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保育士の志望動機のポイントは?ケース別・年代別の例文も紹介
5 days ago

「保育士の志望動機を書くときのポイントを知りたい…」と悩んでいる方もいるでしょう。保育士の志望動機を書くときは、応募先の特色を事前に理解しておくことや、自分が貢献できることをアピールすることが大切です。この記事では、保育士の志望動機を書くときのポイントや注意点を紹介します。保育士の志望動機のケース別・年代別・職場別の例文も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
保育士の志望動機のポイント
保育士の志望動機を書くときは、どのような点をおさえて考えると良いのでしょうか。保育士の志望動機のポイントをみていきましょう。
結論・理由・展望の3段構成を基本にする
保育士の志望動機を考えるときは、結論・理由・展望の3段構成を基本にするのがおすすめです。どのように文章を組み立てていいか分からず、筆が進まないという方は、結論・理由・展望に分けて1項目ずつ考えると、志望動機が組み立てやすいでしょう。
まず、志望動機を簡潔に「結論」として最初に書くと、分かりやすい文章になります。応募先の園の保育方針や理念に共感したことを記載すると良いでしょう。
次に志望動機に至った「理由」を書きます。理由に説得力をもたせるには、具体的なエピソードや、今までの経験の中で感じたことを盛り込むのがおすすめです。
最後に今後の「展望」として、採用されたらどのように園に貢献したいか、どのような保育・園づくりをしたいかを記載すると、文章がまとまります。
応募先の特色や保育理念を理解して考える
志望動機を書くときは、応募先の特色や保育理念を理解したうえで内容を考えるようにしましょう。
応募先の特色や保育理念は保育園のWebサイトなどを見ると分かるほか、勤務経験のある保育士や子どもを預けたことのある保護者、地域の人の声が聞ける場合は、参考にするのがおすすめです。
園によって雰囲気や大切にしていること、重きを置いている活動は異なります。応募先の特色を理解したうえで、自分の保育理念や理想の保育と共通する部分があるか探してみると、志望動機を考えやすいかもしれません。
自分が応募先に貢献できることをアピールする
保育士の志望動機を書くときは、応募先の園に勤務したいことだけでなく、自分を採用すると園はどのようなメリットが得られるのか、貢献できることをアピールすることも大切です。
自分が貢献できることをアピールするには、これまでの経験を引き合いに出して、活かせるスキルや知識があることを書くと良いでしょう。たとえば、自分自身に子どもがいる保育士の場合は、「保育者視点だけでなく、保護者としての視点ももち合わせた保育ができる」などをアピールできます。
保育士になった理由や自分の保育理念を盛り込む
保育士の志望動機を書くときは、保育士になった理由や自分の保育理念を盛り込むと良いでしょう。特に、保育士として働いた経験のない新卒や中途・未経験の方は、保育士になった理由を入れるようにすると、説得力のある志望動機になります。
自分自身が保育士の仕事をするにあたって大切にしている信条や自分が考える保育理念と、園の保育理念や特色の共通点が見つかると、志望動機が考えやすくなるでしょう。
入職後のキャリアプランに触れる
保育士の志望動機を書くときは、今後、保育士としてどのように成長していきたいか、キャリアプランに触れて締めくくると、文章にまとまりが出ます。
園の理念や特色に沿って、どのような保育士になりたいのか書くと良いでしょう。リーダー職や園長など、目指す役職が具体的にある場合はアピールするのがおすすめです。
保育士の志望動機の例文:ケース別
ここでは、保育士のケース別に志望動機の例文を紹介します。
新卒保育士の志望動機
大学や専門学校を卒業し、新卒で保育士として働く方の志望動機の例文は、以下のとおりです。
私が幼少期の頃は内気で、ほかの子と混じって遊ぶのも苦手な子どもでした。そんな中、保育士の先生が時間をかけて「本当は友達とも遊びたい」という私の気持ちをくみ取ってくださり、結果、5歳の頃には大勢の友達の輪に入ることができるようになっていました。私もそんな保育士になりたいと思っていたところ、貴園の「子どもたちの個性を大切にした保育方針」という理念に共感いたしました。施設見学の際にも、子どもに寄り添い、優しく見守っている保育士の方を目にし、私の目指す保育士像を体現されている方がいらっしゃると感じました。
未熟ではありますが、貴園に入職いたしましたら、子どもたちと共に成長し続ける保育士を目指して努力してまいります。
