豆知識

産婦人科看護師はきつい?仕事内容や向いている人の特徴を紹介

25 days ago

「産婦人科看護師はきつい?」「どんな仕事をしているの?」と疑問を抱えている方もいるでしょう。産婦人科看護師の主な仕事内容は、妊産婦のサポートや女性特有の病気を患っている患者に対する看護ケアなどです。この記事では、詳しい仕事内容や助産師との違い、向いている人の特徴について紹介します。やりがいや年収についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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産婦人科看護師の仕事内容

産婦人科看護師の主な仕事は、妊産婦のサポートや婦人科系の病気を患っている患者に対する看護ケアなどです。そもそも「産婦人科」とは、「産科」と「婦人科」を兼ねた診療科のことで、産婦人科看護師はその両方の仕事を担っています。

産科と婦人科の違い

産科は、妊娠・出産に関する検査や治療、サポートを行う診療科です。産科で勤務する産婦人科看護師の主な業務は、診療時の医師のサポートや、分娩時の助産師の介助などが挙げられます。ほかにも、入院設備のある産科病棟での勤務の場合は、入院している妊産婦や新生児のケアを行うこともあります。

一方、婦人科は、女性特有の疾患に対する検査や治療を行う診療科です。婦人科で勤務する産婦人科看護師は、医師の診療や手術の介助を行います。入院設備のある婦人科病棟の場合は、手術前後の患者のケアも重要な業務の一つです。

産婦人科看護師と助産師の違い

産婦人科看護師と関わりのある職業の一つが「助産師」です。産科では産婦人科看護師とともに勤務することがある助産師ですが、保有資格や給与など、産婦人科看護師と異なる点がいくつかあります。

保有資格の違い

産婦人科看護師と助産師の違いは、助産師資格の有無です。産婦人科看護師になるには看護師資格の取得が必要で、助産師になるには、看護師資格に加えて助産師資格も取得する必要があります。
たとえば正常分娩における助産は、助産師資格の保有が必須である行為です。資格を保有している助産師しか助産行為を行えないため、産婦人科看護師は分娩時、助産師の介助をします。このように、行える業務の範囲も、産婦人科看護師と助産師の違いの一つです。

年収の違い

産婦人科看護師と助産師では、年収にも違いが出る場合があります。
産婦人科看護師の年収は、ほかの診療科目の看護師と大きく変わらないと考えられるでしょう。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」によると、看護師の月平均給与額は以下のとおりです。

  • きまって支給する現金給与額:352,100円
  • 年間賞与その他特別給与額:856,500円

「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で算出した場合、年収は約500万円であることが分かります。勤続年数と比例して給料も増える傾向があるようです。

一方、助産師の平均年収は以下のとおりです。

  • きまって支給する現金給与額:395,800円
  • 年間賞与その他特別給与額:919,900円

同様に年収を算出すると560万円程度となり、看護師より60万円ほど高いことが分かります。助産師になるには、看護師資格と助産師資格の2つの国家資格が必要となる点が影響していると考えられるでしょう。

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産婦人科看護師が働く主な職場

産婦人科看護師が働く主な職場には、「病院内の産婦人科病棟」「産科クリニック」「レディース(婦人科)クリニック」などがあります。それぞれの職場の働き方や特徴について、詳しく紹介します。

病院内の産婦人科病棟

総合病院内の産婦人科病棟では手術療法や化学療法、放射線療法などさまざまな治療を行っています。規模が大きい産婦人科病棟の場合、無痛分娩や帝王切開、婦人科系のがん治療など、リスクの高い症例を扱うこともあるのが特徴です。難しい症例の場合、クリニックから紹介を受けることもあります。

医師数が多いことや小児科が隣接している場合があることなどから、産婦人科看護師には、チームで連携を取りながら働くことが求められるでしょう。また、緊急度の高い分娩に立ち会う機会が多く、夜勤業務を担当することがあるのも特徴の一つです。

