職種・資格情報
相談支援とは?種類や事業所、専門員の資格などわかりやすく解説
a month ago

「相談支援とは?」と疑問に思う人もいるでしょう。相談支援とは、障がいのある方の状況や悩みの相談に応じ、相談内容に対する情報提供や福祉サービスの利用に繋げる支援を行う事業のことです。この記事では、相談支援の主な種類や、対応している事業所についてわかりやすく解説しています。相談支援専門員になる方法や資格にも触れていますので、ぜひご覧ください。
相談支援とは
厚生労働省「相談支援業務に関する手引き」によると、相談支援とは、障害者総合支援法第1条に掲げられている目的を果たすためのプロセスにおいて、重要な役割を果たす支援活動のことです。障害者総合支援法第1条には、以下の内容が記載されています。
- 障がい者および障がい児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活または社会生活を営むことができるよう、必要な障がい福祉サービスにかかる給付、地域生活支援事業その他の支援を総合的に行い、もって障がい者および障がい児の福祉の増進を図る
- 障がいの有無に関わらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与する
具体的には、障がい者本人や家族から、日常生活や社会生活に関する相談に応じ、必要な障がい福祉サービスへ繋げる支援を指します。情報提供や助言、関係機関との調整も、相談支援の役割です。
参考:厚生労働省「相談支援業務に関する手引き」
相談支援の種類
相談支援には、主に以下の種類があります。
- 基本相談支援
- 地域相談支援(地域移行支援、地域定着支援)
- 計画相談支援(サービス利用支援、継続サービス利用支援)
- 障がい児相談支援(障がい児支援利用援助、継続障がい児支援利用援助)
それぞれの内容について、詳しく解説します。
基本相談支援
厚生労働省「相談支援業務に関する手引き」によると、基本相談支援は、障がいのある人やその家族からの相談に応じ、情報提供や助言を行って、必要な障がい福祉サービスに繋げる支援です。
基本相談支援は、ほかの相談支援に繋げる前の起点となる相談支援となります。基本相談支援の内容をもとに、必要があれば地域相談支援や計画相談支援、障がい児相談支援に進む流れです。なお、障がい福祉サービスを利用しない場合でも、基本相談支援で困りごとなどの相談ができます。
地域相談支援
地域相談支援は、病院や施設から地域生活への移行に向けた支援で、地域移行支援と地域密着支援に分かれます。
厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」によると、地域移行支援とは、障がい者支援施設や精神科病院から退所・退院する人が、地域の生活に移行しても自立した生活ができるよう支援するものです。
支援を受ける人の住居の確保や入居支援、地域で利用する福祉サービスの見学支援などを行います。
厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」によると、地域定着支援とは、障がい者支援施設や精神科病院から退所・退院した人や、家族との同居から一人暮らしに移行した人で、地域生活が不安定な人に対し、地域生活を継続するための支援を行うものです。
再び病院や施設に戻ることがないように支援するのが目標で、トラブルや急な相談に対応できるよう、24時間365日体制で連絡を受け付けており、緊急時には支援を行います。
計画相談支援
厚生労働省「相談支援の現状と課題」によると、計画相談支援とは、 障がい福祉サービスを利用したい、またはサービスを変更したい人を支援するもので、サービス利用支援と継続サービス利用支援に分かれます。
サービス利用支援は、障がい福祉サービスの利用申請に必要な「サービス等利用計画案」を作成する支援です。障がい福祉サービスの利用が決定したら、サービス事業者と連絡調整を行い、「サービス等利用計画」を作成します。
継続サービス利用支援は、障がい福祉サービスを利用している人に対し、利用状況をモニタリングする支援です。サービス事業者とも連携し、必要に応じてサービス利用の更新や見直しを行います。
障がい児相談支援
厚生労働省「相談支援の現状と課題」によると、障がい児相談支援とは、障がい児通所支援を利用したい障がい児や保護者の支援を行うもので、障がい児支援利用援助と継続障がい児支援利用援助に分かれます。
障がい児支援利用援助は、障がい児通所支援の申請に必要な「障がい児支援利用計画案」を作成する支援です。サービス利用が決定したらサービス事業者との連絡調整を行い、「障がい児支援利用計画」を作成します。
継続障がい児継続利用援助は、障がい児通所支援を利用している人の、利用状況のモニタリングを行う支援です。サービス事業者とも連携し、必要に応じてサービス利用の更新・見直しを行います。
参考:厚生労働省「相談支援業務に関する手引き」
厚生労働省「障害のある人に対する相談支援について」
厚生労働省「相談支援の現状と課題」
相談支援の利用の流れ
困りごとを相談したい人や障がい者福祉サービスを受けたい人は、本人や家族が市町村の障がい福祉課や相談支援事業所に連絡・相談することで、相談支援の利用が可能です。
