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看護管理とは?主な役割や求められる能力を紹介

「看護管理とは何かよく分からない」という方もいるでしょう。看護管理とは、最適な看護を提供するために看護の組織化を図り、業務や労働環境、人材などを管理することです。この記事では、看護管理者の主な役割や求められる能力について解説します。看護管理者のキャリアアップに関するラダーや関連資格についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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看護管理とは

公益社団法人日本看護科学学会「看護管理」によると、看護管理とは、最適な看護の提供を目指し、人・物・金・情報・時間に関して、計画や組織化、調整、統制などを行う活動およびその過程のことです。

看護管理には、日々の看護実践における人材の管理・育成や、物品や機会器具、設備などの活用、事務的な処理なども含まれます。そのため、看護管理は、主に役割を担う「看護管理者」だけでなく、看護の専門職として働く看護職員も一体となって行うのが特徴です。

参考:公益社団法人日本看護科学学会 看護学学術用語検討委員会「JANSpedia 看護学を構成する重要な用語集 看護管理」(2025年6月4日閲覧)

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看護管理者の主な役割

看護管理を主に行う看護管理者は、看護主任や看護師長、看護部長などの管理職が務めるのが一般的です。ここでは、それぞれの役職が担う主な役割を紹介します。

看護主任

看護主任とは、現場での業務を行いながら、看護師長とともに自部署の看護管理にも携わる管理職です。そのため、看護主任は、現場の状況や看護師からの意見を取り入れながら、実情に即した調整や対応を行ったり、看護の質や人材育成などの管理を行ったりすることで、より良い組織づくりを進める役割を担っています。

看護師長

看護師長とは、病棟や手術室、外来などの各部署の責任者として、自部署の看護管理を行う管理職です。看護師長は、看護主任に比べると現場での業務が少なく、管理に関する業務により多く携わります。
そのため、自部署の方針や課題に基づいて評価・改善を行ったり、ニーズに合わせた看護の提供ができるよう、人材育成や労働環境の整備などを行ったりするのが、看護師長の主な役割です。

看護部長

看護部長は、地域における自病院の役割を理解しながら、病院内の体制の整備や外部との調整・交渉などを行う管理職です。看護部の責任者として、病院全体の経営や組織づくりに携わることもあります。そのため、看護部長には、経営や経済に関する知識が求められることもあるでしょう。

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病院看護管理者に求められる6つの能力

公益社団法人日本看護協会「病院看護管理者のマネジメントラダー 日本看護協会版」によると、病院看護管理者には、次の6つの能力が求められます。ここからは、本資料を参考に、それぞれの能力について詳しく見ていきましょう。

組織管理能力

組織管理能力とは、「組織の方針を実現するために資源を活用し、看護組織をつくる力」のことです。資源とは、人や物、経済、情報などのことを指します。
具体的には、自部署のスタッフが安全に働けるための環境整備や、組織内外の関係者との調整・交渉などを行う能力が組織管理能力であり、病院看護管理者に必要な能力の一つです。

質管理能力

質管理能力とは、「患者の生命・生活・尊厳を尊重し、看護の質を組織として保証する力」のことです。病院看護管理者には、自部署の看護実践に関するデータを活用して評価・改善したり、適切な人材を確保し、質の高い看護が提供できる環境を整備したりする力が求められます。

人材育成能力

人材育成能力とは、「将来を見据えて看護人材を組織的に育成、支援する力」のことです。病院看護管理者は、看護職員一人ひとりのスキルを把握し、成長の支援を行ったり、自部署における人材を育成する体制の整備を行ったりする役割を担っています。

危機管理能力

危機管理能力とは、「予測されるリスクを回避し、安全を確保するとともに、危機的状況に陥った際に影響を最小限に抑える力」のことです。病院看護管理者は、事故や問題に対する未然防止・再発防止の策を講じたり、災害などが発生した場合に備えて事前に対応策を立案したりする役割を担います。

