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治験コーディネーターとは?仕事内容やなる方法を解説

2 days ago

「治験コーディネーターとは?」と疑問に思う人もいるでしょう。治験コーディネーターとは、治験が安全かつスムーズに行われるよう、医療機関や製薬会社、被験者との調整を行う職種のことです。この記事では、治験コーディネーターの詳しい仕事内容やなる方法についてご紹介。治験コーディネーターに向いている人の特徴や仕事のメリット・デメリットにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

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治験コーディネーターとは

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「治験コーディネーター」 によると、治験コーディネーターとは、治験が円滑に行われるよう準備や調整、運営の支援を行う職種のことです。CRC(Clinical Research Coordinator)とも呼ばれます。

治験薬を作っている製薬会社や治験を実施する病院、被験者など、治験に関わるさまざまな人の間に立ち、調整を行うのが治験コーディネーターの主な仕事です。

参考:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「治験コーディネーター」

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治験コーディネーターの仕事内容

治験コーディネーターの仕事は、治験の準備段階から、実際に治験が始まってからのサポート、治験終了後の結果報告まで、業務範囲が幅広いことが特徴です。ここでは、治験コーディネーターの仕事内容について、詳しくみていきましょう。

治験準備

治験コーディネーターは、治験の準備段階から業務がスタートします。治験の実施計画書を読み、病院の治験事務局にて、製薬会社が行う説明会に参加するのが主な役目です。
説明会には治験事務局や病棟の医師・看護師などが参加するため、治験コーディネーターは製薬会社の担当者とともに、治験薬について説明したり質問に答えたりすることもあります。

被験者の募集

治験の実施計画書に基づき、治験者を募集するのも治験コーディネーターの仕事です。
被験者の条件として「特定の疾患に罹患している人」「特定の薬剤で化学療法を受けている途中の人」など条件が限定的な場合は医師とも連携し、病院にかかっている患者で条件に合う方を探す場合もあるようです。健康な方を被験者として募集したい場合は、Webサイトや広告などを使い、広く募集することもあります。

被験者への個別対応

被験者候補が集まったら、治験コーディネーターは被験者のスクリーニングを行い、治験が受けられる人かを選別します。その後、被験者が確定したら、医師とともに治験の内容について改めて説明し、治験を受けることに同意をもらいます。
中には、入院して治験薬を投与する前に、数ヶ月間の休薬期間が必要なケースもあるため、その際は治験コーディネーターが被験者へ服薬状況の確認も行うようです。

治験のスケジュール調整

被験者が治験を受け、治験が終了するまでの流れも、治験コーディネーターが整理・調整します。治験コーディネーターは、医師や病院側、被験者とのスケジュール調整を行い、医師の診察日時や投薬・検査の日時などが組み込まれた予定表を作成するのも重要な仕事です。

症例報告書の作成

実際に治験が始まったら、被験者の健康状態や投薬状況、有害事象の発生有無を記録するのが治験コーディネーターの仕事です。記録した情報をもとに、治験コーディネーターは症例報告書を作成します。

有害事象の報告・対応

治験中、被験者に有害な副作用など(有害事象)が起こった場合、治験コーディネーターは担当医師や看護師に連絡し、被験者へ適切に対応するよう依頼します。
なお、治験コーディネーターが看護師の資格を持っていたとしても、治験コーディネーターが直接被験者の対応をするケースはほぼありません。

治験終了報告書の作成

治験薬の投与が終わり、被験者の最終観察や追跡調査まで終了したら、治験コーディネーターは治験終了報告書を作成します。治験終了報告書は、最終的に製薬会社と病院へ提出される書類です。

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治験コーディネーターになるには?

