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整体師とは?主な仕事内容や活躍できる職場を解説!
4 days ago

整体師はどのような仕事なのか気になる方もいるでしょう。整体師は、体の歪みや筋肉のバランスを整えて、体の不調を改善に導く職種です。この記事では、整体師の主な仕事内容や柔道整復師との違い、平均年収について解説します。また、整体師に向いている人の主な特徴やなるための方法、おすすめの資格についてもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
整体師とは
整体師は、手技を用いて体のバランスを整え、筋肉の緊張や骨格の歪みを調整する職種です。整体師の施術は医療行為ではなく、整体師として働くには国家資格は必要ありませんが、専門的な知識と技術が求められます。
整体師と柔道整復師の違い
整体師と柔道整復師は、どちらも手技を用いて身体の不調にアプローチしますが、資格の有無や施術内容、保険適用の可否などに違いがあります。
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「柔道整復師」、厚生労働省「柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて」を参考にして、以下に整体師と柔道整復師の主な違いをまとめたのでご参照ください。
資格の種類 | ||
主な施術内容 | - 骨格調整 - 筋肉の緩和 - 姿勢改善 |
- 骨折 - 脱臼 - 捻挫 - 打撲 |
保険適用 | 保険適用可能 |
|
主な勤務先 | - 整体院 - リラクゼーションサロン |
- 接骨院 - 病院 - 介護・福祉施設 |
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「柔道整復師」
厚生労働省「柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて」
柔道整復師は国家資格を有する職種で、主に外傷治療に対して施術を行っています。骨折や脱臼については緊急の場合を除いて、医師の同意のもと保険適用の施術が可能です。
一方、整体師の資格は民間資格となっており、無資格でも施術が行えます。また、整体師は医療行為ではないリラクゼーションや体のバランス調整を目的とした施術を行っているため、原則として施術の保険適用はできません。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「柔道整復師」
厚生労働省「柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて」
整体師の主な仕事内容
整体師の仕事は、施術だけでなくカウンセリングやアフターケアまで行います。利用者の不調の原因を把握し、適切な施術につなげるための事前準備や、施術後のフォローも重要な業務です。
以下では、整体師が日常的に行う主な仕事とその具体的な内容についてまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
カウンセリング
整体の最初のステップはカウンセリングです。カウンセリングでは、利用者が抱える症状(肩こり・腰痛・頭痛など)や、生活習慣・仕事の姿勢・過去のけがや病歴などを丁寧に聞き取ります。
カウンセリングが丁寧であるほど、施術の方向性が明確になり、安全で効果的なアプローチにつながりやすくなるでしょう。必要に応じて、施術前の注意点や体調に合わせたメニュー提案も行われるようです。
姿勢チェック
カウンセリング後は、実際の体の状態を視診や触診によって確認します。その際に、立ち姿勢や座り姿勢、歩き方などを観察して骨盤の傾きや背骨のゆがみ、左右のバランスなどをチェックすることが一般的なようです。
筋肉の緊張度や関節の可動域も確認し、どこに負担がかかっているのかを明らかにしていきます。この姿勢チェックが正確であるほど、ピンポイントで原因にアプローチしやすくなるようです。
手技療法(施術)
整体師は姿勢チェックの結果をもとに、実際の手技療法(施術)に入ります。整体では機械を使わず、手を使って筋肉を緩めたり、骨格のバランスを調整したりするのが一般的です。
施術方法は症状に応じて異なり、リラクゼーションを目的としたソフトな手技から、強めに圧を加える手技までさまざまなものがあります。施術中も利用者との会話を通じて状態を見極め、安全かつ効果的な施術を行うことが大切です。
ストレッチ
整体師は施術の合間や終了後にストレッチを取り入れることもあります。ストレッチの目的は、筋肉を柔らかく保ち、再び硬直しないようにするためなことが多いようです。
ストレッチには可動域(関節の動く範囲)を広げたり、血流を促進させたりする効果があり、姿勢の改善や痛みの予防にも役立つでしょう。利用者の柔軟性や体調に応じたストレッチを指導することも、整体師の重要な役割です。
アフターケア
整体師は施術後に、利用者へその日の体の変化や注意点について説明し、自宅でできるケア方法(ストレッチや体操、姿勢の意識など)をアドバイスします。
また、生活習慣の見直し提案や、次回の来院時期の目安を伝えることも。整体の効果を長く維持し、日常生活の中で不調を再発させないために、このアフターケアは重要な工程といえるでしょう。
