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バイタルサインの書き方とは?BPやPRなどの略語も紹介

5 days ago

「バイタルの書き方やBPが何かよく分からない」という方もいるでしょう。バイタルは、血圧を意味するBPや、脈拍を意味するPRなどの略語を用いた書き方をするのがポイントです。この記事では、バイタルサインの種類や書き方のポイントについて紹介します。バイタルサインの測定の流れについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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バイタルサインの書き方は?BPとは?

厚生労働省「在宅療養技術マニュアル」によると、バイタルサイン(Vital Signs)とは、人が生きている状態を示す「しるし」のことで、「生命徴候」を指す用語です。具体的には、血圧や体温、脈拍数、呼吸数などがバイタルサインとして扱われます。バイタルサインは、「バイタル」や「VS」と呼ばれることもあるようです。

また、「BP」とは、「血圧」を意味する略語で、バイタルサインを記録する際に用いられます。バイタルサインは患者・利用者ごとに基準値が異なるため、健康を管理するうえでは、日々の記録が重要となります。そのため、医療従事者や介護職員は、バイタルサインを測定するたびに、数値を記録するのが一般的です。その際、迅速かつ正確に記録するために、「血圧」は「BP」、「脈拍」は「PR」などの略語を用いることがあります。

そのほかのバイタルサインの略語は、後述の「バイタルサインの種類・略語」の項目で紹介しているので、チェックしてみてください。

参考:厚生労働省「看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分科会(第5回)」

バイタルサインを測定する目的

バイタルサインを測定する目的は、日々の健康管理や、身体の異常を早期に発見することなどです。バイタルサインの測定は、医療機関や介護施設などで多く実施されています。診療を受ける患者や介護施設の利用者のバイタルサインを日々測定することで、健康状態の確認や異常の早期発見、病状悪化の予防などにつなげられるでしょう。

バイタルサインを測定する回数は、施設や対象者の状態によっても異なりますが、病院では朝・昼・晩の1日3回測定するケースが多くみられるようです。

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バイタルサインの種類・略語

バイタルサインには、どのような種類があるのでしょうか。ここからは、バイタルサインの種類や略語、それぞれの正常値の目安を紹介します。

血圧:BP

厚生労働省「保健指導における学習教材集(確定版)」によると、血圧とは、血管にかかる圧のことです。心臓が収縮して血液を送り出したときの圧が最高血圧(収縮期血圧)、心臓が拡張して血管が元の太さに戻るときにかかる圧が最低血圧(拡張期血圧)として測定されます。

血圧を記録する際に用いられる略語は、以下のとおりです。

  • 血圧:BP(Blood Pressure)
  • 収縮期血圧:SBP(Systolic Blood Pressure)
  • 拡張期血圧:DBP(Diastolic Blood Pressure)

バイタルサインを記録する際は、「BP:SBP/DBP」の形を用いて、「BP:110/65」のような書き方をするのが一般的です。なお、血圧の基準値は、収縮期血圧(SBP)が120mmHg未満、拡張期血圧(DBP)が80mmHg未満とされています。

体温:BT/KT

体温は、英語の「Body Temperature」から「BT」と略されます。場合によっては、「T」やドイツ語の「Korpertemperatur(※「o」はオーウムラウト表記)」から「KT」と呼ばれるケースもあるようです。

なお、厚生労働省「平成24年度喀痰吸引等指導者講習事業 喀痰吸引等指導者マニュアル 第三号研修(特定の者対象)」によると、成人が腋窩(脇の下)で測る場合、36~37℃程度が正常値とされています。

脈拍数:PR

脈拍数は、英語で「Pulse Rate」と呼ぶことから、「PR」や「P」の略語が用いられます。バイタルサインの測定では、1分間の脈拍の回数を計測するのが基本です。そのため、バイタルサインを記録する際の書き方は、「◯回/分」となります。

厚生労働省「平成24年度喀痰吸引等指導者講習事業 喀痰吸引等指導者マニュアル 第三号研修(特定の者対象)」によると、成人の場合の脈拍の基準値は、1分間に60~80回程度です。

呼吸数:RR

呼吸数は、英語の「Respiration Rate」から、「RR」や「R」と略されます。呼吸数は、脈拍数と同様に、1分間の呼吸回数を測定するのが基本です。そのため、バイタルの記録の書き方は「◯回/分」となります。

なお、厚生労働省「平成24年度喀痰吸引等指導者講習事業 喀痰吸引等指導者マニュアル 第三号研修(特定の者対象)」によると、成人の呼吸数の基準は、1分間に12~20回程度です。

