職場・施設情報

老人ホームの種類とサービス内容、転職成功のコツを解説!

介護職・ヘルパーグループホーム特別養護老人ホーム(特養)有料老人ホーム転職a year ago

「転職先の一つとして老人ホームを考えているのだけど、どのような種類があるのだろう」
という方、「必要な資格はあるのだろうか」と気になる方もいるでしょう。

「老人ホーム」とは、特定の施設形態のことではありません。一般的に、複数ある高齢者施設を総称して老人ホームと呼ばれています。

老人ホームへの転職を考えている人にとって、施設選びは非常に重要なことです。施設ごとにサービスの内容は異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで自分に合った施設を選ぶと良いでしょう。

この記事では老人ホームの種類と、施設ごとの運営目的や入所条件、サービス内容などを紹介します。

簡単60秒!あなたにピッタリの案件が届く 無料会員登録

老人ホームの種類一覧

老人ホームにはたくさんの種類があり、それぞれサービスの内容や入居対象者が異なります。まずは代表的な老人ホームの種類と入所条件を表にまとめたので、把握しておきましょう。

老人ホームの種類
主な入所条件
特別養護老人ホーム 65歳以上で要介護3以上の方
65歳以上で特例的に認められた要介護1もしくは2の方
介護老人保健施設 65歳以上で要介護1以上の高齢者
介護医療院 65歳以上で要介護1以上の高齢者
軽費老人ホーム(ケアハウス) 60歳以上の自立した生活を送るのに不安が認められる方
介護付き有料老人ホーム 65歳以上の要介護1〜要介護5の高齢者(自立の方が入居可能な施設もあり)
住宅型有料老人ホーム 60歳以上の高齢者
健康型有料老人ホーム 60歳以上で自立した生活が送れる人
グループホーム(認知症対応型共同生活介護) グループホームがある市町村に住んでおり、認知症と認められた65歳以上の要介護高齢者
サービス付き高齢者向け住宅 60歳以上の高齢者
40歳以上の要介護または要支援認定の方
シニア向け分譲マンション 日常生活を問題なく送ることのできる方

上記は各老人ホームの主な入居条件です。独自に入所条件を設定している施設もあるのでご注意ください。
また、老人ホームのなかには、対象者を65歳以上としているものの、40歳から64歳で特定疾病が認められた人も入所可能としている施設もあります。

簡単60秒!あなたにピッタリの案件が届く 無料会員登録

老人ホームの種類別の特徴

この項では老人ホームごとの運営目的や入所条件、提供しているサービスの内容などを解説します。施設によっては注意しなくてはいけないこともあるため、参考にしてください。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム(特老)とは、常に介護を必要とする、在宅では生活が難しい高齢者のための生活施設です。介護老人福祉施設と呼ばれることもあります。

特別養護老人ホームの主なサービスは次のとおりです。

  • 食事や入浴、排せつなどの介助
  • 清掃や洗濯など日常生活上のお世話
  • 機能訓練
  • 健康管理や療養上のお世話

特別養護老人ホームは、入所者が在宅での生活に戻ることを念頭に置き、自立した生活を送れるように手助けをする施設です。入浴や排泄などの日常生活の介助以外にも、機能訓練や健康管理を行います。
サービスを提供するうえでは、入所者の考えを尊重することが重要です。また、特別養護老人ホームには、家庭的な雰囲気の中で、地域との繋がりを大事にしながら運営することが求められます。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は、老健や老人保健施設と呼ばれることもある、在宅復帰を目指す要介護者のための施設です。

介護老人保健施設の入所条件は「要介護1以上の高齢者」となっています。また、状態が安定しており入院や病気の治療を必要としない高齢者が対象になります。

介護老人保健施設の主なサービスは次のとおりです。

  • 日常生活の介護
  • リハビリテーション
  • 医療的な管理

介護老人保健施設では、日常生活の介護のほか、理学療法士などによるリハビリテーションなども提供します。また、必要に応じて医師や看護師が医療的な管理も行います。入所期間には限りがあり、原則3~6ヶ月と短いのが特徴です。

入所者の在宅復帰に向けて幅広いサービスを提供する介護老人保健施設では、入所者それぞれの目標や状態を細かく把握し、ニーズに応じたケアを行う必要があります。

介護医療院

介護医療院は医療上のケアと生活上の介護の両面から入所者をサポートする施設です。長期間の療養が必要な要介護者にサービスを提供し、入所者が可能な限り自立した生活を送れるように手助けします。

