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介護医療院とは?種類やサービス内容をわかりやすく解説

「介護医療院とはどのような施設なのだろう」「働くとしたらどのようなメリットがあるのか知りたい」と気になる方もいるでしょう。

介護医療院は、ほかの介護施設と異なる特徴があります。利用者の生活上の介護や支援を行いつつ、医療的なケアに注力している点がその一つです。

本記事では介護医療院の概要を説明し、種類やサービス内容、働くメリットを解説します。介護医療院について知りたい方は、ぜひチェックしてください!

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介護医療院とは

介護医療院とは、要介護高齢者の長期療養や生活支援を目的とする施設です。2024年3月末に完全廃止予定の「介護療養型医療施設」に代わる施設とされています。

介護医療院の入居条件は次のとおりです。

  • 65歳以上で要介護状態にある方
  • 40歳以上65歳未満で特定疾病により要介護状態にある方

要介護状態とは、厚生労働省令が定める区分に当てはまる状態のことを指します。認められているのは要介護状態の方であり、要支援状態の方は入居対象になりません。

特別養護老人ホームとの違い

「特別養護老人ホーム(特養)」とは介護老人福祉施設とも呼ばれ、介護が必要な方の支援や療養上の世話、在宅復帰などを目指す施設です。

介護医療院
特別養護老人ホーム
対象となる方 長期療養が必要な要介護者 要介護者
目的 施設サービス計画に基づき、療養上の管理や看護、介護、必要な医療、日常生活上の世話を行う 要介護者に対し、介護や日常生活上の世話、機能訓練、健康管理などを行う

特別養護老人ホームでは、日常生活の世話以外にも機能訓練や健康管理を行います。一方で、介護医療院は介護や医療に重きを置きつつ、生活上の支援を行うことが主な目的です。

そのため、基本的に、介護医療院には特別養護老人ホームより高度な医療ケアを必要とする方が入所する傾向にあります。

介護老人保健施設との違い

介護老人保健施設(老健)とは、リハビリ等を提供することで要介護高齢者の在宅復帰や在宅支援を支援する施設です。

介護医療院
介護老人保健施設
対象となる方 長期療養が必要な要介護者 要介護者
目的 施設サービス計画に基づき、療養上の管理や看護、介護、必要な医療、日常生活上の世話を行う 在宅復帰の支援が必要である要介護者に対して、施設サービス計画に基づき介護や医療、日常生活上の世話を行う

介護老人保健施設は在宅復帰を目指す施設であるため、一般的に3ヵ月程度で「継続が必要かどうか」を判断する傾向にあります。対して、介護医療院は長期的な療養に対応する施設です。
以上のことから、介護医療院は長期または終身利用を考える方が入所することの多い施設といえるでしょう。

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介護医療院の種類

介護医療院は、大きく分けて以下の3種類あります。

  • 介護医療院
  • 医療機関併設型介護医療院
  • 併設型小規模介護医療院

この中で、さらにI型とII型の2つの類型に分けられます。I型とII型では、利用対象者や人員の配置基準において、さまざまな違いがあることを把握しておきましょう。

I型

I型の介護医療院は、介護療養病床に相当する施設です。主な利用対象者は「介護療養病床療養機能強化型AB相当」とされており、比較的重度の要介護者を受け入れています。

I型の人員基準は次のとおりです。

介護医療院
医療機関併設型介護医療院
併設型小規模介護医療院
医師 48人に対して1人(施設で3人以上) 48人に対して1人 適切に入所者の処遇が行われる場合、置かないことができる
リハビリ専門職 適当数 適当数 適切に入所者の処遇が行われる場合、置かないことができる
薬剤師 150人に対して1人 150人に対して1人 適切に入所者の処遇が行われる場合、置かないことができる
看護職員 6人に対して1人 6人に対して1人 6人に対して1人
介護職員 5人に対して1人 5人に対して1人 6人に対して1人
栄養士または管理栄養士 定員100以上で1人 定員100以上で1人 場合によっては置かないことができる
介護支援専門員 100に対して1(施設で1人以上) 100に対して1(施設で1人以上) 適当数
診療放射線技師 適当数 適正なサービスを確保できる場合、配置しなくても差し支えない 適正なサービスを確保できる場合、配置しなくても差し支えない
調理員、事務員等 適当数 適正なサービスを確保できる場合、配置しなくても差し支えない 適正なサービスを確保できる場合、配置しなくても差し支えない

