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LIFE(科学的介護情報システム)とは?詳細やメリットを解説

「LIFE(科学的介護情報システム)について知りたい」という方もいるでしょう。LIFEとは、データを使用した介護ケアの見直しを支援することを目的とし、介護報酬改定に伴って導入されたシステムのことです。この記事では、LIFEの使用方法や導入の目的、メリットを紹介します。また、2024年度の介護報酬改定におけるLIFEの変更点や加算についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

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LIFE(科学的介護情報システム)とは?

厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE) 第1回説明会 説明I 科学的介護およびLIFEについて」によると、LIFE(科学的介護情報システム)とは、データを使用した介護ケアの見直し支援を目的とするシステムのことです。

LIFE(科学的介護情報システム)は、介護施設・事業所のケアプランや介護計画、日々のアセスメント結果といった、介護ケアに関わるデータを収集・分析する際に役立ちます。介護施設・事業所が日々の取り組みの効果や課題を把握することで、介護ケアの継続的な見直しにつなげることが可能です。

LIFEでは、介護施設・事業所における利用者の状態や、ケアの計画・内容などの情報を集め、全国のデータに基づいてフィードバックを行います。なお、2025年現在、LIFEの導入は強制ではなく、厚生労働省により各事業所への導入が推奨されている段階です。

厚生労働省「LIFE(科学的介護情報システム)」によると、LIFE(科学的介護情報システム)が始まる以前は、2017年度から通所・訪問リハビリテーション事業所を対象に「VISIT」が運用され、リハビリテーションに関する情報収集が行われていました。また、2020年度には、高齢者の状態やケア内容の情報を収集する取り組みとして「CHASE」の運用が開始され、2021年度にVISITとCHASEを統合するかたちで誕生したのがLIFEです。

LIFEの誕生により全国で同じ評価項目を用いることで、施設や事業所間での情報共有がスムーズになり、共通の視点でケアの見直しや計画策定を進めやすくなりました。

参考:厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」
厚生労働省「LIFE(科学的介護情報システム)」

科学的介護とは

科学的介護とは、根拠に基づいて介護を行うという考え方のことです。根拠とは、介護の効果や方法の裏付けとなる情報のことを指します。

医療分野では、EBM(Evidence-Based Medicine)という科学的根拠に基づいた医療提供が行われており、文献などの情報をもとに、患者個々の事情を考慮して医療が実施されます。介護分野においても、利用者の状態に応じた科学的な介護支援が重要であると考えられたため、EBMの考え方を用いて科学的介護が実施されているのです。

科学的介護の実践は、以下の3つのサイクルで成り立つとされています。

  • 科学的根拠に基づいた介護の実践を行うこと
  • 現場で収集したデータを蓄積して分析すること
  • 分析結果を現場にフィードバックして改善を図ること

介護分野では、医学のように研究や論文などではなく、実際の利用者データを活用するのが特徴です。実際の利用者の情報を活用することで、介護サービスの質の向上や利用者の重症化防止につながると考えられています。

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LIFE(科学的介護情報システム)を導入する目的

厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE) 第1回説明会 説明I 科学的介護およびLIFEについて」によると、介護業界でLIFE(科学的介護情報システム)を導入する目的は、介護ケアの質を向上させるために「PDCAサイクル」を実践することです。

「PDCAサイクル」とは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の4段階を繰り返しながら業務改善を図る手法とされています。
介護施設や事業所はPDCAサイクルを実践するなかで、利用者の状態を評価・記録し、LIFEへ提出することで、データに基づいたフィードバックを受けることが可能です。

介護施設や事業所は、ケアプランや介護計画などと合わせて提供されたフィードバックをもとに、これまでの介護ケアを振り返ります。ケアの見直しを行うことで、より良いサービスの提供へとつなげられるでしょう。