介護医療院で提供する代表的なサービスは次のとおりです。

  • 看護や療養上の管理
  • 医療ケア
  • 日常のお世話や介護
  • 機能訓練

なお、介護医療院と似た施設に介護療養型医療施設(介護療養病床)があります。介護療養型医療施設はすでに廃止が決定しており、2024年3月以降は完全廃止される予定です(2023年5月時点)。
厚生労働省によると、廃止に至った背景には、医療療養病床との役割分担が適切になされていなかったことがあります。この状況を改善し、医療費の抑制や適正化を図るため、新たな体制として創設されたのが介護医療院です。
介護医療院は、入所者にとって生活の場となるため、介護療養型医療施設ではほとんど実施されなかったイベントやレクリエーションといった余暇活動の時間も積極的に設けられているのが特徴です。

軽費老人ホーム

軽費老人ホーム(ケアハウス)とは、入所費用が低額、もしくは、無料の施設です。経済的に生活が難しい高齢者や家庭環境、住宅事情などの理由で自宅での生活が難しい高齢者を受け入れています。

軽費老人ホームにはいくつか種類があり、入所条件やサービス内容が異なります。

                                    
種類入所条件提供する主なサービス
A型60歳以上の自立した生活を送るのに不安が認められる方・食事の提供
・掃除、洗濯など日常生活のお世話
・相談や援助
・健康管理
B型A型の条件と概ね同じA型のサービスから食事の提供を除いたもの
ケアハウス(C型) 一般型(自立型)
60歳以上の自立した生活を送るのに不安が認められる方
・食事の提供
・掃除、洗濯など日常生活のお世話
・相談や援助
・健康管理
「介護型(特定型)」
65歳以上で要介護度1以上の高齢者
・食事の提供
・入浴、排泄などの介護
・掃除、洗濯など日常生活のお世話
・相談や援助
・健康管理

軽費老人ホームは、B型のみ食事の提供がないため、自炊できることが入所条件です。

軽費老人ホームには、身体機能の低下や家族からの手助けがないなどのさまざまな理由により高齢者が入所します。そのため、それぞれの不安を少しでも減らすようなサービスの提供が重要です。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームとは、介護を義務付けられている施設のことで、特定施設入居者生活介護に指定されています。

厚生労働省の資料によると、有料老人ホームの入所条件は「老人であること」と定められています。同資料には、老人という言葉の定義は記されていませんが、一般的には「65歳以上」を高齢者(老人)と呼ぶことが多いです。厚生労働省e-ヘルスネット厚生労働省にも、次のように記されています。

「国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人のことを高齢者としています。
65-74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。」

引用:厚生労働省e-ヘルスネット

ただし、「65歳以上でなければ入居できない」と法律で定められているわけではありません。介護付き有料老人ホームによっては、60歳以上で入居を認めているところもあるため、転職の際は、志望先の入所対象者を確認すると良いでしょう。

介護付き有料老人ホームでは、以下のようなサービスを行います。

  • ケアプラン作成
  • 健康管理
  • 日常生活の介護
  • 食事の提供
  • 生活上の支援、相談

介護付き有料老人ホームには「一般型」と「外部サービス利用型」が存在しており、それぞれ介護サービスの提供方法が異なります。

介護サービスの提供方法
一般型 介護付き有料老人ホームの職員がすべて行う
外部サービス利用型 外部の事業者に委託

一般型は介護付き有料老人ホームの職員がすべてのサービスを行います。
一方で、外部サービス利用型は、介護を外部に委託しているケースが多いです。ただし、生活の相談対応やケアプランの作成は、介護付き有料老人ホームの職員が担当します。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームとは、高齢者が安心して生活ができるように援助する施設です。施設によってサービスの内容は異なります。入所者が介護を必要とする際は、訪問介護など外部のサービスを利用します。

住宅型有料老人ホームの入所条件も「老人であること」です。こちらも65歳と明確に定義されているわけではありません。施設によっては、60歳以上を入居対象とする場合もあります。

住宅型有料老人ホームは主に以下のようなサービスを行います。

  • 食事の提供
  • 洗濯や掃除など日常生活の援助
  • 日常生活の相談対応
  • レクリエーションや行事

住宅型有料老人ホームでは、職員は介護サービスを提供しません。介護を必要とする入所者は、外部の介護サービスを利用するのが特徴です。

健康型有料老人ホーム

健康型有料老人ホームとは、健康な高齢者のために生活の手助けや支援を行う施設です。健康である必要があるという点が健康型有料老人ホームの特徴といえます。

健康型有料老人ホームの入所条件は「健康で自立した生活を送ることができる老人」です。入所条件の年齢に関しては、基本的に60歳以上としています。しかし、施設によって要件が異なることも少なくありません。

健康型有料老人ホームには、健康で自立した方が入所しています。そのため、介護を行うことはありません。そのため、主に食事の提供や、掃除・洗濯などの生活上の支援がメインとなります。健康管理などには対応するものの、重度の要介護状態になった入所者は退去しなければならない点も特徴の一つです。

