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准看護師とは?正看護師との違いや資格取得方法を紹介
20 hours ago

「准看護師とはどのような職種かよく分からない」という方もいるでしょう。准看護師とは、医師や看護師の指示のもと、看護ケアを行う職種のことです。この記事では、准看護師の仕事内容や主な職場、平均年収について紹介します。准看護師と正看護師の違いや、准看護師の資格を取得する方法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
准看護師とは
e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法 第6条」によると、准看護師とは、医師や歯科医師、看護師の指示を受けて、傷病者や褥婦に対する療養上の世話・診療の補助を行う職種のことです。准看護師は、保健師・助産師・看護師とともに、「看護職」と総称されることもあります。
准看護師と正看護師の違い
准看護師と正看護師(看護師)の違いの一つは、免許の交付元です。
e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法 第5条」によると、正看護師の免許は、国家試験に合格することで得られ、厚生労働大臣より交付されます。一方で、准看護師の場合、都道府県知事より免許を受けるのが特徴です。
また、正看護師と准看護師は、業務を行ううえでの指示の必要性の有無も異なります。正看護師の場合、自己判断で看護業務を行うことが可能です。一方、准看護師の場合、看護業務を行うには、医師や正看護師などによる指示が必要となります。
参考:e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」
准看護師の仕事内容
准看護師の主な仕事内容は、患者への看護ケアや医師の診療の補助などです。医療機関では、バイタルチェックや点滴、採血、カルテの記入などが、日々の主な業務となるでしょう。介護施設で働く准看護師の場合、介護職員とともに介護業務に携わることもあります。
准看護師の基本的な仕事内容は、正看護師と大きく変わることはありません。ただし、前述のとおり、医師や正看護師の指示を受け、指示どおりに業務を遂行するのが准看護師の役割となります。
准看護師ができないこと
准看護師ができないことには、以下のような業務が挙げられます。
- 自己判断での看護業務
- 看護計画の立案や評価
- 看護管理やリーダー業務
- 新人看護師を含む、ほかの看護師への指示
公益社団法人日本看護協会「2021年度改訂版 看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド」によると、上記に加え、「訪問看護におけるオンコール対応」や「新人看護師の実地指導」などの業務についても、正看護師が行うべき業務であると整理されています。
准看護師の場合は、業務を行ううえで医師や看護師の指示を必要とすることから、ほかの看護師への指示や看護師をまとめるリーダー業務などは原則行えないものとされています。そのため、准看護師は、管理職へ昇進することも基本的には難しいと考えられるでしょう。
参考:公益社団法人日本看護協会「看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド」
准看護師の主な勤務先
厚生労働省「結果の概要」によると、2024年末時点で、勤務している実人員数が多い准看護師の勤務先とその割合は、以下のとおりです。
- 診療所(32.8%)
- 病院(32.7%)
- 介護保険施設など(25.4%)
- 社会福祉施設(4.6%)
- 訪問看護ステーション(2.7%)
一方、同調査によると、看護師の実人員数が多い勤務先とその割合は、以下のとおりとなっています。
- 病院(65.7%)
- 診療所(14.3%)
- 介護保険施設など(7.9%)
- 訪問看護ステーション:(6.7%)
- 社会福祉施設:(2.1%)
准看護師は、正看護師と同様に、病院や診療所が主な勤務先となっています。一方で、准看護師は正看護師と比べると、介護保険施設や社会福祉施設で働く割合が高いのが特徴です。
参考:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
准看護師の平均年収
政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」によると、准看護師の平均給与額は、以下のとおりです。
- きまって支給する現金給与額:29万4300円
- 年間賞与その他特別給与額:64万100円
上記の金額から年収換算(きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額)すると、准看護師の平均年収は417万1700円となります。
また、同資料によると、看護師の場合、きまって支給する現金給与額は36万3500円、年間賞与その他特別給与額は83万5000円です。よって、同様に年収換算すると、看護師の平均年収は519万7000円となります。
平均年収でみると、准看護師と正看護師は100万円近く差があるようです。このことには、准看護師と正看護師の責任範囲の違いや、准看護師は管理職に就きにくいことなども影響しているでしょう。
参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
准看護師になるには?資格の取得方法
一般社団法人日本准看護師連絡協議会「これから准看護師を目指す人」によると、准看護師資格の取得までの流れは、以下のとおりです。
- 中学校または高校卒業後、准看護師学校養成所に入学する
- 准看護師学校養成所で、2年間の教育課程を修了する
- 都道府県ごとに実施される准看護師試験を受験し、合格する
- 准看護師試験合格後、免許の申請手続きを行う
准看護師学校養成所は、受験資格が中学校卒業とされているのが特徴です。よって、准看護師は中学校卒業後、最短2年で資格を取得できます。
准看護師試験の概要
准看護師試験は年に1回(例年2月ごろ)、都道府県ごとに実施されます。
関西広域連合「令和6年度 准看護師試験受験案内」によると、2025年2月に関西広域連合によって実施された准看護師試験の概要は、以下のとおりです。
- 試験日:2025年2月2日(日)
- 試験時間:2時間30分(午後1時30分~午後4時まで)
- 出題数:計150問
- 出題形式:四肢択一のマークシート方式
- 試験科目:全11科目(人体の仕組みと働き・栄養・薬理・疾病の成り立ち・保健医療福祉の仕組み・看護と法律・基礎看護・成人看護・老年看護・母子看護・精神看護)
試験内容は、都道府県によって異なりますが、試験時間や出題数、試験科目などは全国で共通となります。なお、試験日は、実施する都道府県によって異なる場合があるため、自身が受験する都道府県のWebサイトなどで確認しておくと良いでしょう。
一般社団法人日本准看護師連絡協議会「これから准看護師を目指す人」によると、准看護師試験の合格率は全国平均で97~98%と、非常に高いのが特徴です。また、准看護師学校養成所のなかには、働きながら通える半日制の学校もあります。
そのため、准看護師は、現在ほかの仕事に就いている方にとっても、比較的目指しやすい職種の一つといえるでしょう。
参考:一般社団法人日本准看護師連絡協議会「これから准看護師を目指す人」
関西広域連合「【令和6年度】准看護師試験のご案内」
准看護師は医師や看護師の指示のもと看護ケアを行う
- 准看護師が看護業務を行ううえでは、医師や看護師の指示が必須
- 准看護師は主に医療機関や介護施設、社会福祉施設などで働く
- 准看護師資格を取得するには、都道府県ごとに実施される准看護師試験への合格が必要
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