引用:厚生労働省

II型

II型の介護医療院は老人保健施設相当以上の施設です。主な利用対象者は「I型より比較的容体が安定した者」とされています。

II型の人員基準は次のとおりです。

介護医療院
医療機関併設型介護医療院
併設型小規模介護医療院
医師 100人に対して1人(施設で1人以上) 100人に対して1人 適切に入所者の処遇が行われる場合、置かないことができる
リハビリ専門職 適当数 48人に対して1人(施設で3人以上) 適切に入所者の処遇が行われる場合、置かないことができる
薬剤師 300人に対して1人 300人に対して1人 適切に入所者の処遇が行われる場合、置かないことができる
看護職員 6人に対して1人 6人に対して1人 6人に対して1人
介護職員 6人に対して1人 6人に対して1人 6人に対して1人
栄養士または管理栄養士 定員100以上で1人 定員100以上で1人 場合によっては置かないことができる
介護支援専門員 100に対して1(施設で1人以上) 100に対して1(施設で1人以上) 適当数
診療放射線技師 適当数 適正なサービスを確保できる場合、配置しなくても差し支えない 適正なサービスを確保できる場合、配置しなくても差し支えない
調理員、事務員等 適当数 適正なサービスを確保できる場合、配置しなくても差し支えない 適正なサービスを確保できる場合、配置しなくても差し支えない

引用:厚生労働省

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介護医療院のサービス内容

介護医療院にはさまざまなサービスがありますが、ここではサービス内容を4つに分けて具体的に紹介します。

医療サービス

介護医療院では日常生活を送るうえで必要な医療サービスを提供します。たとえば、 経管栄養や喀痰(かくたん)吸引などです。

また、血液や尿、糞便などの一般的な臨床検査や、投薬、処置などが提供されることもあります。このような特徴から「入院するほどではないが、老人保健施設や老人ホームよりも充実した医療サービスを受けたい」という方に利用されることが多いです。

介護サービス

介護医療院の介護サービスには、介護士などによる食事・排泄・入浴介助などが挙げられます。基本的にはほかの介護施設と同じような介護を提供します。

また、原則として介護医療院にはレクリエーション・ルームの設置が義務付けられており、介護職員などが中心となってゲームや脳のトレーニング、交流イベントなどを実施します。レクリエーションの内容は施設によって異なります。

生活支援サービス

介護医療院は、単なる医療や介護の場所ではありません。利用者が長期療養していくうえで必要な生活支援もサービスの一つです。

厚生労働省では、介護医療院を「地域交流を基本方針として位置づける」としています。施設には原則として談話室が設けられているため、入所者同士で話をしたり家族と話を楽しんだりすることも可能です。
そのほか、食事の献立づくりや調理も、栄養士や管理栄養士など介護医療院の職員が行います。

ターミナルケア

厚生労働省によると、2019年度時点でターミナルケアに取り組んでいる介護医療院の割合は次のとおりです。

  • 全体:94.4%
  • I型:96.2%
  • II型:89.5%

このように、ほとんどの介護医療院がターミナルケアを実施しています。そのため、ターミナルケアを踏まえて入居を考える方も多いといえるでしょう。

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介護医療院で働くメリット

介護医療院での勤務には、さまざまなメリットがあります。

  • 幅広い知識と経験、コミュニケーション能力、サポート能力が身に付く
  • 医師や看護師が常に在籍しており、安心して働ける
  • 在宅復帰を目的とした施設にはない、看取りやターミナルケアなどの経験を積める

介護医療院は医療や介護だけでなく、生活支援サービスやターミナルケアも実施する点が特徴です。そのため、働くことで幅広い能力を身に付けられる可能性があるでしょう。また、多職種と協力することが多いため、コミュニケーション能力やサポート能力も向上させられる可能性があります。

医師や看護師が常に在籍しているため、安心して働くことができるでしょう。入居者に万が一のことがあったときでも、迅速かつ適切な対応を目指せます。

また、介護医療院ではほとんどの施設がターミナルケアに取り組んでいるのも特徴です。介護と医療の両面に重きを置きながら、高齢者のケアに関われます。

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知識を増やしたいなら介護医療院への転職もおすすめ

  • 介護医療院は要介護高齢者の長期療養や生活支援を目的としている
  • 特別養護老人ホームや介護老人保健施設と違い、終身利用を考えて入居する方もいる
  • 介護医療院はI型とII型があり、それぞれで人員配置の指定基準が若干異なる
  • 医療や介護だけでなく、生活支援サービスからターミナルケアまで幅広く取り組んでいる
  • 介護医療院で働くことで、幅広い知識やコミュニケーション能力が身に付く可能性がある

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