PDCAサイクルを介護の場面で活用するにあたっては、以下のような具体的な取り組みが挙げられます。

  • Plan(計画):目標の設定と計画の作成
  • Do(実行):計画などに基づいたケアの実施
  • Check(評価):利用者および施設・事業所の現状や取り組みによる変化を確認
  • Action(改善):フィードバックと計画書などの情報から取り組みの評価や見直しを実施

LIFE(科学的介護情報システム)の活用は介護の記録や集計だけでなく、エビデンスに基づく継続的な介護ケアの向上を支える手段になるといえるでしょう。

参考:厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」

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LIFE(科学的介護情報システム)の使用方法

介護施設や介護事業所がLIFE(科学的介護情報システム)を利用するには、Webサイト上で新規登録やログイン設定を済ませなければなりません。厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE) 第1回説明会 説明II LIFEの導入・操作方法について」によると、LIFE(科学的介護情報システム)を新規で使用する場合は、LIFEのWebサイトでアカウントの新規登録を行い、システムの起動アイコンをダウンロードする必要があります。以下では、LIFEにおける介護サービス利用者情報の登録についてとフィードバックの活用方法についてみていきましょう。

参考:厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」

介護サービス利用者情報の登録

厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE) 第1回説明会 説明II LIFEの導入・操作方法について」によると、LIFE(科学的介護情報システム)に介護サービス利用者情報を登録するには、入力フォームからか、CSV取り込みの2つの方法があります。

介護記録ソフトで出力したCSVファイルをLIFEに取り込む方法の場合、CSV形式で出力された情報をそのまま反映できるため、入力の手間を減らせるでしょう。
ただし、CSVファイルの取り込みを行うには、介護施設や事業所が使用している介護ソフトが、LIFE(科学的介護情報システム)の形式に対応していなければなりません。

あらかじめ介護施設や事業所が使用する介護ソフトの仕様を調べて、CSVファイルの取り込みに対応しているかを確認しておきましょう。

参考:厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」

フィードバックの活用

厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE) 第2回説明会 説明I 令和6年度版フィードバックについて」によると、LIFE(科学的介護情報システム)は介護施設や事業所がこれまでの取り組みを振り返り、ケアの見直しを行うことで、より良いサービスの提供につなげるための材料とされています。

同資料によると、LIFEで提供されるフィードバックは、同一サービスを行う他事業所と自事業所を比較できる「事業所フィードバック」と、各利用者の最新の状態と過去の状態から変化の傾向を確認できる「利用者フィードバック」の2種類です。

LIFE(科学的介護情報システム)では、利用者別のBMIを時系列に確認できたり、事業所のADL平均値が都道府県内の事業所と比較してどの位置かを確認できたりします。ヒストグラムやレーダーチャート、箱ひげ図などさまざまな形式のグラフでフィードバックを見ることもできるため、データを分析し、介護ケア内容の改善やケアプランの見直しに活用できます。

参考:厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」

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LIFE(科学的介護情報システム)を導入するメリット

ここまで、LIFE(科学的介護情報システム)を導入する目的や使用方法を見てきました。では、 LIFE(科学的介護情報システム)を導入することで、事業所にはどのようなメリットが得られるのでしょうか。

介護報酬上で加算を取得できる

介護事業所がLIFE(科学的介護情報システム)を導入するメリットは、介護報酬で取得できる加算が増えるため、事業所の収入増加とともに介護の質向上を目指せることです。介護報酬では、LIFE(科学的介護情報システム)を活用した取り組みを条件とする加算が存在しており、その代表的なものが「科学的介護推進体制加算」となります。

科学的介護推進体制加算は、LIFE(科学的介護情報システム)に情報を提出し、フィードバックを受け取ることで、すべての利用者に対して一律で算定可能です。対象者を個別に選定する必要がないため、施設全体において安定した収益確保が期待できるでしょう。

