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歯科医師の仕事内容は?就業場所や年収、国家試験について紹介!

4 days ago

「歯科医師の仕事内容や就業場所は?」と気になる方もいるでしょう。歯科医師は歯科医院や大学病院に勤務しており、虫歯治療や予防処置、口腔外科的治療などを行っています。この記事では、歯科医師の詳しい仕事内容や1日のスケジュールについてご紹介。歯科医師国家試験の概要や合格率、歯科医師の年収にも触れていますので、ぜひご覧ください。

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歯科医師の仕事内容

歯科医師の主な仕事は、虫歯や歯のまわりの病気を治療するとともに、予防指導にあたることです。ただし、医科の医師のように専門領域や分野に特化して診療を行う場合もあり、仕事の幅は広いといえるでしょう。

ここでは、job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「歯科医師」を参考に、歯科医師の仕事内容について詳しく解説します。

歯や歯周病の治療・口腔ケア

歯科医師の代表的な仕事は、歯の病気・歯周病の治療です。虫歯に対しては、専用の機器を使って歯の悪い部分を削り、削った箇所はレジンや金属の詰め物をします。インプラントや義歯(入れ歯)で対応することもあるようです。

また、公益社団法人日本麻酔科学会「よくある術前合併症」によると、虫歯やぐらつく歯があるなどの口腔内トラブルがある患者が、全身麻酔で手術を受ける場合は、事前に歯科受診をして口腔内ケアを行うことが推奨されています。虫歯やぐらつく歯があると、麻酔のマスクを顔に当てたりチューブを口に入れたりするときに、出血や感染の原因になることがあるからです。そのため、歯科医師は他の病気の治療を進める目的で、歯の治療や口腔ケアを依頼される場合もあります。

予防歯科

歯を残すための予防治療も、歯科医師の重要な仕事です。歯科検診を受けに来た患者へ、虫歯のチェックや歯磨き指導、歯石除去などを行います。歯に関する相談にものるようです。

歯列矯正

歯並びや噛み合わせを矯正して、きれいな歯並びにする「歯列矯正」も歯科医師が行います。公益社団法人日本矯正歯科学会「矯正歯科治療について」によると、悪い歯並びや噛み合わせをそのままにしておくと、見た目の美しさが損なわれるだけでなく、食べ物がよく噛めなかったり、顎の関節に負担をかけたりする問題が出てくるようです。

歯列矯正では、歯に装置を装着するなどの方法で、歯を少しずつ動かしていく治療を行います。

口腔外科的治療

歯科医師の専門領域は、歯・歯肉以外の口腔内や顎の病気も対象となります。主に口腔がんや外傷、先天性疾患の手術・治療が行われますが、対応している医療機関が限定されており、入院施設のある病院のみで行われることが多いようです。

審美歯科

日本審美歯科協会「審美歯科とは」によると、審美歯科とは、歯や口元の美しさに焦点を当てた総合的な歯科治療のことです。虫歯治療などのオプションとして審美歯科を取り扱うケースもあれば、中には審美歯科専門のクリニックもあります。

白く形の良い歯にしたり、美しく歯並びを整えたりするのが主な施術内容です。歯の着色汚れを落として歯を白くするホワイトニングや、自費の詰め物であるセラミックの被せものをする施術が行われています。

参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「歯科医師」
公益社団法人日本麻酔科学会「よくある術前合併症」
公益社団法人日本矯正歯科学会「矯正歯科治療について」
日本審美歯科協会「審美歯科とは」

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歯科医師の就業場所

厚生労働省「令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 2 歯科医師」によると、2022年の歯科医師の就業場所は以下のとおりです。

                                                                                                                     
就業場所歯科医師の人数
病院(医育機関附属の病院を除く)開設者または法人の代表者33人
勤務者3223人
医育機関附属の病院(大学病院) 臨床系の教官または教員3320人
臨床系の大学院生1417人
臨床系の勤務医3669人
診療所開設者または法人の代表者5万6767人
勤務者3万3490人
介護老人保健施設の従事者34人
介護医療院の従事者3人
医育機関の臨床系以外の大学院生126人
医育機関の臨床系以外の勤務者867人
医育機関以外の教育機関または研究機関の勤務者201人
行政機関の従事者314人
行政機関を除く保健衛生業務の従事者54人
その他の者1747人

