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登録販売者試験とは?日程や申し込み方法、合格への対策を紹介
12 days ago

「登録販売者試験についてよく分からない」という方もいるでしょう。登録販売者試験は、薬局やドラッグストアなどで、第2類・第3類医薬品を販売する「登録販売者」になるための資格認定試験です。この記事では、登録販売者試験の概要や日程、申し込み方法について紹介します。登録販売者試験に合格するための対策についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
登録販売者試験とは
登録販売者試験とは、登録販売者になるための資格認定試験です。登録販売者試験は、年に1回、都道府県ごとに実施されます。受験する都道府県によって、試験問題の概要が異なるのが特徴です。
試験日程や試験問題は地域ごとに分かれているため、同じエリアの都道府県であれば、試験日や試験問題は同一となります。エリア分けは公表されていないものの、基本的には例年同じ都道府県が1エリアとして括られているようです。そのため、同じ日程で試験が実施される都道府県については、過去のエリア分けを参考にすると良いでしょう。
また、エリアごとに異なる日程で試験が実施されるため、ほかの都道府県との併願が可能な点も、登録販売者試験の大きな特徴の一つです。コロナ禍の影響で、ほかの地域での受験が推奨されていない年もありましたが、基本的には自身の居住地以外での受験も認められています。そのため、登録販売者試験は、別の日程で実施されている試験を含めると、年に複数回の受験が可能です。
登録販売者とは
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「医薬品販売/登録販売者」によると、登録販売者とは、薬局やドラッグストアなどで市販されている第2類・第3類医薬品を販売できる職種です。
副作用や薬の飲み合わせについて特に注意が必要である「第1類医薬品」については、薬剤師にのみ販売が許されており、登録販売者が販売することはできません。一方、「第2類医薬品」「第3類医薬品」は登録販売者が販売できますが、販売に際して注意しなければ、副作用や飲み合わせなどによる健康被害が生じる可能性もあります。
そのため、登録販売者試験では、医薬品の種類や作用、適切に使用する方法など、医薬品を販売するうえで必要な知識が問われます。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「医薬品販売/登録販売者」
登録販売者試験の日程
登録販売者試験は、例年8月下旬から12月下旬にかけて実施されています。
期間に幅があるのは、前述のとおり、エリアによって試験時期が異なるためです。エリアごとに見てみると、基本的には前年と同時期に試験が実施されているため、大まかな時期については、受験する都道府県の前年の情報を参考にすると良いでしょう。
日程に関する大まかなスケジュールは、以下のとおりです。
- 試験に関する日程の公表:願書受付の約1ヶ月前
- 願書受付:試験の約2~3ヶ月前
- 試験結果の発表:試験の約1ヶ月後
登録販売者試験に関する日程は、願書受付の1ヶ月ほど前から、各都道府県のWebサイトにて公表され始めます。願書の受付期間が短い都道府県もあるため、日程が公表され次第、早めに申請をするのが得策です。
ただし、前年と同時期に試験が実施されることは明確に規定されているわけではないため、前年とは異なるスケジュールで試験が実施される可能性もあると考えられます。登録販売者試験を受験する方は、情報を見逃すことのないよう、各都道府県のWebサイトをこまめにチェックするのがおすすめです。
登録販売者試験の概要
ここでは、登録販売者試験の概要について、「受験資格」「試験問題」「合格基準」の3項目に分けて紹介します。
受験資格
登録販売者試験は、受験資格が設けられていないため、誰でも受験が可能です。
厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行等について」によると、2014年以前は、受験資格として実務経験や学歴が求められていました。しかし、2015年度以降は制度の改正に伴い、登録販売者試験の受験資格は不要となっています。
試験問題
登録販売者試験の問題は、厚生労働省「登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会報告書」に則って作成されています。
同資料によると、試験項目と問題数・試験時間の配分の目安は以下のとおりです。
医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 | 40分 |
人体の働きと医薬品 | 20問 | 40分 |
主な医薬品とその作用 | 40問 | 80分 |
薬事関係法規・制度 | 20問 | 40分 |
医薬品の適正使用・安全対策 | 20問 | 40分 |
120問 | 240分 |
参考:厚生労働省「登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会報告書」
登録販売者試験の具体的な出題範囲は、厚生労働省「登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和6年4月)」に示されています。手引きの内容は定期的に更新されることがあるため、最新版にて詳細を確認することが大切です。厚生労働省のWebサイトでは、修正履歴入りの手引きも掲載されているため、前年度より修正された箇所についてもチェックしておくと良いでしょう。
合格基準
厚生労働省「登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会報告書」によると、登録販売者試験の合格基準は、全体の7割程度、かつ各試験項目ごとに一定基準の正答率があることが適当とされています。そのため、各都道府県でも同様の合格基準を設けていると考えて良いでしょう。
たとえば、千葉県「令和6年度千葉県医薬品登録販売者試験の実施結果について」によると、千葉県の場合は、総合得点が70%以上、かつ各科目35%以上の得点が合格基準となっています。