整体師の主な施術方法
整体師が行う施術は、骨格の歪みを整えるものや、筋肉や関節の状態を調整するものなど多岐にわたります。それぞれの手技には目的があり、不調の原因や利用者の状態に応じて使い分けられることが一般的です。
以下では、整体師の主な施術方法について、種類別に紹介します。
指圧マッサージ
指圧マッサージは親指や手のひら、肘などを使ってツボや筋肉に圧を加える施術方法を指します。血行を促進し、筋肉の緊張やコリを和らげる効果があるようです。
体の表面だけでなく、深部の筋肉までじっくりとほぐす手技が多いため、慢性的な肩こりや腰痛、眼精疲労などの不調に悩む人に適しているでしょう。施術は比較的ソフトな圧で行われ、リラクゼーションの要素もあるのが特徴です。
カイロプラクティック
カイロプラクティックは、背骨や骨盤などの骨格の歪みを調整する施術法を指します。特に神経の流れを整えることを重視しているようです。痛みやしびれ、姿勢の悪さに関連する神経トラブルの改善が期待されます。
ただし、人によっては刺激が強く感じられることもあるため、施術者と利用者の間で事前に相談が必要となることもあるでしょう。
筋膜リリース
筋膜リリースは、筋肉を包む「筋膜」が緊張して動きにくくなっている状態を改善する施術です。筋膜が癒着すると、筋肉の動きが制限され、痛みや可動域の低下につながりやすくなることも考えられるでしょう。
そのため、筋膜リリースでは筋膜を解きほぐすことで身体の柔軟性を取り戻すことを目標とします。ゆっくりと持続的に圧をかけるソフトな手技のため、スポーツをしている人や体をよく使う職業の人に好まれるようです。
ストレッチ整体
ストレッチ整体は、整体師が利用者の体をサポートしながら、安全かつ効果的に筋肉を伸ばしていく手技です。自分一人では伸ばしきれない深層の筋肉や関節にもアプローチでき、柔軟性の向上や姿勢改善、けがの予防などに効果があるでしょう。
また、ストレッチには副交感神経を刺激する作用があるため、心身のリラックスにもつながるようです。「体が硬くなってきた」と感じる人や、「体のバランスを整えたい」という人に人気のある手技となっています。
骨格矯正
骨格矯正は、体のバランスや姿勢の崩れを根本から整えるための施術法です。特に骨盤や背骨のズレは全身に影響を及ぼす可能性があるため、日常生活での疲れや不調の原因になっていることも考えられるでしょう。
女性の場合、産後の骨盤のゆがみを整える「産後矯正」のニーズもあるようです。
整体師が活躍できる主な職場
整体師はさまざまな分野で活躍しており、働く場所によって求められる役割や提供するサービスも異なります。以下で、主な職場とその特徴を見てみましょう。
整体院
整体師が活躍できる職場の一つは、整体院です。整体院では主に骨格のゆがみや筋肉の緊張を手技によって整え、肩こり・腰痛・頭痛・姿勢の悪さなど、日常的な身体の不調を改善します。
整体院は自由診療が中心のため、保険の制限を受けずに施術の内容や時間を柔軟に決められる点が特徴です。また、整体院は個人店やチェーン店など幅広く展開しているため、施術スタイルや接客方針が自分に合う職場を見つけやすい環境といえるでしょう。
整骨院
整骨院は国家資格である柔道整復師が中心となって運営しており、主に骨折・捻挫・打撲などに対する保険診療を行っています。整体師はその補助業務として勤務することがあり、受付やリハビリ補助、患者対応などの業務を通じて施術スキルだけでなく医療的な知識を間近で学べるでしょう。
整骨院では痛みの原因や身体構造を医学的に理解する姿勢が求められるため、勉強意欲のある整体師にとってはスキルアップの場にもなるようです。
フィットネスクラブ
フィットネスクラブでは、運動前後の身体のケアや、トレーニングで負荷がかかった部位のほぐしなど、疲労回復を目的とした施術が行われています。
ストレッチの指導や体の動かし方のアドバイスを求められる場合もあるため、整体師としての知識に加えて、運動や解剖学の理解があると重宝されるでしょう。
介護施設
介護施設で働く整体師は、高齢者の身体機能の維持や、リラクゼーションを目的とした整体施術が求められます。力任せではなく、優しく丁寧な施術が中心で、コミュニケーションを通じて心身のケアを行う役割も重要です。
関節の可動域訓練、軽いストレッチなどを通じて、日常生活動作の改善や転倒予防にも貢献できるでしょう。介護施設では高齢者に寄り添う姿勢が求められるため、福祉や介護に関心のある整体師に向いているといえます。
整形外科
整形外科に勤務する整体師は、医師の指示のもとでリハビリや筋肉のほぐし、ストレッチ指導などを行うことが一般的です。、整形外科では施術の自由度はやや制限されますが骨や関節の疾患に関する医学的知識を身につけられるでしょう。医療分野との連携に興味がある整体師におすすめの職場です。
独立開業
整体師は十分な経験や信頼を積んだあと、自ら整体院を開業する道もあります。開業すれば、自分の得意な施術やサービスを自由に提供でき、働く時間や場所の自由度も上がるでしょう。
一方、集客や経理、予約管理など経営に関わるすべてを自分で行う必要があり、経営者としての視点や知識も不可欠です。
整体師になるには
整体師になるには、国家資格の取得が必要ありません。ただし、施術を行う以上、しっかりとした知識と技術を身につける必要があります。
