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介護職の夜勤の働き方とは?一日の流れや働く際のポイントを紹介

「介護職の夜勤の働き方がよく分からない」という方もいるでしょう。介護職の夜勤は、2交代制や3交代制などの勤務形態によって、勤務時間や回数が変わるのが特徴です。この記事では、介護職の夜勤における主な業務内容や一日の流れ、メリット・デメリットについて紹介します。介護職が夜勤に入る際や職場選びの際のポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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介護職の夜勤の働き方とは

介護職の夜勤の働き方には、「2交代制」と「3交代制」の大きく二つの働き方があります。これらの大きな違いは、勤務時間の長さです。

そもそも、介護職の夜勤は主に、特別養護老人ホームやグループホーム、ショートステイなどの入所型の介護施設で行われています。これらの施設では、24時間体制で職員が駐在し、利用者の安全を確保することが必要です。そのため、夜間や早朝の時間帯も職員が出勤し、業務を行う体制が整えられています。

ここからは、厚生労働省「病院医療従事者の負担軽減について(その2)」を参考に、それぞれの形態での勤務時間や働き方を見ていきましょう。

2交代制

2交代制とは、一日の勤務を日勤と夜勤の2つに分け、業務を行う体制のことです。日勤と夜勤の勤務時間が同一ではなく、どちらか一方が長時間となる場合は、「変則2交代」と呼ばれることもあります。

日本医療労働組合連合会「医療労働 2024年介護施設夜勤実態調査結果~報告集~」によると、グループホームや小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護などの、比較的規模の小さい事業所では、2交代制が主流のようです。また、2交代制をとっている施設(全99施設)のうち、夜勤を16時間以上としている施設は84.8%(84施設)となっており、多くの施設で夜勤が長い変則2交代制が取り入れられています。

2交代制の場合、1回の勤務時間が長いのが特徴です。そのため、少ない勤務回数で所定労働時間を満たせることが、2交代制がとられている施設で介護職員が働くメリットといえます。一方で、変則2交代制の場合、夜勤の勤務時間を16時間前後としている施設が多いため、身体的な負担がかかりやすい点はデメリットになり得るでしょう。

2交代制の介護施設での一週間のスケジュール例

2交代制の施設で働く介護職員の一週間のシフト例は、以下のとおりです。なお、以下では、夜勤が長い変則2交代制のケースを例に挙げています。

  • 月曜日:日勤(午前9時~午後6時)
  • 火曜日:休み
  • 水曜日:夜勤(午後5時~午前10時)
  • 木曜日:休み
  • 金曜日:日勤(午前9時~午後6時)
  • 土曜日:休み
  • 日曜日:日勤(午前9時~午後6時)

日本医療労働組合連合会「医療労働 2024年介護施設夜勤実態調査結果~報告集~」によると、2交代制の施設での平均夜勤回数は、月4.4回です。そのため、夜勤に入る頻度は週に1回程度となるケースが一般的でしょう。

3交代制

3交代制とは、一日の勤務を日勤・準夜勤・深夜勤の3つに分け、業務を行う体制のことです。3つの時間帯の勤務時間が同一でない勤務体制の場合、「変則3交代制」と呼ぶこともあります。

3交代制の場合、各時間帯の勤務時間は8時間前後であるため、2交代制と比べると、1回の勤務時間が短い点がメリットです。ただし、「日勤から深夜勤」や「準夜勤から日勤」のように、勤務間隔が短いシフトの場合、十分な休息がとれず身体的に負担がかかりやすいこともあるでしょう。

日本医療労働組合連合会「医療労働 2024年介護施設夜勤実態調査結果~報告集~」によると、3交代制は、施設規模が比較的大きい介護施設で取り入れられていることが多いようです。

3交代制の介護施設での一週間のスケジュール例

3交代制の施設で働く介護職員の一週間のシフト例は、以下のとおりです。

  • 月曜日:日勤(午前9時~午後6時)
  • 火曜日:準夜勤(午後5時~午前2時)
  • 水曜日:休み
  • 木曜日:深夜勤(午前1時~午前10時)
  • 金曜日:休み
  • 土曜日:日勤(午前9時~午後6時)
  • 日曜日:日勤(午前9時~午後6時)

