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医療秘書の仕事内容とは?給料や資格についても解説
a month ago

「医療秘書の仕事内容がよく分からない」という方もいるでしょう。医療秘書は、医師や看護師のスケジュール管理をはじめとする秘書業務と、院内統計やデータ入力、医師の資料作成の補助などの事務・管理業務を主に行います。この記事では、医療秘書の仕事内容や給料、必要なスキルについて紹介します。医療秘書におすすめの資格についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
医療秘書とは
医療秘書とは、医療機関において、医師をはじめとする医療従事者のサポートを行う職種です。医局で医師のサポートを行うことも多いため、「医局秘書」と呼ばれることもあります。
医療秘書は、電話・来客・メール対応のような一般企業の秘書が行う業務に加え、医療に関する知識を活かした事務・管理作業を行うのが特徴です。医療秘書が直接、医療行為に携わることはないものの、業務の中では医療用語や専門的なデータへの理解が求められることがあります。そのため、医療秘書には医療に関する基本的な知識が必要なこともあるようです。
なお、医療機関で働く事務職には、医療秘書のほかにも、医療事務や医療クラークなどがあります。それぞれの職種によって業務内容は異なりますが、医療機関によっては、医療秘書が医療事務や医療クラークの業務の一部を行う場合もあるようです。
医療秘書と医療事務の違い
医療秘書と医療事務の違いは、メインとなる業務の違いが挙げられます。
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「医療事務」によると、医療事務は、診療報酬を請求するための書類(レセプト)作成や窓口での受付、医療費の請求などを行う職種です。入院設備のある医療機関では、入退院の手続きを行うこともあります。
このように、医療事務の業務は、患者に関する業務が中心であるのが特徴です。
一方、医療秘書は医療従事者のサポートが大きな役割となります。そのため、医療秘書は、患者よりも医療従事者や外部の関係者と関わる機会が多いでしょう。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「医療事務」
医療秘書と医療クラークの違い
医療秘書と医療クラークは、業務の範囲が異なります。
医療クラークとは、医師の指示の下、事務作業の補助を行う職種のことです。正式には、「医師事務作業補助者」と呼ばれます。
厚生労働省「中央社会保険医療協議会総会(第503回)議事次第 個別事項(その8)について 総ー4ー3」によると、医療クラークの主な業務内容は、診療録の代行入力や書類の記載、医師の診察前の患者への問診などです。医療機関によっては、日常的に行われる検査に関する説明や入院時のオリエンテーションを、医療クラークが患者や家族に対して行うこともあります。
厚生労働省「医師事務作業補助体制加算について」によると、医療クラークは診療報酬の請求業務や看護業務の補助といった他職種の業務や、医師以外の指示による業務を行わないのが特徴です。
一方、医療秘書の業務範囲は、明確に定められていません。そのため、医療秘書は医療クラークに比べると、勤務する医療機関によって携わる業務が異なることが多い職種だといえます。
参考:厚生労働省「中央社会保険医療協議会総会(第503回)議事次第 個別事項(その8)ついて 総ー4ー3」
厚生労働省「医師事務作業補助体制加算について」
医療秘書の仕事内容
医療秘書の主な仕事は、秘書業務と事務・管理業務の2つに分けられます。では、具体的に医療秘書はどのような仕事を行っているか、紹介します。
秘書業務
医療秘書が行う秘書業務には、以下のようなものがあります。
- 電話・来客・メール対応
- 医師のスケジュール管理
- 出張申請などの手続き
- 院内の備品管理
医療秘書が行う秘書業務は、一般企業の秘書が行う業務とあまり変わらないこともあるでしょう。
電話や来客対応では、ほかの医療機関や製薬会社、医療機器メーカーなどの医療関係者と関わる機会もあります。医師宛ての電話や来客も、多くの場合は医療秘書が窓口となって対応を行うため、要件を聞き、正しく取り次ぐことが医療秘書の重要な役割です。
事務・管理業務
医療秘書の事務・管理業務の内容は以下のとおりです。
- 院内統計、データ入力
- 学会用資料や論文の作成補助
- 研究の補助
- 法定保存期間外のカルテ・レントゲンフィルムなどの管理
医療秘書は、医師の資料作成や論文・研修のサポートを行うこともある点が、一般企業の秘書とは異なる大きな特徴です。医師のサポートではあるものの、論文検索やデータの入力を行う際には、医学に関する専門知識がある程度必要なこともあります。
また、医療機関によっては、医療クラークの業務である診断書の作成代行やカルテの管理などを、医療秘書が行う場合もあるようです。医療機関によって、医療秘書の業務範囲は異なるため、転職をする際には業務内容まで確認しておくと安心でしょう。
医療秘書の給料
医療秘書の給料は、1ヶ月あたり15~25万円程度、年収は300~400万円程度が相場といわれています。
ただし、医療秘書の給料は勤務する医療機関の規模や地域、勤務形態によっても、異なるでしょう。一般的には、規模が大きい病院や、都市部の病院だと給与が高くなる傾向にあるようです。また、パートや派遣社員の場合、ボーナスが支給されないこともあり、正社員に比べると給料は低い傾向にあります。
また、医療秘書の給料は、勤続年数や資格の有無によって変動することも。給料を上げたいと考えている医療秘書の方は、一つの職場で長く働き続けたり、資格を取得したりするのもおすすめです。
医療秘書になるには資格が必要?