多くの新卒保育士は保育経験が実習のみのため、現場経験はほぼない方がほとんどでしょう。よって、志望動機として記載できそうな現場でのエピソードがあまりないことが一般的です。
そのため、志望動機には自分が保育士になった理由を書くようにし、その園に魅力を感じた点について、施設見学や実習時に見聞きした体験を盛り込むと良いでしょう。
中途・未経験者の保育士の志望動機
保育士の仕事は未経験で、他職種から転職する方の志望動機の例文は、以下のとおりです。
前職では周囲と連携しながら業務を進める力や気配り・目配り、臨機応変な対応力を身に付けられたと感じております。前職で身に付けたことを活かし、保育現場でも職員の一員として協力しながら、子どもたちが安全で楽しく過ごせる環境づくりに努めていきたいと考えております。
中途採用者や未経験者が応募してきたとき、採用担当者は「なぜ保育士の求人に応募したのか」が気になることが多いようです。そのため、中途・未経験者はその園を選んだ理由に加えて、なぜ保育士になりたいのか、理由も盛り込むと良いでしょう。
前職が保育や子どもに関連しない仕事だったとしても、身に付けたスキルや経験を活かせることをアピールすると、魅力的な志望動機になります。
ブランクのある保育士の志望動機
かつて保育士として働いていた経験があり、復職を考えている方の志望動機の例文は、以下のとおりです。
以前の保育経験に加え、保護者としての視点ももちながら、より子どもに寄り添った保育ができると考えております。貴園の子ども一人ひとりと丁寧に向き合う保育方針や、リトミック・英語学習といったカリキュラムで、子どもの能力を伸ばすという保育方針に共感し、ぜひ貴園で保育士として再スタートを切りたいと思い、志望いたしました。
早く現場に慣れて、信頼される保育士として成長できるよう、努力してまいります。
ブランクのある保育士は、可能であれば、出産・子育てや親の介護など一度保育士を辞めた理由について触れると良いでしょう。そのうえで、なぜ再び保育士という仕事を選んだのかに言及します。
ブランク期間で新たに身に付けられたスキルや、復職に向けて努力したことがあれば、アピールポイントとして志望動機に盛り込むと良いでしょう。
保育士の志望動機の例文:年代別
ここでは、20代から60代までの年代別に、保育士の志望動機の例文を紹介します。
20代保育士の志望動機
20代の保育士が転職する場合の志望動機の例文は、以下のとおりです。
貴園は子どもたちが自ら成長する力を大切にする保育方針を掲げているだけではなく、職員の成長もサポートできるよう教育プログラムやラダーの設定もしており、これらの点が非常に魅力的に感じました。
これまでの経験を活かしつつ、さらに保育のプロとしての専門性を高めながら、子どもたちとともに成長していける保育士として貴園で活躍したいと考えております。
20代の保育士はほかの年代の保育士と比べて経験が浅く、前職を数年程度で転職するケースも多くみられます。採用担当者は「求職者が転職したい理由」が最も知りたいポイントとなるでしょう。前職のことにも触れつつ、新しい職場でさらに成長していきたいという前向きな意欲が伝わる文章にするのがおすすめです。
30代保育士の志望動機
30代の保育士の志望動機の例文は、以下のとおりです。
私は、これまで10年間、乳児から5歳児クラスまでの担任を経験し、保護者対応や後輩の指導も行っております。日々の業務の中で、保育の質を高めるにはチーム全体の連携や働きやすい職場づくりが大切だと実感し、今後は保育士をまとめる立場にも挑戦したいと考えるようになりました。
貴園は自主性とチームワークを重視して、保育の質向上に取り組んでいらっしゃると伺い、ぜひ貴園で成長したいと考えております。これまでの経験を活かしながら、より良い保育の実現と、職員同士の協力体制づくりにも貢献していきたいです。
例文にもあるとおり、30代の保育士は、後輩の育成やリーダーの役割も任される年代で、リーダー職に応募するケースがあります。
展望として、主任やリーダー、教育係など、後輩育成や現場の取りまとめを行いたいという成長志向を表現するのも良いでしょう。
40代保育士の志望動機
40代の保育士の志望動機の例文は、以下のとおりです。
年齢を重ねたからこそもてる柔軟な対応力や包容力を活かし、園の一員として貢献してまいりたいと考えております。
40代の保育士は、現場ではベテランと呼ばれる年代です。そのため、志望動機では豊富な経験や専門性を有していることをアピールしましょう。これまでの実績やエピソードを交えながら、まだこれからも成長していきたいという意欲を盛り込むと、魅力的な志望動機になります。