グループホーム

グループホームとは認知症の方が集団生活をして、日常の生活に近い環境で過ごすことのできる施設です。認知症対応型共同生活介護と呼ばれることもあります。

グループホームの入所条件は「グループホームがある市町村に住んでおり、認知症と認められた要介護高齢者」です。
グループホームが提供する主なサービス内容は次のとおりです。

  • 入浴、排泄などの介護
  • 日常生活のお世話
  • 機能訓練

入所者の認知症の進行を遅らせるため、家事などは職員のサポートのもと、入所者が中心となって行います。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、高齢者が安心して日常生活を送ることができるようにバリアフリーなどを取り入れた住宅を意味します。

サービス付き高齢者向け住宅の入居条件は次のとおりです。

  • 60歳以上の高齢者
  • 40歳以上の要介護または要支援認定の方

サービス付き高齢者向け住宅は名前のとおり住宅ですので、単身者だけでなく夫婦での入居もできます。

サービス付き高齢者向け住宅の主なサービス内容は次のとおりです。

  • 安否確認
  • 食事の提供
  • 生活相談

日常生活を送るうえで不安を感じる入所者に対して、定期的な訪問やセンサーによる見守りなどの安否確認を行います。また、生活する上で困っていることがないかなどの生活相談も職員の業務の一つです。
食事の提供は多くの住宅で行われており、中には入浴といった介護を提供するところもあります。

シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションは、分譲マンションを買い取って利用するものです。購入者は住宅として利用することもできますし、賃貸として貸し出したり、リフォームしたりしても基本的には問題ありません。

通常の分譲マンションとの違いは、高齢者が安心して暮らせるようにバリアフリー設計などを採用している点です。

一方、シニア向け分譲マンションには、介護サービスなどはありません。介護を必要とする際は、外部のサービスを利用する必要があります。そのため、基本的には日常生活を問題なく送れる高齢の入居者が多いのが特徴です。

シニア向け分譲マンションは不動産であるため、相続なども可能です。しかし、相続税がかかることや、売却などによって手放さない限りは固定資産税がかかる点は入居者にとってのデメリットといえます。

簡単60秒!あなたにピッタリの案件が届く 無料会員登録

老人ホームへの転職を成功させるコツ

老人ホームは施設ごとに目的やサービス内容が異なります。特徴がそれぞれ違う老人ホームへの転職は、不安に感じる方も多いでしょう。そのような不安を解消するために、老人ホームへの転職を成功させるコツについて紹介します。

重要なコツは以下の2つです。

  • 施設の違いを理解する
  • 老人ホームで活かせる資格を取得する

施設の違いを理解する

老人ホームへの転職を成功させるためには、施設の違いをしっかりと理解しましょう。老人ホームには数多くの種類が存在しており、入所している方の状態も異なるためです。

施設ごとの特徴を理解していないと、入社後に「イメージと違った」といったギャップが生まれてしまう可能性があります。まずは特徴を理解したうえで、自分がどのような入所者のサポートをしたいかを考えてみると良いでしょう。

資格を取得する

資格を取得することも、転職を成功させるコツの一つです。老人ホームで働くのに資格は必須ではありませんが、自分の能力をアピールすることができるでしょう。

また、資格を取得するために勉強をすることで、自分自身の知識やスキルのアップにも繋がります。老人ホームへの転職に有利な資格は、次のとおりです。

  • 介護職員初任者研修
  • 介護福祉士実務者研修
  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員(ケアマネージャー)
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士

これらの資格には、大学などで専門的に学ばなくては取得できないものから、実務経験が必要なもの、働きながらでも取得しやすいものまでさまざまです。
また、老人ホームの中には、職員の資格取得にかかる費用を補助してくれる職場もあります。志望先の職場で資格取得支援制度があるかどうかを確認してみるのも良いでしょう。

簡単60秒!あなたにピッタリの案件が届く 無料会員登録

老人ホームへ転職するなら施設の種類を理解しよう

  • 老人ホームにはさまざまな種類があり、それぞれでサービス内容が異なる
  • 老人ホームの中には、職員が入所者の介護を行う施設と、外部の事業者が介護を行う施設がある
  • 老人ホームに転職を考えている場合、施設の種類を理解しておくことが大切
  • 老人ホームの転職には必ずしも資格は必要ではないが、 介護職員初任者研修や介護支援専門員などを保持しているとアピールに繋がる

簡単60秒!あなたにピッタリの案件が届く 無料会員登録

関連記事

有料老人ホームの看護師の仕事内容は?向いている人の特徴を紹介

職場・施設情報

有料老人ホームの看護師の仕事内容は?向いている人の特徴を紹介

検診(健診)センター看護師の仕事、メリット・デメリットを紹介

職場・施設情報

検診(健診)センター看護師の仕事、メリット・デメリットを紹介

外来看護師の役割とは?仕事内容や向いている人の特徴を紹介

職場・施設情報

外来看護師の役割とは?仕事内容や向いている人の特徴を紹介