相談支援事業所では、相談支援専門員による基本相談支援が行われ、障がいのある人の状況や必要なサービスなどを判断します。その後、必要に応じて地域相談支援や計画相談支援、障がい児相談支援などに枝分かれする流れです。
各種相談支援に移ったら、どのサービスが必要か、どのサービスを利用するかの決定がなされ、サービス利用開始後もモニタリングやサポートが行われます。
基本的に相談者は相談できる回数に制限はなく、無料で相談できるのが特徴です。
相談支援事業所の種類
相談支援が行われる場所は、相談支援事業所と呼ばれます。相談支援事業所は大きく分けて3種類あり、各事業所で対応している相談支援が異なるのが特徴です。 厚生労働省「障害者の相談支援等について」を参考に、相談支援事業所について説明します。
一般相談支援事業所
一般相談支援事業所は、都道府県により指定を受けた相談支援事業所です。基本相談支援と地域相談支援を行っています。
地域定着支援を行うために、24時間365日、連絡に対応できる体制が整えられているのが特徴です。
特定相談支援事業所
特定相談支援事業所は、市町村による指定を受けた相談支援事業所です。基本相談支援と計画相談支援を行っています。
障がい児相談支援事業所
障がい児相談支援事業所は、市町村による指定を受けた相談支援事業所です。障がい児相談支援を行っています。
なお、障がい児相談支援事業所の指定を受けるときは、特定相談支援事業の指定をともに受けることが望ましいとされており、双方の事業所を兼ねて運営しているケースもあるようです。特定相談支援事業所と障がい児相談支援事業所を兼ねて運営している事業所であれば、基本相談支援と計画相談支援、障がい児相談支援が行えます。
参考:厚生労働省「障害者の相談支援等について」
相談支援専門員とは
相談支援専門員は、相談支援事業所で相談支援の対応を行う職種です。
厚生労働省「相談支援の現状と課題」によると、計画相談支援と障がい児相談支援には、相談支援専門員の配置が求められています。地域相談支援においては、地域移行支援と地域定着支援にそれぞれ1名以上の相談支援専門員の配置が必要です。
参考:厚生労働省「相談支援の現状と課題」
相談支援専門員になるには
相談支援専門員になるには、要件を満たす必要があります。無資格から実務経験を経て相談支援専門員になることも可能です。
厚生労働省「障害者の相談支援等について」 によると、相談支援専門員になるには、障がい者の保健・医療・福祉・就労・教育の分野における直接支援・相談支援などの実務経験が3~10年必要とされています。実務経験は、資格の有無やどの分野で相談支援業務についていたかによって、以下のとおり規定年数が異なります。
業務範囲・要件 | 業務内容 | 実務経験年数 |
---|---|---|
相談支援業務 | 施設などにおいて相談支援事業に従事する者 | 5年以上 |
医療機関において相談支援事業に従事するもので、次のいずれかに該当する者 (1)社会福祉主事任用資格を有する者 (2)訪問介護員2級(介護職員初任者研修)以上に相当する研修を修了した者 (3)国家資格など(医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士など)を有する者 (4)施設などにおける相談支援業務に従事した期間が1年以上である者 |
||
就業支援に関する相談支援の業務に従事する者 | ||
特別支援教育における進路相談・教育相談の業務に従事する者 | ||
その他これらの業務に準ずると都道府県知事が認めた業務に従事する者 | ||
介護等業務 | 施設および医療機関などにおいて介護業務に従事する者 | 10年以上 |
その他これらの業務に準ずると都道府県知事が認めた業務に従事する者 | ||
介護等業務に従事するもので、次のいずれかに該当するもの (1)社会福祉主事任用資格を有する者 (2)訪問介護員2級(介護職員初任者研修)以上に相当する研修を修了した者 (3)保育士 (4)児童指導員任用資格者 |
5年以上 | |
有資格者等 | 相談支援業務および介護等業務に従事する者で、国家資格など(医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士など)による業務に5年以上従事している者 | 3年以上 |
参考:厚生労働省「計画相談支援のしくみ」
上記の実務経験の要件を満たしたうえで、42.5時間の相談支援従事者初任者研修を受けると、相談支援専門員として働けます。
なお、相談支援専門員の資格は5年ごとに更新が必要です。更新を受けるときは、現に相談支援業務に従事しており、過去5年間に2年以上の相談支援の経験があるという要件を満たさなければなりません。要件を満たし、24時間の相談支援従事者現任研修を修了することで、引き続き相談支援専門員として働けます。
また、2020年4月から相談支援専門員のキャリアパス明確化のために「主任相談支援専門員」という資格もできました。主任相談支援専門員になるには、8年以上の実務経験が必要で、30時間の主任相談支援専門員研修を修了すると、主任相談支援専門員として働けます。
参考:厚生労働省「障害者の相談支援等について」
厚生労働省「計画相談支援のしくみ」
相談支援は障がいのある方の悩みに対応する
- 相談支援では障がいのある人を障がい福祉サービスに繋げる支援をしている
- 相談支援にはサービスの選定や地域に住む障がいのある人からの相談対応も含まれる
- 相談支援は、相談支援事業所で相談支援専門員により行われる