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ケアミックス病院とは?働くメリット・デメリットを紹介
20 hours ago

「ケアミックス病院とは何かよく分からない」という方もいるでしょう。ケアミックス病院とは、一般病床と療養病床、精神病床など複数の病床機能を併せ持つ病院のことです。この記事では、ケアミックス病院の特徴や看護師の仕事内容について紹介します。看護師がケアミックス病院で働くメリット・デメリットについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
ケアミックス病院とは
ケアミックス病院とは、一般病床と療養病床、精神病床など、複数の病床機能を併せ持つ病院のことです。
e-Gov法令検索「医療法 第7条」によると、病床は以下の5つの種別に分けられます。
精神病床 | - 病院の病床 - 精神疾患を有する者を入院させるためのもの |
感染症病床 | - 病院の病床 - 感染症の患者を入院させるためのもの |
結核病床 | - 病院の病床 - 結核患者を入院させるためのもの |
療養病床 | - 病院または診療所の病床 - 主として、長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるためのもの - 上記3種の病床以外のもの |
一般病床 | - 病院または診療所の病床 - 上記4種の病床以外のもの |
参考:e-Gov法令検索「医療法 第7条」
また、埼玉県「医療機関の経営モデル集」で定義されているように、ケアミックス病院とは、急性期機能に加え、回復期機能や慢性期機能を持つ病院のことを指す場合もあります。
なお、厚生労働省「令和6年度 病床機能報告 報告マニュアル<1 基本編>」によると、各医療機能の概要は以下のとおりです。
急性期機能 | 急性期の患者に対し、状態の早期安定化に受けて医療を提供する機能 |
回復期機能 | 急性期を経過した患者に対し、在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能 |
慢性期機能 | 長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能 |
参考:厚生労働省「令和6年度 病床機能報告 報告マニュアル<1 基本編>」
ケアミックス病院には複数の医療機能が備わっていますが、機能の組み合わせは病院によって異なります。ケアミックス病院の病床機能の組み合わせの一例は以下のとおりです。
- 急性期病棟・回復期リハビリテーション病棟・療養病棟
- 急性期病棟・療養病棟・緩和ケア病棟
- 回復期リハビリテーション病棟・療養病棟
急性期を経過した脳血管疾患や⼤腿骨頚部骨折などの患者に対し、ADLの向上や在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能は、「回復期リハビリテーション機能」と呼ばれます。
ケアミックス病院は、一つの病院で幅広い領域の医療を提供している点が大きな特徴です。また、上記のように、医療機能の組み合わせによって病院の特色が大きく異なる点も、ケアミックス病院の特徴の一つでしょう。
参考:e-Gov法令検索「医療法 第7条」
埼玉県「医療機関の経営モデル集」
厚生労働省「令和6年度 病床機能報告 報告マニュアル<1 基本編>」
ケアミックス病院と総合病院の違い
ケアミックス病院と総合病院の違いには、病院の規模や病床機能の割合などがあります。
厚生労働省「平成9年 医療施設(動態)調査・病院報告の概況 用語の説明」によると、総合病院とは、「患者100人以上の収容施設を有し、内科・外科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科を含む病院のことを指す」と、医療法によって定義されていました。1997年の医療法改正に伴い、総合病院制度は廃止されていますが、その名残から、大規模で複数の診療科を持つ病院が「総合病院」と呼ばれることが多いようです。
一方、ケアミックス病院の場合、病院の規模は大小さまざまで、病床数が100床未満のケアミックス病院も存在します。
また、病床機能の割合の観点からみると、総合病院ではほとんどの割合を一般病床が占めているケースが多いようです。たとえば、病床数が300床ある病院において、一般病床が250床、療養病床が50床となっているパターンなどが挙げられます。
ケアミックス病院の場合、医療機能間での病床数の差はあまりないケースも多いでしょう。そのため、「ケアミックス病院」と掲げられている病院であっても、病床のほとんどが一般病床である場合は、総合病院に近い形の病院であると考えられます。
参考:厚生労働省「平成9年 医療施設(動態)調査・病院報告の概況 用語の説明」
ケアミックス病院の看護師の仕事内容
ケアミックス病院で働く看護師の主な仕事内容は、バイタルサインの測定や点滴・注射、療養上の世話などです。また、一般的な病棟勤務の看護師と同様に、定期巡回やカンファレンスなどを行うこともあります。
ただし、ケアミックス病院の看護師の仕事内容は、勤務する病棟や担当する患者の病状によって大きく異なるのが特徴です。
ケアミックス病院における、医療機能ごとの看護師の主な仕事内容には、以下のようなものがあります。
急性期機能 | - バイタルチェック - 医師による検査や診療の補助 - 人工呼吸器・点滴・ドレーンの管理 - 術前・術後管理 |
回復期機能 | - 食事や排泄などの身体介助 - リハビリテーションの支援 |
慢性期機能 | - 褥瘡のケア - 清拭 - 排泄の補助 |
急性期病棟の看護師の場合、医療的な知識を要する看護ケアが中心となりますが、回復期や慢性期では、療養上の世話が中心となることが多いでしょう。
