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介護助手とは?仕事内容やほかの職種との違いを解説
2 days ago

「介護助手とは?」と疑問に思う方もいるでしょう。介護助手とは、介護施設で介護職員のサポート役として、食事の配膳や環境整備などを行う職種です。この記事では、介護助手の詳細な仕事内容やほかの職種との違い、無資格で働けるのかを解説しています。介護助手のキャリアアップに役立つ資格や将来性にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
介護助手とは
厚生労働省「介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進について」によると、介護助手とは、介護職員との役割分担により、利用者の身体に接することのない周辺業務のみを担っている職員のことです。「介護補助」と呼ばれることもあります。
利用者の身体に接する身体介護は主に介護職員の担当となるため、介護助手は基本的に身体介護を行いません。そのため、介護現場で働くのが初めての方や無資格の方、体力にあまり自信がない方も働きやすいでしょう。
参考:厚生労働省「第99回社会保障審議会介護保険部会」
介護助手とほかの職種との違い
介護助手は働く職場や仕事内容から、混同されやすい職種もあります。ここでは、介護助手とほかの職種の違いについてみていきましょう。
介護助手と看護助手の違い
介護助手と看護助手は仕事内容は似ていますが、活躍している職場とサポートする職種が違います。
介護助手は介護施設で介護職員のサポート役として、利用者の身の回りの業務を行う職種です。一方、看護助手は医療機関で看護師のサポート役として、患者の身体介護や療養上の世話を行います。
介護助手と介護福祉士の違い
同じ職場で働くこともある介護助手と介護福祉士の違いは、仕事内容と資格の有無にあります。
介護助手として働く場合は、資格の有無は問われません。無資格の介護助手もいるため、利用者の身体に触れて行う身体介護はほとんど任されないでしょう。
一方、介護福祉士は国家資格です。詳細は後述しますが、介護福祉士になるには、養成施設・福祉系高校などの卒業や実務経験が問われます。
現場では介護職員として身体介護や生活支援を行うだけでなく、介護職員の教育・指導役を任されることも。単独での身体介護も行えるため、介護施設だけでなく訪問介護で活躍している介護福祉士もいます。
介護助手の仕事内容
介護助手の仕事である「利用者の身体に接することのない周辺業務」について、詳細な内容を紹介します。
清掃・環境整備
介護助手は、施設内の清掃や環境整備を行います。利用者の居室や共同スペース、トイレ・浴室などの清掃、ベッドメイキングなどがメインです。
ごみの回収やごみ捨て、浴室のお湯はりを行うケースもあります。
備品管理
レクリエーションで使用する物品・備品の準備や片付けも、介護助手が中心となって行います。
消毒液やペーパータオルなどの施設備品の補充や管理、発注も介護助手の役目です。
食事補助
食事補助の業務も、介護助手のメイン業務の一つです。
利用者の口に食べ物を運ぶ食事介助は、介護職員が中心となって行います。そのため、介護助手は配膳・下膳・洗い物や配茶、エプロンやおしぼりの配布、食事量のチェックなどが仕事です。
調理の補助に入ったり、料理や飲み物へのとろみ付けを行ったりすることもあるようです。
洗濯
介護施設で使用されたシーツやふきん、利用者の衣類の洗濯も、介護助手に任されることの多い仕事です。洗濯物の回収から洗濯、配布まで介護助手が行うこともあるでしょう。
利用者の見守り・移動補助
介護助手は、食事・トイレ・入浴時・起床時の声掛けや見守り、車いすを押すなどの移動補助も行います。ただし、利用者の身体を支えて歩行を補助するなどの介助はできない場合がほとんどです。
利用者の動きを見守ったり声をかけたりするだけでなく、話し相手としての役割も求められるため、仕事中に利用者とのコミュニケーションを楽しむ機会もあります。
送迎業務
デイサービスなどの通所介護では、利用者の送迎を行っていることがあり、介護助手は送迎車の運転を行うこともあるようです。なお、介護施設の送迎車の運転は、ワンボックスカーの場合は普通自動車第一種運転免許があれば行えます。
送迎では、ルートや到着時間どおりに利用者の送迎を行います。なお、利用者が車から乗り降りする際の介助は身体介護にあたるため、介護職員が行うことが基本です。
消毒作業
施設内の消毒作業も介護助手に任されることがあります。感染症対策として、食堂や共有スペースの椅子や机を消毒液で拭く作業が主になるでしょう。
また、利用者が嘔吐した場合は、吐瀉物に含まれるウイルスや細菌が周囲にまき散らされないように適切に処理し、清掃・消毒を行うことが求められます。
介護助手は無資格で働ける?
