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薬剤師国家試験の勉強法は?試験概要や勉強スケジュール例を紹介
19 hours ago

「薬剤師国家試験の勉強法がよく分からない」という方もいるでしょう。薬剤師国家試験は、過去問題や問題集を解いて勉強する方法や、ノートを自作して勉強する方法などがあります。この記事では、薬剤師国家試験の勉強のポイントやスケジュール例を紹介します。薬剤師国家試験の試験概要や合格率についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
薬剤師国家試験の勉強法とは
薬剤師国家試験の勉強法は、参考書や問題集を活用する方法や過去問を解く方法、ノートを自作して勉強する方法などさまざまです。ここでは、3つの勉強法を紹介します。
参考書や問題集を利用する
薬剤師国家試験の勉強法の一つは、参考書や問題集を利用する方法です。知識のインプットには、参考書を用いた勉強法が適しています。まずは、参考書を読み、分からない内容に関する知識を深めることから始めると良いでしょう。そして、一通りのインプットが終わったら、理解度を測るために問題集を活用しながら、学習を進めるのがおすすめです。
過去問を解く
薬剤師国家試験の対策では、過去問を使った勉強も大切です。過去問を使って勉強することで、出題の傾向や試験の流れ、時間配分などがつかみやすくなります。また、実際の試験では、過去問と類似した問題が出題されることも多いようです。いろいろな出題方法に慣れるために、5年分以上は解いておくと良いでしょう。
ただし、厚生労働省「薬剤師国家試験出題基準」によると、薬剤師国家試験の出題基準は、学術の進歩および薬剤師業務の変化に伴い、おおむね4年を目途に改定されるようです。
そのため、過去問を活用して勉強する場合は、受験時の出題基準とは異なる場合があることを頭に入れておくと良いでしょう。なお、薬剤師国家試験の出題基準および過去問・解答は、厚生労働省のWebサイトで確認可能です。
参考:厚生労働省「薬剤師国家試験のページ」
自作のノートを活用する
薬剤師国家試験は、自作のノートを用いて勉強する方法もおすすめです。自作ノートは、自分の苦手分野の情報をまとめたり、間違えやすい問題をピックアップして書き留めておいたりと、さまざまな使い方ができます。
ほかにも、要点だけをまとめた小さめのノートを作ったり、付箋や絵・図などを使って理解を深めるノートを作ったりと、用途別にノートを使い分けて勉強する方法も。外出先でも勉強できるよう、スマートフォンのメモ機能やアプリをノートの代わりに用いて勉強するのも一つの手です。
薬剤師国家試験の概要
薬剤師国家試験は、薬剤師になるために合格が必要な試験です。job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「薬剤師」によると、薬剤師国家試験の受験資格は、原則、6年制薬学課程を修了することで得られます。
試験スケジュール
薬剤師国家試験は、年1回、例年2月の中旬から下旬に実施されています。
厚生労働省「『新薬剤師国家試験について』の一部改正について」によると、薬剤師国家試験の具体的な試験スケジュールは、以下のとおりです。
試験スケジュール | 試験時間 | 試験内容 | |
---|---|---|---|
1日目 | 午前9時30分~午前11時 | 90分 | 必須問題(全7科目) |
午後12時30分~午後3時 | 150分 | 一般問題(薬学理論問題) - 物理・化学・生物 - 衛生 - 法規・制度・倫理 |
|
午後3時50分~午後5時45分 | 115分 | 一般問題(薬学理論問題) - 薬理 - 薬剤 - 病態・薬物治療 |
|
2日目 | 午前9時30分~午前11時35分 | 125分 | 一般問題(薬学実践問題) - 物理・化学・生物 - 衛生 |
午後1時~午後2時40分 | 100分 | 一般問題(薬学実践問題) - 薬理 - 薬剤 |
|
午後3時30分~午後6時 | 150分 | 一般問題(薬学実践問題) - 病態・薬物治療 - 法規・制度・倫理 - 実務 |