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「治験コーディネーター」によると、治験コーディネーターになるにあたり、特に学歴や資格は必要ないとされています。ただし、医学や薬学の知識がある人が優遇されるため、医療系の国家資格を持っている人が多く活躍しているようです。

治験コーディネーターは、医療機関の治験事務局に勤務するか、治験施設支援機関(SMO)に所属するケースに分かれます。医療機関の治験事務局で働く場合は、元々、薬剤師や看護師などの医療系の専門職として働いていた人が、部署異動によって治験コーディネーターになるケースが一般的です。SMOに所属する場合は、治験のたびに治験の行われる医療機関に派遣されて、仕事を進めます。

参考:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「治験コーディネーター」

治験コーディネーターに多い職種は?

実際に、どのような職種の人が治験コーディネーターとして活躍しているのでしょうか。日本SMO協会「日本SMO協会データ2023」によると、2023年4月に実施した調査で、調査に協力したSMOに所属する治験コーディネーターの資格別割合は以下のとおりです。

資格名 人数 割合
看護師 917人 31.8%
臨床検査技師 754人 26.1%
医療資格なし 751人 26.0%
管理栄養士・栄養士 238人 8.2%
薬剤師 111人 3.8%
衛生検査技師 7人 0.2%
その他 113人 3.9%

参考:日本SMO協会「日本SMO協会データ2023」

なお、同資料によると、上記の「その他」に含まれている資格は、以下のとおりです。

  • 臨床工学士
  • 准看護師
  • 作業療法士
  • 理学療法士
  • 保健師
  • 社会福祉士
  • 歯科衛生士
  • 視能訓練士
  • 診療放射線技師
  • 臨床心理士

日本SMO協会の調査結果では、治験コーディネーターが持っている資格は「看護師」が最も多く、全体の3割以上となっていました。また、国家資格を持っている人が多い中、医療系の資格のない人も治験コーディネーターとして活躍していることが分かります。

参考:日本SMO協会「日本SMO協会データ2023」

治験コーディネーターの資格について

前述のとおり、治験コーディネーターになるには資格は不要ですが、よりステップアップしたい方向けの資格がいくつかあります。
具体的には、「日本SMO協会公認CRC制度」「日本臨床薬理学会認定CRC制度」などの認定資格です。治験コーディネーターとしてステップアップし、より長く活躍したい方は、認定資格の取得を視野に入れてみるのも良いでしょう。

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治験コーディネーターの年収は?

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「治験コーディネーター」によると、治験コーディネーターの平均年収(令和5年度賃金構造基本統計調査をもとに算出)は、459.3万円です。前項で紹介した、治験コーディネーターに多い職種の平均年収と比較した結果は以下のとおりです。

職種 平均年収
治験コーディネーター 459.3万円
看護師 508.2万円
臨床検査技師(衛生検査技師) 508.5万円
管理栄養士・栄養士 390.2万円
薬剤師 577.9万円

参考:
厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「治験コーディネーター」
厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「看護師」
厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「臨床検査技師」
厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「栄養士」
厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「薬剤師」

上記の結果を見ると、治験コーディネーターの平均給与は全体的にほかの職種と比べると低くなっています。治験コーディネーターより給与の高い職種をみると、夜勤を求められたり、患者に対して直接処置や処方などを行ったりする職種となっており、仕事内容やシフトの違いが給与の差として表れているようです。

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治験コーディネーターとして働くメリット

治験コーディネーターとして働くと、どのようなメリットが得られるのかみていきましょう。

夜勤がなく休みの日がほぼ決まっている

治験コーディネーターは夜勤がなく、基本的に土日は休みという勤務形態がほとんどです。そのため、生活のリズムを崩しにくく、ライフワークバランスも大切にしながら働けるでしょう。プライベートの時間をしっかり確保したい方や、子育て・介護を行っている方も勤めやすい職種です。

医療行為に直接携わらない場合もある

治験コーディネーターのうち、SMOに所属する治験コーディネーターは、治験薬の投与や採血などの医療行為に直接携わることはありません。
医療機関に所属し、看護師の資格を持つ治験コーディネーターであれば、看護師と治験コーディネーター業務を兼任する場合もあり、医療行為を行うこともあるようです。
SMOに所属する治験コーディネーターの場合、手技に苦手意識のある看護師も働きやすいでしょう。

