職場・施設情報

特養の看護師の仕事内容は?配置基準や1日の流れを解説

「特養の看護師はどのような仕事をしているの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。特養の看護師は、利用者の健康管理や医師の診療補助、介護職員の補助業務などを行っています。この記事では、特養の看護師の詳しい仕事内容や1日の流れ、配置基準を紹介しています。特養の看護師の給料や向いている人の特徴にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

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特別養護老人ホーム(特養)とは

厚生労働省「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」によると、特別養護老人ホーム(特養)とは、要介護認定を受けた高齢者向けの入居型の生活施設です。入浴・排泄・食事などの介護をはじめとし、日常生活の世話や機能訓練、健康管理・療養上の世話などのサービスを24時間体制で提供しています。なお、介護保険制度や介護保険法上での正式名称は「介護老人福祉施設」です。
 
厚生労働省 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの? - 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」によると、特養は要支援1または2の方は利用できません。また、新たに入所する要介護1または2の方も、やむを得ない理由がある場合以外は利用できないとされています。そのため、特養の入所者には、要介護3以上の要介護度の高い高齢者が多いようです。

特養の施設の種類

特養には、従来型とユニット型の2種類があります。従来型は、4人部屋や2人部屋などがメインとなる施設で、施設全体をその日の勤務スタッフ全員で手分けしてケアするのが特徴です。

ユニット型は入所者の居室が全室個室となっており、1ユニット10室ほどからなる「ユニット」単位でケアを行う施設となっています。職員はユニット単位で配置され、1つのユニットを決まった担当の職員が対応するのが、従来型と異なる点です。

厚生労働省「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」によると、ユニット型は個室と共用空間で構成されています。病院の病棟に似ている従来型と異なり、入所者は在宅に近い居住環境かつ家庭的な雰囲気の中で、日常生活を営めるのが特徴です。従来型と比べて、入所者のプライバシーに配慮した作りになっているというメリットもあります。厚生労働省や都道府県でも個室ユニット型施設を推進する動きが高まっており、従来型の特養がユニット型に改装されるなどして、ユニット型特養の数は年々増加しています。

特養の看護師の配置基準

厚生労働省「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」によると、特養の人員配置基準は以下のとおりです。

職種
人員配置基準
医師 入所者に対し健康管理および療養上の指導を行うために必要な数
介護職員または看護職員 入所者3人に対し1人以上
生活相談員 入所者100人に対し1人以上
栄養士 1人以上
機能訓練指導員 1人以上
介護支援専門員 1人以上(入所者100人に対し1人を標準とする)

参考:厚生労働省「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」

特養の看護師の配置基準は、介護職員と一緒になっています。たとえば、入所者が9名の特養の場合、最低でも介護職員2名と看護師1名、または介護職員1名と看護師2名が必要です。実際は介護職員のほうが看護師より多いケースが一般的でしょう。
なお、看護職員は常勤換算で1名以上配置しなければならない規定があるため、前述の例の場合、介護職員3名のみの配置はできません。

また、ユニット型特養の夜間では、2ユニットごとに1人以上の介護職員または看護師の配置が必要となります。

参考:厚生労働省「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」
厚生労働省 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの? - 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」

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特養の看護師の役割・仕事内容

特養の看護師はどのような仕事をしているのでしょうか。主な仕事内容は以下のとおりです。

  • 入所者の健康管理
  • 医療行為
  • 医師の診療補助
  • 看護記録の記載
  • ターミナルケア・看取り
  • 夜間対応
  • 介護業務の補助

それぞれの詳細について、以下で説明します。

入所者の健康管理

入所者の健康管理は、特養の看護師のメイン業務です。特養の看護師は、入所者の体調に変化がないか毎日定期的にチェックし、必要な処置を行います。具体的には、バイタルチェックや服薬管理、点眼・軟膏塗布などです。
特に、特養の入所者は内服薬を服用している方が多いため、食事の前後には入所者ごとに内服薬を準備し、きちんと服薬できているかを確認します。

医療行為

特養の看護師は、入所者に対して医療行為を行うこともあります。特養の入所者には、点滴や経管栄養、喀痰吸引などの医療的処置やケアが必要な場合も珍しくありません。特養の看護師は、医師の指示を受けて、これらの医療行為を実施します。

また、入所者がケガをしたときは応急処置を行い、意識消失などの急変があった場合は応急処置を行いながら医師へ報告するのも、特養の看護師の役目です。

医師の診療補助

医師が入所者に対して診療する際、看護師は付き添って診療の補助を行います。具体的には、診療に必要な器具の準備や、体位変換などです。場合によっては、受診結果を入所者の家族に説明することもあります。

看護記録の記載

医療機関の看護師と同様、特養の看護師も入所者ごとに看護記録の記載が必要です。看護記録には、入所者の体調やバイタル値、食事の摂取量、行った医療処置などを記載します。

ターミナルケア・看取り

特養の入所者は前述のとおり要介護度の高い方が多く、終の棲家として特養に入所し、施設で亡くなる方もいます。そのようなときにターミナルケアや看取りを行うのが、看護師の役目です。

特養で最期を迎えたいという方は、本人や家族が積極的な治療を望んでいないケースが多くなっています。看護師は、入所者が苦痛なく最期を迎えられるよう緩和ケアを行うとともに、不安や悲しみを感じている家族にも寄り添い、精神的なケアを行うことが必要です。

