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医療DXと心理支援で進化する医療現場の未来
a month ago

患者さんの心身の健康を支えるためには、医療の質の向上だけでなく、医療現場の最前線で働く人々の心のケアも不可欠です。近年、医療現場におけるDX化の実現や心理支援の重要性が高まり、最新の情報へのアクセスが求められています。
本記事では、在宅医療機関向けにオンコールを代行するサービス、医療DXによるリハビリ業務の課題解決を目指すシステム、心理系支援スキルを備えた人材育成に役立つサービスを取り上げ、これらの革新的な取り組みが医療現場にもたらす効果と、今後の展望について紹介していきましょう。
株式会社on call

株式会社on callは、「つながり、寄り添い、社会を支える。」を経営理念とする会社です。医療に関するすべての人とつながり、医療を受けるすべての人に寄り添い、誰しもが適切な医療を受けられるような社会インフラの創出を目指しています。
在宅医療の構造的な課題に焦点を当て、オンコール代行やシステムサービスの提供を通じて患者さんにとって継ぎ目のない医療提供を実現し、地域医療を支えることを目標としています。また、より多くの若手医師に在宅医療への理解と参画を促し、未来の日本の地域医療を支えたいと考えているそうです。
医師である代表をはじめ、現役医師や看護師などの医療従事者と、スタートアップ経験のあるビジネスチームが連携することで、医療現場のニーズと先進的な技術を融合。医療従事者・患者双方に配慮したサービス開発ができることが同社の強みです。
継ぎ目のないチーム形成が可能!在宅医療機関向けオンコール代行サービス「ON CALL」
在宅医療のニーズが高まる現代において、医療機関は24時間365日体制の構築という大きな課題に直面しています。とりわけ夜間や休日の対応は、医療機関のリソース不足を招きやすく、医師不足や高齢化も相まって、患者にとって必ずしも最適な医療を提供できているとは言い難い状況です。

こうした課題を解決するため、在宅医療機関向けのオンコール代行サービス「ON CALL」が開発されました。急性期病院や大学病院勤務の医師、在宅医療機関の院長ら複数名が参画し、現場経験を活かした設計となっています。
同サービスは、夜間・休日のオンコール対応を専門とし、医療機関や病院に代わって往診を行うことで、切れ目のない医療提供を実現します。
現在は東京・神奈川・埼玉・千葉の一部地域でサービスを提供しています。そのほかの地域については、順次問い合わせを受け付けています。
現場のお悩みを解決するサービスの仕組み
同サービスは、サービス提供において安定した体制整備に注力しています。コールセンタースタッフは看護師が務め、往診は医師と往診ディレクター(主に現役看護師か救急救命士)の2名体制で担当。医療従事者を適切に配置し、さまざまな状況に対応できる体制を整えているため、医療機関側も安心して依頼できます。医療機関のバックアップ機能として、質の高い在宅医療を提供するために必要となるインフラサービスといえるでしょう。

同サービスは医療機関と連携し、患者さんにとって情報共有や対応がスムーズなチーム体制を構築することで、夜間・休日の往診をサポートします。サービス導入により、常勤医師・スタッフの負担軽減、人手不足解消、採用・育成コスト削減を実現し、患者さんと家族が安心して在宅医療を受けられる環境を支援します。
ドクターチームは、主に急性期病院の若手医師で構成され、紹介型採用により信頼性を確保しています。また、チーム内での技術共有・相互評価により、常に品質を監視していることも特色です。さらに、独自システムにより、医療機関へのスムーズな導入、リアルタイムな往診状況の確認、労務管理の簡素化も実現。たとえば、往診内容確認画面では、対応状況や担当者の情報をすぐに確認できるため、医療機関と患者の双方にとって安心です。
ON CALLは、患者さんやご家族に寄り添い、最期までその人らしく生きられるようサポートする在宅医療の提供を目指しています。これからも、すべての人が生涯好きな場所で、最良の医療を受けられる社会の実現に貢献していくと期待されます。
■詳細情報
株式会社on call
ON CALL
株式会社INTEP
アカデミア発のベンチャー企業として2020年7月に設立された、株式会社INTEP。リハビリテーション医療・予防・介護といった分野をシームレスにつなぐ情報プラットフォームの構築に努めています。社会への貢献を目指し、ヘルスケア領域における3つの事業・サービスを展開中です。
本記事では、事業の一つである、リハビリテーション医療のDX化に寄与する「スマートリハ®︎」というシステムに注目しました。医療機関の業務効率化と、リハビリテーション診療の標準化を支援する同システムの魅力をご紹介します。
医療DXを実現するシステム「スマートリハ®︎」