介護助手は、無資格でも働けます。ただし、これは介護施設内に限ったことで、訪問介護では無資格で勤務できません。また、無資格の介護助手が身体介護を行うときは、介護福祉士などの指導・監督が必要とされています。
なお、2024年4月以降は、介護助手は無資格で働き続けることができなくなりました。無資格で介護助手になった人は、入職後1年後までに認知症介護基礎研修の修了が必要です。
社会福祉法人東北福祉会 認知症介護研究・研修仙台センター e-ラーニングシステム運営事務局「認知症介護基礎研修とは」によると、認知症介護基礎研修の対象者は、介護保険施設・介護事業所に従事する介護職員などです。研修受講が免除となる資格の保有者を除き、介護施設に勤めて介護に従事する職員全員が対象になります。e-ラーニングのみで受講でき、最短で1日以内で修了できる研修です。
参考:社会福祉法人東北福祉会 認知症介護研究・研修仙台センター e-ラーニングシステム運営事務局「認知症介護基礎研修とは」
介護助手がキャリアアップできる資格
介護助手の中には、「身体介護のスキルを身に付けたい」「介護職員にキャリアアップしたい」という方もいるでしょう。ここでは、介護助手がキャリアアップするのにおすすめの資格を3つご紹介します。
介護職員初任者研修
厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について(介護職員初任者研修・生活援助従事者研修関係)」によると、介護職員初任者研修とは、介護従事者が業務を遂行するうえで最低限の知識や技術を身に付け、基本的な介護業務を行えるようになることを目的とする研修のことです。
名称のとおり、初心者向けの研修となっており、無資格の介護助手が最初に受講する研修としておすすめです。130時間のカリキュラムを受講し、修了試験に合格することで修了となります。
参考:厚生労働省「介護職員・介護支援専門員」
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修とは、介護福祉士の資格を取得するために必要な研修です。介護職員初任者研修の上位資格とされています。
厚生労働省「実務者研修における『他研修等の修了認定』の留意点について」によると、介護福祉士実務者研修のカリキュラムは450時間です。ただし、介護職員初任者研修を修了している人であれば、130時間のカリキュラムが免除となります。
介護福祉士実務者研修に受講資格はなく、無資格からでも受講可能です。ただし、介護に関する知識があまりない状態で450時間のカリキュラムを受講するのが不安な方は、介護職員初任者研修を修了してから介護福祉士実務者研修の受講に進むのが良いでしょう。
参考:厚生労働省「介護福祉士養成施設等における『医療的ケアの教育及び実務者研修関係』」
介護福祉士
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「資格制度の概要」によると、介護福祉士とは、専門知識や技術をもって日常生活に支障がある人に対して介護を行うとともに、介護者に対して介護に関する指導を行うための資格です。介護福祉士の資格は国家資格のため、資格取得には国家試験の合格が必要となります。
介護福祉士国家試験を受けるには、受験資格を満たすことが必要です。公益財団法人社会福祉振興・試験センター「受験資格(資格取得ルート図)」によると、介護福祉士国家試験の受験資格には、福祉系大学や介護福祉士養成施設、福祉系高校の卒業を経るルートなどがあります。
すでに介護現場で働いている人の場合は、実務経験をもって受験資格を得るルートを選ぶ人が多いでしょう。実務経験ルートでは、介護の実務経験が3年以上かつ介護福祉士実務者研修を修了していれば、受験資格が得られます。
実務者研修の修了が必要となりますが、働きながら介護助手から介護福祉士になることも可能です。
参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「資格制度の概要」
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「受験資格(資格取得ルート図)」
介護助手の将来性
介護人口の増加や介護業界の人手不足が問題となっている現在、介護助手の将来性は今後も高まり続けるでしょう。
厚生労働省「介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進について」によると、2025年には団塊の世代が全員75歳以上になり、2040年にかけて85歳以上の人口が急増することから、介護サービスの需要はさらに高まるといわれています。
一方、高齢者を支える人材に関しては、2025年から2040年にかけて、介護分野のみならず全産業的に人材不足が課題となると見込まれているようです。
そのため、国は介護ロボットやICTの導入だけでなく、介護助手の育成にも取り組んでおり、介護現場の生産性向上を図っています。厚生労働省「介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進について」によると、介護職員と介護助手で業務の明確化と役割分担を行うことで、介護の質の向上が期待されています。介護人口が増加しても、質の高い介護を提供できる仕組み作りが始まっているといえるでしょう。
また、厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」によると、2024年度介護報酬改定にて「生産性向上推進体制加算」が新設されました。生産性向上推進体制加算は、職員間で介護助手の活用などにより適切な役割分担などの取り組みを行っている施設が、加算を算定できる仕組みです。
新加算の新設も相まって、介護現場での介護助手の需要がさらに増加すると考えられるため、介護助手は将来性のある職業といえるでしょう。
参考:厚生労働省「第99回社会保障審議会介護保険部会」
厚生労働省「第239回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」
介護助手は介護施設で介護職員をサポートしている
- 介護助手は介護施設で清掃や備品管理、食事補助などを行う
- 介護助手は無資格でも働けるが、入職後1年以内に認知症介護基礎研修の修了が必要
- 介護人口の増加や介護人材の人手不足が見込まれるため、介護助手は将来性の高い職種
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