参考:厚生労働省「令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 2 歯科医師」

2022年の調査では、歯科医師の就業場所は診療所が最も多く、次いで大学病院が多い結果でした。以下ではそれぞれの就業場所で、歯科医師がどのように勤務しているか解説します。

参考:厚生労働省「令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」

歯科医院・歯科クリニック

歯科医院・歯科クリニックは、歯科医師の代表的な就業場所です。勤務医として働く歯科医もいますが、独立・開業して院長としてクリニックを経営しながら働いているケースが多いでしょう。

歯科医院・歯科クリニックの歯科医師の仕事は、歯・歯のまわりの治療や定期検診が主です。クリニックによっては、審美歯科や矯正歯科などより専門的な治療に力を入れていることもあります。また、地域の幼稚園・保育園や学校、企業などに出向いて歯科健診を行うこともあるようです。

大学病院・総合病院の歯科

病院勤務の歯科医師は、医科で手術を控えている患者の検診や口腔ケア、口腔内疾患・外傷の手術や治療を行っています。
大学病院では歯科の中でもさらに、歯科口腔外科や歯周病科など専門分野が分かれており、治療に加えて学生・臨床研修医教育や研究が行われているようです。

介護施設

介護施設で働く歯科医師は、介護施設の利用者が問題なく口から食事を摂れるよう、虫歯などの治療や入れ歯の調整、口腔ケアなどを行います。
口腔ケアは介護職員も行う機会があるため、歯科医師から介護職員へ口腔ケアについて指導を行うこともあるようです。

行政機関

行政機関で働く歯科医師は、具体的には都道府県・市区町村の保健所や役所、厚生労働省などで働いています。

保健所や役所で働く歯科医師は、地域住民へ口腔健康について広報活動を行ったり、地域歯科健診を行ったりしているようです。厚生労働省では医系技官として採用されることが多く、国民の口腔衛生について調査や政策の立案などを行います。

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歯科医師の1日のスケジュール

ここでは、勤務先別に歯科医師の1日のスケジュールを紹介します。

開業医・歯科医院勤務の場合

歯科医師の勤務先として最も多い、歯科医院で働く歯科医師の1日のスケジュール例は、以下のとおりです。

時刻
スケジュール
午前8時30分 出勤、予約患者のカルテを確認、朝礼
午前9時 午前の診療開始
午後1時 午前の診療終了、昼食
午後3時 午後の診療開始
午後6時30分 午後の診療終了、片付け
午後7時 退勤

歯科医院の多くは、診療が午前と午後に分かれています。また、診療は予約してきた患者の対応をすることがほとんどですが、急な痛みや被せものの外れなどで来院した患者がいれば、予約の合間で対応することもあるようです。

また、訪問歯科を行っている歯科医院であれば、決まった曜日・時間に医院を閉めて、訪問診療に向かうこともあります。

大学病院勤務の場合

一方、大学病院に勤務する歯科医師のスケジュール例は、以下のとおりです。

時刻
スケジュール
午前8時30分 出勤、病棟回診
午前9時 外来診療
正午 外来診療終了、昼食
午後1時30分 手術執刀
午後3時 手術終了、家族への説明
午後4時 医局カンファレンス
午後5時 研究活動、論文執筆
午後6時30分 退勤

大学病院に勤務する歯科医師は、曜日によってスケジュールが異なることが多いでしょう。外来診療は週に1~3日くらいで午前中が多く、原則として曜日が決まっています。午後からは手術や研究活動、学生・臨床研修医の教育などを行うことが一般的です。学会の前になると、発表の準備に追われることもあります。

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歯科医師になるには?

