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病院で働く介護職員とは?仕事内容や介護施設勤務との違いを解説

「病院で働く介護職員の仕事内容は?」と思う方もいるでしょう。病院で働く介護職員は、介護施設と同様に身体介助を行ったり、看護師の補助業務を行ったりしています。この記事では病院で働く介護職員の仕事内容や介護施設勤務との違いについて解説しています。介護職員が病院で働くメリット・デメリットや向いている人の特徴にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

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病院で働く介護職員の仕事内容

介護職員は介護施設だけでなく、病院で働く方もいます。病院で働く介護職員の仕事内容について、みていきましょう。

看護師の補助業務

病院で働く介護職員の主な業務は、看護師の補助業務です。基本的には看護師の仕事の中で医療行為にあたらない業務を担当し、看護師から直接指示を受けて仕事を進める場合が多いでしょう。具体的な業務内容の例は、以下のとおりです。

医療器具の準備・片付け・洗浄

医師が処置・検査を行う際や、看護師がケアを行う際、介護職員は行われる医療行為に応じた医療器具を準備します。処置が終わったら器具を片付けて洗浄・消毒を行い、滅菌処理をして、いつでも使用できる状態にするまでが仕事です。取り扱う器具は部署や診療科により異なりますが、舌圧子やピンセット、喉頭鏡、内視鏡の検査器具などがあります。

検査・診察への搬送

入院中の患者が他部署で検査を行ったり、他科外来で受診したりする場合、病棟の職員が患者の送り迎えをする必要があるため、介護職員が搬送を担当します。独歩の患者の場合は患者1人で行ってもらうこともありますが、1人での歩行が難しい患者や車いす・担送の患者は介護職員が付き添いとお迎えを行います。

食事の配膳・下膳

病棟で働く介護職員は、患者の食事の配膳・下膳も仕事です。患者の食事が載せられたワゴンを押しながら病室を回り、配膳を行います。患者によってカロリー制限食や7分粥など特別な食事が指示されていることも多いため、間違いのないように配膳することが大切です。

配膳後、30分から1時間ほど経過したら、配膳時と同じように病室を回り下膳します。下膳時は食事を残さず食べられているか、どのくらい残しているかを確認・記録するために、看護師と下膳することが多いようです。

事務作業の補助・カルテ整理

病院で働く介護職員は、事務作業の補助や紙カルテの整理を任されることもあります。電子カルテを使用している病院でも、入院同意書や手術説明・同意書など紙の書類が発生するため、適切な管理が必要です。

備品管理・発注

担当部署の備品管理・発注を介護職員が担当する場合もあるようです。備品が不足しないよう、在庫を把握して発注を行い、備品を管理します。

入院患者の身体介助

病院には、病気の影響や術前処置、術後安静などにより、身体を自由に動かせない患者が多くいます。介護職員は、そのような患者の入浴や排泄、更衣介助を行うのも仕事です。
 
入浴介助では、専用リフトで患者を持ち上げて入浴させる機械浴を行うこともあり、入浴が難しい患者には清拭や足浴を行います。排泄介助はトイレへの付き添いやおむつ交換、し瓶での介助などを行います。なお、摘便や尿道カテーテル管理は医療行為となるため、介護職員ではなく看護師の仕事です。

環境整備

病院で働く介護職員は、病室や診察室、処置室などの環境整備も任されます。病院における環境整備とは、医療行為や看護ケアが適切に行われるよう、病室などを清潔で安全な環境に整えることです。具体的には、ベッドメイキングやシーツ交換・洗濯、病棟の清掃などを指します。

場合によっては、血液や嘔吐物などで病室が汚染されたときの清掃を担当することもあり、通常の清掃とは違い、感染対策を講じた対処が必要です。

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病院と介護施設の仕事の違い

介護職員の代表的な職場は、介護施設です。病院と介護施設で働く場合では、どのような点が異なるのでしょうか。病院と介護施設の仕事の違いを表にまとめました。

病院 介護施設
サービスを提供する相手 - 患者 - 利用者(高齢者)
仕事の進め方 - 看護師の指示を受けて仕事を進めるのが基本 - 介護職員同士で連携して主体的に進めていく
一緒に働く職員 - 医師
- 看護師
- コメディカル
- 介護職員(看護助手)
- 介護職員
- 管理者
- ケアマネジャー
- 看護師
家族対応の有無 - 無 - 有