産科クリニック

産科クリニックで働く看護師の主な業務は、出産後の母子検診や診察時の医師のサポートなどです。出産に対応できるクリニックでは、正常分娩を扱うことが多く、分娩時は助産師の介助を行います。安心できる環境で出産できるよう、出産前後で宿泊できる個室を完備していたり、入院中の食事に力を入れたりすることで、ほかの施設との差別化を図るクリニックも増えているようです。
病院内の産婦人科病棟と比べると規模が小さいため、妊産婦との距離が近い点が産科クリニックの特徴です。妊産婦との信頼関係を築くことが重要視されることもあります。妊婦に寄り添いながらサポートしたいと考える方にはぴったりの職場であるといえるでしょう。

レディースクリニック

レディースクリニックでは、女性特有の疾患に対する検査や治療を行っています。子宮や卵巣、乳房の病気から、生理痛や不正出血など、幅広い問題に対して診察や治療を行っています。
また、更年期障害の悩みや避妊・中絶の相談などの相談を目的に利用する方もおり、女性のさまざまな悩みに寄り添いながら働くことが求められる職場であるといえるでしょう。
レディースクリニックのなかには、不妊治療に特化した専門クリニックもあり、そこでは不妊症の検査や治療介助などが看護師の主な役割です。

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産婦人科看護師のやりがい

産婦人科看護師のやりがいは、新しい命の誕生に立ち会えることが挙げられるでしょう。産婦人科は診療科目のなかで唯一、命の誕生に携わる機会があります。医師や助産師と協力し、無事に出産の瞬間を迎えられた際には、大きなやりがいを感じられるでしょう。

また、産婦人科では出産だけでなく、女性特有の病気や悩みを抱えた方への診察や治療も行っています。多くの女性の悩みに寄り添い力になれることも、産婦人科看護師としてのやりがいの一つであるといえるでしょう。

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産婦人科看護師に向いている人の特徴

産婦人科看護師に向いている人の特徴として、コミュニケーション能力が高いことや物事を前向きに捉えられることが挙げられるでしょう。どういった場面でその特徴が活かせるのか、産婦人科の特徴とあわせて紹介します。

コミュニケーション能力が高い

産婦人科看護師には、コミュニケーション能力が高い人が向いているでしょう。
産婦人科には、さまざまな症状を抱えた患者や妊婦が来院します。身体の不調は精神的にダメージを与えやすく、患者や妊婦に対する精神的なケアは非常に大切です。そのため、産婦人科看護師は、コミュニケーション能力が高く、患者の悩みに寄り添える人が向いているといえるでしょう。また、医師や助産師など、多くの人と関わりながら仕事を行う職場もあるため、そういった場面でもコミュニケーション能力は求められると考えられます。

物事を前向きに捉えられる

メンタルが強く、物事を前向きに捉えられることは、産婦人科看護師に向いている特徴の一つであるといえるでしょう。産婦人科では、病気の治療や出産に不安を抱えている場面だけでなく、ときには中絶や流産のような精神的にも大きくダメージを与える可能性のある場面に立ち会うこともあります。

産婦人科看護師自身も「つらい」と感じてしまうことが大いにあると考えられますが、まずは患者・妊婦の不安や悲しみを取り除くことを優先しなければいけません。そのため、産婦人科看護師には強いメンタルが必要といえるでしょう。患者・妊婦の不安や悲しい気持ちを増大させないためには何をするべきか、常に冷静に、かつ前向きに物事を捉えて行動に移せる人であれば、患者や妊婦にとっても安心できる存在になり得ます。

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産婦人科看護師におすすめの資格

産婦人科看護師におすすめの資格は以下のとおりです。キャリアアップを目指したい方は、以下の資格取得を検討するのも良いでしょう。

助産師資格

看護師免許をすでに取得している場合は、文科省または厚労省指定の助産師養成学校や助産師養成課程のある大学・大学院などで1~2年学ぶことで、国家試験の受験資格が得られます。助産師養成課程のカリキュラムには、10回程度の分娩の実習も含まれていることから、通信講座などはなく、実際に学校に通う必要があります。

