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病院でのクレームとは?よくある事例や対応のポイントを紹介

10 days ago

「病院でのクレームにはどのようなものがあるかよく分からない」という方もいるでしょう。病院でのクレームは、待ち時間や職員の態度、診療や薬の処方に関するものなどがあります。この記事では、病院でのクレームでよくある事例について紹介します。病院でのクレーム対応のポイントや予防策についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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病院での不満・クレームにはどのようなものがある?

厚生労働省「令和5(2023)年受療行動調査(確定数)の概況」によると、項目別の満足度において「不満」と回答があった外来患者の割合は以下のとおりです。

  • 診察までの待ち時間:25.5%
  • 診察時間:6.9%
  • 医師との対話:6.1%
  • 医師による診療・治療内容:5.4%
  • 医師以外の病院スタッフの対応:3.9%
  • 診察時のプライバシー保護の対応:2.8%

一方、入院患者を対象とした調査の結果は以下のとおりです。

  • 食事の内容:14.7%
  • 病室・浴室・トイレなど:8.0%
  • 医師との対話:7.2%
  • 病室でのプライバシー保護の対応:5.7%
  • 医師以外の病院スタッフの対応:4.9%
  • 医師による診療・治療内容:4.6%

外来の場合、診察までの待ち時間に対しては、ほかの項目と比べると、不満を感じた患者の割合が多い結果となっています。また、医師との対話や病院スタッフの対応などについても、患者が不満を感じるケースがあるようです。

一般的には、上記のように、患者が「不満だ」と感じやすいことほど、クレームに発展する可能性が高くなるでしょう。

参考:厚生労働省「令和5(2023)年受療行動調査(確定数)の概況」

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病院でのクレームでよくある事例

実際に病院で起こり得るクレームには、具体的にどのようなものがあるでしょうか。ここでは、病院でのクレームでよくある事例を3つ紹介します。

待ち時間が長い

診察の待ち時間が長いことは、クレームにつながりやすい要因の一つです。診察までにかかる時間は、受診する病院や患者の症状、来院時の院内の状況などによって異なります。定期的に通院している患者にとっては、前回の来院時の待ち時間が基準となるケースもあり、「前回より◯◯分も待ち時間が長かった」と比較することで、不満につながる場合もあるでしょう。

病院によっては、患者の待ち時間を減らすため、予約制を取り入れているところもあります。しかし、ほかの患者の診察時間が長引いたり、緊急度の高い患者が来院してそちらの診療を優先したりと、予約の時間どおりに診察が始められないこともあるでしょう。その結果、診察までの待ち時間が長くなり、患者の不満の声が病院へのクレームとして届く事態が起こり得ると考えられます。

職員の態度が悪い

職員の態度に対するクレームも、病院で起こりやすいクレームの一つでしょう。病院に来る患者は体調が悪いことから、平常時よりストレスを感じやすい場合もあります。そのため、「患者への愛想がなかった」や「職員同士で私語をしていた」などのようなクレームも、病院ではよくある事例の一つです。

このようなクレームを起こさないためには、患者に寄り添う姿勢を見せることや、職員同士で話をする際の場所や声のボリュームに気を付けることなどの行動が必要となるでしょう。

診療や薬の処方に不満がある

病院でのクレームのなかには、「診察時間が短かった」や「希望どおりの薬を処方してもらえなかった」など、診療や薬の処方に関するものもあります。患者が病院に行く主な目的は、医師の診療を受けることです。そのため、医師による問診や診察が不十分だったと感じたり、医師の診察結果や薬の処方内容に納得がいかなかったりすると、病院全体に対する不満につながることもあります。

場合によっては、「今回満足する対応を受けられなかったため、次回以降の受診・通院はしない」という選択をとる患者もいるでしょう。

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病院でのクレーム対応のポイント

ここまで、病院へのクレームでよくある事例を見てきました。では、実際にクレームがあった際、どのように対応すると良いのでしょうか。ここからは、病院でのクレーム対応のポイントを紹介します。

個室に案内し対応する

病院でのクレーム対応では、個室に案内して行うことが大切です。待合室で対応すると、話す内容がほかの患者に聞こえるおそれがあるうえ、話し声がほかの患者の迷惑になることもあります。また、クレーム対応中には、感情的に不満を伝えようとする患者もいるでしょう。

そのため、周囲の患者が不快に感じる可能性がある場合や、冷静な対応が難しいと判断した場合は特に、個室や人がいない別室に案内し、対応を行うのがポイントです。

複数人で対応する

病院でのクレームは、冷静に問題を解決するため、複数人で対応するのがポイントです。前述のとおり、病院でのクレーム対応においては、怒りや不信感などが募り、患者が感情的になることもあります。特に、クレームの原因が特定の職員である場合、その職員が一人で対応を行うと、患者の不満が大きくなりやすく、冷静に対応できないケースも出てくるでしょう。

そのため、クレーム対応は複数人で行い、特定の職員に対してのクレームである場合は、該当の職員以外が中心となって、患者の話を聞くことも大切です。ただし、電話でクレームを受けた場合など、複数人での対応が難しいケースもあるでしょう。その場合は、クレーム対応に慣れた職員が対応を行うなどの工夫も必要です。

患者の主張をよく聞く

病院でのクレーム対応では、患者の話を途中で遮らず、主張を最後まで聞くこともポイントの一つです。初めは患者が感情的になっている場合も、話をしているうちに頭の中が整理され、冷静に対話できるようになることもあります。

