職場・施設情報
検診(健診)センター看護師の仕事、メリット・デメリットを紹介
2 months ago
「検診(健診)センターの看護師はどのような仕事をしているの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。検診(健診)センターの看護師は、採血や問診、身体計測などを行っています。この記事では、検診(健診)センターで働く看護師の仕事内容や1日のスケジュール、メリット・デメリットについてご紹介。向いている人の特徴にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
検診(健診)センターとは
検診(健診)センターとは、健康診断や人間ドック、特定検診を行う施設のことです。病院に併設されているケースと、検診(健診)のみを行っている独立した専門機関であるケースがみられます。前者の場合では、検診(健診)で異常が見つかった場合、そのまま病院で治療が進められるという特徴もあります。
健診と検診の違い
施設の表記において、「健診センター」と「検診センター」2通りの表記がみられます。読みは同じですが、それぞれの違いはどのような点なのでしょうか。
「健診」は、自治体や企業が定期的に行う「健康診断」の略です。健診は健康状態を把握したり、自覚症状のない病気を早期発見して受診につなげたりする目的があります。また、健診結果や本人の希望を踏まえ、栄養指導や生活習慣に関する指導が行われることもあるようです。
一方、「検診」とは、特定の疾患を早期発見するための検査を指します。広く全身を検査する健診と異なり、検診では大腸がん検診、子宮がん検診など疾患や検査部位を特定して行うのが特徴です。行える検診の種類は、施設により異なります。
検診(健診)センターでは、健診と検診をそれぞれ担当しているわけではなく、健康診断のオプションとして検診も行えることが多いようです。名称に関係なく、健診も検診も1つの施設で行えるのが一般的です。
検診(健診)センターの看護師の仕事内容
検診(健診)センターの看護師の仕事内容の例は、以下のとおりです。
- 問診
- 採血
- 身体測定(身長・体重・視力・聴力・血圧・心電図など)
- 診察補助
- 検診・検査補助
- 検査データ入力
- 出張健診同行
- 急変対応
検診(健診)センターは、多くて1日100名以上の患者が来院します。看護師は1日または半日ごとに担当が決まっているのが一般的で、採血ブースや心電図室など決められた配置にいて次々と対応していきます。
検診(健診)では医師による診察や検査も行われるため、その補助業務も看護師の仕事です。また、健診中に気分が悪くなる方や採血時に迷走神経反射が起きる方もときどきいるため、その際の対応も行っています。
検診(健診)センターの看護師の1日のスケジュール
検診(健診)センターの看護師の1日のスケジュールをみてみましょう。
検診(健診)センターでの業務の日
検診(検診)センター内で通常業務をする日のスケジュールは、以下のとおりです。
午前8時30分 | 始業、検診(健診)準備 |
午前9時 | 検診(健診)業務開始 |
正午 | 休憩 |
午後1時 | 検診(健診)業務 |
午後3時30分 | 検診(健診)片付け、データ入力、書類整理 |
午後5時 | 終業、退勤 |
検診(健診)センターでは、予約の患者を朝から順番に検査していきます。予約は終業時間近くまで入っているケースはあまりなく、午後3時~4時頃には検査は終了して片付けやデータ入力などを行うことが多いようです。
施設によっては午前と午後で担当業務が変わったり、午前は健診、午後は検診と施設全体で行う業務が変わったりすることもあります。
出張健診の日
検診(健診)センターの中には、健診車を所有している施設もあり、企業や学校を訪問して出張健診を行うこともあります。出張健診の日のスケジュールは、以下のとおりです。
午前6時30分 | 出勤、物品など準備 |
午前7時 | 検診(健診)センターを出発 |
午前8時 | 出張先に到着、検診(健診)準備・設営 |
午前9時 | 検診(健診)業務開始 |
正午 | 検診(健診)業務終了、片付け |
午後12時30分 | 出張先を出発 |
午後1時 | 検診(健診)センターに到着、片付け、退勤 |
上記のように、出張健診の日は出張先によっては早朝の集合になることもあります。その場合は勤務時間がずれるため、退勤時間が早まるようです。出張健診では、採血や身体測定だけではなく、設営や片付けも看護師が行っています。
検診(健診)センター看護師のメリット
検診(健診)センターで働く看護師のメリットについて、みていきましょう。
夜勤がなく残業も少ない