病院と介護施設では、介護職員に求められる役割も異なっています。病院で働く介護職員は、患者の治療や診察、療養上の世話をスムーズに行うためのサポートが求められます。介護施設では利用者の生活をより良くするため、主体的にケアを実践してサポートを行うことが介護職員の役割です。

病院で働く介護職員は、「看護助手」と呼ばれることが多いでしょう。医師や看護師の指示を受けて業務を行うのが基本で、医療行為はできません。高齢者が入居・利用する介護施設と違い、子どもから高齢者まで幅広い年齢の患者のサポートを行います。なお、患者の家族への対応は医師や看護師が行うため、介護職員が対応することはありません。

介護施設では病院よりも介護職員が多くおり、介護職員が主体となって業務を行います。ほかの介護職員と連携しながら、身体介助だけでなく、生活支援やレクリエーションを行うのも仕事です。施設に来た家族への対応も介護職員が行います。

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病院で働く介護職員の仕事の流れ

ここでは、病院で働く介護職員の仕事の流れについてみていきましょう。下記の例は、病棟勤務での日勤の流れを取り上げています。

時刻
スケジュール
午前8時30分 出勤、申し送りで1日の仕事とスケジュールを確認
午前9時 処置に使う器具の準備、処置補助
午前9時30分 処置に使った器具の消毒・滅菌作業
午前10時 患者退院後のシーツ交換・ベッドメイキング
午前11時 処置室・ナースステーションの清掃、他科外来へ患者送り迎え
正午 昼食配膳
午後12時45分 昼食下膳
午後1時 休憩
午後2時 MRI室へ患者搬送、入浴介助
午後3時 MRI室へ患者お迎え、清拭・足浴対応
午後4時 カルテ整理・備品発注
午後5時 退勤

病棟の看護体制にもよりますが、その日サポートする看護師やチームが決まっている場合は、始業直後に介入が必要な仕事を看護師に確認してから仕事に入ります。

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介護職員が病院で働くメリット

介護職員が病院で働くメリットについて紹介します。

無資格・未経験からなれる

病院で介護職員として働く場合、無資格・未経験から就業可能というメリットがあります。看護師のサポート業務は資格を必要としない業務も多いため、資格や経験がない方も就業できます。介護施設よりも身体介護の機会が少ないため、介護職を経験したい初心者の方にもおすすめの職場です。
ただし、患者の身体に触れる身体介助を行うには、介護職員初任者研修などの資格が必要となります。

充実した福利厚生を受けられることもある

介護職員が病院で働くと、充実した福利厚生を受けられることもあります。特に大規模病院は、福利厚生が充実している傾向があるようです。具体的には資格取得支援制度が用意されていたり、職員用託児所や社員食堂を利用できたりするケースがあります。住宅手当や退職金制度が適用され、補助金や退職金を受け取れる場合もあるでしょう。

医療知識が身につく

病院で働く介護職員は、臨床で患者に接する業務が多いため、医療知識や看護ケアに関する知識が自然に身に付くというメリットがあります。医療現場では日常的に医療用語が飛び交っており、医療知識を身に付けるには最適な職場です。将来、看護師や准看護師を目指す方にとっては、現場で見聞きしたものを資格取得にも活かせるという魅力があるでしょう。

幅広い年齢層の患者と接することができる

介護施設の利用者はほぼ高齢者ですが、病院には幅広い年齢層の患者がいます。病院で働くことで、高齢者以外の患者もサポートできる点もメリットです。

また、介護施設では利用者が入所前より元気になって退所するケースはそれほど多くありませんが、病院では元気になって退院する患者が多くいます。連日ケアをしていた患者が次第に元気になり、退院していく姿をみて、介護施設とは違ったやりがいも得られるでしょう。

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介護職員が病院で働くデメリット

介護職員が病院で働く場合には、デメリットもあります。どのようなデメリットがあるのかも理解しておきましょう。

他職種との関係性が難しいことがある

介護職員が病院で働く場合、他職種との関係性について介護施設とは違った難しさを感じることがあるようです。

介護施設で働く場合は、介護職員同士で連携して業務を行います。一方、病院で働く場合は医師や看護師から指示を受けて業務を行ったり、看護師のサポートを行ったりすることがメインです。病院で働く職員の中で上下はありませんが、指示を受けて業務を行う形態上、上下関係を意識してしまい、ストレスを感じることもあるでしょう。