日々のリハビリ業務において、課題に悩んでいる医療・福祉従事者も多いことでしょう。
記録業務をはじめ、患者さん一人ひとりへの最適なリハビリ計画の立案、そして効果的なリハビリテーションの実施など、リハビリに関連する業務は多岐にわたります。質の高い医療を提供するにはその一つひとつの業務が欠かせない一方で、多くの時間と労力を必要とする現状があります。
患者さんにとって、リハビリテーションは日常生活の質(QOL)向上に直結する重要なプロセスです。一人ひとりの状態に合わせた最適なリハビリテーションを提供するためには、十分な時間を確保する必要があります。
そのためにまず取り組むべきことは、業務時間の削減と、診療の標準化。さらに、療法士不足による残業時間の増加、それによる医療水準のばらつきなど、さまざまな課題も挙げられます。
これらの課題解決に向け開発しているのが、リハビリ業務のDX化を推進する革新的なシステム「スマートリハ®︎」です。
課題解決を目指すシステムの特徴

同システムの特徴は、有効な業務の進め方として注目を集める「OODAループ」というフレームワークが用いられていることです。
Observe(観察)・Orient(状況判断)・Decide(意思決定)・Act(実行)という4つのプロセスをワンストップで進められる仕組みになっています。
また、PC以外に、スマートフォンやタブレットを使用できるポータブル性の高さも魅力の一つ。メモやコピペ機能、AI音声入力などを活用できる使いやすさも好評です。
あらゆる意思決定や行動を迅速に行えるようになると、現場での業務効率化を図れるだけでなく、それに付随する記録作業や書類作成といった間接業務の時短にもつながります。
同システムを導入したリハビリテーション病院の実証データによると、導入前より約40%の間接業務時間の削減に成功したとのこと。また、患者一人あたりにかかる準備・記録等の業務時間では、約60%削減できたそうです。特に記録業務は3分の1ほどに短縮でき、「作業効率が格段に上がった」「空き時間を有効活用できた」といった病院関係者の感嘆の声が多数聞かれました。
同システムの活用は、質の高い医療提供を行えるとともに、データドリブン経営の実現や、集患・増収対策としての効果も期待できます。医療DXによる新たな経営戦略は、リハビリ業界全体での医療水準の向上にもつながるなど、多くのメリットを創出することでしょう。
※「スマートリハ®」は株式会社INTEPの登録商標です。
■詳細情報
株式会社INTEP
スマートリハ®︎
一般社団法人国際心理支援協会
関西発祥の一般社団法人 国際心理支援協会(IPSA)は、心理支援の質向上を目指し、さまざまな活動を行う団体です。心理職の認知度向上や知識普及、力量向上、そして有効な心理療法の普及・開発に取り組んでいます。
同団体が目指しているのは、「こころ」だけでなく、「からだ」「脳の発達・機能」「言語/非言語コミュニケーション」などを通じた、全人的な支援の輪の拡大です。これらの活動は、心理支援に関わるすべての方にとって貴重な学びとなるでしょう。
本記事では、同団体が提供する、臨床現場で役立つ研修コンテンツサービス「Biblio」をご紹介します。動画見放題のサブスク型で、基礎知識の習得からスキルアップまで気軽に学習することが可能です。
心理支援の研修動画配信サブスクリプションサービス「Biblio」
「Biblio(ビブリオ)」は、医療現場のニーズに応える、医師・公認心理師・臨床心理士のための動画研修サブスクリプションサービスです。心理アセスメントや各種セラピー、精神医学、領域別対応など、幅広いテーマを網羅した質の高い動画コンテンツを展開しています。
視聴プランは、対人援助職向けの「ライトプラン」と、心理職向けの「スタンダードプラン」(心理職以外の方も利用可能)の2つ。ライトプランは全35以上、スタンダードプランでは全150以上の動画が視聴できます。プランごとに、個々の心理支援スキルを効果的に磨くことが可能です。
「心理系の正しい知識を身につけたい」「心理支援の最新情報を入手したい」「隙間時間を有効活用して学習したい」といったさまざまなニーズに応えられる同サービス。研修動画は定期的に更新・追加されるため、最新情報をいち早くキャッチでき、効率よく収集できるのが魅力です。

全人的な支援の輪がもたらす効果
医療現場では、患者さんの身体的なケアだけでなく、心のケアの重要性も増しています。
患者さん一人ひとりに寄り添った全人的な医療提供を実現するには、心理支援スキルを持つ人材育成が不可欠です。
動画配信サービス「Biblio」は、この課題解決に貢献する画期的なツールです。医師や看護師、薬剤師、介護士など多様な職種の医療従事者が、場所や時間を問わず、質の高い心理支援研修を受講できます。
同サービスを活用することで、以下のような効果を期待できます。
- きめ細やかなケア提供体制の構築
- 患者と患者家族の満足度向上
- 医療現場のチームワーク強化
- 地域社会全体の健康増進
- 医療従事者のメンタルヘルス維持

公認心理師や臨床心理士がチーム医療に参加することで、患者の安定度や患者家族の満足度が向上するなど、多くのメリットが報告されています。患者支援に加え、人手不足等で疲弊する医療従事者のメンタルヘルスを守る役割も期待される今、心理支援スキルは必須といえるでしょう。
医療従事者のスキル向上により、持続可能な医療提供体制の構築につながる可能性も秘めています。
■詳細情報
一般社団法人国際心理支援協会
Biblio