job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「歯科医師」によると、歯科医師になるには、まず大学の歯学部か歯科大学で6年間、歯学について学ぶ必要があります。大学を卒業したら、歯科医師国家試験が受験可能です。歯科医師国家試験に合格したら、歯科医院や病院で臨床研修を1年以上行うと、歯科医師になれます。

参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「歯科医師」

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歯科医師国家試験について

厚生労働省「歯科医師国家試験の施行について」によると、2026年2月に行われる歯科医師国家試験は、東京都や大阪府をはじめとし、8都道府県で実施されます。前述のとおり、大学歯学部か歯科大学で、歯学の正規の課程を修めた人などに、受験資格が与えられる仕組みです。

厚生労働省「第118回歯科医師国家試験受験者留意事項」によると、歯科医師国家試験の日程は例年1月下旬か2月上旬の2日間で、合格発表は3月中旬に厚生労働省のWebサイトで行われます。試験は2日間とも同じ時間割で、午前9時45分から正午までと、午後1時45分から午後4時までです。

歯科医師国家試験の出題数と合格基準

厚生労働省「歯科医師国家試験の現況」によると、歯科医師国家試験の出題総数と問題の種類、配点は以下のとおりです。

必修問題
(1問1点)
一般問題
(1問1点)
臨床実地問題
合計
必修問題 80問 - - 80問
歯科医学総論 - 100問 - 100問
歯科医学各論 - 80問 100問 180問
合計 80問 180問 100問 360問

参考:厚生労働省「歯科医師国家試験の現況」

また、厚生労働省「第117回歯科医師国家試験の合格発表について」によると、2025年1月に行われた第117回歯科医師国家試験の合格基準は以下のとおりです。

  • 領域A(総論):94点中60点以上
  • 領域B(各論):379点中254点以上
  • 必修問題:80点中64点以上

合格基準は問題の種類により異なり、合格には上記の3種類の問題の基準をすべて満たすことが必要です。

必修問題は絶対基準となっており、例年80点中64点以上が合格基準となっています。一方、一般問題と臨床実地問題は、平均点と標準偏差を用いた相対基準を用いて合格ラインが決められるため、例年合格ラインが変わるのが特徴です。

参考:厚生労働省「歯科医師国家試験の施行について」
厚生労働省「第118回歯科医師国家試験受験者留意事項」
厚生労働省「医道審議会歯科医師分科会歯科医師国家試験制度改善検討部会」
厚生労働省「第117回歯科医師国家試験の合格発表について」

歯科医師国家試験の合格率

2023~2025年に実施された歯科医師国家試験の合格率は、以下のとおりです。

開催回(開催年) 受験者数 合格者数 合格率
第116回
(2023年)
3157人 2006人 63.5%
第117回
(2024年)
3117人 2060人 66.1%
第118回
(2025年)
3039人 2136人 70.3%

参考:厚生労働省「第116回歯科医師国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第117回歯科医師国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第118回歯科医師国家試験の合格発表について」

歯科医師国家試験の合格率は、例年60~70%程度で推移しています。

参考:厚生労働省「第116回歯科医師国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第117回歯科医師国家試験の合格発表について」
厚生労働省「第118回歯科医師国家試験の合格発表について」

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歯科医師の年収は?

e-Stat政府統計の総合窓口「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」によると、歯科医師の給与(きまって支給する現金給与額)は90万9200円、年間賞与その他特別給付額は44万4800円でした。

給与×12ヶ月+賞与で年収を算出すると、1135万5200円となります。開業して歯科クリニックを経営している歯科医であれば、より年収が高くなることも考えられるでしょう。

参考:e-Stat政府統計の総合窓口「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」

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歯科医師は歯や口腔疾患の治療・予防や矯正を行う

  • 歯科医師は歯や歯周病、口腔疾患の治療や矯正歯科、審美歯科などを行う
  • 歯科医師は診療所で働く場合が最も多く、大学病院や介護施設でも活躍している
  • 歯科医師になるには大学で単位を修得して国家試験に合格した後、1年の臨床研修が必要

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