夜間対応

特養の看護師は、夜間対応を求められることもあります。夜間は体位交換やトイレ対応などが必要なため、介護職員は基本的に夜勤で対応しますが、看護師はオンコールで対応することがほとんどです。

オンコール当番の看護師は、夜勤中の介護職員から連絡があれば、状態を聞いて指示を出します。必要があれば看護師が施設に向かい、処置を行わなければなりません。状況によっては、看護師が判断して医師を呼ぶこともあるようです。特養の看護師は、介護職員からの連絡を最初に聞くことになるため、単独で適切な判断を下すことを求められるでしょう。

介護業務の補助

特養の看護師は、介護職員が行う介護業務のサポートを行うこともあります。入浴介助や移乗などは介護職員がメインで行うことが多いですが、食事介助やレクリエーションは、看護師も介護職員と一緒に行うことが多いようです。

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特養の看護師の1日の流れ

特養の看護師の1日の流れをみてみましょう。なお、前述のとおり夜間はオンコール対応のことが多いため、ここでは日勤帯のスケジュールを紹介します。

時刻
1日の流れ
午前8時30分 出勤、夜勤の介護職員から申し送り、入所者の情報収集
午前9時 バイタルチェック、点滴交換
午前10時 喀痰吸引、医師の診療補助
正午 食事介助、服薬準備・確認、経管栄養、口腔ケア
午後1時 休憩
午後2時 点滴交換、採血
午後3時 レクリエーション参加
午後4時 看護記録記載
午後4時30分 夜勤の介護職員へ申し送り
午後5時 退勤

特養の看護師は、主に午前中にバイタルチェックを行うことが多いようです。昼食時には食事介助や口腔ケアなどで、やや慌ただしくなることが多いでしょう。そのほかの時間は適宜、入所者へのケアを行いながら、看護記録を記載したり、レクリエーションに参加したりすることになります。

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特養の看護師の給料は?

厚生労働省老健局老人保健課「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によると、2022年度における特養とほかの介護施設の看護師の平均給与は、以下のとおりです。

                                                                                                
サービス種類看護師の平均給与(2022年度)
常勤非常勤
特養(介護老人福祉施設)45万5491円37万4513円
介護老人保健施設46万9573円36万1973円
訪問看護46万3927円39万3566円
訪問リハビリテーション37万9586円32万4270円
通所介護37万5327円33万9893円
通所リハビリテーション41万7917円36万2207円
短期入所生活介護40万6857円35万670円
特定施設入居者生活介護43万8206円41万4447円

参考:厚生労働省老健局老人保健課「令和5年度介護事業経営実態調査結果」

介護施設の看護師の給与は、全体的に訪問型・通所型施設よりも、特養を含む入居型施設のほうが高くなっています。特養の看護師の給与は、ほかの介護サービスと比べても高いほうだといえるでしょう。

参考:厚生労働省老健局老人保健課「令和5年度介護事業経営実態調査結果」

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特養の看護師に向いている人は?

ここまで、特養の特徴や看護師の仕事内容、1日の流れについて紹介してきました。では、どのような人が特養の看護師に向いているのでしょうか。

利用者とじっくり向き合って看護を行いたい人

特養の看護師には、利用者とじっくり向き合って看護を行いたい人が向いています。
病院の病棟では患者の入れ替わりが早い上、看護師の業務量が多いため、慌ただしく仕事をすることが多いでしょう。一方、特養は入所者の入れ替わりが少なく、ルーチン業務が主で急変などもあまりないため、病院よりも業務にややゆとりがあります。

また、前述のとおり、特養を終の棲家として数年間入所する入所者も多くいます。そのため、看護師は入所者一人ひとりとじっくり向き合って、信頼関係を築きながら看護ケアができるでしょう。

看護師の実務経験が豊富な人

特養の看護師には、実務経験が豊富な人が向いています。
特養は医療機関よりも看護師の数が少ないため、施設や時間帯によっては看護師1名で看護業務を行わなければならないことも。そのため、採血や点滴、経管栄養など、看護師として基本的な看護処置が身についていなければ、業務が進められません。

医療機関での勤務経験が長く、スキルや経験が十分身についている人は、特養の看護師として活躍できます。看取りや急変対応、少人数・単独の対応にも慣れているとなお良いでしょう。

介護業務も苦にならない人

特養の看護師は、介護業務も苦にならない人が向いています。
特養の看護師は看護業務だけを行えば良いというわけではなく、介護業務の補助を行う場面も出てくるでしょう。介護職員と一緒にレクリエーションや食事介助、歩行補助を行うだけでなく、時には入浴介助やトイレ対応、体位交換、移乗などの力仕事のサポートを求められることもあります。

介護施設でも、スタッフ同士が協力して業務を進める姿勢が不可欠です。看護業務だから、介護業務だからと線を引くのではなく、協力して介護業務を行うことも苦にならない看護師は、特養で楽しく働けるでしょう。

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特養の看護師は入所者の健康管理や応急処置などを行う

  • 特養では主に要介護3以上の高齢者の介護・看護を行っている
  • 特養の看護師は健康管理や医師の診療補助、看取りを行う
  • 特養の看護師には利用者とじっくり向き合いたい人が向いている

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