参考:厚生労働省「『新薬剤師国家試験について』の一部改正について」
薬剤師国家試験は2日間にわたって実施されるのが特徴です。区分によっては、試験時間が150分と長いものもあります。最後まで集中して試験に挑めるよう、過去問などを利用して試験スケジュールに慣れておくことも大切です。
出題範囲
厚生労働省「『新薬剤師国家試験について』の一部改正について」によると、2020年度に実施された第106回薬剤師国家試験から適用されている試験科目ごとの問題数は、以下のとおりです。
科目 | 問題区分 | 科目 出題数計 |
||
---|---|---|---|---|
必須問題 | 一般問題 | |||
薬学理論問題 | 薬学実践問題 | |||
物理・化学・生物 | 15問 | 30問 | 15問(複合問題) | 60問 |
衛生 | 10問 | 20問 | 10問(複合問題) | 40問 |
薬理 | 15問 | 15問 | 10問(複合問題) | 40問 |
薬剤 | 15問 | 15問 | 10問(複合問題) | 40問 |
病態・薬物治療 | 15問 | 15問 | 10問(複合問題) | 40問 |
法規・制度・倫理 | 10問 | 10問 | 10問(複合問題) | 30問 |
実務 | 10問 | - | 20問 +65問(複合問題) |
95問 |
合計出題数 | 90問 | 105問 | 150問 | 345問 |
参考:厚生労働省「『新薬剤師国家試験について』の一部改正について」
薬学実践問題では、実務科目の20問を除き、「実務」とそれ以外の科目とを関連させた複合問題となっているのが特徴です。
また、前述のとおり、薬剤師国家試験の出題基準は定期的に改定が行われています。そのため、試験を受ける際は、あらかじめ厚生労働省のWebサイトで最新の情報を確認しておくのがおすすめです。
合格基準
厚生労働省「『新薬剤師国家試験について』の一部改正について」によると、薬剤師国家試験に合格するには、以下のすべての合格基準を満たす必要があります。
- 問題の難易を補正して得た総得点について、平均点と標準偏差を用いた相対基準により設定した得点以上であること
- 必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上であること
薬剤師国家試験では、禁忌肢問題が設けられているのも特徴です。禁忌肢の選択数が基準を超えると、上記の条件を満たしていても不合格となります。なお、近年の傾向として、「禁忌肢問題の選択数は2問以下であること」が合格条件となるケースが多いようです。
合格率
厚生労働省「薬剤師国家試験のページ」によると、2022~2024年度に実施された過去3回の薬剤師国家試験の合格率は、以下のとおりです。
実施年度(実施回) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2022年度(第108回) | 1万3915人 | 9602人 | 69.00% |
2023年度(第109回) | 1万3585人 | 9296人 | 68.43% |
2024年度(第110回) | 1万3310人 | 9164人 | 68.85% |
参考:厚生労働省「第108回薬剤師国家試験の結果について」
厚生労働省「第109回薬剤師国家試験の結果について」
厚生労働省「第110回薬剤師国家試験の結果について」
薬剤師国家試験の合格率は、例年7割近い数値となっています。過去3年間では、受験者数や合格者数も大きな差がなく、合格水準は比較的安定しているといえるでしょう。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「薬剤師」
厚生労働省「薬剤師国家試験のページ」
薬剤師国家試験の勉強のポイント
ここでは、薬剤師国家試験の勉強のポイントを5つ紹介します。
スケジュールを組んで勉強する
薬剤師国家試験は、スケジュールを組んで勉強を始めることがポイントです。前述のとおり、薬剤師国家試験は出題範囲が広く、全7科目の対策を行う必要があります。そのため、スケジュールを立てずに勉強を始めてしまうと、すべての科目の勉強ができない可能性も。