ケアミックス病院で働く看護師のメリット
ここでは、看護師がケアミックス病院で働くメリットを3つ紹介します。
看護スキルの幅が広がる
ケアミックス病院で働く看護師のメリットの一つは、看護スキルの幅が広がることです。
ケアミックス病院は複数の病床機能や医療機能を併せ持つため、看護師は幅広い領域の知識やスキルが求められるでしょう。
前述のとおり、急性期医療と慢性期医療では、看護師の主な業務内容も異なります。そのため、一つの病院で多岐にわたる看護ケアに携われる機会があると、看護師としてより早くスキルアップできるでしょう。
ライフスタイルに合った働き方が選びやすい
ライフスタイルに合った働き方が選びやすい点も、看護師がケアミックス病院で働くメリットの一つです。
出産や子育て、親の介護など、ライフステージの変化やライフイベントにより、それまでと同じ働き方ができなくなることも起こり得ます。その場合、働き方の選択肢が少ない職場だと、働き方を変えるために転職せざるを得ないこともあるでしょう。
しかし、ケアミックス病院には複数の病棟があるため、院内異動をすることで、転職せず働き方を変えられる場合もあります。働き方を柔軟に変えながらも、一つの職場で長く働き続けられる点は、看護師がケアミックス病院で働くメリットといえるでしょう。
配属先の選択肢が多い
ケアミックス病院では、配属先の選択肢が多い点もメリットの一つです。
看護師として働くうちに、やりたいことやキャリアプランが定まったり、新たな領域に興味をもったりすることもあるでしょう。ケアミックス病院の場合、幅広い領域の看護に携われるため、さまざまなキャリアプランの実現が可能です。
将来の方向性を模索しながら働ける点も、ケアミックス病院で働く看護師のメリットといえるでしょう。
ケアミックス病院で働く看護師のデメリット
ここでは、ケアミックス病院で働く看護師のデメリットを3つ紹介します。
専門的なスキルは磨きにくい
専門的なスキルが磨きにくい点は、ケアミックス病院で働く看護師のデメリットの一つです。
ケアミックス病院は、特定の診療科や医療機能に特化した形の病院ではないため、一つの領域に対する専門的なスキルを集中的に磨くことは難しいと考えられます。
また、前述のとおり、病棟によって看護師の業務内容は大きく変わるため、幅広い分野の看護ケアに対する知識や技術を身に付けなければなりません。そのため、自身の興味のある分野に対する知識や技術を極めたい方や、認定看護師・専門看護師などを目指したい方にとっては、デメリットになる可能性があります。
希望する病棟で働けないこともある
希望の病棟に配属されない可能性がある点も、ケアミックス病院で働く看護師のデメリットの一つです。
ケアミックス病院は複数の病棟を併せ持つ病院であるため、希望する病棟に配属されるとは限りません。自分の苦手な領域を扱う病棟に配属されることもあるでしょう。
配属部署や扱う看護領域に対して強い希望がある方は、選択肢の幅が広いケアミックス病院では理想の働き方ができない可能性もあるため、注意が必要です。
病院ごとに特色が異なる
ケアミックス病院は、病院によって機能や特色が異なるため、看護師の業務内容も病院ごとに異なる点がデメリットになり得ます。
同じ「ケアミックス病院」であっても、病院が持つ医療機能の種類が異なると、看護師の働き方や業務内容も異なるものとなる可能性が高いでしょう。そのため、病院ごとの特徴や病床の種類・数などをきちんと確認しないまま転職してしまうと、「合わない」と感じる原因となることも。
ケアミックス病院への転職を希望する場合は、医療機能ごとの病床の割合や業務内容なども事前に確認しておくのがおすすめです。可能であれば、職場見学や病院説明会などで、詳細な業務内容を確認できると良いでしょう。
ケアミックス病院に向いている人の特徴
ここまで、看護師がケアミックス病院で働くメリット・デメリットについて解説してきました。では、どのような人がケアミックス病院に向いているのでしょうか。特徴を3つ紹介します。
幅広い分野の知識を身に付けたい人
幅広い分野の知識を身に付けたい人は、ケアミックス病院に向いています。
ケアミックス病院では、急性期から在宅復帰まで幅広く看護ケアを行うのが特徴です。そのため、複数の機能を持つケアミックス病院では、より幅広い分野の看護ケアの知識や技術が身に付けられます。ジェネラリストとして看護ケアに携わりたい人は、ケアミックス病院に向いているでしょう。
同じ職場で長く働きたい人
同じ職場で長く働きたい人は、ケアミックス病院での勤務に向いているといえます。
前述のとおり、ケアミックス病院には複数の病棟があり、看護師の働き方も病棟によって異なるでしょう。そのため、働き方を変える必要があったり、配属先が「自分に合わない」と感じたりした場合も、院内での部署異動によって解決できる場合があります。
夜勤や残業が少ない病棟などであれば、子育て中やブランク明けであっても比較的負担が少なく、働き続けられるでしょう。
長期的な視点で看護を実践したい人
急性期から回復期やリハビリ期までなど、より長期的な視点で看護を実践したい看護師は、ケアミックス病院での勤務に向いているでしょう。
専門性の高い病院の場合、患者は重症度や病状に合わせて転院を行うこともあります。しかし、ケアミックス病院の場合は一つの病院で、回復し退院するまでの継続的なケアが提供可能です。院内での転棟はあるものの、患者が回復していく様子を見届けられることは、看護師にとってのやりがいにつながるでしょう。
ケアミックス病院は複数の病床機能を併せ持つ病院
- ケアミックス病院とは、複数の病床機能や医療機能を持つ病院のことを指す
- ケアミックス病院の看護師の仕事内容は、配属される病棟によって大きく異なる
- ケアミックス病院では、院内異動をすることで転職せず働き方を変えられる
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