日本医療労働組合連合会「医療労働 2024年介護施設夜勤実態調査結果~報告集~」によると、3交代制の施設での平均夜勤回数は、月5.8回となっています。そのため、週に1~2回夜勤(準夜勤または深夜勤)に入るペースが一般的でしょう。

参考:厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会 (第189回) 議事次第」
日本医療労働組合連合会「介護施設夜勤実態調査」

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介護職の夜勤の主な業務内容と一日の流れ

介護職員は、夜勤でどのような業務に携わり、どのように過ごしているのでしょうか。ここでは、2交代制をとっている介護施設を例に挙げ、介護職の夜勤での流れと主な業務内容を紹介します。

時刻 業務内容
午後5時 出勤、申し送り
午後6時 夕食の準備、食事介助
午後7時 服薬管理、口腔ケア
午後8時 就寝準備(排泄介助、おむつ交換)
午後10時 消灯
午後11時 居室巡回、介護記録、事務作業
午前6時 起床、着替えのサポート、朝食準備
午前7時 食事介助
午前8時 服薬管理、口腔ケア、排泄介助
午前9時 申し送り、業務の引き継ぎ
午前10時 退勤

2交代制夜勤で働く介護職員の場合、深夜の時間帯に交代で1~2時間程度の休憩をとることが多いでしょう。

3交代制の場合も、業務の流れは2交代制夜勤と大きく変わることはありません。ただし、3交代制の場合、準夜勤から深夜勤の間で業務の引き継ぎが発生する点が、2交代制の介護施設での働き方と異なる点です。

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介護職の夜勤のメリット

ここまで、介護職の夜勤の働き方を見てきました。では、介護職員が夜勤をするメリットには、どのようなものがあるでしょうか。ここでは、介護職の夜勤のメリットを2つ紹介します。

夜勤手当がもらえる

職場によっては、夜勤に入ると「夜勤手当」が支給されることがあります。日本医療労働組合連合会「医療労働 2024年介護施設夜勤実態調査結果~報告集~」によると、介護施設における正規職員に対する夜勤手当の平均金額は、以下のとおりです。

  • 2交代制:6,290円
  • 3交代制(準夜勤):3,179円
  • 3交代制(深夜勤):4,559円

2交代制の場合、3交代制の準夜勤と深夜勤を合わせた働き方や勤務時間になると考えると、時間あたりの金額はやや低い結果となっています。ただし、夜勤手当の金額設定は、夜勤1回あたりの金額が一律で決まっている場合や、基本時給×割増率で計算される場合などさまざまです。施設によっては、夜勤手当の制度がない場合もあるため、入職前に確認が必要でしょう。

また、夜勤の場合、労働基準法に基づき、午後10時~午前5時までの間は通常賃金の25%割増となる深夜手当(深夜割増賃金)が支払われる決まりです。そのため、夜勤手当がない場合も、日勤と比べると多くの給料を受け取れる点もメリットといえます。

介護スキルのアップにつながる

介護職の夜勤は、日勤とは異なる業務や少ない人数での対応などをとおして、介護スキルを磨ける点がメリットです。介護職の夜勤では、深夜の時間帯に利用者の状態が急変した場合など、即座に判断し、適切な対応を行う力が求められます。そのため、主体的に動く力が身に付くうえ、緊急時の対応などに対する理解やスキルも深められるでしょう。

参考:日本医療労働組合連合会「介護施設夜勤実態調査」

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介護職の夜勤のデメリット

介護職の夜勤では、以下のようなデメリットもあると考えられます。

生活リズムが崩れやすい

介護職で夜勤に入る場合、生活リズムが崩れやすく、体調面の管理が難しいと感じることがある点がデメリットです。特に、夜勤と日勤が交互になる場合、睡眠をとる時間帯や長さによっては、業務に支障が出ることもあるでしょう。

また、3交代制夜勤の場合、次の勤務までの間隔が短く、十分な休息がとれないことも。そのため、夜勤がある職場で働く場合は、勤務する時間帯に合わせて、自身の生活リズムをコントロールすることが大切です。

人員の配置が少ない

介護施設での夜勤の職員配置数は、日勤と比べると少なく、場合によっては配置人数が一人となるケースがある点が、介護職の夜勤に入るデメリットといえます。

日本医療労働組合連合会「医療労働 2024年介護施設夜勤実態調査結果~報告集~」によると、介護施設の夜勤での職員配置数は、施設の種類ごとに決められており、施設の利用者数が増えるにつれて、配置が必要な職員数が増えるのが特徴です。

