職種・資格情報
整体師は資格が必要?仕事内容や年収、ほかの職種との違いを解説
9 days ago
「整体師は資格がいらないの?」と疑問に思う人もいるでしょう。整体師として働くには資格は不要ですが、人体の仕組みに関する知識や適切な施術を行うためのスキルが求められるため、民間資格を取得して働いている人が多いようです。この記事では、整体師におすすめの資格や仕事内容について解説しています。柔道整復師などほかの職種との違いや、整体師が活躍できる職場、年収にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
整体師とは
整体師とは、手技や機器を使って顧客の身体のゆがみや不調を矯正する職種です。整体師は顧客から症状を聞き、顧客の身体に触れて不調な部分を探り当て、症状に合った施術を提供します。
整体師の役目はあくまでも身体の調子を整えることで、病気を治す目的である「治療」は行えません。リラクゼーション目的で手技を行うこともあり、「セラピスト」と呼ばれることもあります。
整体師は資格がいらない?
整体師は、資格がいらない職業です。無資格・未経験でも働きながら技術を身に付けられます。
ただし、整体師は人の身体を触る仕事ですので、身体のつくりに関する知識や施術スキル、接客マナーを学んでおく必要があるでしょう。そのため、働きながら現場で学ぶだけでなく、民間資格を取得するのがおすすめです。
整体師におすすめの資格
整体師が行う手技はカイロプラクティックやリフレクソロジーなどさまざまな種類があり、手技の種類により資格が分かれていることが多いようです。ここでは、整体師におすすめの民間資格について紹介します。
リラクゼーションセラピスト認定資格試験
リラクゼーションセラピスト認定資格試験とは、一般社団法人日本リラクゼーション業協会が認定している資格制度です。
一般社団法人日本リラクゼーション業協会「認定試験について」によると、リラクゼーションセラピスト認定資格試験は、リラクゼーションについてや関連する法律、人の身体を触る上での身体・衛生・安全性、接客術などに関する問題が出題されます。資格は1級と2級の2種類です。
受験資格は日本リラクゼーション業協会会員(協会会員会社所属)であることで、1級を受験するにはすでに2級に合格していなければなりません。試験はCBT方式を採用しており、最寄りの会場からコンピューターで受験できます。
認定登録カイロプラクター
認定登録カイロプラクターは、一般財団法人日本カイロプラクティック登録機構(JCR)が、国際カイロプラクティック試験委員会(IBCE)提供の試験問題を使用して行うカイロプラクティックに関する認定試験です。第1種と第2種の2種類があります。
一般財団法人日本カイロプラクティック登録機構によると、第1種認定登録カイロプラクターの認定を受けるには、国際認証取得のカイロプラクティック教育プログラムの修了などが条件です。また、第2種認定登録カイロプラクターの認定を受けるには、第1種に合格しているか、全米カイロプラクティック試験委員会などの試験に合格していることが条件になります。整体手技のうち、カイロプラクティックを行いたい整体師の方におすすめの資格です。
JADP認定リフレクソロジスト🄬
JADP認定リフレクソロジスト🄬は、一般社団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定しているリフレクソロジーに関する資格です。
一般社団法人日本能力開発推進協会「JADP認定リフレクソロジスト🄬」によると、信頼のおける高い技術を持つリフレクソロジストを育成することが技能審査の目的となっています。
受験するには、身体の仕組みやハンド・フットの反射区の基礎知識、リフレクソロジーテクニックについて認定教育機関にて履修が必要です。カリキュラム修了後、試験は在宅で受験できます。手や足を指圧などで刺激するリフレクソロジーの知識を身に付けたい整体師の方におすすめの資格です。
参考:一般社団法人日本リラクゼーション業協会「認定試験について」
一般財団法人日本カイロプラクティック登録機構
一般社団法人日本能力開発推進協会「JADP認定リフレクソロジスト🄬」
整体師とほかの職種との違い
整体師と同様に、顧客(患者)の身体に触れて、身体の不調を改善させる職業はほかにもあります。整体師と混同されることも多いため、ほかの職種との違いをみていきましょう。
柔道整復師
厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「柔道整復師」によると、柔道整復師とは、打撲・捻挫・脱臼・骨折などの損傷に対して、手を用いた応急的(柔道整復)もしくは医療補助的方法(固定、後療法など)により回復を図る職業です。柔道整復師は国家資格で、資格を取得しなければ、柔道整復師として働けません。
整体師と違い、柔道整復師は医療行為である「ケガの治療」が行えることが特徴で、施術も保険対象にできるケースが多いようです。整体師は身体の不調の改善は行えますが、医療目的であるケガの治療は行えません。
あんまマッサージ指圧師
厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「あんまマッサージ指圧師」によると、あんまマッサージ指圧師とは、身体の痛みやコリを訴える人に対して、指圧・マッサージにより身体のこりをほぐし血行を良くしたり、脊椎のゆがみを矯正して症状の緩和・改善などを図ったりする職種です。医師の処方に従って、患者のリハビリ治療を行うこともあります。「あんまマッサージ指圧」は医療類似行為であり、あんまマッサージ指圧師として働くには国家資格が必要です。
整体師もあんまマッサージ指圧師も、指圧により顧客(患者)の身体を揉んだり押したりするのが仕事であり、違いがよくわからないという人もいるでしょう。そのため、厚生労働省からも、両者の違いについて通知が出されています。