参考:厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行等について」
厚生労働省「登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会報告書」
千葉県「令和6年度千葉県医薬品登録販売者試験の実施結果について」
登録販売者試験の申し込み方法
登録販売者試験の申し込み方法は、「必要書類の準備」「申請手続き」「受験票の受け取り」の3ステップで行います。各ステップごとの詳細は以下のとおりです。
必要書類をそろえる
登録販売者試験の受験案内や受験願書の入手方法は、主に次の3つの方法が挙げられます。
- 郵送で取り寄せる
- 各都道府県のWebサイトからダウンロードする
- 各都道府県の保健所など指定の配布場所で受け取る
近年、Webサイトからダウンロードできるケースも増えていますが、郵送での取り寄せや窓口での受け取りのみとしている都道府県もあるようです。
郵送や窓口受け取りの場合、Webサイトからのダウンロードに比べると、時間や手間がかかります。そのため、確実に期限内に出願するためには、願書の入手方法を事前に確認しておくことが大切です。
申請手続きを行う
申請手続きの方法は、郵送や窓口への持ち込み、インターネットでの申請などさまざまです。基本的には、受験願書の入手方法と同様の申請方法が設けられていることが多いでしょう。
関西広域連合「令和6年度登録販売者試験受験案内」を例に挙げると、インターネットで申請する場合、証明写真のデータや受験費用を納付するためのクレジットカード、受験票を印刷するためのプリンタが必要となります。インターネットでの申請を考えている方は、必要なものが準備できるか事前に確認しておくことも大切です。
参考:関西広域連合「令和6年度登録販売者試験受験案内」
受験票を受け取る
受験票は、自宅に郵送される場合と、インターネットからダウンロードし自身で印刷する場合の2パターンに分けられます。
特に、自身で受験票を印刷する場合は、印刷がうまくできないといったトラブルも起こり得るため、早めに準備しておくと良いでしょう。
登録販売者試験の合格率
厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」によると、過去3年間の登録販売者試験の合格率は以下のとおりです。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2021年度 | 6万1070人 | 3万82人 | 49.3% |
2022年度 | 5万5606人 | 2万4707人 | 44.4% |
2023年度 | 5万2214人 | 2万2814人 | 43.7% |
参考:厚生労働省「令和3年度登録販売者試験実施状況」
厚生労働省「令和4年度登録販売者試験実施状況」
厚生労働省「令和5年度登録販売者試験実施状況」
2021年度から2023年度までの結果からみると、登録販売者試験の全国平均合格率は40~50%となっています。ただし、年度や都道府県によっては、合格率が30%を切るケースもあるようです。
例年、合格率が低い都道府県への出願を考えている人は、合格率が高い傾向がある都道府県での受験や併願を検討するのも良いでしょう。
参考:厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」
厚生労働省「令和3年度登録販売者試験実施状況」
厚生労働省「令和4年度登録販売者試験実施状況」
厚生労働省「令和5年度登録販売者試験実施状況」
登録販売者試験に合格するための対策
ここでは、登録販売者試験に合格するための対策を3つ紹介します。試験に合格するにはどのようなことが大切なのか、チェックしてみてください。
試験までのスケジュールを立てる
登録販売者試験に合格するには、試験までのスケジュールを立て、計画的に学習を進めることが大切です。
登録販売者試験の出題範囲が示されている「試験問題作成に関する手引き」は、400ページ近くあるため、すべての内容を頭に入れるのは容易ではありません。そのため、試験日までの日数を逆算し、各試験項目ごとに区切って学習を進めるのがおすすめです。
特に、第3章の「主な医薬品とその作用」は、医薬品の成分の名前が多く出てきたり、問題数がほかの項目より多かったりと、ほかの項目より難易度が高い傾向があります。そのため、第3章の学習に充てる期間は長めに取り、より重点的に勉強すると良いでしょう。
登録販売者試験の過去問を解く
登録販売者試験に合格するための対策として、過去問を解いておくことも大切です。前述のとおり、登録販売者試験は受験する都道府県によって、出題内容が異なります。出題傾向を掴むためにも、事前に受験する都道府県の過去問を解いておくのがおすすめです。
また、知識が確実に身に付いているか確認するために、ほかの都道府県の過去問を解いてみるのも良いでしょう。登録販売者試験の過去問は、各都道府県のWebサイトにて公表されています。
通信講座やスクールなどを利用する
登録販売者試験は、受験に際して受講必須な講座や研修がないため、独学での合格も可能です。しかし、専門的な知識が問われる試験であるため、学習の進め方が分からないと感じる方もいるでしょう。そのような方は、通信講座を利用したり、スクールに通ったりするのがおすすめです。
自宅で勉強したい方は通信講座を、じっくり丁寧に知識を身に付けたい方はスクールを利用するといったように、自身のスタイルに合った学習方法を選ぶと良いでしょう。また、通信講座やスクールを利用すると、試験までの学習スケジュールが立てやすいメリットもあります。そのため、初めて登録販売者試験を受験する方は、講座の利用を検討してみるのもおすすめです。
登録販売者試験はエリアによって日程や問題が異なる
- 登録販売者試験の試験内容は、厚生労働省の手引きによって定められている
- 登録販売者試験の概要は都道府県ごとに異なるため、Webサイトでの確認が大切
- 登録販売者試験を受験する前には、過去問を解いておくのがおすすめ
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