また、病院の職員が冷静に話を聞くことで、患者の「話を聞いてもらいたい」という気持ちが落ち着き、それ以上の対応を病院に求めないケースもあるでしょう。そのため、まずは患者の話・主張を最後まで聞き、その場の状況や患者の要望を明らかにすることが大切です。

記録に残す

病院でクレーム対応を行う際は、会話の内容を記録に残し、情報を整理しながら状況を把握することが大切です。患者が一度伝えた内容を再度質問したり、患者の主張と異なる捉え方をしたりすると、そのことが新たなクレームにつながるおそれがあります。

そのため、病院でのクレーム対応では、「◯◯ということですね」と、患者の主張と認識のずれがないことを適宜確認しながら記録をとり、患者の主張を整理していくこともポイントです。

また、クレームの内容を記録に残しておくと、同様のクレームが起きないようにするための対策を立てる際にも役立ちます。そのため、患者の考えを正しく理解することや今後の病院の行動方針に役立てることが目的であると伝えたうえで、会話の内容を記録に残しながら対応を行うと良いでしょう。

その場限りの特別な対応はしない

病院でのクレーム対応では、その場限りの特別な対応をすることで、患者の不満を解消させようとするのは避けたほうが良いでしょう。
クレーム対応を行うなかでは、患者が納得する答えをなかなか提示できなかったり、複数の職員がクレーム対応にあたることで、人手が不足し業務に支障が出たりする場合もあります。その結果、早く対応を終わらせようと、その場限りの対応をする選択肢が浮かぶこともあるでしょう。

しかし、特別対応は問題の根本的な解決にはつながらないため、「対応できるのに、なぜ初めからできなかったのか」や、次回の来院時の「前回はしてくれたのに」という新たな不満につながることも。そのため、病院のルール上対応できない事柄については、はっきりとその旨を伝えることも重要です。また、患者が納得するまでに、あまりに長い時間がかかる場合は、上司に対応してもらったり、別日にまとまった時間を確保して対応を行ったりするのも一つの手でしょう。

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病院でのクレームの予防策

病院では、クレームが起きにくい環境をつくることも大切です。ここからは、病院でのクレームを起こさないための予防策を紹介します。

クレーム内容をスタッフ間で共有する

病院でクレームが起きた場合、その内容をスタッフ間で共有し、同様のクレームが起きないよう、対策をとる必要があります。具体的には、クレームが起きた背景や患者の主張、対応方法などを共有しておくと良いでしょう。

たとえば、外来での待ち時間が長いとのクレームがあった場合、以下のような情報を共有しておくと、同様のクレームを起こさないための対策をとりやすくなります。

  • 該当の患者は初診か再診か
  • 該当の患者は何分程度待っていたのか
  • クレーム発生時の院内の混雑状況と人員
  • 普段と異なることはあったか(イレギュラー対応が必要な事例が発生していたなど)

「待ち時間が長い」というクレームでも、該当の患者が初診である場合は他院と比べて、再診の場合はそれまでの受診時と比べて、待ち時間が長いと感じているように、それぞれの背景は異なります。そのため、クレームが起きた背景を明確にし、それぞれのケースごとの問題や課題解決の方法を把握することが必要です。

根本的な問題を明確にする

病院でのクレームの予防策として大切なことは、起きたクレームに対する根本的な問題を明確にし、その問題に対する解決法を検討、実行することです。

待ち時間に対するクレームを例に挙げると、大きく分けて二つのアプローチ方法があると考えられます。一つは、システムの見直しです。たとえば、予約制を導入すると、来院するまで診療時間の目安が分からない、というようなクレームは起きにくくなるでしょう。また、病院によっては、予約番号を発行することで、診療を受けられるまでどのくらいの時間がかかるかを可視化できるシステムを導入しているところもあります。

もう一つは、現場での対応です。たとえば、電話での予約があった場合に「診察時間は目安で、前後する可能性があること」を事前に伝えておくと、予約時間どおりの診療が難しい場合も大きなクレームにつながる可能性は低くなるでしょう。
また、受付の際に院内が混みあっている場合は、診察までに時間がかかる可能性があると伝えておくことも、クレームを防ぐうえで有効な方法の一つといえます。

このように、病院側の対応次第で防げるクレームに対しては、解決法を見出し、積極的に運用に取り入れることが大切でしょう。

クレーム対応に関するマニュアルを作成する

病院でのクレームを最小限に抑えるためには、クレームの対応方法をマニュアル化し、どの職員も基本的な対応ができるようにしておくことが大切です。病院で発生した過去のクレーム事例を基に対策をしていても、クレームの発生数をゼロにすることは難しいでしょう。
また、クレームは初期対応が重要といわれるように、クレームを伝えた際の対応が不適切だと、新たなクレームにつながることもあります。

そのような事態を防ぐためにも、クレーム対応に関するマニュアルをとおして、全職員が適切なクレーム対応の方法を理解しておくことが必要でしょう。

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病院でのクレームは全体で共有して予防策を立てよう

  • 病院では診察までの待ち時間や病院スタッフの対応などがクレームになるケースがある
  • 病院でのクレーム対応では記録をとり、患者の主張を整理しながら聞くことが大切
  • 病院では、クレーム対応に関するマニュアルを作成しておくことも大切

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