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学童保育で働くには資格が必要?向いている人の特徴を解説!
3 days ago

「学童保育で働くには資格が必要?」と気になる方もいるでしょう。学童で学童保育指導員として働く場合は、特に資格は必要ありません。ただし、「放課後児童支援員」の資格があると役立ちます。この記事では、学童保育で働く場合に活かせる資格や向いている人の特徴、一日のスケジュール例を紹介します。学童保育で働く場合のキャリアパスについてもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
学童保育指導員として働く場合は資格が必要?
学童保育指導員として働く場合、資格をもっていなくても働くことは可能です。ただし、「放課後児童支援員」の資格をもっている場合は採用時や待遇面で優遇される傾向があります。
厚生労働省「『放課後児童健全育成事業』の実施について」によると、放課後児童クラブにおける放課後児童支援員の人員配置基準は、児童40人に対して2人以上です。
放課後児童支援員2人のうち1人は、放課後児童支援員が行う支援を補助する「補助員」に代えられます。
児童福祉や教育分野の経験・資格があると、採用や待遇面において有利になると考えられます。そのため、「現在よりも待遇面を良くしたい」「収入アップやキャリアアップを目指したい」といった場合は、放課後児童支援員の資格取得を視野に入れると良いでしょう。
参考:厚生労働省「『放課後児童健全育成事業』の実施について」
放課後児童支援員の資格を取る方法
内閣府「放課後児童支援員研修の受講要件の緩和」によると、放課後児童支援員の資格を取るには、受講要件を満たし、都道府県知事が実施する研修を修了しなければなりません。
学童における実務経験がない場合の放課後児童支援員認定資格研修の受講要件は、以下のいずれかを満たすことです。
- 保育士や社会福祉士、幼稚園等の教諭の有資格者
- 大学等での社会福祉学等の修了者
また、学童における実務経験がある場合の放課後児童支援員認定資格研修の受講要件は、以下のようになっています。
- 高卒者であって、2年以上児童福祉事業に従事したもの
- 高卒者であり、かつ、2年以上児童福祉事業に類する事業に従事したものであって、市長が適当と認めたもの(2000時間以上の勤務経験が目安)
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「学童保育指導員」によると、放課後児童支援員認定資格研修の要件を満たしている場合、都道府県が実施する16科目24時間の研修を受講し、修了することで資格を取得することが可能です。
参考:内閣府「放課後児童支援員研修の受講要件の緩和」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「学童保育指導員」
放課後児童支援員認定資格研修のカリキュラム
こども家庭庁「放課後児童支援員認定資格研修・映像補助教材」によると、放課後児童支援員認定資格研修のカリキュラム内容は以下のようになっています。
- 科目1:放課後児童健全育成事業の目的及び制度内容
- 科目2:放課後児童健全育成事業の一般原則と権利擁護
- 科目3:子ども家庭福祉施策と放課後児童クラブ
- 科目4:子どもの発達理解
- 科目5:児童期(6歳から12歳)の生活と発達
- 科目6:障害のある子どもの理解
- 科目7:特に配慮を必要とする子どもの理解
- 科目8:放課後児童クラブに通う子どもの育成支援
- 科目9:子どもの遊びの理解と支援
- 科目10:障害のある子どもの育成支援
- 科目11:保護者との連携・協力と相談支援
- 科目12:学校・地域との連携
- 科目13:子どもの生活面における対応
- 科目14:安全対策・緊急時対応
- 科目15:放課後児童支援員の仕事内容
- 科目16:放課後児童クラブの運営管理と運営主体の法令の遵守
なお、保有する資格によっては、放課後児童支援員認定資格研修のうち一部の科目が免除となる場合もあります。
学童保育指導員と放課後児童支援員の主な違い
学童保育指導員と放課後児童支援員の主な違いは、資格の有無です。放課後児童支援員認定資格研修を修了することで、放課後児童支援員として働けます。
また、厚生労働省「放課後児童支援員の役割及び職務と補助員との関係」によると、役割や職務内容も少し異なります。学童保育指導員(補助員)は放課後児童支援員の補助を行うのに対し、放課後児童支援員は学童保育指導員(補助員)に対して指導や助言を行う役割があります。
なお、同資料の「放課後児童支援員と補助員の役割及び職務のイメージ」において、子どもの出席確認や遊びを通じた自主性・社会性・創造性を培う援助などは両職種に共通する職務・役割です。ただし、下記は放課後児童支援員の役割・職務として記載されています。
- 保護者・家庭との日常的な連絡、情報交換および家庭生活の支援
- 地域の関係機関・団体との連絡、調整
- 放課後児童クラブ以外の子どもや地域住民との交流
- 子どもの状況に関する学校との情報交換、連絡、調整
- 会議・打ち合わせなどによる支援内容の検討、情報共有
放課後児童クラブで働く職員はもともと、「学童指導員」とされてきましたが、2015年度から「放課後児童支援員」という資格が新たに設けられたことで、有資格者と無資格者(補助員)で区別されるようになりました。
参考:厚生労働省「放課後児童支援員の役割及び職務と補助員との関係」
学童保育指導員に向いている人の特徴