整体師になるための主な流れとしては、まず整体スクールや専門講座などで身体の構造や施術の基本技術を学び、基礎を身につけましょう。そして、基礎知識を習得したあとは、整体院やサロンなどの現場で実務経験を積み、実際の接客や施術を通じて応用力や対応力を磨きます。十分な経験を得たら、整体院への就職や独立開業など、自分に合った働き方を選びましょう。
開業を目指す場合は、技術だけでなく経営や集客の知識も重要になります。信頼される整体師として長く活躍するために、民間資格の取得や施術法の習得、セミナー参加などでスキルを高め続けることが大切です。
整体師におすすめの資格
整体師は、国家資格が必要な職業ではありません。そのため、資格を取得していなくても働くこと自体は可能です。しかし、利用者の体に触れて施術を行う以上、正しい知識と技術を身につけておく必要があるでしょう。
利用者の信頼を得るためにも、民間資格の取得や専門的な学びを通じて、自身のスキルを証明することが重要です。以下では、整体師を目指すうえで役立つ主な民間資格をまとめました。
認定登録カイロプラクター
一般財団法人日本カイロプラクティック登録機構「一般財団法人日本カイロプラクティック登録機構(JCR)について」によると、認定登録カイロプラクターは、国際カイロプラクティック試験委員会(IBCE)の試験問題を使用して実施される、カイロプラクティックに関する認定試験です。資格には「第1種」と「第2種」があります。
第1種認定登録カイロプラクターは、国際認証を受けたカイロプラクティック教育プログラムの修了などが条件で、専門性が求められるでしょう。第2種認定登録カイロプラクターは、第1種に合格しているか、全米カイロプラクティック認定委員会(NBCE)の試験に合格していることなどが主な条件です。
リラクゼーションセラピスト認定資格試験
一般社団法人日本リラクゼーション業協会「認定試験について」によると、「リラクゼーションセラピスト認定資格試験」は、一般社団法人日本リラクゼーション業協会が主催して行われるリラクゼーション業界における知識や技術を問う試験で、2級と1級に分かれています。
試験で問われる内容は、2級では基本的な接客・手技の知識、1級ではさらに専門的な技術や接客スキルです。受験には、いずれも協会会員であることが必要で、1級を受験するは2級に合格していることが前提条件となります。試験は年2回実施され、試験内容は筆記(CBT方式)と実技です。
JADP認定リフレクソロジスト🄬
一般社団法人日本能力開発推進協会「JADP認定リフレクソロジスト🄬」によると、「JADP認定リフレクソロジスト🄬」は、反射区理論に基づいたリフレクソロジーの知識や技術を習得し、心身のバランスを整える施術ができることを証明する資格です。
試験内容は、リフレクソロジーの理論や解剖学的知識、施術の基本手順などで、通信講座などで学んだ内容が中心となっています。
資格取得の流れとしては、提携教育機関の講座を修了し、在宅で受けられる認定試験に合格することで取得可能です。
参考:一般財団法人日本カイロプラクティック登録機構「一般財団法人日本カイロプラクティック登録機構(JCR)について」
一般社団法人日本リラクゼーション業協会「認定試験について」
一般社団法人日本能力開発推進協会「JADP認定リフレクソロジスト🄬」
整体師の平均年収
整体師の平均年収は、正社員であれば約350〜390万円が相場になります。ただし、勤務するエリアや施設の規模、どれくらい経験を積んでいるかなどによって年収は異なるでしょう。
独立して自分の整体院をもった場合は、収入が上がる可能性がある一方で、安定するまでは収入に波があることも少なくありません。整体師の収入には幅があるので、「どのような働き方を目指すか」によって将来的な年収も変わってくるでしょう。
整体師に向いている人の主な特徴
整体師は、体の不調に悩む人と向き合い、手技によって改善へと導く仕事です。そのため、単に技術があるだけでなく、人に寄り添う姿勢や体に関する興味・関心など、さまざまな適性が求められます。以下に、整体師に向いている人の主な特徴を整理しました。
- 人と接するのが好きな人
- 体や健康に興味がある人
- 手先が器用な人
- 相手の立場で物事を考えられる人
- コツコツ努力できる人
整体師は患者と直接触れ合う仕事なので、コミュニケーション力が重要です。そのため、人と接するのが得意で、相手の立場で物事を考えられる人は、整体師に向いている可能性があるでしょう。さらに、整体師の施術では細やかな手技が求められるため、手先が器用なことも整体師に向いている人の特徴の一つといえます。
また、体や健康に興味があり、コツコツ努力できることは、整体師として長期的に成功するために必要な資質です。整体の技術や知識を高めるためには、日々の練習と能動的な学習姿勢が欠かせません。努力を惜しまず、技術や接客スキルを向上させられる人が向いている可能性があるでしょう。
整体師とは体の歪みを手技で整えて不調を改善する職種
- 整体師と柔道整復師の違いは資格の有無や施術内容、保険適用の可否などがある
- 整体師の主な仕事内容は、体のバランスを整えることを目的とした施術を行うこと
- 整体師が活躍できる主な職場は、整体院や整骨院などがある
- 整体師は無資格で働ける場合もあるが、専門的な知識と技術を身につける必要がある