医療秘書になるには、必須の資格はなく、無資格・未経験から働けます。
ただし、前述のとおり、医療秘書には医療に関する知識や秘書業務のスキルも必要です。そのため、医療秘書に関する資格を取得しておくと、より早く業務を理解し、仕事をスムーズに進められるようになるでしょう。
また、医療秘書に関する資格を取得することで、知識やスキルの証明にもなるため、転職の際に有利になったり、無資格の場合より待遇面で優遇されたりすることも。
医療秘書を目指す方は、転職前に資格を取得しておくことをおすすめします。
医療秘書に関する資格
医療秘書に関する資格は、医療秘書に必要な基本知識を身に付けられるものだけでなく、スキルアップにつながる資格もあります。
ここでは、医療秘書に関する資格を2つ紹介するので、医療秘書の知識を深めたい方もぜひチェックしてみてください。
日本医師会認定医療秘書
日本医師会認定医療秘書は、日本医師会による認定資格です。
日本医師会 日本医師会認定医療秘書「資格取得方法・カリキュラム」によると、日本医師会認定医療秘書は、診断書などの文書作成補助や診療記録への代行入力、診療に関するデータ整理などの業務を行います。また、救急医療情報システムへの入力といった行政上の業務も、日本医師会認定医療秘書の業務の一部です。
日本医師会認定医療秘書の資格を取得するための条件は、以下のとおりです。
- 認定養成機関におけるカリキュラムを修了
- 年に1回実施される日本医師会医療秘書認定試験に合格
- 日本医師会の認める秘書技能科目の取得
日本医師会 日本医師会認定医療秘書「日本医師会認定医療秘書要綱 II. 試験実施要綱」によると、2025年2月に実施された日本医師会医療秘書認定試験では、秘書業務に関する知識に加え、「からだの構造と機能」や「医療にかかわる用語」などの医療に関する項目も試験科目に含まれています。
そのため、日本医師会認定医療秘書の資格を取得することで、医療に関する基本知識も身に付けられるでしょう。
また、日本医師会認定医療秘書の資格取得者は、医師事務作業補助者に受講が義務付けられている研修の一部が免除されるのも特徴です。そのため、医師事務作業補助者へキャリアチェンジする際にも資格が役に立ちます。
参考:日本医師会 日本医師会認定医療秘書「資格取得方法・カリキュラム」
日本医師会 日本医師会認定医療秘書「日本医師会認定医療秘書要綱 II. 試験実施要綱」
医療秘書技能検定試験
医療秘書技能検定試験は、一般社団法人医療秘書教育全国協議会による民間資格です。
一般社団法人医療秘書教育全国協議会「医療秘書技能検定試験」によると、医療秘書技能検定試験に合格することで、資格が取得できます。なお、試験は例年、6月ごろと11月ごろの年2回実施です。
2025年2月現在、公表されている医療秘書技能検定試験の試験内容は、以下のとおりとなっています。
- 領域I:医療秘書実務・医療機関の組織と運営・医療関連法規
- 領域II:医学的基礎知識、医療関連知識
- 領域III:医療事務(レセプト作成、診療報酬点数表の理解)
医療秘書技能検定試験は、3級・2級・準1級・1級の4つの級が設けられていますが、試験で扱う3つの領域は全級共通です。
医療秘書の業務に必要な基本的知識が問われる3級に対して、最も難易度の高い1級では、複雑で多岐にわたる業務を行うための専門的かつ高度な知識・技能が問われます。
4段階の級が設けられているので、自身に合ったレベルの受験から始められるのが特徴です。上級の試験合格という具体的な目標も立てられるため、ステップアップのためのプランも立てやすいでしょう。
参考:一般社団法人医療秘書教育全国協議会「医療秘書技能検定試験」
医療秘書に必要なスキル
医療秘書には、以下のようなスキルが求められるでしょう。
- 情報処理スキル
- コミュニケーションスキル
- 語学スキル
前述のとおり、医療秘書は院内統計を扱ったり、医師の論文・研修の補助を行ったりします。そのため、正確かつ素早く情報を処理するスキルが求められるでしょう。
また、医療秘書は他職種との関わりも強く、情報伝達を行う機会も多い職業です。よって、高いコミュニケーションスキルがあると、よりスムーズに業務を行えます。
ほかにも、医療秘書が行う電話・来客・メール対応では、海外の医療関係者や企業の担当者などと関わる機会もあると考えられます。高い語学力は必ずしも必要ではありませんが、英語で基本的な会話ができる程度のスキルは身に付けておくと良いでしょう。
医療秘書は医師の秘書として事務・管理業務を行う
- 医療秘書は医師のスケジュール管理や資料作成の補助、電話・来客対応などを行う
- 医療秘書は必須資格がないため、無資格・未経験でも働き始められる
- 医療秘書は、資格を取得して秘書業務や医療に関する知識を深めるのがおすすめ