職種・資格情報

生活支援コーディネーターとは?役割や資格要件を紹介

10 days ago

「生活支援コーディネーターとは、どのような仕事かよく分からない」という方もいるでしょう。生活支援コーディネーターとは、地域の生活支援体制を整備することを目的とし、サービス利用のコーディネートや資源開発などを行う仕事です。この記事では、生活支援コーディネーターの役割や主な職場を紹介します。生活支援コーディネーターになる方法や向いている人の特徴についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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生活支援コーディネーターとは

厚生労働省「研修映写用資料」によると、生活支援コーディネーターとは、高齢者の生活支援・介護予防の基盤整備を推進していくことを目的とし、生活支援・介護予防サービスの提供体制の構築に向けたコーディネート機能を果たす人のことです。「地域支え合い推進員」や、生活支援コーディネーターを略して「SC」と呼ばれることもあります。

厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方」によると、単身世帯のように生活支援を必要とする高齢者の増加に伴い、生活支援の必要性が高まっていることを受けて始まったのが「介護予防・日常生活支援総合事業」です。
生活支援コーディネーターは、その事業の一環として各地域に配置され、地域の生活支援・介護予防サービスの体制整備やコーディネートを行う役割を担っています。

参考:厚生労働省「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)に係る中央研修テキスト」
厚生労働省「総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)」

生活支援コーディネーターと生活支援員の違い

生活支援コーディネーターと混同されやすい職種の一つが「生活支援員」です。この2つの職種は「生活支援」という言葉が共通していますが、支援の対象や内容が異なります。

job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「障害者福祉施設指導専門員(生活支援員、就労支援員等)」によると、生活支援員とは、身体や精神に障がいがある方に対して、日常生活の相談や指導を行う専門員のことです。
一方で、生活支援コーディネーターは、生活支援が必要な地域の高齢者を主な対象として、生活支援を行います。

また、生活支援員は、障がいのある方が自立した生活を送れるよう、個別の生活支援を行うのが特徴です。一方、生活支援コーディネーターの場合、地域の支え合い体制の構築や高齢者と地域団体を結ぶ役割を担っており、生活支援員とは支援の内容や目的が異なります。

参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「障害者福祉施設指導専門員(生活支援員、就労支援員等)」

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生活支援コーディネーターの役割

生活支援コーディネーターは、活動圏域が第1層・第2層・第3層の3つに分けられており、配置される層によって、役割が異なるのが特徴です。ここでは、厚生労働省「研修映写用資料」を参考に、それぞれの層における生活支援コーディネーターの役割を紹介します。

第1層

第1層の生活支援コーディネーターは、市町村区域が主な活動圏域となります。そのため、第1層では、市町村全域への生活支援サービスの開発や普及、基盤整備を推進するのが、生活支援コーディネーターの役割です。
第1層の生活支援コーディネーターの具体的な仕事内容には、以下のようなものがあります。

  • 市町村全域でのサービス開発
  • 住民によるサービス提供主体への活動支援
  • 行政からの情報提供や意見交換の促進

第1層の生活支援コーディネーターの活動の目的の一つは、市町村全域で生活支援サービスが利用できるように体制を整備することです。そのため、第1層の生活支援コーディネーターは、地域のサービス支援団体の立ち上げ支援を行ったり、すでに活動を行っている組織と協働して、ボランティアの呼びかけやサービスの案内などの広報支援を行ったりします。

また、行政の情報をコーディネーターやサービス提供者に提供し、意見交換の場を設けることも、第1層の生活支援コーディネーターの役割です。

第2層

第2層の生活支援コーディネーターは、日常生活圏域(中学校区域など)を対象に活動を行います。第2層の生活支援コーディネーターの主な活動内容は、以下のとおりです。

  • 生活支援サービスについてのニーズ把握
  • 圏域の活動団体・社会資源の把握
  • 圏域に必要なサービスや活動(社会参加・活動の場・居場所など)の開発
  • 地域への情報提供と利用者のサービスへの結び付け
  • サービス提供主体・地域の諸団体、居宅介護支援・介護サービス事業所間の日常的な連携・協働の促進