酸素飽和度:SpO2

厚生労働省「在宅療養技術マニュアル」によると、酸素飽和度とは、動脈中のヘモグロビンと結合している酸素の割合のことです。日々のバイタルサインの測定の際には、パルスオキシメーターと呼ばれる、採血せずに動脈血の酸素飽和度が測れる装置を用いることが多いでしょう。

パルスオキシメーターを使用した酸素飽和度は、採血によって測定した酸素飽和度と区別するため、「経皮的動脈血酸素飽和度」とも呼ばれます。英語での表記は、「Saturation of Percutaneous Oxygen」です。なお、「saturation」は飽和を、「percutaneous」は経皮的を意味します。
また、「oxgen(酸素)」は化学式で「O2」と表すことから、経皮的動脈血酸素飽和度は「SpO2」と表記されるのが一般的です。

厚生労働省「生理」によると、経皮的動脈血酸素飽和度の正常値は96%以上とされています。

意識レベル:LOC

意識レベルは、「Level Of Consciousness」から「LOC」と略されます。意識レベルは、複数の測定方法があり、代表的なスケールの一つが「JCS(Japan Coma Scale)」です。
厚生労働省「平成21年度『DPC導入の影響評価に係る調査』実施説明資料」によると、JCSによる意識レベルの判定基準は、以下のとおりとなっています。

                                                                            
意識レベルの程度意識レベル刺激に対する反応
III群
(刺激しても覚醒しない)
300全く動かない
200手足を少し動かしたり、顔をしかめたりする(除脳硬直を含む)
100払いのける動作をする
II群
(刺激すると覚醒する)
30かろうじて開眼する
20痛み刺激で開眼する
10呼びかけで容易に開眼する
I群
(覚醒している)
3名前、生年月日が言えない
2見当識障害あり
1清明とはいえない
意識障害はない0

参考:厚生労働省「平成21年度『DPC導入の影響評価に係る調査』実施説明資料」

また、意識レベルの測定では、不穏(R)・糞尿失禁(I)・自発性喪失(A)の3つの項目の有無もあわせてチェックします。

そのため、バイタルサインの報告をする際は、上記の意識レベルの値を用いて、「JCS 200」や「JCS 20-RI」のような書き方で記録をします。場合によっては、「JCS III-100」のように、大分類も用いた書き方をすることもあるようです。

参考:厚生労働省「第6回 標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会」
厚生労働省「平成24年度 喀痰吸引等指導者講習事業(第三号研修指導者分)資料」
厚生労働省「生理」
厚生労働省「平成21年度『DPC導入の影響評価に係る調査』への新規参加の申し込み方法等について」

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バイタルサインの測定の流れ

バイタルサインを測定する際は、患者・利用者に声をかけ、測定を開始するのが基本です。バイタルサインは、測定する順番に決まりはありません。よって、バイタルを測定する対象者の状況に合わせて、測定していくことが多いでしょう。

また、バイタルサインは、対象者の身体の状況だけでなく、測定する時間帯によっても大きく変動することがあります。そのため、入院患者や介護施設に入所している利用者に対しては、できるだけ毎日同じ時間帯に測定するのが基本です。

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バイタルサインの記録の書き方のポイント

バイタルサインの記録の書き方のポイントは、測定後すぐに記録することです。全項目を測定後にまとめて記録しようとすると、誤った数値を記録してしまったり、正しい数値を忘れてしまったりすることもあります。場合によっては、再度バイタルサインを測定し直さなければならないことも。正確な値で日々の健康管理を行うためにも、バイタルサインは各項目の測定後、都度記録することが大切です。

また、バイタルサインの記録は、前述の略語を用いた書き方をし、素早く記録を終わらせることも重要です。バイタルサインの測定は日々行うため、1回の測定にかかる時間が長いと、患者や利用者の負担になることもあります。そのため、略語を用いながら分かりやすく、かつ迅速に記録することが求められるでしょう。

なお、バイタルの数値が、基準値や平常時の値から外れている場合は、担当の医師や看護師などに報告する必要があります。その際にも、要点を簡潔に伝えられるよう、略語を用いて伝えることもあるでしょう。そのため、バイタルサインの種類ごとの略語を正しく覚えておくと、スムーズに報告・情報共有ができます。

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バイタルはBPなどの略語を使用した書き方をする

  • バイタルサインは、BP(血圧)やPR(脈拍)などの略語を用いた書き方で記録をする
  • バイタルサインとは血圧や体温、脈拍数など「生命兆候」のことを指す
  • バイタルサインは、日々の健康管理や異常の早期発見のために測定・記録される

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