは原則禁止されているのも特徴です。

理容師と美容師の違い

理容師と美容師は、業務の内容や職場が異なります。
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「美容師」によると、美容師とは、カットやパーマ、カラーリング(毛染め)、化粧などにより、容姿を美しくする職種のことです。

お客さまの要望に合ったヘアスタイルを提案したり、ヘアカットやパーマなどの施術を行ったりする点は、理容師も美容師も共通しています。しかし、理容師は頭髪の刈込や顔そり、美容師はヘアファッションや化粧など、行える施術の内容が一部異なるのが特徴です。美容師によっては、ネイルや着付けを行うこともあります。

また、理容師と美容師は、それぞれの施術が行える場所が「理容師法」または「美容師法」によって定められているのも特徴の一つです。理容師は理容所でのみ理容の業が行えるのに対して、美容師は、美容の業を行うために設けられた施設である「美容所」でのみ美容の業が行えます。つまり、理容を提供する理容師は理容所、美容を提供する美容師は美容所が主な職場となるのが特徴であり、理容師と美容師の違いの一つです。

参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理容師」
e-Gov法令検索「理容師法」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「美容師」

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理容師の主な仕事内容

理容師の主な仕事内容は、ヘアカットやシャンプー、顔そり(シェービング)、整髪などの施術を行うことです。場合によっては、毛染め(カラーリング)やパーマを行うこともあります。

また、施術の前には、お客さまの要望や頭髪に関する悩みなどを聞き、アドバイスを行ったり、悩みに合わせたヘアスタイルの提案を行ったりするのも、理容師の仕事の一つです。

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理容師の平均年収

政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」によると、「理容・美容師」の平均給与額は、以下のとおりです。

  • きまって支給する現金給与額:30万600円
  • 年間賞与その他特別給与額:10万9800円

上記の金額から年収換算(きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額)すると、理容・美容師の平均年収は約372万円です。

理容師が働く職場によっては、指名料が手当として、基本給に上乗せされることもあります。そのため、給与を上げたい方は自身のスキルを磨き、資格の取得や役職に就くことなどを目標にするのもおすすめです。

また、理容師の職場には、フリーランス(業務委託)の場合に完全歩合制のもと平均以上の収入を目指せるところもあります。そのため、理容師としての技術を十分に身に付けた後、高収入を目指せる職場を探してみるのも良いでしょう。

ただし、上記の金額は、理容師と美容師の平均となります。理容師のみの場合、平均給与額や平均年収は、上記とは異なる可能性もあるため、あくまで参考程度にご確認ください。

参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」

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理容師免許の取得方法

job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理容師」によると、理容師免許を取得するには、都道府県知事指定の理容師養成施設を卒業し、理容師国家試験に合格することが必要です。理容師国家試験に合格後、理容師免許の申請をすることで、理容師免許証が交付されます。

理容師養成施設での修業年数は、通常課程の場合は2年以上、通信課程の場合は3年以上です。なお、一部の理容師養成施設では、美容師の資格保有者を対象にした修得者課程が設けられています。修得者課程では、履修課程の減免や履修期間の短縮により、理容師資格を取得しやすいのが特徴です。修得者課程の場合、通常課程では1年以上、通信課程では1年6ヶ月以上の修業が必要となります。

参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理容師」

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理容師国家試験の概要

理容師国家試験は、例年1年に2回、春期(1~3月ごろ)と秋期(7~9月ごろ)に実施されています。
公益財団法人理容師美容師試験研修センター「第52回理容師国家試験受験案内」によると、第52回(2025年秋期)の理容師国家試験の概要は、以下のとおりです。

                                                         
試験の種類項目概要
実技試験
試験開始日
2025年8月1日(金)から
試験地
秋田県・栃木県・富山県・長野県・岐阜県・滋賀県・和歌山県・徳島県・香川県・長崎県・大分県・宮崎県・沖縄県を除く各都道府県
試験課目
理容実技(カッティング・シェービング・顔面処置および整髪・衛生上の取扱い)
筆記試験
試験日時
2025年9月7日(日)
試験地
13都道府県(北海道・岩手県・宮城県・東京都・石川県・愛知県・大阪府・岡山県・広島県・愛媛県・福岡県・鹿児島県・沖縄県)
試験課目
- 関係法規・制度および運営管理
- 衛生管理(公衆衛生と環境衛生・感染症・衛生管理技術)
- 保健(人体の構造および機能・皮膚科学)
- 香粧品化学
- 文化論および理容技術理論
合格発表日
2025年9月30日(火)

参考:公益財団法人理容師美容師試験研修センター「第52回理容師国家試験受験案内」

公益財団法人理容師美容師試験研修センター「第52回 理容師国家試験及び美容師国家試験の合格基準」によると、第52回(2025年秋期)の理容師国家試験では、実技試験と筆記試験の合格基準は、以下のようになっていました。

