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病院における外来とは?業務内容や看護師に求められる能力を紹介
4 days ago
「病院の外来とは?」「外来看護師の仕事がよく分からない」という方もいるでしょう。外来診療とは、入院を伴わない検査や治療のことです。外来看護師は、医師の診療補助や患者への説明、受付・事務業務などを行っています。この記事では、外来看護師の仕事内容や求められる能力について紹介します。外来で働くメリット・デメリットについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
外来診療とは
「外来診療」とは、入院を伴わない検査や治療のことです。公益社団法人全日本病院協会「病院の機能と組織」によると、「受付をして、診察、検査、処置などを受け、最後に会計を行うのが、外来診療」とされています。
引用:公益社団法人全日本病院協会「病院の機能と組織」
外来診療の3つの種類
外来診療は、患者の症状の内容や重症度・緊急度などによって、以下の3つの種類に分けられます。それぞれの役割について詳しくみていきましょう。
一般外来
一般外来では、比較的緊急度が低い患者へ検査や治療を行っています。患者は、症状に合った診療科を受診するのが一般的です。身体の不調を感じて受診したり、治療のために通院したりする患者が多くみられます。
専門外来
専門外来では、特定の症状や疾患に対する専門的な検査・治療を行っています。専門外来は、一般的な診療科のくくりよりも細分化されていることが多く、一般外来よりもさらに専門的な治療が受けられるのが特徴です。リウマチ外来や糖尿病外来のように特定の疾患を扱う専門外来もあれば、禁煙外来や物忘れ外来のように特定の症状や生活習慣を改善させるための専門外来もあります。
救急外来
救急外来では、救急治療が必要な患者に対して診療を行います。休日や夜間も患者を受け入れており、救急車で搬送されてきた患者や、一般・専門外来の診療時間外に突然体調が悪くなり受診を希望する患者へ診療を行うのが救急外来です。
厚生労働省「厚生労働省からの情報提供」によると、救急外来は来院した患者が病棟に移るまで、もしくは帰宅するまでに必要な処置を行う場所とされています。救急外来で、継続的な検査や治療が必要だと判断された場合、その後の治療は一般外来や専門外来、病棟などで行います。
外来診療の課題
厚生労働省「外来機能報告等の施行に向けた検討について」によると、患者が受診する医療機関を選ぶ際に、どの医療機関に行くべきかを判断する情報が十分に得られていないことや、「とりあえず大きな病院にかかっておけば安心」という「大病院志向」があることにより、一部の医療機関に外来患者が集中しているようです。その結果、患者の待ち時間や医療スタッフの負担の増加などの課題が生じています。
この課題を受け、大規模病院の外来は紹介患者の診療を基本とし、そのほかの比較的規模が小さい医療機関の外来は、かかりつけ医の機能を強化するような取り組みが進められています。紹介状のない患者から費用を徴収する「選定療養費制度」の導入や、必要に応じて、大病院から規模の小さな医療機関への「逆紹介」の促進を図るなど、外来患者が大病院に集中している問題を解決するための策が講じられているようです。
参考:
厚生労働省「厚生労働省からの情報提供」
厚生労働省「外来機能報告等の施行に向けた検討について」
外来で働く看護師の仕事内容
外来看護師の主な仕事内容は、以下のとおりです。
- 診察室の準備
- 診察前の問診
- バイタルサインの測定
- 採血、注射
- 医師の診療補助
- 医療機器や器具の洗浄、準備
- 患者への説明
- 受付業務、事務作業
外来看護師の仕事内容は、外来の種類や医療機関の形態によって異なりますが、問診や診療補助などがメインとなります。
規模の小さなクリニックで働く場合、看護師が受付業務や事務作業、電話対応、診察後の会計など、看護業務以外の仕事を行う機会もあるでしょう。
一方、救急外来では応急処置やトリアージなど、救急外来ならではの業務に携わることも多いと考えられます。
外来看護師の一日のスケジュール
夜勤が発生しない一般外来の場合、外来看護師の一日のスケジュール例は以下のとおりです。
午前8時30分 | 出勤、予約確認、診察室の準備 |
午前9時 | 診療開始、医師の診療補助、問診 |
正午 | お昼休憩 |
午後1時 | 医師の診療補助、点滴 |
午後3時 | 診療受付終了、器具の滅菌消毒、備品整理 |
午後5時30分 | 片付け・翌日の準備、退勤 |
一般外来で働く看護師は、ルーティンワークが基本となるでしょう。診療時間が決まっているため、大幅な残業が発生することも少ないと考えられます。
外来看護師の給与
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均給与額および年間賞与などの特別給与平均金額は以下のとおりです。