検診(健診)センターには夜勤がなく、予約制で1日の来院者数が決まっているため、突発的な業務や残業もほぼありません。土曜日の勤務状況は施設により異なりますが、基本的に日祝は休みです。年末年始やお盆休みなどの長期休暇もセンターが休みになるため、休暇がとれます。プライベートの時間を大切にしながら働きたい方は、検診(健診)センターでの勤務がおすすめです。
高侵襲な処置を行う機会がない
検診(健診)センターでは、採血や心電図測定など行われる検査や処置が決まっています。高侵襲な処置が必要な手技を行う機会はほぼないため、採血以外の手技にあまり自信がない方も働きやすいでしょう。また、生死に関わる状況に直面することもないため、急変対応が苦手な方も働きやすい職場です。
精神的なストレスが溜まりにくい
検診(健診)センターで働く場合、人によっては病院や診療所に比べてストレスが溜まりにくい可能性があります。
毎日入院患者と顔を合わせる病棟や、かかりつけとして決まった患者の診療を行う外来や診療所と異なり、検診(健診)センターの看護師は同じ患者と短期間に何度も顔を合わせることがありません。1日に対応する患者の数も多いため、関わり方が難しい患者が来たとしてもすぐに次の患者が来ます。仕事でストレスを感じても、気持ちを切り替えやすい環境だといえるでしょう。
検診(健診)センター看護師のデメリット
検診(健診)センターで働く看護師にはデメリットもあります。どのようなデメリットがあるのかについても理解しておきましょう。
看護師としてスキルアップしにくい
前述のとおり、検診(健診)センターでは行う検査や処置が決まっています。いつも行う手技のスキルは高まりますが、一般的に看護師に求められる技術全般のスキルアップは難しいでしょう。病院や診療所に勤めていた方も、検診(健診)センターで働くうちに、行わない手技の技術が衰えるかもしれないことに注意する必要があります。
そもそも求人数が少ない
検診(健診)センターは病院や診療所より施設数が少ないうえに、前述で紹介したようなメリットに魅力を感じる人が多く、勤めたいと思ってもそもそもの求人数が少ないのが現状です。なかなか人員に空きが出ないため、検診(健診)センターに勤務したい方は求人を見かけたらすぐに応募することをおすすめします。
検診(健診)センター看護師に向いている人の特徴
検診(健診)センターの看護師には、どのような人が向いているのでしょうか。
採血が得意な人
検診(健診)センターの看護師には、採血が得意な人が向いています。
日常的に採血の仕事があり、1人で1日あたり数十人の採血を行うことも。病院や診療所のように、ほかの看護師や医師に採血の代わりを頼むことが難しい環境であるため、どのような人が来てもスムーズに採血を行うスキルが求められます。採血が得意な人は楽しく働けるうえ、採用時にも有利に働くでしょう。
ルーチンワークが好きな人
検診(健診)センターの看護師は、決まった業務を次々に行っていきます。同じ作業を繰り返し行うことを「きつい」と感じず、緊張感や集中力を持続して働けるといったルーチンワークが好きな人は、検診(健診)センターで働くのに向いているでしょう。
ホスピタリティを持って働ける人
検診(健診)に来る人は、一般的な医療機関と異なり、予約を取って来る健康な方に対応するため、サービス業に似ている一面も。看護師は患者一人ひとりと関わる時間が少ない分、その一瞬の対応に気を付けなければ、施設全体に悪い印象を持たれてしまうこともあります。そのため、接遇を重んじて、ホスピタリティをもって丁寧な対応ができる人が向いているでしょう。
検診(健診)センターの看護師になるには?
検診(健診)センターの看護師になるには、看護師国家資格以外に特別な資格は不要です。ただし、ある程度の臨床経験が問われるため、臨床経験が少ない看護師が働くのは難しいでしょう。新卒や臨床経験3年未満の看護師は、応募条件を満たせない可能性があります。
検診(健診)センターの看護師として働きたい方は、病院や診療所で充分な臨床経験を積んでから転職を検討しましょう。検診(健診)センターは1日に100人近くの患者に対応するうえ、ブースには看護師1名配置のことも多いため、わからないことがあってもすぐに聞けない状況であることも珍しくありません。
そのため、基本的な看護知識やスキルはある程度1人で対応できるレベルにまで到達させておく必要があります。特に、採血についてはスキルを磨いておきましょう。
検診(健診)センターの看護師は採血や身体検査などを行う
- 検診(健診)センターでは健康診断や特定検診が行われている
- 検診(健診)センターの看護師は身体測定や採血、検査補助などを行う
- 検診(健診)センターの看護師は夜勤がなく残業の少ない働き方ができる
- 検診(健診)センターの看護師には採血やルーチンワークが得意な人が向いている
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