厚生労働省「『あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律』に関する疑義照会について(回答)」によると、施術者が体重をかけて患者が痛みを感じる相当程度の強さの施術など、人体に危害を及ぼす、もしくは及ぼすおそれのある行為は、あん摩マッサージ指圧に該当するとされています。また、無資格者がこれらを行っている場合は厳正な対応を行うよう述べられています。
整体師も揉む・押す・叩くなどの手技を行いますが、「あんまマッサージ指圧」に該当しない程度の施術内容でなければなりません。あんまマッサージ指圧師とは異なり、医療目的の施術は行えないことになっています。
はり師・きゅう師
厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「はり師・きゅう師」によると、はり師は身体のツボをはりで刺激し、きゅう師はツボをきゅうで温めることでツボを刺激して、自然治癒力を高めて身体の不調を改善させる職種です。
はり師・きゅう師はそれぞれ国家資格が必要であるため、整体師ははりやきゅうを用いた施術はできません。
参考:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「柔道整復師」
厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「あんまマッサージ指圧師」
厚生労働省「『あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律』に関する疑義照会について(回答)」
厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「はり師・きゅう師」
整体師の仕事内容
前述のとおり、整体には手技の種類がいくつかあります。整体師が主に用いる手技の例は以下のとおりです。
- 全身整体
- カイロプラクティック
- リフレクソロジー
- オステオパシー
整体師はこれらの手技を用いて、骨格のゆがみを整えたり、痛みや筋肉のこりを和らげたりしており、場合によっては電気や温熱を用いることもあるようです。スポーツ整体や美容整体など、目的ごとに異なるメニューがある整体院もみられます。
整体師の仕事の流れは、顧客から問診を取るところから始まります。顧客から身体の不調や症状について聞き取りを行ったり、整体師自身が患部を触って確認したりしながら、適したメニューを選択し、施術を行います。
ほかにも、受付業務や治療院の環境整備なども整体師が行うことが多いでしょう。整体院を経営している整体師であれば、ネットやSNSを用いて整体院の広報活動を行うこともあるようです。
整体師が活躍できる勤務先
ここでは、整体師が活躍できる勤務先について紹介します。
整体院
整体師が活躍できる勤務先として代表的な職場は、整体院です。整体院は病院や接骨院のように店舗名称について決まった名称はなく、「整体サロン」や「ボディケアサロン」などと名前が付いていることもあります。
院によって特色や強みが異なり、カイロプラクティック専門や美容整体など、手技やメニューの種類を限定している整体院も多いようです。出張で施術を行う整体院もあり、依頼があれば契約している宿泊施設や顧客宅に出向き、施術を行うこともあります。
接骨院・整骨院
接骨院・整骨院は、主に柔道整復師が働いている治療院です。接骨院・整骨院で働く整体師は、柔道整復師が行う徒手整復以外の手技を担当するため、メインの手技は担当できません。柔道整復師の技術を間近で見て学べるというメリットが得られるため、将来的に国家資格を取得したいと考えている整体師におすすめの職場です。
鍼灸院
鍼灸院は、主にはり師やきゅう師が働く治療院です。鍼灸院で働く整体師は、はりやきゅうの施術はできないため、はりやきゅうの施術を受けに来た顧客へ、メニューの一環やオプションとして整体の施術を行います。
介護施設
リハビリが盛んに行われる介護施設では、整体師の需要があります。体操やリハビリ、機能訓練を行う利用者の身体機能の向上をサポートするのが主な仕事で、施術を行うこともあるようです。整体師としての業務のほかにも、利用者の介助や送迎など介護職員の補助作業を求められることもあります。
フィットネスクラブ
フィットネスクラブでは、スポーツトレーナーとして整体師の需要があります。整体師としての知識を活かしたストレッチの実施やトレーニングメニューの提案、ケガ予防の指導などを行っているようです。
整体師の年収
厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「リフレクソロジスト」によると、整体師が行う手技の一つである「リフレクソロジー」を主に行うリフレクソロジストの年収は、394.3万円となっています。
この額はあくまでも一例で、整体師は勤務先や仕事内容によっても年収に差がみられるでしょう。補助役として働く接骨院や鍼灸院よりも、整体師がメインの手技を担当する整体院のほうが年収が高い傾向にあるようです。また、整体師は無資格でも働けて、認定資格は民間資格となっています。そのため、国家資格が必須である柔道整復師やあんまマッサージ指圧師、はり師・きゅう師よりも年収は低い傾向にあるでしょう。
参考:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「リフレクソロジスト」
整体師は民間資格を取得して働くケースが多い
- 整体師は身体のゆがみやこりを手技で改善させる職種で無資格でも働ける
- 整体師が働くときは、手技ごとに民間資格を取って働くことが多い
- 整体師は医療類似行為であるあんまマッサージ指圧はできない
- 整体師は整体院や接骨院、鍼灸院などで活躍している
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