50代・60代保育士の志望動機
50代・60代の保育士の志望動機の例文は、以下のとおりです。
貴園の「職員・保護者・地域全体で子どもたちの成長に寄り添う」という理念に深く共感し、その実現に向けて自身の経験を最大限活かしたいと考え、志望いたしました。
子どもたちにとって安心で豊かな環境づくりに尽力するとともに、職員がいきいきと働ける園づくりにも貢献したいと考えております。
50代・60代の保育士は園長を経験している人もおり、求人も管理職や園長を募集するものが増えてきます。園長経験のある方は、園長職のなかでどのような経験を積んできたのかを書くようにし、子どもの保育だけではなく、人材育成や園づくりへの意欲もアピールしましょう。
保育士の志望動機の例文:職場別
ここでは、保育士が活躍できる職場別に、志望動機の例文を紹介しています。それぞれの職場の特徴にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
認可保育園の保育士の志望動機
認可保育園に転職する保育士の志望動機の例文は、以下のとおりです。
私はこれまで〇年間、保育士として0~5歳児の保育に携わってまいりました。その中で、幼少期から保育士や保護者以外の大人、小学生以上の子どもたちとの触れ合いが、子どもの社会性に良い影響を与えることを身をもって感じました。貴園は認可保育園であることを活かし、自治体とも連携して地域の小中学校や老人ホームとの交流会、地元農園での収穫体験を行っているとのことで、私の理想とする保育環境が整っていると感じます。
前職では保護者との連携やイベント時の外部との連絡・調整も担当していたため、貴園でもその経験を活かし、子どもたちにより良い保育を提供したいと考えております。
厚生労働省 保育所123「保育所ってどんなところ?」によると、認可保育所(認可保育園)とは、保護者が仕事をしているなどの理由により、保育を必要とする0歳から小学校に入学する前までの子どものための施設です。
認可保育所は児童福祉法に基づいて設立・運営されており、厚生労働省が定める施設の広さや設備、職員数などの基準を満たした施設であることが特徴となっています。認可保育園のうち、市区町村が運営する保育園は「公立保育園」と呼ばれることもあるようです。
認可保育園は、市区町村が掲げる子育て関連の理念に則って運営されていることもあるため、園自体の保育理念だけでなく、市区町村の理念にも触れながら志望動機を考えると良いでしょう。
参考:厚生労働省 保育所123「保育所ってどんなところ?」
認可外保育園の保育士の志望動機
認可外保育園に転職する保育士の志望動機の例文は、以下のとおりです。
これまでの保育経験の中で、「子どものありのままを受け止め、その子らしさを尊重すること」の大切さを日々感じていたため、少人数保育で子ども一人ひとりにじっくり寄り添い、温かく接する貴園の姿勢に惹かれました。私自身も子どもたちの安心できる居場所づくりに力を尽くしていきたいと考えております。
また、認可外ならではの多様な保育ニーズへの対応や、柔軟な発想を活かした保育活動にも積極的に関わり、より良い園づくりにも貢献していきたいです。
東京都福祉局「認可外保育施設について」によると、認可外保育施設(認可外保育園)とは、都道府県が認可している認可保育所や認定こども園、地域型保育事業以外の保育を行うことを目的とする施設のことです。
認可保育園と異なり小規模・少人数の園も多いのが特徴で、認可保育園より特色のあるカリキュラムを取り入れている園もあります。そのため、保育方針や理念をよく確認し、自分自身の保育理念に重なる部分や魅力を感じた点を盛り込むようにするのがおすすめです。
参考:東京都福祉局「認可外保育施設について」
認定こども園の保育士の志望動機
認定こども園に転職する保育士の志望動機の例文は、以下のとおりです。
これまで〇年間、保育園のみで勤務し、就学前に生活習慣や社会性、学びの基礎を育むことが、子どもにとって大切であるという思いが年々増しておりました。そのため、保育園でも学びのカリキュラムを取り入れていたのですが、認定こども園でより深く保育と教育の両立を行いたいと考えるようになりました。貴園の「学びの楽しさで心を育てる」という保育理念にも深く共感しており、子どもたちの成長をサポートしながら、私自身も保育士として成長していきたいと考えております。
今後は、保育者としての経験を活かしつつ、教育的な視点も学びながら、子ども一人ひとりに寄り添い、安心できる環境づくりに貢献してまいります。
こども家庭庁「認定こども園概要」によると、認定こども園とは、教育・保育を一体的に行う施設です。認定基準を満たす施設は、都道府県等から認定を受けています。
