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訪問介護事業所とは?サービス内容や人員基準を紹介

「訪問介護事業所とは何をする所なのかよく分からない」という方もいるでしょう。訪問介護事業所とは、利用者の居宅で行う介護サービスを提供する事業所のことです。この記事では、訪問介護事業所のサービス内容や人員基準について紹介します。訪問介護事業所で働く場合の1日の流れも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
訪問介護事業所とは
訪問介護事業所とは、利用者の居宅で行う介護サービスを提供する事業所のことです。
厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの?訪問介護(ホームヘルプ)」によると、訪問介護では、訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問し、身体介護や生活援助などの介護ケアを行います。具体的なサービス内容は後述しますが、事業所によっては、通院などを目的とした乗車・移送・降車の介助サービスを提供する場合もあるようです。
訪問介護では、要介護認定を受けた方がサービスの対象となります。厚生労働省「令和5年度 介護給付費等実態統計の概況」によると、2024年4月審査分における要介護状態区分別の受給者数は以下のとおりです。
要介護状態区分 | 受給者数 | 割合 (小数点第一位を四捨五入) |
---|---|---|
要介護1 | 32万9800人 | 30% |
要介護2 | 30万5300人 | 28% |
要介護3 | 18万5500人 | 17% |
要介護4 | 15万7000人 | 14% |
要介護5 | 11万7400人 | 11% |
合計 | 109万5000人 | 100% |
参考:厚生労働省「令和5年度 介護給付費等実態統計の概況」
2024年4月審査分では、全体の約6割の訪問介護受給者が、要介護1・2となっています。地域や事業所によって、サービス利用者の傾向は異なりますが、訪問介護全体では、比較的要介護度が低い方の利用が多いようです。
また、訪問介護では要介護度によって、利用が多いサービスの内容も異なります。同資料によると、要介護1では半数以上が「生活援助」を利用しているのに対して、要介護5では「身体介護」の利用が全体の約9割を占める結果に。
要介護度が高い利用者が多い訪問介護事業所では特に、身体介護サービスの提供が多くなると考えられます。
参考:厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの?訪問介護(ホームヘルプ)」
厚生労働省「令和5年度 介護給付費等実態統計の概況」
訪問介護事業所が提供するサービス内容
厚生労働省「各介護サービスについて」によると、訪問介護のサービスは、身体介護・生活援助・通院等乗降介助の3類型に分けられます。ここでは、同資料を参考に、訪問介護事業所が提供するサービス内容を類型ごとにみていきましょう。
身体介護
身体介護とは、利用者の身体に直接接触して行われる介護サービスのことです。身体介護の主なサービス内容には、以下のようなものがあります。
- サービス準備・記録
- 利用者の健康チェック
- 食事介助
- 排泄介助
- 清拭、入浴介助
- 更衣介助
- 体位変換
- 移動・移乗介助、外出介助
- 起床・就寝介助
- 服薬介助
- 自立生活支援のための見守り的援助
身体介護では、体温計による体温の測定や耳垢の除去など、医療行為に該当しない「医療的ケア」も行われます。
訪問介護では、インスリンの注射や褥瘡の処置などの医療行為は、原則行えません。ただし、喀痰吸引・経管栄養については、研修を受け資格を取得すると、訪問介護員も実施が可能です。
生活援助
生活援助とは、利用者が日常生活を営むことを支援するサービスです。生活援助は、身体介護と異なり、利用者の身体に直接触れずに行う支援サービスを指します。
生活支援で提供されるサービスの一例は、以下のとおりです。
- サービスの準備・記録
- 掃除
- 洗濯
- ベッドメイク
- 衣類の整理、被服の補修
- 調理、配膳・下膳
- 買い物、薬の受け取り
生活援助は、利用者が単身であったり、利用者の家族が障がいや疾病をもっていたりと、家事を行うのが困難である場合に行われるサービスです。
厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの?訪問介護(ホームヘルプ)」によると、草むしりやペットの世話、窓のガラス磨きなど、日常生活の援助の範囲を超えるサービスは、訪問介護のサービス対象外となります。
