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基幹相談支援センターとは?事業内容や働いている職種を解説

6 days ago

「基幹相談支援センターとはどのような施設かよく分からない」という方もいるでしょう。基幹相談支援センターは、総合的・専門的な相談支援や地域の相談支援体制の強化などを通して障がいのある方のサポートを行う施設です。この記事では、基幹相談支援センターの概要や主な事業内容について紹介します。基幹相談支援センターで働く職種や必要なスキルについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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基幹相談支援センターとは

厚生労働省「基幹相談支援センター」によると、基幹相談支援センターとは、障がいのある方の相談支援や地域の相談支援体制の強化などを行う機関です。

厚生労働省「障害者相談支援事業の実施状況等について」によると、基幹相談支援センターは、市町村役所や公共施設、障害福祉サービスの事業所内などに設置されています。

根拠法と設置義務

基幹相談支援センターは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」に基づき設置、運営されています。e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 第77条の2」によると、基幹相談支援センターの設置主体は各市町村です。

なお、法令では設置主体が定められているだけであり、基幹相談支援センターの設置自体は義務化されていません。そのため、厚生労働省「障害者相談支援事業の実施状況等について」によると、2024年4月に実施された調査では、基幹相談支援センターを設置している市町村は1045市町村・1309箇所と、全体の60%となっています。

基幹相談支援センターと相談支援事業所の違い

基幹相談支援センターと同様に、障がいのある方に対して相談支援を行う施設の一つに「相談支援事業所」があります。基幹相談支援センターと相談支援事業所の大きな違いは、主な役割です。

厚生労働省「障害者の相談支援等について」によると、基幹相談支援センターは、地域の相談支援の中核を担う機関として、相談支援体制の整備や自治体・関係機関との連携強化にも取り組んでいます。
一方で、相談支援事業所は、障がい者本人や家族、地域住民などの相談窓口として、個別の相談支援を行うのが主な役割です。

参考:厚生労働省「基幹相談支援センター」
厚生労働省「障害者相談支援事業の実施状況等について(令和6年調査)」
e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」
厚生労働省「社会保障審議会障害者部会(第114回)」

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基幹相談支援センターの主な事業内容

厚生労働省「参考資料」によると、基幹相談支援センターは主に、「総合相談・専門相談」「地域移行・地域定着」「地域の相談支援体制の強化の取り組み」「権利擁護・虐待防止」の4つの事業を行っています。ここからは、本資料を参考に、それぞれの事業内容について詳しくみていきましょう。

総合相談・専門相談

基幹相談支援センターでは、主に身体障がい・知的障がい・精神障がいに関する相談業務や、専門性の高い相談支援を行います。また、地域の相談支援事業者で対応が難しいと判断された個別事例への対応を行うこともあるようです。

地域移行・地域定着

基幹相談支援センターは、障がいのある方が自ら選んだ住まいで安心して生活できるよう、地域移行や地域定着の支援を行う役割を担っています。

厚生労働省「障害者の地域移行・地域生活を支えるサービスについて」によると、地域移行支援とは、障がい者支援施設や病院などに入所・入院している方を対象に、住居の確保や地域生活へ移行するための支援を行うことです。
一方、地域定着支援とは、居宅において単身で生活している障がい者を対象に、常時の連絡体制を確保したり、緊急時には必要な支援を行ったりする事業のことを指します。

基幹相談支援センターでは、地域移行・地域定着の事業として、入院施設や精神科病院への働きかけや、地域の体制整備に関わるコーディネートなどを行うのが特徴です。

地域の相談支援体制の強化の取り組み

地域の相談支援体制の強化に取り組むことも、基幹相談支援センターの主な事業の一つです。厚生労働省「基幹相談支援センター」によると、具体的な取り組みには、以下のようなものがあります。

  • 日常的な支援方針を検討する場の設置・運営
  • 事業所への訪問や業務への同行による相談支援事業者への専門的指導や助言
  • 相談支援事業者の人材育成を目的とした研修会の企画・運営
  • 地域の関係機関との間での情報の収集・提供
  • 関係機関への障がい者支援に関わる専門的助言

地域の関係機関には、学校・企業・地域包括支援センター・生活困窮者自立相談支援機関・こども家庭センターなどが挙げられます。基幹相談支援センターは、地域の相談支援体制の強化のため、相談支援事業所や関係機関と連携をとりながら、相談者の支援を行うのが特徴です。

権利擁護・虐待防止

基幹相談支援センターは、権利擁護を目的とした成年後見制度利用支援事業や虐待防止事業にも取り組んでいます。

厚生労働省 成年後見はやわかり「ご本人・家族・地域のみなさまへ 成年後見制度とは」によると、成年後見制度とは、知的障がいや精神障がいなどが理由で、財産管理や身上保護などの法律行為をひとりで行うのが難しい場合に、本人の意思を尊重した支援を行う制度のことです。基幹相談支援センターでは、成年後見制度の利用に関する相談に対応しています。

また、基幹相談支援センターは、市町村の障がい者虐待防止センターの役割を兼ねることが可能です。そのため、相談支援事業者と連携をとりながら、虐待に関する通報の受理や相談に応じることもあります。

参考:厚生労働省「社会保障審議会障害者部会(第131回)」
厚生労働省「1. 地域移行支援・自立生活援助・地域定着支援」
厚生労働省「基幹相談支援センター」
厚生労働省 成年後見はやわかり「ご本人・家族・地域のみなさまへ 成年後見制度とは」