スキルアップが難しい

病院で働く場合、介護職員としてのスキルアップが難しい場合もあります。病院で働く介護職員は身体介護の機会が少ないうえ、医師や看護師の指示を受けて業務を行うため、介護施設のように主体的に動く機会が少ないという一面があります。このような環境では応用力や臨機応変な対応が身に付きづらく、介護職員としてのスキルアップが難しいでしょう。

身体介助中心の高齢者介護のスキルを身に付けたい方にとっては、病院での勤務は不向きといえそうです。また、すでに介護施設で介護職員として長く経験を積んできた人であっても、身に付けたノウハウを活かして業務が行えない場合があることを理解しておきましょう。

キャリアアップの道がないこともある

病院で働く介護職員は、昇進や出世といったキャリアアップの道がないことも珍しくありません。介護施設の介護職員であれば、介護福祉士やケアマネジャーなどの介護系の上位資格を取得することで、リーダー職や主任、管理職にキャリアアップする道があります。

しかし、病院で働く介護職員の場合、勤続することで配属部署の看護助手の中でリーダーになることはあっても、それ以上のキャリアアップへの道がない場合が多いでしょう。働きながら出世を狙いたい介護職員にとっては不向きの職場といえるでしょう。

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病院で働く介護職員の給料

病院で働く介護職員の給料についてもみていきましょう。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、病院で働く介護職員(看護助手)の給与(きまって支給する現金給与額)は、22万2,500円でした。年収換算(きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額)すると、318万3,600円です。

一方、医療・福祉施設などで働く介護職員の給与は26万3,600円、年収は371万3,800円となり、病院で働く介護職員より給与が高いという結果でした。

病院で働く介護職員は残業が少ないうえ、夜勤を求められないこともあります。介護施設では残業や夜勤を求められることも多いため、残業手当や夜勤手当の差が給与の差に反映されているといえそうです。また、介護施設で働く介護職員はリーダー職や管理職など役職についている人もいるため、役職手当があることにより平均給与を上げていることも考えられます。

病院で働く介護職員が給料を上げたい場合は、資格を取得するのがおすすめです。介護職員初任者研修や看護助手認定実務者試験などの資格を持っていると、資格手当が出ることがあるため、給与アップが見込めます。

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病院で働くのが向いている介護職員の特徴

病院で働くのが向いている介護職員の特徴について紹介します。病院で働きたいと考えている介護職員の方は、ぜひ参考にしてください。

医療現場で働きたい人

医療現場で働きたい介護職員は、病院勤務が向いています。病院で働く介護職員は臨床現場でチーム医療の一員として働けるうえ、医療知識も身に付けられるため、今後、医療系の職種を目指す方にもおすすめです。また、特別養護老人ホームや介護医療院など、将来的には医療的ケアが必要な利用者が多い施設で働きたい介護職員の方も、まずは病院で経験を積んでからでも良いかもしれません。

無資格・未経験から介護の仕事を始めたい人

病院で働く介護職員の仕事は無資格・未経験から始められるため、介護業務を始めたい初心者の方にとってハードルは低いほうといえそうです。「いきなり本格的に介護施設で働くのは不安…」という方は、病院で介護職員として働いて経験を積むのも良いでしょう。

求人を探すときは「看護助手」「看護補助」で探すほうが見つけやすくなります。スキルアップしたい方は介護職員初任者研修などの資格を取得すると、病院で勤務を続ける場合だけでなく、介護施設へ転職したい場合も資格を活かせます。

家族対応やレクリエーションが苦手な人

病院で働く介護職員は、介護施設で働く介護職員のように家族対応やレクリエーションの企画・進行を行うことはありません。そもそも、病院ではレクリエーションが行われないことがほとんどでしょう。

また、見舞いに来ている家族と顔を合わせることはありますが、治療についての説明や入院中に希望することなど、具体的な相談は医師や看護師が対応します。そのため、家族対応やレクリエーションが苦手な介護職員は、病院で働くのがおすすめです。

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病院で働く介護職員は入院患者の身体介助や看護師の補助を行う

  • 病院で働く介護職員は看護師の補助業務として医療器具の準備や搬送などを行う
  • 病院で働く介護職員の役目は治療や処置がスムーズに行えるようサポートすること
  • 病院で働く介護職員は無資格・未経験から始められる仕事で医療知識も身につく
  • 病院で働く介護職員はスキルアップやキャリアアップが難しい場合がある

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