保育士にとって認定こども園は、保育園で働く場合に比べて、教育カリキュラムに多く触れられるのが特徴です。そのため、保育園での経験を活かしつつ、認定こども園ならではのスキルや経験を身に付けたい意欲をアピールすると良いでしょう。
参考:こども家庭庁「認定こども園概要」
児童発達支援施設の保育士の志望動機
児童発達支援施設に転職する保育士の志望動機の例文は、以下のとおりです。
今まで勤めていた保育園でも、ほかの子どもと発達のペースが異なる子どもを預かる機会がありました。しかし、大規模園では集団活動が中心のため、個別の支援の時間が取れない場面もあり、そのような子どもたちの支援により深く関わりたいと感じておりました。貴事業所が行っている、遊びや日常生活を通した支援や、保護者との密な連携を大切に支援を進める姿勢にも、非常に共感しております。
今後は保育士としての経験を活かしながら、療育に関する知識や専門性を深めて、支援が必要な子どもたちが喜びや達成感を積み重ねていけるサポートを行いたいと考えております。
厚生労働省「児童発達支援ガイドライン」によると、児童発達支援とは、障がいのある子どもに対し、児童発達支援センターなどで日常生活における基本的な動作の指導や知識技能の付与、集団生活への適応訓練などの便宜を提供する支援です。
児童発達支援が行われる施設の志望動機を書くときは、障がい児の保育に携わりたい理由を明確にしましょう。また、障がい児の保育には特に必要とされる、細やかな気配りや障がいに対する理解があることをアピールするのもおすすめです。
参考:厚生労働省「児童発達支援ガイドライン」
病児保育所の保育士の志望動機
病児保育所(病児保育室)に転職する保育士の志望動機の例文は、以下のとおりです。
そのため、保護者の方が安心して仕事に向かえるよう支援する病児保育の役割に魅力を感じ、これまでの経験を活かして子ども一人ひとりに丁寧に向き合った保育を行いたいと考え、志望いたしました。
横浜市「病児保育事業」によると、病児保育とは、看護師・保育士が病気中または病気回復期の子どもを一時的に保育する事業を指します。医療機関に併設されているケースが多いようです。
病児保育の重要性を理解していることや、病児保育により必要とされる細やかな気配り、感染対策・衛生に対する今までの取り組みや意識の高さをアピールすると、魅力的な志望動機になるでしょう。
参考:横浜市「病児保育事業」
保育士の志望動機を書くときの注意点
ここまで、保育士の志望動機を書くときのポイントや、ケースごとの例文を紹介してきましたが、ほかにも志望動機を書くときには気を付けるべきことがいくつかあります。
保育士の志望動機を書くときの注意点についても、確認しておきましょう。
ネガティブなことや悪口を書かない
保育士の志望動機を書くときは、ネガティブな転職理由や前職の悪口と捉えられる内容は書かないようにしましょう。
前職での経験を述べる場合、不満を感じた経験が転職理由に繋がっていたとしても、そのまま伝えると採用担当者からの印象が悪くなることも。「採用しても、似たような理由でまた辞めてしまうのでは」と思われてしまう原因にもなるため、ネガティブな理由は前向きな言葉に言い換えて書くのが基本です。
志望動機を使いまわさない
複数の園に履歴書を送る場合は、志望動機を使いまわさないのが鉄則です。
転職の際は、一度に数件の園に履歴書を送ることも珍しくないでしょう。保育理念が似ている園や同じ形態の園であれば、「同じ志望動機を送っても良いのでは?」と思う保育士の方もいるかもしれません。
しかし、採用担当者の中には今まで多くの志望動機を見てきた人もいるため、志望動機の使いまわしはすぐに見破られるでしょう。志望動機を使いまわしていることに気づかれると、「うちの園で働きたいという思いは特にないのか」と熱意が疑われ、採用が遠ざかる原因になります。
待遇や福利厚生について書かない
待遇や福利厚生の良さを理由に転職する保育士もいるかもしれませんが、志望動機には待遇や福利厚生について記載しないようにしましょう。
待遇や福利厚生に魅力を感じた旨を志望動機に記載すると、「条件が合えばうちの園でなくても良いのでは」「保育に関する熱意がないのでは」と思われてしまいます。志望動機には、園の特色に対する共感や、仕事に対する熱意を記載するようにしましょう。
保育士の志望動機は応募先の特色を理解して書こう
- 保育士の志望動機は、応募先の特色や保育理念をよく理解したうえで考える
- 新卒・中途保育士の志望動機には、保育士になった理由を盛り込むと良い
- 保育士の志望動機を書くときはネガティブな理由を前向きな言葉に書き換えるようにする