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臨床工学技士になるには?資格取得までの流れや難易度を解説
6 days ago

「臨床工学技士になるにはどうすれば良いかよく分からない」という方もいるでしょう。臨床工学技士になるには、養成機関で指定科目を修了し、国家試験に合格することが必要です。この記事では、臨床工学技士になるまでの流れを紹介します。臨床工学技士国家試験の概要や難易度についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
臨床工学技士になるには
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「臨床工学技士」によると、臨床工学技士になるには、臨床工学技士国家試験を受け、合格することが必要です。なお、臨床工学技士国家試験の受験資格は、高校卒業後、大学や専門学校などで指定科目を修了し、卒業することで得られます。
ここからは、公益社団法人日本臨床工学技士会「技士免許取得の方法」を参考に、臨床工学技士を目指す方法を大学・専門学校・専攻科の3つに分けて見ていきましょう。
大学から臨床工学技士になるには
大学から臨床工学技士になるには、臨床工学科や医用生体工学科がある4年制大学で、指定科目を修了し卒業する必要があります。
大学から臨床工学技士を目指すメリットは、時間をかけてじっくりと、多くの知識や技術を習得できることです。大学は、専門学校に比べると修業年数が長い分、比較的余裕をもって、臨床工学技士に必要な知識を身に付けられます。また、大学によっては、実習などをとおして、より専門的な知識や技術を習得できる機会もあるでしょう。
そのため、幅広い知識を身に付けたうえで臨床工学技士を目指したい方は、大学から臨床工学技士になるのがおすすめです。
専門学校から臨床工学技士になるには
専門学校から臨床工学技士になるには、臨床工学科や臨床工学技士科などがある専門学校で、指定科目を修了することが必要です。臨床工学技士を目指せる専門学校は、3年制のところが一般的で、なかには夜間部を設けている学校もあります。
臨床工学技士の専門学校では、現場で活かせるスキルを短期間で身に付けられるよう、実践的な知識や技術を多く学べるのが特徴です。そのため、4年制大学と比べると、より短期間で臨床工学技士を目指せることが、専門学校から臨床工学技士になるメリットの一つといえます。
また、専門学校の場合、学費が大学より安く設定されていることも多いため、経済的な負担を抑えながら臨床工学技士を目指したい方にもおすすめです。
専攻科から臨床工学技士になるには
臨床工学技士は、大学や専門学校に設置されている専攻科から目指すこともできます。臨床工学技士の専攻科とは、看護師や臨床検査技師などの医療系国家資格の養成所・大学で1~2年以上修業し、指定の科目を履修した方を対象としたコースのことです。
臨床工学技士の専攻科は、医療系国家資格養成所・大学での修業年数や、昼間・夜間のコースなどの違いによって、1年または2年通い、指定科目を修了する必要があります。
臨床工学技士以外の職種とのダブルライセンスの取得を目指している方や、医療系国家資格の職種から臨床工学技士への転職を検討している方などは、専攻科から臨床工学技士になるのもおすすめです。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「臨床工学技士」
公益社団法人日本臨床工学技士会「技士免許取得の方法」
臨床工学技士国家試験の概要
厚生労働省「臨床工学技士国家試験の施行」によると、2025年度に実施される第39回臨床工学技士国家試験の概要は、以下のとおりです。
試験日 | 2026年3月1日(日) |
試験地 | 北海道・東京都・大阪府・福岡県 |
試験科目 | - 医学概論(公衆衛生学・人の構造および機能・病理学概論・関係法規を含む) - 臨床医学総論(臨床生理学・臨床生化学・臨床免疫学・臨床薬理学を含む) - 医用電気電子工学(情報処理工学を含む) - 医用機械工学 - 生体物性材料工学 - 生体機能代行装置学 - 医用治療機器学 - 生体計測装置学 - 医用機器安全管理学 |
合格発表日 | 2026年3月26日(木) |
参考:厚生労働省「臨床工学技士国家試験の施行」
臨床工学技士国家試験は例年、午前(午前9時30分~正午)と午後(午後1時30分~午後4時)の2部構成で実施されています。そのため、第39回臨床工学技士国家試験についても、例年どおりのスケジュールで試験が実施される可能性が高いでしょう。
参考:厚生労働省「臨床工学技士国家試験の施行」
臨床工学技士国家試験の合格率と難易度
厚生労働省「国家試験合格発表」によると、2020年度からの過去5年間における、臨床工学技士国家試験の合格率の推移は、以下のとおりです。
実施回(実施年度) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第34回(2020年度) | 2652人 | 2232人 | 84.2% |
第35回(2021年度) | 2603人 | 2096人 | 80.5% |
第36回(2022年度) | 2706人 | 2311人 | 85.4% |
第37回(2023年度) | 2630人 | 2068人 | 78.6% |
第38回(2024年度) | 2598人 | 2049人 | 78.9% |
参考:厚生労働省「第34回臨床工学技士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第35回臨床工学技士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第36回臨床工学技士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第37回臨床工学技士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第38回臨床工学技士国家試験の合格発表について」
臨床工学技士国家試験の合格率は、2020年度からの5年間では、70%後半から80%後半の間で推移しています。実施回によって合格率に差はあるものの、しっかりと対策を行えば、十分に合格が狙える難易度であるでしょう。
ただし、公益財団法人医療機器センター「臨床工学技士国家試験 出題基準について」によると、2026年3月に実施される第39回臨床工学技士国家試験より、出題基準が変更となるようです。そのため、合格率や試験の難易度が、これまでの試験とは変わる可能性もあるでしょう。
参考:厚生労働省「第34回臨床工学技士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第35回臨床工学技士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第36回臨床工学技士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第37回臨床工学技士国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第38回臨床工学技士国家試験の合格発表について」
公益財団法人医療機器センター「臨床工学技士国家試験 出題基準について」
臨床工学技士に向いている人の特徴
臨床工学技士に向いている人の特徴には、以下のようなものが挙げられます。
- コミュニケーション能力が高い人
- 判断力や責任感がある人
- 注意力があり、慎重に行動できる人
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「臨床工学技士」によると、臨床工学技士は、医師の指示のもと、生命維持管理装置や体外循環装置などの機器を操作したり、機器の保守点検・管理などを行ったりする職種です。日々の業務では、医師や看護師など、ほかの職種と連携をとりながら業務を行う場面も多くあります。そのため、臨床工学技士には、高いコミュニケーション能力や判断力などのスキルが求められるでしょう。
また、臨床工学技士が取り扱う機器は、人工呼吸器や人工心肺のように、患者の命に直接関わるものが多くあります。そのため、細心の注意を払いながら、慎重に機器の管理や操作を行える人が、臨床工学技士に向いているでしょう。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「臨床工学技士」
臨床工学技士になるには国家資格の取得が必要
- 臨床工学技士になるには、大学や専門学校などで指定科目を修了する必要がある
- 臨床工学技士になるには、養成施設の種類や科目の修了状況によって1~4年かかる
- 臨床工学技士になるには、高いコミュニケーション能力や判断力などが必要