全国の介護施設や事業所と共通の認識をもてる

厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE) 第1回説明会 説明I 科学的介護およびLIFEについて」によると、LIFE(科学的介護情報システム)を活用することにより、全国の介護施設や事業所と共通の認識をもてることがメリットの一つです。
LIFE(科学的介護情報システム)では、全国の介護施設や事業所において項目が統一されているため、ほかの事業所と情報共有をする際にも共通の認識で行えます。

また、LIFE(科学的介護情報システム)を活用することで介護職員は事業所内だけでなく、ほかの事業所の状況にも目を向けられるため、より高い目標をもって介護ケアに取り組みやすくなります。

参考:厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」

利用者の状態や日々のケアの見える化につながる

厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE) 第1回説明会 説明I 科学的介護およびLIFEについて」によると、利用者の状態や日々のケアの「見える化」につながることも、LIFE(科学的介護情報システム)を活用するメリットの一つです。LIFE(科学的介護情報システム)のフィードバックでは、利用者の状態が以前とどのように変化したのか、全国の同じような利用者と比較してどのような状態であるかなどを「見える化」できます。

介護分野では変化が数値などで明確に評価できないことも多いため、変化や差が見られた項目を見て、ケアプランやケアの内容を見直すことで、より良い介護ケアへつなげられるでしょう。

参考:厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」

利用者やケアのあり方について多角的に理解できる

厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE) 第1回説明会 説明I 科学的介護およびLIFEについて」によると、LIFE(科学的介護情報システム)を活用することで、職種や職員が連携した取り組みにつながることもメリットといえます。

利用者の自立支援・重度化防止に向けた取り組みのためには、介護職員や生活支援員、ケアマネジャーといった各専門職といったさまざまな職種の視点で情報を共有することが必要です。同じデータを見ながら異なる職種が議論することで、利用者やケアのあり方についてより多角的に理解することにつながるでしょう。また、職員が自身のケアについて客観的に振り返る際にも役立てられます。

参考:厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」

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2024年度介護報酬改定によるLIFEの変更点

2024年度の介護報酬改定に伴い、LIFEの仕様が見直されました。2024年度以前のLIFEでは、フィードバックの分かりにくさやデータ提出の煩雑さが課題でしたが、2024年度介護報酬改定によって、より現場で活用しやすい仕組みへと改善されています。

フィードバックの見直し

2024年度以前のLIFE(科学的介護情報システム)では、フィードバック票のデータが粗く、「どのように計画書へ反映するのか分かりにくい」「活用しにくい」といった課題がありました。そのため、厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE) 第2回説明会 説明I令和6年度版フィードバックについて」によると、2024年度介護報酬改定では、介護現場でより役立つフィードバックを提供できるよう、次のような改善が行われています。

  • フィードバック提供方法をExcel形式からブラウザ上で閲覧する方法に変更
  • 都道府県、要介護度等による全国値の絞り込み機能の追加
  • 最大12ヶ月間のデータを時系列表示することが可能
  • グラフ種類の多様化

なお、LIFE(科学的介護情報システム)のフィードバックを適切に活用しない場合には、運営指導の対象となる可能性がある点に注意が必要です。
参考:厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」

データ提出タイミング

厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」によると、2024年度介護報酬改定によって、多くの加算にかかるLIFEのデータ提出のタイミングが6ヶ月に1回から3ヶ月に1回に統一されました。
データ提出のタイミングが6ヶ月に1回から3ヶ月に1回になったのは、科学的介護推進体制加算・自立支援促進加算・排せつ支援加算・褥瘡マネジメント加算です。他の加算に統一して3ヶ月に一度のデータ提出となったことにより、介護職員のデータ提出作業の負担が軽減され、記録管理の効率化が図れるようになっています。

ただし、ADL維持等加算については、従来の提出頻度が維持されており、ほかの介護加算とは異なるスケジュールでの対応が必要です。

参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」

ADL維持等加算の改善

厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE) 第1回説明会 説明I 科学的介護およびLIFEについて」によると、2024年度以前のADL維持等加算では、「加算の算定要件が分かりにくい」「利用者のADLの維持・改善の取り組みの評価が十分でない」という課題がありました。

