豆知識
師と士の違いとは?意味や医療・福祉系の漢字別職種一覧を紹介
16 days ago

「師と士の違いがよく分からない」という方もいるでしょう。「師」と「士」は、職種の名称に関しては使い分けに明確な基準がないとも言われています。この記事では、師と士の言葉の意味やそれぞれの漢字が使われている医療・福祉系の職種一覧を紹介します。「司」が使われる職種一覧や看護師と看護士の違いについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
師と士の違いとは?
医療・福祉系の職種の名称には、「師」を使ったものと「士」を使ったものがあります。「師」と「士」は2つは似た意味をもっており、職種の名称において、使い分けの明確な基準はないようです。そのため、文字の意味から、どちらの漢字が使われているのか推測することは難しいでしょう。
ただし、職種の名称は資格名と同一であるのが一般的です。よって、正しい職種の名称を知りたい場合は、資格名を調べると良いでしょう。
それぞれの漢字がもつ意味は、以下で紹介します。
「師」とは
goo辞書「師とは?部首・画数・読み方・意味」によると、「師」とは、人を教え導く人といった意味をもつ漢字です。具体的には、「教師」や「講師」、「師範」などの言葉に用いられています。
また、「師」には、専門的な技術をもつ人という意味も含まれており、「医師」や「絵師」、「猟師」など、さまざまな職種の名称に用いられているのが特徴です。
「士」とは
goo辞書「士とは?部首・画数・読み方・意味」によると、「士」とは、男性や軍人を表す漢字で、「紳士」や「武士」、「兵士」などの言葉に用いられています。
また、「士」は、資格や技術をもつ人という意味もあるようです。この意味をもった言葉には、「博士」や「学士」、「棋士」などがあります。
参考:goo辞書「師とは?部首・画数・読み方・意味」
goo辞書「士とは?部首・画数・読み方・意味」
「師」を使った職種一覧
「師」を使った職種には、以下のようなものがあります。
- 医師
- 歯科医師
- 看護師
- 助産師
- 保健師
- 准看護師
- 薬剤師
- 臨床検査技師
- 公認心理師
- 診療放射線技師
- はり師
- きゅう師
- あん摩マッサージ指圧師
- 柔道整復師
- 美容師
- 理容師
医療や福祉などの分野では、「専門的な技術をもつ人」の意味で、職種の名称に用いられていることが多いと考えられます。
「士」を使った職種一覧
一方、「士」を使った職種は、以下のとおりです。
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 栄養士
- 管理栄養士
- 救急救命士
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 視能訓練士
- 義肢装具士
- 歯科衛生士
- 臨床心理士
- 診療情報管理士
- 保育士
医療・福祉系の職種の名称における「士」は、資格や技術をもつ人の意味で使われていることが多いでしょう。
「司」を使った職種一覧
「司」は師・士と同様に、「シ」と読み、職種の名称に用いられることもあります。
「司」を使った職種は以下のとおりです。
- 児童福祉司
- 児童心理司
- 身体障害福祉司
- 知的障害福祉司
- 保護司
goo辞書「司とは?部首・画数・読み方・意味」によると、「司」は、役目をつかさどる人や役所・役人という意味をもちます。そのため、公務員である職種の名称に多く用いられているのが特徴です。
参考:goo辞書「司とは?部首・画数・読み方・意味」
看護師と看護士の違い
「師」と「士」の使い分けで迷いやすい職種の一つが、「看護師」でしょう。
厚生労働省「保健師助産師看護師法等の主な改正経緯」によると、かつて、看護師は性別によって呼び方が異なっており、女性の看護師は「看護婦」、男性の看護師は「看護士」と呼ばれていました。
「看護師」という名称に統一されたのは、2002年4月に施行された法改正がきっかけです。この改正により、看護婦や看護士という名称は変更され、性別にかかわらず「看護師」と呼ばれるようになりました。この法改正により、国家試験や免許の名称も「看護婦」から「看護師」に変更されており、「看護師」が正しい表記となります。
このような経緯から、現在でも「看護士」という表記を目にしたり、「看護婦さん」という呼び方を聞いたりすることもあるかもしれません。「看護士」や「看護婦」という名称も間違いとは言い切れませんが、正式名称は「看護師」であることを覚えておきましょう。
参考:厚生労働省「保健師助産師看護師法等の主な改正経緯」
師・士・司の使い分けに明確な基準はない
- 「師」とは専門的な技術をもつ人を表す漢字で、医師や看護師などの名称で使われている
- 「士」とは資格や技術をもつ人を表し、介護福祉士や栄養士などの名称で使われている
- 「司」には役所を表す意味が含まれるため、公務員の職種に使われることが多い
- 師・士・司の使い分けに迷ったら、資格名を確認すると良い