看護師として働きながら助産師を目指すのは簡単ではないと考えられますが、進学休職制度や資格取得支援の制度を設けている病院であれば、このような制度を利用して資格取得を目指すことも可能でしょう。

認定看護師・専門看護師

認定看護師・専門看護師とは、日本看護協会が認定する資格です。いずれも、看護師として5年以上の実務経験をもち、日本看護協会が定める教育課程を修了した後、認定審査に合格することで資格が得られます。どちらの資格も5年ごとに更新が必要です。

認定看護師

日本看護協会「認定看護師」によると、認定看護師(Certified Nurse)とは、「ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有する者として認定を受けた看護師」を指します。

認定看護師には「認定看護分野」が定められており、分野ごとに資格認定されます。認定看護分野は、特定行為研修を組み込んでいない(A課程)認定看護分野が21分野特定されていましたが、認定看護分野が再編された結果、新たに特定行為研修を組み込んでいる(B課程)認定看護分野が19分野特定されました。

特定行為研修を組み込んでいる(B課程)認定看護分野の認定審査が2021年度から開始されており、特定行為研修を組み込んでいない(A課程)認定看護分野の教育は2026年度まで、認定審査は2029年度までの実施となっています。

産婦人科看護師の場合、B課程の「生殖看護」を取得すると、不妊治療のケアに関するスキルアップや看護師としてのキャリアアップにつながるでしょう。なお、A課程の「不妊症看護」は2026年に教育が修了し、B課程の「生殖看護」に統合されます。

専門看護師

日本看護協会「専門看護師」によると、専門看護師(Certified Nurse Specialist)とは、「ある特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有することを認められた」看護師を指します。保健医療福祉の発展への貢献に加え、看護学の向上を図ることが目的です。

専門看護師には「専門看護分野」が14分野定められており、分野ごとに認定を受けます。産婦人科看護師の場合、周産期の母子や家族の支援、女性の健康への援助などを扱う「母性看護」の認定を受けると、スキル・キャリアアップにつながるでしょう。

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産婦人科看護師の一日の勤務スケジュール

産婦人科看護師の一日の勤務スケジュールは、分娩や手術によって大きく変動します。ここでは、産科と婦人科の病棟で勤務する看護師のスケジュール例を紹介します。

産科病棟で勤務する産婦人科看護師のスケジュール例(日勤)

産科では、分娩によって、その日の業務内容やスケジュールが大きく変わるといえるでしょう。急な分娩にも対応できるよう、スケジュール管理をしながら働く必要があります。

時刻
業務内容
8:00 出勤、申し送り
8:30 新生児のケア(バイタル測定)
9:00 医師の診察介助
10:30 ラウンド(授乳介助、生活ケアの指導)
12:00 昼食配膳、昼休憩
13:00 分娩室の準備、妊婦の受け入れ
14:00 分娩の介助
15:00 ラウンド(授乳介助、バイタル測定)
16:30 記録、申し送り
17:00 退勤

婦人科病棟で勤務する産婦人科看護師のスケジュール例(日勤)

婦人科では、手術の数や長さによって、業務内容やスケジュールが変動する可能性があります。

時刻
業務内容
8:00 出勤、申し送り
8:30 ラウンド(バイタル測定)
9:00 手術介助
12:00 昼休憩
13:00 医師の診察介助
15:00 カンファレンス
16:30 記録、申し送り
17:00 退勤

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産婦人科看護師は産科と婦人科の両方の仕事を担う

  • 産婦人科看護師は職場によって働き方が異なる
  • 産婦人科看護師のやりがいは新しい命が誕生する瞬間に立ち会えること
  • 産婦人科看護師は物事を前向きに捉えられる人が向いている

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