新薬開発に貢献できる

新薬開発に貢献できるというやりがいが得られるのは、治験コーディネーターならではのメリットといえます。
看護師や薬剤師は目の前の患者のために働く職種である一方で、治験コーディネーターの仕事は、新薬を待っている多くの人を救う手助けになれるという違いがあるでしょう。治験に関わった新薬が承認されたときは、「仕事をとおして社会貢献ができた」という治験コーディネーターならではの達成感が得られるはずです。

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治験コーディネーターとして働くデメリット

治験コーディネーターとして働くうえで、デメリットも存在します。どのようなデメリットがあるのかについても、よく確認しておきましょう。

連携や調整に難しさを感じることもある

治験コーディネーターの仕事の中心である、連携や調整といった業務に、難しさを感じる人もいるようです。
治験コーディネーターは、医師や治験事務局のスタッフ、被験者、製薬会社など、さまざまな人と連携・調整を行って治験を進めていく必要があります。どの立場の人とも、いつもスムーズに仕事が進むとは限らず、ときには治験コーディネーターが板挟みになってしまうこともあるようです。

仕事はデスクワークが中心

治験コーディネーターの仕事はデスクワークが中心のため、人によっては「デスクワークばかりで仕事がきつい」と感じることもあるでしょう。 
治験コーディネーターは予定表や計画書、報告書の作成をPCで行ううえ、連携先とのやり取りはメールで行うことも多くあります。デスクワークは身体への負担が少ないというメリットもありますが、デスクワークやPCの操作が苦手な方は注意が必要です。

ほかの職種への転職が難しいこともある

医療系の資格を持っている人が治験コーディネーターとなる場合、治験コーディネーターとして働いたキャリアの間は、医療系の資格経験としてカウントされないことが多いようです。
治験コーディネーターとして働いている間は医療行為を行わないため、知識や手技のスキルが衰えてしまうことも考えられます。治験コーディネーターから、元々持っていた資格を活かして転職しようとしたときに、難航するケースもあることを理解しておきましょう。

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治験コーディネーターに向いている人は?

ここまで治験コーディネーターのメリット・デメリットに触れてきましたが、どのような人が治験コーディネーターに向いているのでしょうか。

薬や疾患に関する勉強が苦にならない人

治験コーディネーターは、薬や疾病に関する勉強が苦にならない人が向いています。
治験コーディネーターは、治験薬や対象疾患について十分な理解が必要です。元々、医学や薬学の知識がある人でも、新薬が出るたびに新しく勉強しなければなりません。治験のたびに、新薬や疾患について勉強しなおすのが苦にならない、新しい知識を学べることが楽しいと思える人は、治験コーディネーターに向いているでしょう。

調整やコミュニケーションが得意な人

治験コーディネーターには、調整やコミュニケーションが得意な人が向いています。
前述のとおり、治験コーディネーターの主な仕事は治験に関わる人の間に入って、治験がスムーズに進むよう調整することです。職種や立場が違う人とも良好にコミュニケーションが取れる人や、それぞれの人のスケジュールをすり合わせて調整するのが得意な人は、治験コーディネーターとして活躍できるでしょう。

事務処理能力がある人・デスクワークが好きな人

治験コーディネーターには、事務処理能力がある人やデスクワークが好きな人も向いているでしょう。
前述のとおり、治験コーディネーターは日常的にデスクワークで文書作成や統計、メール処理などを行います。PC操作が得意で事務処理能力がある人は、能力を存分に活かして楽しく仕事を進められるでしょう。

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治験コーディネーターは治験の実施をサポートしている

  • 治験コーディネーターは病院や製薬会社、被験者の間に入って治験をサポートする
  • 治験コーディネーターは治験の準備から実施、終了まで幅広く携わる
  • 治験コーディネーターはSMOに所属する場合と医療機関に勤める場合がある
  • 治験コーディネーターにはコミュニケーションや事務処理の能力がある人が向いている

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