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母子生活支援施設とは?入所条件や受けられる支援内容を紹介!
2 days ago

母子生活支援施設がどのような場所か分からない方もいるでしょう。母子生活支援施設とは、親子を分離することなく、母と子を一体的に支援できる児童福祉施設のことです。本記事では、母子生活支援施設に入所する際の条件や受けられる支援内容を解説します。また、母子生活支援施設で働く場合の主な仕事内容や一日の流れについても触れるので、ぜひ参考にしてみてください。
母子生活支援施設とは
こども家庭庁「改正児童福祉法、困難な問題を抱える女性支援新法のもとで、母子生活支援施設が果たす役割と機能、および課題」によると、母子生活支援施設とは唯一親子を分離することなく、母と子を一体的に支援できる児童福祉施設とされています。
母子生活支援施設の主な役割は以下のとおりです。
- 緊急一時保護:DVなどから母子を守るための緊急避難先
- 保育サービス:保育士配置により、母親の就労時間に合わせた柔軟な保育を実施
- 就労支援:資格取得や就職活動の支援を通じて母親の経済的自立を促進
- 地域への子育て支援:学童保育やトワイライトステイ、ショートステイなどを提供
このように、母子生活支援施設は居住支援だけでなく、生活・就労・子育てのあらゆる面で親子に寄り添い、母子世帯の安定した生活基盤づくりを支えています。
参考:こども家庭庁「改正児童福祉法、困難な問題を抱える女性支援新法のもとで、母子生活支援施設が果たす役割と機能、および課題」
母子生活支援施設の入所条件
厚生労働省「母子生活支援施設運営ハンドブック」によると、母子生活支援施設の入所条件は、夫婦が一緒に住めない事情にある女性で養育すべき児童を有している世帯とされています。母子生活支援施設の具体的な利用対象者は以下のとおりです。
- 未婚や離婚などの理由から配偶者がいない
- 夫からDVを受けている
- 児童虐待が起きている
- 夫からの遺棄を受けている
- 夫が行方不明になっている
また、同資料によると、母子生活支援施設を利用する子どもは乳児から18歳に至るまでが対象とされています。ただし、18歳を超えても母子生活支援施設の支援が必要があると認められる場合は、20歳に達するまで利用を延長することが可能です。
母子生活支援施設を利用する母親の年齢は、16歳〜60歳代と年齢幅が大きくなっています。
参考:厚生労働省「母子生活支援施設運営ハンドブック」
母子生活支援施設で受けられる支援
厚生労働省「母子生活支援施設運営ハンドブック」によると、母子生活支援施設では、母親と子どもそれぞれの個別の課題に対して支援を受けられます。
たとえば、母親に対する母子生活支援施設の支援内容は以下のとおりです。
- 母親が安定した家庭生活を営むために必要な支援
- 母親が子どもと適切に関わるための支援
- 母親が安定した対人関係を築くための支援
母と子どもの心・体の健康を維持・向上するためにも、毎日の生活リズムを整えることが重要です。母と子の安定した生活を成り立たせるために、母子生活支援施設では上記のような日常生活に関するさまざまな支援を行っています。
また、子どもに対する母子生活支援施設の支援内容は以下のようになっています。
- 健やかな子どもの育ちを保障するための養育・保育に関する支援
- 子どもが自立に必要な力を身につけるための学習や進路、悩みなどへの相談支援
- 大人との関わり方や子ども同士の付き合いといった人間関係づくりの支援
- 子どもの年齢や発達段階に応じて性に対する知識を得る機会を設け、思いやりの心を育む支援
母子生活支援施設では子どもの発達や生活の状況、子どものニーズなどを把握し、それに基づいた支援を行います。
参考:厚生労働省「母子生活支援施設運営ハンドブック」
母子生活支援施設における主な仕事内容
母子生活支援施設での仕事は、母子家庭の生活を守りながら自立を支援することが中心です。具体的には、就学前の子どもへの保育・学習支援や集団活動のサポートなどです。
また、母子生活支援施設を利用する母親に対しては就労相談や生活相談を行い、地域や関係機関と連携しながら世帯全体の自立を支えます。親子が母子生活支援施設を退所したあとのケアを担う点も特徴です。
なお、こども家庭庁「改正児童福祉法、困難な問題を抱える女性支援新法のもとで、母子生活支援施設が果たす役割と機能、および課題」によると、母子生活支援施設で働く職員は以下のとおりです。
- 施設長:運営管理や支援計画の策定を行う責任者
- 母子支援員:母親と子どもの生活・就労・養育に関する相談支援を実施
- 少年指導員:子どもの生活指導や学習支援を担当し、事務も兼任
- 保育士:就労中の母親に代わり乳幼児の保育を担当
- 調理員:食事提供や施設の衛生管理を担当
- 嘱託医:健康管理や感染症予防を行う医師
- 心理療法担当職員:DV被害や精神的課題を抱える親子への心理的ケアを実施
母子生活支援施設の職員は専門性を活かしながら協働し、親子が安心できる生活環境づくりと将来的な自立をサポートしています。日常生活の支援や就労・進学に向けた支援など幅広く親子と関わるのが特徴です。
参考:こども家庭庁「改正児童福祉法、困難な問題を抱える女性支援新法のもとで、母子生活支援施設が果たす役割と機能、および課題」
母子生活支援施設で働く場合の一日の流れ
母子生活支援施設の職員は、子どもや母親の生活を支えるために朝から夜まで業務に携わります。母子生活支援施設で働く場合、日中は親子の生活支援や相談業務、夕方以降は子どもの見守りや母親へのフォロー、夜間は安全確認を行うとともに緊急対応に備えます。
母子生活支援施設で働く場合の一日の流れの例は以下のとおりです。
午前7時 | - 朝番の職員の出勤 - 朝食のサポート - 子どもの登園・登校の見送り |
午前9時 | - 日勤職員の出勤 - 清掃や洗濯などの生活支援 |
午前10時 | - 保育活動 - 散歩 - 遊び |
正午 | - 遅番の職員の出勤 - お昼休憩 |
午後1時 | - 母親への相談援助 - 母親への就労支援 |
午後3時 | - 子どもの帰宅対応 - おやつ - 宿題の見守り - 宿直職員の出勤 |
午後6時 | - 母親の帰宅後の支援 - 悩み相談 - 夕食 |
午後8時 | - 入居世帯と職員によるミーティング(意見の出し合いやルールの確認など) |
午後10時 | - 消灯 - 宿直職員による巡回 - 夜間の安全確認 |
上記のように、母子生活支援施設では子どもや母親の生活リズムに合わせて支援が組まれています。職員は親子の生活面のサポートに加えて、就労・進学など将来の自立に向けた支援も担います。昼間に働く職員と宿直の職員で連携をとりながら、切れ目のない親子の支援を実現しているのが特徴です。
母子生活支援施設とは母と子を一体的に支援できる施設
- 母子生活支援施設とは、親子を分離することなく一体的に支援できる児童福祉施設
- 母子生活支援施設の入所条件は、夫婦が一緒に住めず養育すべき児童がいる世帯
- 母子生活支援施設での仕事は、母と子の生活を守りながら自立を支援することが中心