- きまって支給する現金給与額:35万2100円
- 年間賞与その他特別給与額:85万6500円
上記の金額から年収換算(きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額)すると、看護師の平均年収は約508万円となります。
ただし、この平均年収には、残業や夜勤の手当も含まれるため、残業や夜勤があまりない外来の看護師の年収は、平均を下回る可能性が高いでしょう。
参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
外来看護師として働くメリット
外来看護師として働くメリットは以下のとおりです。
身体的な負担が少ない
外来看護師は、病棟看護師に比べ、身体的な負担が少ないというメリットがあります。
外来で働く場合、病棟での看護でよく行われる身体介助や体位交換、移乗介助などに携わる機会は比較的少ないでしょう。体力に自信がない方や力仕事が得意ではない方にとっては、働きやすいと感じるポイントになり得ます。
仕事とプライベートを両立しやすい
仕事とプライベートを両立しやすいことは、外来看護師として働くメリットの一つです。診療時間や休診日が決まっている医療機関であれば、日々のスケジュールを立てやすく、自分のライフスタイルに合った働き方ができるでしょう。日勤中心で働きたい方や子育て中で働ける時間が限られている方などにとっては、大きなメリットであるといえます。
素早く判断する力が身に付く
外来看護師として働くことで、素早く判断する力が身に付くというメリットが得られるでしょう。外来では日々多くの患者に対して診療を行うため、外来看護師には、短時間で患者の状況や症状を理解・判断する力が求められます。看護師は外来で勤務していくうちに、素早く判断する力が磨かれていくでしょう。
外来看護師として働くデメリット
外来看護師として働くうえでのデメリットは以下のとおりです。
病棟と比べて給与が高くない
外来看護師として働くデメリットの一つは、病棟勤務の看護師と比べて給与が低い傾向にあることです。前述のとおり、夜勤のない外来で働く看護師の場合、夜勤手当がつかないため、病棟看護師の給与と比べると低くなることもあるでしょう。また、外来では診療時間が決まっているため、病棟に比べて、長時間の残業が発生する機会も少ないと考えられます。
患者との関わりが浅いこともある
外来診療では、患者一人ひとりと接する時間が比較的短いため、患者との関わりが浅いと感じてしまうこともあるでしょう。特に、短期間の治療や検査のために来院した患者とは、十分な関係性が築けないこともあると考えられます。患者一人ひとりとじっくり向き合って看護をしたい方にとっては、デメリットと感じてしまうこともあるでしょう。
クレーム対応を行うこともある
外来看護師が受付業務を行う場合、患者からクレームを直接受ける機会もあると考えられます。外来では、患者の待ち時間が長くなってしまうことも多く、患者から直接不満を言われることもあるでしょう。
体調が悪いなか来院している患者にとっては、小さなこともストレスになり得るため、外来看護師は冷静に対応を行わなければなりません。対応に慣れていない方は、苦痛に感じてしまうこともあるでしょう。
外来看護師に求められる能力
外来看護師に求められる能力は、以下のようなものがあります。
コミュニケーション能力
外来看護師には、コミュニケーション能力が求められるでしょう。外来では病棟よりも1日で次々に多くの患者と接する機会があります。定期的な通院で何度か来院している患者だけではなく、初診で来院する患者も多いのが外来の特徴です。初診患者に対しても、安心感や信頼感を与えられるような、高いコミュニケーション能力は外来看護師に求められる力の一つだといえます。
観察力・判断力
観察力や判断力も、外来看護師に必要な能力の一つです。外来では、限られた診療時間のなかで、多くの患者に対して診療を行う必要があります。外来看護師は、患者の容体などを見て、患者に診察まで横になって待っていてもらったり、緊急度が高いと判断したら診察の順番を繰り上げたりと、臨機応変に判断することが求められるでしょう。
また、初診の患者の場合、症状の重さや緊急度を判断する材料が少なく、診察前の問診などの限られた情報から患者の病状をある程度把握・判断しなければなりません。高い観察力や判断力があれば、スムーズな診療に貢献でき、患者や医師の負担を減らすことにもつなげられるでしょう。
外来とは病院に通い治療や検査を受けること
- 外来看護師は病院で医師の診療補助や患者への説明、受付業務などを行う
- 外来看護師は、仕事とプライベートを両立した働き方がしやすい
- 外来看護師には、コミュニケーション能力や素早い判断力が求められる
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