第2層の生活支援コーディネーターは、第1層の活動区域と比べると、より狭い区域で活動を行うのが特徴です。
そのため、第2層の生活支援コーディネーターは、地域包括支援センターと情報を共有したり、地域住民との日常的な意見交換を行ったりと、個別の事象や個人の意見にも目を向けながら、活動を行います。

また、活動圏域にあるサービス提供事業所や団体がそれぞれの役割について共通認識をもち、連携を強められるよう働きかけるのも、第2層生活支援コーディネーターの役割の一つです。

第3層

生活支援の体制整備の要素が強い第1層と第2層に対して、第3層ではコーディネート機能の要素がより強い活動を行うのが特徴です。第3層の生活支援コーディネーターは、主に以下のような活動を行います。

  • 支援を必要とする人のアセスメントと生活プランづくりのお手伝い
  • サービスの担い手の支援
  • サービス提供時の関係機関との調整

第3層の生活支援コーディネーターは、利用者とサービス提供者をマッチングする役割を担います。そのため、利用者とともに生活支援プランを考えたり、サービス提供者の支援として技能習得のための研修を行ったりするのが、第3層での生活支援コーディネーターの主な仕事内容です。

また、第3層の生活支援コーディネーターは、利用者やサービス提供者、専門職など、それぞれの立場での声を聞き、関係機関同士がうまく連携をとれるような体制づくりや調整も行います。

参考:厚生労働省「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)に係る中央研修テキスト」

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生活支援コーディネーターの主な職場

生活支援コーディネーターの主な職場は、社会福祉協議会や地域包括支援センターなどです。自治体によっては、社会福祉法人や特定非営利活動法人(NPO)などの法人格を有する団体や、市役所の福祉を扱う部署などに所属して、生活支援コーディネーターとして働く方もいるでしょう。

厚生労働省「平成26年度生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)に係る中央研修」によると、生活支援コーディネーターの配置に関する具体的な決まりはなく、配置先や人数などは、地域の実情に応じた配置が可能とされています。
そのため、生活支援コーディネーターの職場や働き方は、自治体によって異なる場合もあるでしょう。

参考:厚生労働省「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)に係る中央研修テキスト」

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生活支援コーディネーターになるには?

生活支援コーディネーターになるのに、原則として特別な資格は必要ありません。
厚生労働省「研修映写用資料」によると、生活支援コーディネーターの資格・要件は、以下のとおりとなっています。

  • 地域における助け合いや生活支援・介護予防サービスの提供実績のある方
  • 中間支援を行う団体などであって、地域でコーディネート機能を適切に担える方

生活支援コーディネーターとして働くうえでは、生活支援に対する知識や実務経験などが求められる場合があります。
ただし、自治体によっては、生活支援コーディネーターを対象とした研修が実施されることもあるようです。そのため、生活支援コーディネーターになった後に、必要なスキルを身に付けたり、知識を深めたりすることも可能でしょう。

参考:厚生労働省「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)に係る中央研修テキスト」

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生活支援コーディネーターに向いている人

生活支援コーディネーターに向いている人の特徴は、以下のとおりです。

  • コミュニケーション能力が高い人
  • 多角的に物事を捉えられる人
  • 人をサポートすることが好きな人

生活支援コーディネーターは、地域の高齢者やサービス提供者、行政の担当者など、多くの人と連携をとりながら活動を行う職種です。そのため、高い傾聴力や情報を的確に伝える力、現状を正しく把握する力などのコミュニケーション能力が備わった人は、生活支援コーディネーターに向いています。

また、誰かをサポートすることが好きであったり、やりがいを感じたりする人も、地域住民に寄り添った支援を行う生活支援コーディネーターに向いているでしょう。

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生活支援コーディネーターは生活支援体制の整備を行う

  • 生活支援コーディネーターは、生活支援・介護予防サービスの基盤整備や調整を行う
  • 生活支援コーディネーターは、主に社会福祉協議会や地域包括支援センターなどで働く
  • 生活支援コーディネーターに向いている人は、コミュニケーション能力が高い人

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