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基幹相談支援センターで働く主な職種

厚生労働省「障害者地域生活支援体制整備事業『オンライン研修』研修資料」によると、基幹相談支援センターには、次のような職種が働いています。

  • 相談支援専門員
  • 主任相談支援専門員
  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 保健師

ここからは、それぞれの職種が基幹相談支援センターで担う主な役割と、資格の取得方法を紹介します。

相談支援専門員

相談支援専門員とは、障がいのある方やその家族からの相談に応じ、適切な障害福祉サービスを利用できるようにマネジメントを行う職種です。基幹相談支援センターでは、障がいのある方に対して相談支援を行う役割を担っています。

厚生労働省「相談支援専門員制度について(令和2年4月1日~)」によると、相談支援専門員になるには、3~10年の実務経験と相談支援従事者初任者研修の修了が必要です。実務経験は、従事している業務内容や資格の有無などの条件によって、必要な年数が定められています。

主任相談支援専門員

厚生労働省「相談支援専門員制度について(令和2年4月1日~)」によると、主任相談支援専門員とは、相談支援従事者の育成や困難事例への対応、相談支援のマネジメント業務などを行う職種です。主任相談支援専門員は、前述の相談支援専門員の上級資格にあたります。

主任相談支援専門員として働くには、主任相談支援専門員研修の修了が必要です。なお、主任相談支援専門員研修を受講するには、3年以上の実務経験と相談支援従事者現任研修の修了が求められます。

社会福祉士

厚生労働省「社会福祉士・介護福祉士等」によると、社会福祉士とは、身体上・精神上の障がいまたは環境上の理由により、日常生活を送るのに支障がある方に対して、相談や指導、関係機関との調整などの援助を行う職種のことです。

基幹相談支援センターで働く社会福祉士は、障がいのある方からの相談を受け、適切なサービスが受けられるよう、関係機関と連携をとりながら支援を行います。

厚生労働省「ページ2:社会福祉士の資格取得方法」によると、社会福祉士の資格を取得するには、福祉系大学または社会福祉士養成施設を卒業した後、国家試験へ合格することが必要です。資格取得ルートによっては、国家試験受験までに1~2年間の実務経験を求められる場合もあります。

精神保健福祉士

厚生労働省「精神保健福祉士について」によると、精神保健福祉士とは、主に精神に障がいがある方を対象とし、社会復帰や日常生活への適応のために必要な援助を行う職種のことです。精神保健福祉士は、基幹相談支援センターで行う相談支援の中でも、特に精神に障がいのある方からの相談に対応します。

厚生労働省「資格取得方法」によると、精神保健福祉士の資格は、短大や大学、養成施設などを卒業後、国家試験に合格し取得する流れが一般的です。なお、大学の修業年限によっては、卒業後に1~4年の相談援助業務に関する実務経験が求められることもあります。
また、保健福祉系の短大や大学を卒業していない場合は、6ヶ月もしくは1年間養成施設で学ぶ必要がある仕組みです。

保健師

job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「保健師」によると、保健師とは、保健・医療・福祉・介護の分野で、乳幼児から高齢者までのすべての住民を対象に必要な保健サービスを提供する職種です。

保健師になるには、保健師国家試験に合格する必要があります。
なお、保健師国家試験の受験には、看護師国家試験に合格していること、もしくは看護師国家試験と同時受験をすることが条件です。そのため、後者の場合は、看護系大学・短大・専門学校などで必要な課程を修了した後、看護師国家試験・保健師国家試験を受験する流れとなります。既に看護師免許を持っている人も、保健師国家試験を受験するには、保健師養成施設などで必要な単位を取得しなければなりません。

基幹相談支援センターで働く保健師は、看護・保健分野の知識を活かした相談支援を行ったり、相談者の状況を適切に判断し、関係機関に情報を共有したりする役割を担うのが特徴です。

参考:厚生労働省「障害者地域生活支援体制整備事業」
厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」
厚生労働省「社会福祉士・介護福祉士等」
厚生労働省「精神保健福祉士について」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「保健師」

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基幹相談支援センターで働くうえで必要なスキル

基幹相談支援センターで働くうえで必要なスキルには、以下のようなものがあります。

  • 相談支援に関する専門的なスキル
  • コミュニケーションスキル
  • 観察力
  • 情報収集スキル

基幹相談支援センターは、人員配置基準が設けられていないため、無資格や未経験で働ける場合もあるでしょう。しかし、前項で述べたような資格や相談業務の実務経験などを、求人の応募条件としているところも多いようです。そのため、基幹相談支援センターで働くうえで、相談支援に関する専門的なスキルや資格があると優遇されるでしょう。

また、基幹相談支援センターは、相談支援事業所で扱うことが難しい専門的なケースの相談支援や、関係機関との情報共有などを行うのが特徴です。多くの相談者やその家族、関係機関の担当者と連携する必要があるため、高いコミュニケーションスキルや情報収集スキルなども求められるでしょう。

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基幹相談支援センターは障がい者へ相談支援を行う施設

  • 基幹相談支援センターは専門的な相談支援や地域の相談支援体制の強化事業を行う施設
  • 基幹相談支援センターでは相談支援の人材育成や質向上に対する取り組みも行われる
  • 基幹相談支援センターでは、相談支援専門員や社会福祉士、保健師などが働いている
  • 基幹相談支援センターで働くには、コミュニケーションスキルや情報収集スキルが必要

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