そのため、同資料によると、2024年度介護報酬改定による見直しでは、ADL維持等加算(II)のADL利益が「2以上」から「3以上」に引き上げられています。また、利得の計算方法が簡素化され、現場での理解と対応がしやすくなりました。このような変更により、加算の算定に対するハードルが下がり、取り組みの成果を適切に評価する体制が整えられています。

参考:厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」

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LIFEの利用で算定できる介護報酬加算

ここまで、LIFE(科学的介護情報システム)の使用方法や導入のメリット、2024年度介護報酬改定による変更点などを見てきました。ここからは、厚生労働省「令和3年度介護報酬改定における改定事項について」を参考にして、 LIFE(科学的介護情報システム)の利用で算定できる介護報酬加算について2024年度改定時点の情報を紹介します。

科学的介護推進体制加算

科学的介護推進体制加算(I)・(II)は、LIFEから得たフィードバックを活用し、利用者のケアプランや事業所単位でのPDCAサイクルを推進することで、ケアの質の向上を図る加算です。科学的介護推進体制加算(I)の主な算定要件は、以下のとおりとなっています。

  • 利用者ごとのADLや口腔機能、栄養状態、心身の状況などに関する情報をLIFEに提出していること
  • 必要に応じてサービス計画を見直し、LIFEからのフィードバックを活かして適切なサービス提供を行うこと

また、科学的介護推進体制加算(Ⅱ)の算定要件は、科学的介護推進体制加算(I)の算定要件に加えて、疾病の状況や服薬情報などの情報もLIFEに提出していることです。

ADL維持等加算

ADL維持等加算(I)・(II)は、自立支援や重度化の防止を目的として行われる取り組みを評価するための加算です。ADL維持等加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の併用算定はできないうえ、以下の主な算定要件を満たす必要があります。

  • 評価対象利用期間が6ヶ月を超える利用者が10名以上いること
  • 利用開始月および開始月の翌月から6ヶ月目に、Barthel Indexを評価できる者がADLを測定し、LIFEに提出していること
  • ADL維持等加算(Ⅰ)の場合、評価対象者のADL利得の平均値が平均が「1以上」であること
  • ADL維持等加算(Ⅱ)の場合、評価対象者のADL利得の平均値が「3以上」であること

なお、ADL維持等加算(Ⅱ)は、(Ⅰ)よりも高い水準のADL改善効果が求められるため、正確なデータ収集と適切な評価体制を整えることが大切といえるでしょう。

個別機能訓練加算(II)

個別機能訓練加算(II)は、利用者の自立支援や重度化防止に向けて、個別機能訓練の提供を推進するための加算です。個別機能訓練加算(II)は、(Ⅰ)に上乗せして算定することが可能です。
また、個別機能訓練加算(II)の算定要件は、以下を満たすこととなっています。

  • 個別機能訓練計画の内容をLIFEに提出し、そのフィードバックを受けていること
  • 3ヶ月に1回以上の頻度で評価を行い、利用者の居宅を訪問したうえで、利用者やご家族に個別機能訓練計画の進捗状況を説明し、必要に応じて計画の見直しを行っていること

LIFEへのデータ提出とフィードバック、ケア計画の見直しを活用することで、質の高い機能訓練の実施が可能となるでしょう。

栄養マネジメント強化加算

栄養マネジメント強化加算は、介護施設における栄養ケアやマネジメントの質を高める取り組みを推進するための加算です。栄養マネジメント強化加算の主な算定要件は、以下のとおりとなっています。

