豆知識
看護師のストレスの解消法は?原因と向き合い方を解説
2 months ago
「看護師はストレスが多い職業なの?」と心配している方もいるでしょう。看護師の仕事は体力勝負な一面があるうえ、不規則な勤務シフトや責任の重い業務が多いことなども原因となり、強くストレスを感じる人が多いといわれます。この記事では、看護師のストレスの原因や、気持ちにうまく向き合う方法を解説。看護師におすすめのストレス解消法も紹介していますので、ぜひご覧ください。
看護師はストレスの多い職業?
看護師は、ストレスの多い職業だと考えられます。
厚生労働省「令和5年度『過労死等の労災補償状況』を公表します」の別添資料2 精神障害に関する事案の労災補償状況によると、精神障がいの労災請求件数の多い業種において、「医療業」は同じ医療・福祉系である「社会保険・社会福祉・介護事業」についで全体で2番目に件数が多くなっています。
また、職種に注目して見ても、「保健師、助産師、看護師」は精神障がいの請求件数のうち、全体で2番目に多い件数となっています。
仕事におけるストレスの感じ方は人によって異なりますが、上記のデータをもとにすると、他業種・他職種と比較して医療業で働く看護師はストレスを感じやすいと考えられるでしょう。
また、日本看護協会「2023年病院看護実態調査報告書」によると、2022年度に傷病による連続休暇(7日以上)を取得した看護職員(正規雇用)がいたと回答した病院は85.7%でした。さらに、連続休暇を取得した人のなかで、メンタルヘルス不調者がいたと回答した病院は、74.3%にのぼっています。仕事でのストレスから、メンタルヘルスに支障をきたして休む人もいるようです。
看護師のストレスの原因は?
看護師がストレスを感じる原因には、どのようなものがあるのでしょうか。
人間関係
看護師がストレスを感じる原因の一つとして、「人間関係」があります。看護師の仕事は、同僚や他職種のスタッフ、患者とのコミュニケーションや関係性の構築が不可欠です。しかし、いつでも誰に対しても良好なコミュニケーションや関係性を構築できるとは限らず、人間関係に難しさやストレスを感じる人が多いようです。
仕事をスムーズに進めるには、苦手と感じる人がいても、コミュニケーションを取って連携しなければならない場面も多くあるでしょう。
また、看護師は人の命を預かる仕事のため、ミスが許されません。そのため、ときには強い口調で指導されることもあり、必要な指導を受けたと分かっていても関係性に影響を与えることもあるようです。
肉体的な疲労が大きい
看護師の仕事は肉体的な疲労が大きく、ストレスになることもあるでしょう。看護師は基本的に立ち仕事が多いうえ、座る暇もなくバタバタと仕事をすることも多くあります。特に忙しいときは、食事休憩や夜勤中の仮眠が十分に取れないことも。夜勤のある勤務形態では生活リズムが崩れて睡眠不足になりやすく、疲れが取れにくくなる人もいるようです。
疲れが取れないまま仕事を続けていると、「休みたい」という気持ちがストレスに拍車をかけ、身体だけでなく精神的な不調につながることも考えられます。
責任の重い仕事が多い
看護師は責任の重い仕事が多く、プレッシャーがストレスにつながることもあります。
看護師に限らずどの仕事でもミスは許されないものですが、看護師が仕事でミスをすると、患者の命に関わる事態に直結するケースもあるためです。
なお、キャリアを積むうちに仕事に慣れ、ミスをすることに対するプレッシャーは小さくなっていくと考えられます。ただし、看護師歴が長くなってくるとリーダー職や管理職を任されたり、看護師歴の浅い職員よりも仕事量が増えたりと、責任の範囲が広がり、今までと異なるプレッシャーを感じることもあるでしょう。
プレッシャーや責任の重さによる精神的なストレスが溜まると、「疲れているのになかなか眠れない」などの体調の変化につながり、悪循環に陥ることもあるようです。
不規則な勤務形態
看護師は不規則な勤務形態の職場も多く、それが精神的・身体的なストレスになる場合もあります。
夜勤のある職場では日によってシフトが違うため、生活のリズムが崩れやすいでしょう。また、夜勤の有無に関わらず、人手不足でなかなか休みが取れなかったり残業が多かったりと、看護師はライフワークバランスを取るのが難しいことが多いようです。
給料が安い
看護師のなかには給料の安さに不満があり、ストレスを感じている人もいるようです。では、実際に看護師は給料の低い職業なのかというと、実はそうとも言い切れません。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均給与額(きまって支給する現金給与額)は35万2100円である一方、全職種の平均給与額は35万8300円で、看護師の給与は全職種の平均とあまり変わらない結果となっています。
貰える給料が少ないことに不満があるというよりも、「大きなストレスを感じる仕事にしては給料が安い」「仕事で感じる疲労やストレスに給料が見合っていない」と感じる人が多いようです。
看護師のストレスの解消法5選
看護師は、ストレスを感じながら仕事をする場面もあるでしょう。そのような看護師におすすめのストレス解消法を5つ紹介します。
休養を取る
精神的・肉体的に疲れている方は、休養をしっかり取ることが大切です。疲れている休みの日は、寝たり家で過ごしたりしてゆっくりすることを優先しましょう。1~2日休んでも疲れが取れずに仕事に支障をきたす場合は、1週間以上まとまった休暇を取って休養したり、休職を視野に入れるのも一つの手です。
家族や友人に話を聞いてもらう
ストレスが溜まっているとき、家族や友人に話を聞いてもらうことで、すっきりすることもあります。あえて看護師ではない人に相談することで、同僚に話しにくいことも吐き出せるかもしれません。
看護師の同僚とストレスを共有する
看護師の同僚とストレスを共有することで、ストレスが発散できることもあるでしょう。看護師が仕事で感じるストレスは、現場の看護師でなければ分からないものもあります。同じ立場の人に話すことで共感してもらえるうえ、悩んでいることがあれば、具体的な解決策がみつかることも期待できるでしょう。
外出して気分転換する
外出して気分転換するのも、おすすめのストレス発散法です。散歩や買い物、美味しいものを食べるなど、行きたい場所に行き、やりたいことをやってストレスを発散しましょう。長期の休みが取れたら、旅行に行くのも良いかもしれません。
趣味に没頭する
趣味に没頭すると仕事のことを一時的に忘れられるため、ストレス発散できるという人もいます。映画やドラマを見ることやお菓子作り、手芸など、家で一人でもできる趣味を持っていると、友人や家族とスケジュールが合わなくても、気軽にストレス発散ができるでしょう。
看護師がストレスとうまく向き合うには
看護師として働く以上、日々、ストレスが溜まることもあるでしょう。ストレスを全く感じずに働くことは難しいかもしれませんが、うまくストレスを解消しながら、ストレスを溜め過ぎないようにすることが大切です。自分に合ったストレス解消法をみつけて、ストレスとうまく付き合っていきましょう。
また、ストレス解消のために手を尽くしても効果がみられない場合は、転職を考えるのも一つの手です。看護師の資格を持っていると、医療機関や介護施設、一般企業、公的機関などさまざまな場所で働けます。自分にあった働き方ができる職場に転職して、少しでも自分にかかるストレスを軽減させることも有効な方法でしょう。
看護師はストレスをうまく解消して向き合うことが大切
- 看護師はストレスの多い職業であり、メンタルに不調をきたす人もいる
- 看護師のストレスの原因は人間関係や肉体的疲労、責任の重さなどにある
- 看護師がストレスを発散するには十分な休養や気分転換などが必要
- 看護師がストレスと向き合うには、転職を検討するのも一つの手
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