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薬剤師国家試験の合格率は?5年間の推移や合格基準を紹介
4 months ago
「薬剤師国家試験の合格率は何%?」と気になっている方もいるでしょう。薬剤師国家試験の合格率は例年6割台で推移しており、決して易しい試験ではないことが分かります。この記事では、薬剤師国家試験の過去5年間の合格率や合格基準について解説。薬剤師国家試験の受験資格や試験概要についても触れていますので、ぜひご覧ください。
薬剤師国家試験の合格率の推移
薬剤師国家試験の合格率について、2020年~2024年の5年間の推移をみてみましょう。厚生労働省「試験回次別合格者数の推移」によると、2020年~2024年実施分の薬剤師国家試験の受験者数・合格者数・合格率は以下のとおりです。
実施回 (実施年) |
受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第105回 (2020年) |
1万4,311人 | 9,958人 | 69.58% |
第106回 (2021年) |
1万4,031人 | 9,634人 | 68.66% |
第107回 (2022年) |
1万4,124人 | 9,607人 | 68.02% |
第108回 (2023年) |
1万3,915人 | 9,602人 | 69.00% |
第109回 (2024年) |
1万3,585人 | 9,296人 | 68.43% |
参照:厚生労働省「試験回次別合格者数の推移」
薬剤師国家試験の合格率は例年6割後半で推移しており、試験の難易度は高いといえそうです。
薬剤師国家試験の既卒者の合格率
薬剤師国家試験は、3月に大学を卒業する新卒者が2月に受験するケースが多くみられますが、そこで不合格となってしまった方は翌年以降に既卒者として再チャレンジできます。
厚生労働省「試験回次別合格者数の推移」によると、2020年~2024年実施の薬剤師国家試験の既卒者の受験者数・合格者数・合格率は以下のとおりです。
実施回 (実施年) |
受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第105回 (2020年) |
4,804人 | 2,050人 | 42.67% |
第106回 (2021年) |
5,035人 | 2,079人 | 41.29% |
第107回 (2022年) |
5,217人 | 2,126人 | 40.75% |
第108回 (2023年) |
5,146人 | 2,267人 | 44.05% |
第109回 (2024年) |
4,957人 | 2,103人 | 42.42% |
参照:厚生労働省「試験回次別合格者数の推移」
既卒者の合格率は4割台で推移しており、全体の合格率よりも低いことが分かります。既卒者の中には働きながら試験勉強をしている人もおり、合格するのが新卒者より難しくなるようです。
薬剤師国家試験の合格基準
決して簡単ではない薬剤師国家試験ですが、どのような合格基準が設けられているのでしょうか。厚生労働省「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針」によると、薬剤師国家試験の合格基準は以下のとおりです。
- 問題の難易を補正して得た総得点について、平均点と標準偏差を用いた相対基準により設定した得点以上であること
- 必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上であること
- 禁忌肢を規定回数以上選択しないこと
薬剤師国家試験に合格するには、以上のすべての基準をクリアする必要があります。合格点が明確に決められているわけではなく、問題の難易度を考慮して毎年基準が変化する仕組みです。
禁忌肢とは
薬剤師国家試験の合格基準に含まれている「禁忌肢」とは、医療人としての高い倫理観と使命感が求められることにかんがみ、薬剤師として選択すべきでない選択肢のことです。厚生労働省「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針」によると、具体的には以下のような選択肢が禁忌肢とされています。
- 公衆衛生に甚大な被害を及ぼすような内容
- 倫理的に誤った内容
- 患者に対して重大な障がいを与える可能性のある内容
- 法律に抵触する内容
薬剤師国家試験の問題は選択式になっており、全問題の中で数問、選択肢の中に禁忌肢が混ざっています。禁忌肢を複数選ぶと、正答率の基準を満たしていたとしても不合格になります。不合格となる禁忌肢選択数の基準も例年変わる仕組みで、第109回(2024年実施)分では、3つ以上選択すると不合格という基準でした。
薬剤師になるには?
職業情報提供サイト jobtag「薬剤師」によると、薬剤師になるには国家試験に合格後、厚生労働省の薬剤師名簿に登録申請を行います。登録が完了すると免許が交付され、薬剤師として働ける仕組みです。そのため、薬剤師になるには、国家試験への合格が必須となります。
薬剤師国家試験の受験資格
薬剤師国家試験は希望者が誰でも受けられるわけではなく、受験資格が存在します。厚生労働省「薬剤師国家試験」によると、薬剤師国家試験の受験資格を得るには、大学の6年制薬学部にて指定の科目を履修することが必要です。
大学の中には4年制の薬学部もありますが、4年制の学科は薬の開発・研究のための学科です。卒業しても薬剤師国家試験の受験資格は得られないので、大学を選ぶときは注意しましょう。
薬剤師国家試験の概要
ここでは、薬剤師国家試験の日程や受験場所、試験科目について紹介します。
日程・受験場所
薬剤師国家試験は例年2月中旬に2日連続で行われます。 厚生労働省「第109回薬剤師国家試験試験会場(予定)及び試験時間等」によると、試験地は全国9都道府県で、第109回(2024年実施)は北海道・宮城県・東京都・石川県・愛知県・大阪府・広島県・徳島県・福岡県で実施されました。薬剤師国家試験の合格発表は、例年3月です。
試験の1日目は、午前9時30分から午前11時・午後12時30分から午後3時・午後3時50分から午後5時45分までの3コマです。2日目は午前9時30分から午前11時35分・午後1時から午後2時40分・午後3時30分から午後6時までの3コマ試験を行います。1コマが2時間前後と長く、2日間とも朝から夕方まで試験があるため、集中力を切らさないようにすることが大切でしょう。
試験科目
厚生労働省「薬剤師国家試験」によると、薬剤師国家試験の試験科目は以下のとおりです。
- 物理・化学・生物
- 衛生
- 薬理
- 薬剤
- 病態・薬物治療
- 法規・制度・倫理
- 実務(必須問題と薬学実践問題のみ)
それぞれの科目は、必須問題と一般問題(薬学理論問題・薬学実践問題)に分かれており、前述のとおり必須問題は70%以上正解する必要があります。
必須問題は一問一答が基本ですが、一般問題は正答の選択肢が1つではない問題や解答肢のすべての組合せから正答肢を選択する問題もあるようです。どのような形式の問題でも正答を選べるよう、正しい知識を身に付けることが求められます。
薬剤師国家試験の合格率は例年6割台で推移している
- 薬剤師国家試験の合格率は全体で6割、既卒者のみでは4割ほどである
- 薬剤師国家試験の合格基準は問題の難易度を考慮し例年調整される
- 薬剤師国家試験の問題の中には禁忌肢があり多く選択すると不合格になる
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