政策立案能力

政策立案能力とは、「看護の質向上のために制度・政策を活用及び立案する力」のことです。病院看護管理者には、既存の制度や政策を活用し、看護の質向上に貢献する力や、医療の動向を踏まえ、制度改正などに対して事前に対応を行う力などが求められます。

創造する能力

創造する能力とは、「幅広い視野から組織の方向性を見出し、これまでにない新たなものを創り出そうと挑戦する力」のことです。病院看護管理者は、地域のニーズに合わせた看護サービスが提供できるよう、看護の動向や地域の状況に関する情報を活用したり、ほかの施設の看護管理者と協働して体制の整備を行ったりする役割を担っています。

参考:公益社団法人日本看護協会「病院看護管理者のマネジメントラダー」

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病院看護管理者のマネジメントラダー

病院によっては、各病院で求められる看護管理者としての能力や看護管理者の育成の指標を示す、マネジメントラダーが設けられていることがあります。

公益社団法人日本看護協会「病院看護管理者のマネジメントラダー 日本看護協会版」では、I~IVまでの4つのレベルが設けられており、病院看護管理者として必要な能力を獲得する段階が示されているのが特徴です。各レベルには、以下のような定義と目安が設定されています。

レベル
職位の目安
レベルの定義
レベルI 主任 自部署の看護管理者とともに看護管理を実践できる
レベルII 看護師長 自部署の看護管理を実践できる
レベルIII 副看護部長 トップマネジメントを担う一員として、看護管理を実践できる
レベルIV 看護部長 病院全体の管理・運営に参画するとともに、地域まで視野を広げた看護管理を実践できる

参考:公益社団法人日本看護協会「病院看護管理者のマネジメントラダー 日本看護協会版」

本ラダーでは、レベルが上がるにつれ、看護管理の対象が自部署から病院全体へと広がっていくのが特徴です。

なお、本資料のラダーでは各レベルごとに職位の目安が提示されていますが、あくまで、病院看護管理者として獲得すべき能力の目標としての参考となります。また、病院によっては、異なるレベル分けのマネジメントラダーを用いているケースもあるでしょう。

参考:公益社団法人日本看護協会「病院看護管理者のマネジメントラダー」

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認定看護管理者資格とは

看護管理者の知識や能力を証明する資格として、「認定看護管理者」という資格があります。
公益社団法人日本看護協会「認定看護管理者」によると、認定看護管理者とは、公益社団法人日本看護協会による認定資格の一つです。認定看護管理者になるには、年に1回実施される認定審査に合格する必要があります。
認定看護管理者認定審査の受験要件は、以下のとおりです。

  • 日本国の看護師免許を有すること
  • 看護師免許の取得後、実務経験が通算5年以上(そのうち看護師長相当以上の看護管理の経験が通算3年以上)あること
  • 認定看護管理者教育課程のサードレベルを修了している、または看護管理に関する学問領域の修士以上の学位を取得していること

上記のとおり、認定看護管理者資格を取得するためには、十分な知識と経験に加え、教育課程の修了や学位取得のために一定の時間も必要です。なお、認定看護管理者教育課程には3つのレベルがあり、ファーストレベルが105時間、セカンドレベルが180時間、サードレベルが180時間のカリキュラムが組まれています。

また、認定看護管理者資格は、資格取得後、5年ごとの認定更新が必須となります。このように、認定看護管理者として働くには、質の高い看護管理スキルを維持し続けることも必要です。

参考:公益社団法人日本看護協会「認定看護管理者」

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看護管理とは看護を組織化して業務を管理すること

  • 看護管理とは、最適な看護の提供を目指して人・物・金・情報・時間を管理すること
  • 看護管理者は主に看護主任や看護師長、看護部長などの管理職が務める
  • 看護管理者には、組織管理や人材育成、政策立案などに関する能力が求められる

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