まずは、試験日から逆算して、どのくらいの期間勉強できるのかを把握することが大切です。
試験日までの残り期間が把握できたら、大まかなスケジュールから順に立てていくと良いでしょう。出題範囲全体に目を通すため、問題区分ごとにスケジュールを組むのもおすすめです。
必須問題の対策をする
薬剤師国家試験において、必須問題の対策は欠かせないポイントの一つです。前述のとおり、必須問題は全体の70%以上、かつ、各科目30%以上の点数を取る必要があります。そのため、苦手な分野も確実に30%以上の点が取れるよう、必須問題の対策は優先的に行うのがおすすめです。苦手な科目があるときは、勉強に充てる時間を多めに確保すると良いでしょう。
勉強をルーティン化する
薬剤師国家試験の勉強は、ルーティン化して行うと良いでしょう。薬剤師国家試験では、暗記が必要な内容も多く、何度も繰り返し勉強することが大切です。時間があるときにまとめて勉強するより、短時間でも毎日勉強するほうが、知識が定着しやすいことも。
平日は知識をインプットし、週末は問題を解いて知識が身に付いているか確認するなど、週全体のルーティンを作るのも良いでしょう。
スキマ時間を利用する
スキマ時間を利用することも、薬剤師国家試験の勉強における一つのポイントです。薬剤師国家試験は、複数の選択肢の中から正しいものを選ぶ形式で出題されます。そのため、正誤の確認程度であれば、移動中や休憩時間などのスキマ時間にも勉強できるでしょう。
外出先のチェックで間違えた問題や理解が不足していると感じた内容は、帰宅後に復習する流れで勉強を行うのもおすすめです。
アウトプットをして知識を定着させる
薬剤師国家試験の勉強では、アウトプットを通して知識を定着させることも大切なポイントです。試験勉強を始めて間もない時期は、参考書を見て情報をインプットする勉強法がメインとなるでしょう。しかし、インプットしただけでは知識が身に付いたとは言い切れません。そのため、参考書を一通り読み終えた後は、アウトプットを意識した勉強法に切り替えることが大切です。
具体的には、問題集や過去問の解説をノートにまとめたり、ほかの人に分かりやすく説明したりする方法があります。選択肢を見ずに記述形式で答えてみるのも、知識の定着化を図るうえで効果的でしょう。
薬剤師国家試験の勉強スケジュールの例
ここでは、薬剤師国家試験の勉強スケジュールの一例を紹介します。2月の試験に向けて、4月から勉強を始める場合のスケジュール例は以下のとおりです。
時期の目安 | 勉強内容 | 勉強方法の例 |
---|---|---|
4~6月 | 必須問題対策 | - テキストを用いて、知識をインプットする - 問題集を用いて、理解度を測る - 苦手分野を集中的に勉強する |
7~9月 | 一般・薬物理論問題対策 | |
10~12月 | 一般・薬物実践問題対策 | |
1~2月 | 総復習 | - 過去問題を活用し、本番と同様のスケジュールで解いてみる - 正答率が低い科目は、インプットとアウトプットを合わせて行う - 得意分野はアウトプット学習を繰り返し、知識を定着化させる |
問題区分ごとの勉強は、知識のインプット、理解度のチェック、苦手分野の対策や得意分野の強化の順で行うのがおすすめです。
上記のスケジュール例の「勉強内容」は、あくまで重点的に勉強する内容となります。たとえば、4~6月に対策を行った必須問題について、1月の総復習の時期まで手を付けない状態だと、インプットした知識が抜けてしまう可能性もあるでしょう。そのため、7月以降も参考書やノートを見返したり、過去問を解いたりして、定期的に振り返りを行うことが大切です。
薬剤師国家試験は自分に合った勉強法で対策しよう
- 薬剤師国家試験は、過去問や参考書を用いた勉強法が一般的
- 薬剤師国家試験は、自作ノートを使った勉強法もおすすめ
- 薬剤師国家試験の勉強は、スケジュールを立ててから始めることが大切
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