ここまで、学童保育指導員として働く場合に必要な資格や放課後児童支援員の資格を取る方法について見てきました。ここからは、学童保育指導員に向いている人の特徴を3つ紹介します。
コミュニケーション能力がある
学童保育指導員に向いている人は、コミュニケーション能力があり、相手に合わせた伝え方ができる人です。学童保育指導員は、子どもだけでなく、保護者や学校の先生と話す場面もあります。
特に子ども同士のケンカや事故などの問題が発生したときには、経緯や再発防止策について保護者へ説明し、理解してもらわなければなりません。相手によって求められる説明や言葉の選び方は異なるため、状況に応じて柔軟に対応できるコミュニケーション能力が大切です。
相手の気持ちに配慮した伝え方ができれば誤解や不信感を招きにくく、子どもや保護者、学校の先生などと円滑な関係を築けるでしょう。
子どもが好き
子どもが好きで愛情を注いだり、寄り添ったりできる場合、学童保育指導員に向いている可能性があります。学童保育指導員は日常的に子どもと関わる時間が多く、子どもに愛情をもって接する姿勢が大切です。
子どもの「やりたい」という気持ちを尊重しながら、一緒に遊んだり寄り添ったりできる人は、子どもにとって安心できる存在になれるでしょう。「子どもが好き」という気持ちだけで務まる仕事ではありませんが、そもそも子どもに興味や愛情がないと、関わること自体に負担を感じてしまう可能性があります。子どもと関わることを前向きに楽しめる人は、学童保育指導員に向いているでしょう。
子どもの遊びに付き合う体力がある
子どもの遊びに付き合う体力があることも、学童保育指導員に向いている人の特徴の一つです。学童保育指導員は、遊びをとおして子どもの成長を支える役割を担うため、子どもの遊びに向き合い、長時間一緒に楽しめる体力が必要といえます。
特に、子どもはエネルギーにあふれているため、何人もの子どもと関わりながら遊ぶには相当の体力が求められるでしょう。さらに、夏休みや冬休みには朝から長時間預かるケースもあり、猛暑や寒さのなかで活動を行う場面も想定されます。学童保育指導員として働くには、子どもの笑顔を守りながら安全に遊ばせるためにも、体力面の準備が欠かせません。
学童保育指導員の主な仕事内容
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「学童保育指導員」によると、学童保育指導員の主な仕事内容は、日中、保護者が就労などによって家庭にいない小学生を対象に遊びや生活の場を提供し、子どもに適切な援助を行うこととなっています。
学童保育指導員の具体的な仕事内容は、以下のとおりです。
- 子どもが自ら進んで通い続けられるよう出欠席と心身の状態を把握する
- 子どもが学童保育施設で主体的に過ごし、日常生活で必要な生活習慣を習得させる
- 発達段階に応じた遊びや生活、自分の気持ちや意見を表現できるように適切な援助を行う
- 栄養面や活力面から必要とされるおやつを提供する
- 子どもが安全に安心して過ごせる環境を整備する
- 緊急時に子ども自らが適切な対応ができるような援助を行う
- 子どもの様子を日常的に保護者に伝え、家庭と連携する
- 学校や地域関係者との連携を行う
学童保育指導員は、放課後や土曜日、春・夏・冬休みなどに学校の余裕教室・児童館・公民館などに設置された学童保育施設や放課後児童クラブで子どもを見守ります。
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「学童保育指導員」
学童保育指導員の一日のスケジュール例
ここまで、学童保育指導員として働く場合は資格が必要なのか、放課後児童支援員の資格を取る方法、向いている人の特徴について見てきました。では、学童保育指導員の一日のスケジュール例はどのようなものでしょうか。
以下は、学校の授業がある日の学童保育指導員の一日のスケジュール例です。
午前9時 | - 施設の安全点検や清掃をする - 受け入れ態勢など環境の整備をする - おやつの準備をする - 保育日誌・業務日誌・出勤簿を記入する |
午後1時 | - 授業が終わった子どもを順次出迎える - 子どもの宿題を見る |
午後3時 | - おやつの準備をする |
午後3時30分 | - 子どもと遊ぶ |
午後4時 | - 保護者が迎えに来た児童を順次見送る - 保護者に一日の子どもの様子を伝える |
午後6時 | - 閉所準備をする - 退勤する |
学童保育指導員は学校の授業時間に合わせた勤務が中心で、子どもが学校にいる時間帯に施設の整備や事務作業を行い、放課後に子どもたちを迎えることになります。学校が休みの日は朝から子どもを受け入れるため、一日をとおして活動の見守りや外遊びなどに対応することになるでしょう。
学童で働く場合のキャリアパス
学童で働く場合のキャリアパスとして、放課後児童支援員や放課後児童育成支援師、放課後児童専門育成支援師、放課後児童高度育成支援師などの資格を取得してより専門性を高めることが挙げられます。
また、公営の学童から民間の学童に転職したり勤務する地域を変えたりすることで、待遇や働き方の改善を目指すのも学童で働く場合のキャリアパスの一つです。
さらに、学童で経験を積み、リーダーや施設長といった役職に就くことで収入アップも図れます。将来的には新規施設の立ち上げも目指せるでしょう。
学童保育指導員は、資格がなくても働くことは可能
- 学童保育指導員に必須の資格はないが、放課後児童支援員の資格があると役立つ
- 放課後児童支援員の資格を取るには受講要件を満たし、研修を修了しなければならない
- 学童保育指導員の主な仕事内容は、子どもに遊びや生活の場を提供して援助を行うこと