  • 管理栄養士を常勤換算で入所者数を50(常勤栄養士を1人以上配置し、給食管理を行っている場合は70)で割った人数以上配置していること
  • 低栄養リスクが高い入所者に対して、、医師・管理栄養士・看護師などが共同して作成した栄養ケア計画に従って、週3回以上のミールラウンド(食事観察)を行うこと
  • 低栄養リスクが低い入所者についても、食事の際の変化を把握し、問題が認められる場合は早期に対応すること
  • 入所者ごとの栄養状態等の情報をLIFEに提出し、継続的な栄養管理を適切かつ有効に行うために必要な情報を活用すること

上記の体制を整えたうえで、継続的に栄養管理の質を高める取り組みを行うことで、入所者の健康維持と生活の質の向上につなげることが大切といえます。

栄養アセスメント加算

栄養アセスメント加算は、栄養改善が必要な利用者を的確に把握し、管理栄養士と介護職など多職種が連携して行うアセスメントの取り組みを評価する加算です。主な算定要件は、以下のとおりとなっています。

  • 事業所の従業者としてまたは外部との連携により管理栄養士を1名以上配置していること
  • 利用者ごとに、管理栄養士・看護職員・介護職員・生活相談員などの職種が共同して栄養アセスメントを実施し、利用者や家族に対してその結果を説明し相談に応じて、必要に応じ対応すること
  • 利用者ごとの栄養状態等の情報を厚生労働省に提出し、栄養管理の実施に当たって、当該情報そのほか栄養管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること

これらの取り組みを通じて、利用者の健康状態を的確に把握し、質の高い栄養ケアを提供していくことが重要です。

口腔衛生管理加算(II)

口腔衛生管理加算(II)は、施設系サービスにおいて口腔衛生管理体制を充実させ、入所者一人ひとりの状態に応じた口腔ケアを推進するための加算とされています。
口腔衛生管理加算(Ⅱ)の算定要件は、以下のとおりです。

  • 口腔衛生管理加算(Ⅰ)の算定要件を満たすこと
  • 口腔衛生等の管理に係る計画の内容等の情報を厚生労働省に提出し、口腔衛生等の管理の実施に当たって、当該情報そのほか口腔衛生等の管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していること

上記の取り組みにより、入所者の口腔衛生管理をさらに充実させ、健康状態の維持や感染症予防につなげることが大切です。

口腔機能向上加算(II)

口腔機能向上加算(II)は、利用者の口腔機能の低下を早期に把握し、適切な管理を行うことで、口腔機能の低下予防や維持・回復を目指す加算のことです。
原則として3ヶ月以内に実施し、月2回を上限とします。ただし、口腔機能向上加算(Ⅰ)との同時算定はできません。口腔機能向上加算(II)の算定要件は、以下の条件を満たすことです。

  • 口腔機能向上加算(I)の要件を満たしていること
  • 口腔機能改善管理指導計画などの情報をLIFEに提出し、適切かつ有効な口腔衛生管理の実施のためにフィードバックを活用すること

上記の取り組みにより、利用者の口腔機能を適切に評価・管理し、健康的な食生活や生活の質の向上を支援することが大切といえます。

褥瘡マネジメント加算

褥瘡マネジメント加算(I)・(II)は、褥瘡の発生予防や状態改善を含む褥瘡管理の質向上を目指す取り組みを評価する加算で、主な算定要件は、以下のとおりです。

  • 入所者または利用者ごとに、褥瘡の発生と関連のあるリスクについて、サービス利用開始時に褥瘡の有無を確認するとともに、少なくとも3ヶ月に1回評価を行い、結果をLIFEへ提出して、褥瘡管理の実施にあたって情報を活用していること
  • 評価の結果、褥瘡が認められた、または褥瘡が発生するリスクがあるとされた入所者・利用者ごとに、医師・看護師・介護職員・管理栄養士・介護支援専門員そのほかの職種の者が共同して、褥瘡管理に関する褥瘡ケア計画を作成していること
  • 入所者・利用者ごとの褥瘡ケア計画に従い褥瘡管理を実施するとともに、管理の内容や入所者・利用者の状態について定期的に記録していること
  • 評価に基づき、少なくとも3ヶ月に一回、入所者・利用者ごとに褥瘡ケア計画を見直していること

褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)の算定には、褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)の要件に加え、褥瘡リスクがある入所者について褥瘡の発生がないことが要件となります。

上記の取り組みにより、褥瘡の発生予防と早期対応を徹底し、入所者の健康管理と介護の質向上を図ることが重要です。

排せつ支援加算

排せつ支援加算(I)・(II)・(III)は、排せつ状態の改善が期待できる入所者に対して支援を行い、定期的な評価を通じて介護の質向上を推進するための加算です。排せつ支援加算(I)の主な算定要件は以下のとおりになります。

  • 排せつに介助が必要な入所者ごとに、医師や看護師が入所時と6ヶ月ごとに要介護状態の改善見込みを評価して結果をLIFEへ提出し、フィードバックを活かして適切に排せつ支援を行うこと
  • 排せつの評価の結果、適切な対応を行うことにより、要介護状態の軽減が見込まれる者について、医師・看護師・ケアマネジャーなどが共同して、排せつ介助が必要な原因を分析し、支援計画を立てて継続的に取り組むこと
  • 評価結果に基づき、少なくとも3ヶ月に一度は支援計画を見直すこと

また、排せつ支援加算(Ⅱ)の主な算定要件は、以下のとおりです。

  • 排せつ支援加算(Ⅰ)の基準を満たしたうえで、要介護状態の軽減が見込まれる者について、入所時と比べて排尿または排便のどちらかが改善し、いずれにも悪化が認められないこと
  • 排せつ支援加算(Ⅰ)の基準を満たしたうえで、要介護状態の軽減が見込まれる者について、入所時と比べて排尿または排便のどちらかが改善し悪化がない、またはオムツの使用状況が「使用あり」から「使用なし」に改善していること

さらに、排せつ支援加算(Ⅲ)の主な算定要件は、以下のとおりです。

  • 排せつ支援加算(Ⅰ)の基準を満たしたうえで、要介護状態の軽減が見込まれる者について、、入所時と比較して排尿または排便のいずれかが改善し、悪化がないこと
  • 排せつ支援加算(Ⅰ)の基準を満たしたうえで、要介護状態の軽減が見込まれる者について、入所時と比べて排尿または排便のどちらかが改善し悪化がない、かつオムツの使用状況が「使用あり」から「使用なし」に改善していること

上記の支援と評価を継続的に実施することで、入所者の排せつ機能の改善を促し、生活の質の向上を図ることが重要です。

自立支援促進加算

自立支援促進加算は、施設系サービスにおいて自立支援や重症化予防、廃用症候群や寝たきり防止の視点から、医学的評価に基づくアセスメントやケアの充実を図るための加算です。自立支援促進加算の主な算定要件は、以下のようになっています。

  • 医師が入所者ごとに入所時および少なくとも6ヶ月ごとに、自立支援に必要な医学的評価を行い、結果をもとに支援計画の作成などに関わっていること
  • 医学的評価の結果、特に自立支援のための対応が必要であるとされた者ごとに、医師・看護師・介護職員など多職種が連携して自立支援にかかる支援計画を立案し、計画に沿ったケアを提供すること
  • 医学的評価に基づき、少なくとも3ヶ月ごとに入所者ごとに支援計画を見直していること
  • 医師による評価結果をLIFEに提出し、フィードバックを活用しながら適切かつ有効に自立支援を進めること

上記の取り組みにより、利用者の自立度を高め、健康維持や生活の質の向上を図ることが重要です。

参考:厚生労働省「第199回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)資料」

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LIFEとは介護の質を高める科学的介護情報システム

  • LIFEとは、データを活用した介護ケアの見直しを図る科学的介護情報システムのこと
  • LIFEを導入する目的は、介護ケアの質向上のためにPDCAサイクルを実践すること
  • LIFEを導入するメリットは、科学的根拠に基づいた介護ケアの実現を目指せること

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