通院等乗降介助
通院等乗降介助とは、利用者の通院などに際して、訪問介護員が運転する車両への乗車や降車の介助のことです。乗車前・降車後の移動介助や通院先での受診手続きなど、一連の行為も通院等乗降介助に含まれます。
参考:厚生労働省「各介護サービスについて」
厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの?訪問介護(ホームヘルプ)」
訪問介護事業所の人員基準
訪問介護事業所では、どのような人が働いているのでしょうか。ここでは、厚生労働省 老健局「訪問介護」を参考に、訪問介護事業所の人員基準を紹介します。
訪問介護員
訪問介護員は、常勤換算で2.5人以上が配置されます。訪問介護員として従事できる条件は、以下のとおりです。
- 介護福祉士
- 介護福祉士実務者研修修了者
- 介護職員初任者研修修了者
- 生活援助従事者研修修了者(生活援助中心型のみ提供可能)
- 居宅介護または重度訪問介護を提供している者(共生型サービスのみ提供可能)
- 旧介護職員基礎研修修了者
- 旧訪問介護員1級または2級課程修了者
「生活援助従事者研修修了者」や「居宅介護または重度訪問介護を提供している者」の場合、提供できるサービスに制限があるため注意が必要です。
サービス提供責任者
サービス提供責任者は、利用者40人に対して1人以上の配置が必要です。ただし、以下の条件をすべて満たす場合は、利用者50人につきサービス提供責任者1人以上の配置が基準となります。条件は以下のとおりです。
- 常勤のサービス提供責任者を3人以上配置
- サービス提供責任者の業務に主として従事する者を1人以上配置
- サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われている場合
サービス提供責任者とは、訪問介護計画の作成や居宅介護支援事業者との連携、訪問介護員に対する研修・技術指導などを行う職種です。サービス提供責任者になるためには、以下のいずれかに該当する必要があります。
- 介護福祉士
- 介護福祉士実務者研修修了者
- 旧介護職員基礎研修修了者
- 旧訪問介護員1級課程修了者
サービス提供責任者は、原則として常勤専従の職員であることが条件です。
管理者
訪問介護事業所の管理者は、1事業所につき1名が配置されます。
管理者は、常勤で専ら管理業務に従事する職員であることが原則ですが、事業所によっては、訪問介護員またはサービス提供責任者との兼務が認められている場合もあるようです。
参考:厚生労働省 老健局「訪問介護」
訪問介護事業所で働く場合の1日の流れ
訪問介護事業所で働く訪問介護員は、どのようなスケジュールで1日を過ごしているのでしょうか。ここでは、訪問介護員事業所で働く訪問介護員の1日の流れを紹介します。
午前8時30分 | 出勤 |
午前9時 | 利用者の自宅を訪問(1件目) - 食事の介助 - 清拭、更衣介助 - 洗濯、掃除 |
午前10時30分 | 利用者の自宅を訪問(2件目) - 調理 - 掃除 |
正午 | お昼休憩 |
午後1時 | 利用者の自宅を訪問(3件目) - 食事の介助 - 調理 - 掃除 - 入浴介助 |
午後2時30分 | 利用者の自宅を訪問(4件目) - 掃除 - 清拭、更衣介助 |
午後3時30分 | 利用者の自宅を訪問(5件目) - 掃除 - 調理 |
午後4時30分 | 事業所で事務作業 |
午後5時 | 退勤 |
厚生労働省 老健局「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によると、常勤換算職員1人当たりの訪問回数は、1ヶ月あたり104.6回です。1ヶ月あたりの勤務数を20日とした場合、1日の平均訪問件数は約5件となります。ただし、提供するサービスの内容や訪問先への移動時間などによって、1日の訪問件数は変動するでしょう。
また、訪問介護では、利用者宅を訪問する時間帯によって、提供するサービスの傾向が異なります。そのため、基本的には、1日を通して複数の種類のサービスを提供することとなるでしょう。
参考:厚生労働省 老健局「令和5年度介護事業経営実態調査結果」
訪問介護事業所は居宅での介護サービスを提供する
- 訪問介護事業所は、身体介護・生活援助・通院等乗降介助のサービスを提供する
- 訪問介護事業所が提供する訪問介護サービスは、要介護認定を受けた方が対象
- 訪問介護事業所には、訪問介護員・サービス提供責任者・管理者が配置される
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