そのため、夜勤は2人以上の職員が配置される職場で働きたい場合は、利用者数が比較的多い介護施設を選ぶと良いでしょう。

参考:日本医療労働組合連合会「介護施設夜勤実態調査」

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介護職が夜勤に入る際のポイント

介護職が夜勤に入る際のポイントには、以下のようなものが挙げられます。

  • 夜勤前後の過ごし方を決める
  • 夜勤は消化の良いものを選んで食べる
  • 夜勤の勤務時間が長い場合は、休憩中に仮眠をとるようにする

夜勤に入る前は十分な休息をとるようにしたり、夜勤の次の勤務が日勤の場合、日中に睡眠をとり過ぎないようにしたりと、生活リズムを整えるための工夫が必要です。また、夜勤中の休息や食事も自身に合ったスタイルをとり、体調を崩さないようコントロールしながら働くことが大切でしょう。

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介護職の夜勤がある職場選びでチェックするポイント

介護職の夜勤がある職場へ転職をする場合、どのような点をチェックして職場選びをすると良いのでしょうか。ここでは、介護職の夜勤がある職場選びの際に、チェックすると良いポイントを4つ紹介します。

夜勤の回数や勤務時間はどのくらいか

介護の職場選びでは、夜勤の回数や1回の勤務時間などをチェックしておくことが大切です。前述のとおり、2交代制と3交代制では、勤務時間の長さが違うだけでなく、働き方も大きく変わります。そのため、夜勤での勤務形態については、具体的な働き方まで確認しておくのがおすすめです。

夜勤時は何人体制か

介護職の夜勤は、通常何人体制で行っているのかという点も、職場選びの際にチェックしておくと良いポイントの一つです。

たとえば、介護施設での夜勤が未経験の場合、夜勤が1人体制の介護施設だと責任が重いと感じたり、業務の流れをつかむまでに時間がかかったりすることも。一方で、介護施設での夜勤の経験があり、自分のペースで働きたいと考えている方は、夜勤の配置人数が少ない職場のほうが働きやすいこともあるでしょう。

そのため、夜勤体制は職場選びの際に確認し、自分に合った働き方ができるかどうかをチェックすることが大切です。

休憩室や仮眠室などの設備は充実しているか

職場の休憩室や仮眠室などの設備の状態は、介護職の夜勤の働きやすさに影響するため、事前にチェックしておくのがおすすめです。特に、2交代制夜勤のように勤務時間が長い場合、職場で仮眠をとることもあります。その際、仮眠室が設置されていなかったり、休憩室内で十分に休息がとれるスペースがなかったりすると、体調を崩す要因となる可能性もあるでしょう。

日本医療労働組合連合会「医療労働 2024年介護施設夜勤実態調査結果~報告集~」によると、調査への回答があった全104施設のうち、仮眠室がある施設は70施設(67.3%)にとどまっており、夜勤を行うものの仮眠室を設けていない介護施設もあるのが現状です。特に、施設規模が小さい場合や、民家などを改修して開設するケースが多いグループホームや小多機、看多機などでは、仮眠室がない傾向が強い結果となっています。

そのため、介護職への転職をする場合は、事前の施設見学などをとおして、職場の施設や環境をチェックしたうえで、職場選びをすると良いでしょう。

参考:日本医療労働組合連合会「介護施設夜勤実態調査」

夜勤手当はどのくらいか

介護職の夜勤がある職場を選ぶ際は、夜勤手当の有無や金額を事前にチェックしておくことも大切です。夜勤がある介護施設への転職を考えている方のなかには、収入アップを目的としている方もいるでしょう。夜勤手当の有無や金額は、介護施設ごとに定められています。そのため、収入にこだわる方は特に、夜勤手当に関する規定をチェックして職場選びをするのがおすすめです。

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介護職の夜勤は勤務形態によって回数や時間が異なる

  • 介護職の夜勤は、主に入所型の介護施設で行われる
  • 介護職の夜勤は施設によって、2交代制や3交代制などの勤務形態がある
  • 夜勤がある職場へ転職する介護職員は、夜勤体制を事前にチェックすることが大切

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