  • 実技試験:衛生上の取扱試験における減点が20点以下である、かつ基礎的技術試験における減点が40点以下であること
  • 筆記試験:55問中60%以上の正答率である、かつ無得点である課目がないこと

第53回理容師国家試験においても、同様の合格基準が設けられる可能性が高いでしょう。

なお、理容師国家試験は、実技試験と筆記試験に分かれており、両方の試験に合格する必要があります。ただし、公益財団法人理容師美容師試験研修センター「受験資格」によると、実技試験または筆記試験のいずれか片方のみに合格した場合は、次回の試験に限り、合格した試験の受験免除を受けることが可能です。そのため、いずれかの試験が不合格であった場合は、次回の試験を受けることで、通常に比べると資格を取得しやすくなるでしょう。

参考:公益財団法人理容師美容師試験研修センター「第52回理容師国家試験受験案内」
公益財団法人理容師美容師試験研修センター「第52回 理容師国家試験及び美容師国家試験の合格基準」
公益財団法人理容師美容師試験研修センター「受験資格」

理容師国家試験の合格率

公益財団法人理容師美容師試験研修センター「過去の試験実施状況」によると、第48回から第51回までの理容師国家試験における合格率の推移は以下のとおりです。

実施回(実施年・時期) 受験者数 合格者数 合格率
第46回(2022年・秋期) 770人 549人 71.3%
第47回(2023年・春期) 1305人 1048人 80.3%
第48回(2023年・秋期) 883人 653人 74.0%
第49回(2024年・春期) 1303人 1067人 81.9%
第50回(2024年・秋期) 837人 593人 70.8%
第51回(2025年・春期) 1399人 1152人 82.3%

参考:公益財団法人理容師美容師試験研修センター「過去の試験実施状況」

春期と秋期のそれぞれ過去3回の結果から見ると、理容師国家試験は、春期の試験では約8割、秋期の試験では約7割が合格率の平均となっています。なお、過去3回ずつの受験者数や合格者数は大きく変動しておらず、試験の難易度は比較的安定しているようです。

参考:公益財団法人理容師美容師試験研修センター「過去の試験実施状況」

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理容師のキャリアパス

ここまで、理容師の仕事や資格の取得方法を見てきました。では、理容師としてのキャリアパスにはどのようなものがあるでしょうか。ここでは、理容師のキャリアパスの例を3つ紹介します。

管理理容師の資格を取得する

理容師は、管理理容師の資格を取得することで、キャリアアップを目指せます。
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理容師」によると、管理理容師とは、理容所を衛生的に管理する管理者のことです。管理理容師の資格は、理容師免許を取得した後、3年以上理容の業務に従事し、所定の講習会の課程を修了すると取得できます。

管理理容師は、理容師法に基づき、常時2人以上理容師がいる理髪店において、配置が義務付けられているのが特徴です。そのため、管理理容師資格を取得していると、転職の際に有利になる可能性が高かったり、役職手当が受給できたりする場合もあります。また、理容師として専門的な知識をもっていることの証明にもなるため、お客さまや従業員からの信頼にもつながるでしょう。

理容師と美容師のダブルライセンスを目指す

理容師のキャリアパスの一つとして、美容師とのダブルライセンスを目指すことも挙げられます。前述のとおり、理容は理容所で、美容は美容所でのみ提供できるのが原則です。ただし、重複開設が出された事業所に限り、理容と美容を同一の事業所で提供できます。

このような事業所では、従業員が理容師資格と美容師資格の両方を取得していることが必要です。つまり、理容師と美容師のダブルライセンスを取得すると、理容と美容を提供する事業所で働くことも可能となり、仕事の幅が広がるでしょう。

理容室を開業する

理容師のなかには、理容室を開業することを目標としている人も多いようです。理容室を開業する場合、自身の理想とするサービスが提供できる店舗を作れたり、ライフスタイルに合わせた働き方ができたりするメリットがあります。ただし、一人で理容室を開業する場合、従業員の管理や店舗経営など、理容以外の業務に対する知識も身に付ける必要があるでしょう。

また、自身で理容室を開業して働く場合、ほかの理容師の技術や接客スキルなどを学ぶ機会がありません。そのため、まずは理容室で働きながら技術を身に付け、理容師としてのスキルを十分に高めてから理容室を開業するのが良いでしょう。

参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理容師」

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理容師とは容姿を整える理容を業とする職種のこと

  • 理容師は原則、理容所のみで理容を提供できる
  • 理容師はヘアカットやシャンプーなどに加え、頭髪の刈込や顔そりなども行う
  • 理容師資格は理容師養成施設を卒業し、理容師国家試験に合格すると取得できる

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