職種・資格情報
健康運動指導士になるには?仕事内容や資格取得の方法を解説
a month ago
「健康運動指導士とは?」と疑問に思っている方もいるでしょう。健康運動指導士とは、健康づくりを目的として個人にあわせた安全で効果的な運動を指導する専門家です。この記事では、健康運動指導士の資格取得方法や認定試験の内容・合格率について紹介しています。健康運動指導士の仕事内容や活躍している場所についても解説していますので、ぜひご覧ください。
健康運動指導士とは
健康運動指導士とは、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定・登録を行っている資格です。公益財団法人健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士とは」によると、保健医療関係者と連携し、安全で効果的な運動を実施するための運動プログラム作成や実践指導計画の調整などを行う者とされています。2024年9月1日現在、健康運動指導士として登録されている人は全国に1万8,007人います。
健康運動指導士の仕事内容
健康運動指導士の仕事内容は、大きく分けて以下の3つです。
- 施設利用者・患者別に運動プログラムを作成
- 実践する指導計画の調整
- 運動指導と施設利用者・患者の運動サポート
健康運動指導士が指導するのは現在健康な方だけでなく、ハイリスク者も対象としています。健康運動指導士が個別に適切な運動を指導することで、生活習慣病の予防や健康づくりのサポートに役立っているようです。
健康指導指導士になるには?
健康運動指導士になるには、指定の単位を取得して受験資格を得たあとに、認定試験に合格する必要があります。講習会を修了するか養成校で学ぶことで、指定単位の取得が可能です。
公益財団法人健康・体力づくり事業財団「令和6年度健康運動指導士養成講習会開催要項」を参考に、ここでは健康運動指導士認定試験の受験資格を得る方法についてみていきましょう。
健康運動指導士養成講習会を修了
健康運動指導士養成講習会を修了する方法は、受講者の保有資格や学歴により4種類のコースに分かれています。
40単位コース
40単位コースは、健康運動指導士養成講習会が定めるAとBの2つのカテゴリー、合計40単位を取得しなければならないコースです。下記のいずれかの条件に当てはまれば、40単位コースで講習を受けることになります。
- 健康運動実践指導者の称号を有する者
- 日本スポーツ協会公認資格である、スポーツプログラマー・アスレチックトレーナー・フィットネストレーナーのいずれかの資格を有している者
- 日本フィットネス協会公認資格である、GFIエグザミナー・GFIディレクターのいずれかの資格を有している者
運動プログラム作成や生活習慣病について、座学での講義と実習があるコースとなっています。
51単位コース
51単位コースは、健康運動指導士養成講習会が定めるA・B・Fの3つのカテゴリー、合計51単位を取得しなければならないコースです。4年制体育系大学(教育学部体育学系を含む)の卒業者および卒業見込みの方が対象となります。
40単位コースの内容に加えて、運動傷害と予防・救急処置・栄養摂取と運動についての講義と実習が実施されます。
70単位コース
70単位コースは、健康運動指導士養成講習会が定めるA・C・D・Fの4つのカテゴリー、合計70単位を取得しなければならないコースです。医師または保健師、管理栄養士の資格を有している方が対象となります。
運動プログラム作成の基本や健康づくりのための運動理論、運動傷害と予防といった座学だけでなく、エアロビクスや水泳などを交えた実習も含まれています。なお、Cカテゴリーは全単位e-ラーニングでの実施です。
104単位コース
104単位コースは、健康運動指導士養成講習会が定めるAからFまでの6つの全カテゴリー、合計104単位を取得しなければならないコースです。ほかの3コースの受講資格を満たしている方に加えて、以下のいずれかの条件に当てはまる方も受講対象となります。
- 歯科医師・看護師・准看護師・助産師・薬剤師・栄養士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師のいずれかの国家資格を有しており、大学(修業年限4年以上)卒業者
- 上記の国家資格と同等以上の能力を有すると財団が特別に認定する者(体育系の学位を海外で修めた方など)
104単位コース以外のコースの受験資格に当てはまる方は、ほかのコースを受講するか104単位コースを受講するか選べる仕組みとなっています。受講条件に含まれている資格取得や大学卒業から時間が空いてしまい、知識に自信のない方や、すべてのカテゴリーを履修したい方は、104単位コースを選ぶのがおすすめです。
健康運動指導士養成校へ入校
上記の講習会の受講条件にいずれも当てはまらない方は、健康運動指導士養成校に入校して単位を取得することで、受験資格が得られます。
公益財団法人健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士養成校のご紹介」によると、2024年4月現在で全国に養成校が81校あります。
健康運動指導士認定試験の概要
公益財団法人健康・体力づくり事業財団「令和6年度健康運動指導士認定試験のご案内」によると、健康運動指導士認定試験はコンピュータを使用した試験方式(CBT方式)で行われます。全国47都道府県にある試験センターの中から、試験会場と試験日をオンライン予約し、試験日に試験センターに出向いてパソコンで受験する仕組みです。
試験は年度内に3回行われ、各実施期間内で1回のみ受験可能です。2024年度は7月末から9月上旬、10月末から12月上旬、2月中旬から3月末に予定されています。
試験は四肢択一方式で75問出題され、試験時間は120分です。合否は各実施期間終了後の約1か月後に郵送で通知されます。不合格となった場合は、不合格となった試験の次の実施期間の試験を受験できます。資格を取得し、登録したあとは5年以内に更新が必要です。
健康運動指導士の合格率
公益財団法人健康・体力づくり事業財団「第156回健康運動指導士認定試験結果」によると、2024年7月26日から9月9日までに実施された第156回健康運動指導士認定試験の合格率は、70.7%でした。再受験者を除いた初回受験者のみの合格率は79.6%となっています。講習会や養成校で学んだ内容をしっかり復習することで、合格できるといえるでしょう。
健康運動指導士が活躍している場所
公益財団法人健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士とは」によると、2022年12月1日現在、健康運動指導士として登録している方の職場は以下のとおりです。
アスレチッククラブ、フィットネスクラブ等 | 3,907人 |
診療所・病院等 | 2,837人 |
介護老人保健・福祉施設等 | 1,227人 |
健保組合・会社(健康管理部門) | 311人 |
保健所等 | 1,312人 |
学校 | 1,193人 |
フリーで活動等 | 2,455人 |
その他(学生を含む) | 5,002人 |
参考:公益財団法人健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士とは」
フィットネスクラブで働いている健康運動指導士が最も多く、ついで医療機関が多い結果です。ほかにも介護施設や保健所、学校など、健康運動指導士は幅広い職場で活躍しています。
また、勤務場所からもわかるように、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の人に対して健康指導を行っているようです。
健康運動指導士は安全で効果的な運動指導を行っている
- 健康運動指導士は安全で効果的な運動プログラムの作成や運動指導を行う
- 健康運動指導士の受験資格を得るには講習会や養成校で指定単位の取得が必要
- 健康運動指導士はフィットネスクラブや医療機関、介護施設などで活躍している
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