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常勤換算とは?計算方法やケース別の取り扱いを紹介

働き方25 days ago

「常勤換算とは?」と疑問に思っている方もいるでしょう。常勤換算とは施設において職員が実質何名で働いているかを示す数値のことで、介護分野で計算が求められることがあります。この記事では、常勤換算の計算方法や必要とされる理由について紹介。ケース別の取り扱い方法や常勤換算の計算例もありますので、ぜひ参考にしてください。

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常勤換算とは

常勤換算とは、全職員の労働時間が常勤職員何人分にあたるか示した数値です。厚生労働省「人員配置基準等」では、以下のように定義されています。

  • 当該事業所の従業者の勤務延時間数を当該事業所において常勤の事業者が勤務すべき時間数(32時間を下回る場合は32時間を基本)で除することにより、当該事業者の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する

勤務時間を人数に換算する考え方で、実際の労働力を数値化することで必要な人員を正しく把握できます。

常勤換算が必要な理由

常勤換算が必要な理由は、人員配置基準に基づいた職員配置を行うためです。

医療・介護・障害福祉の分野では、病棟の規模や事業所の種類・定員数により、看護師や介護職員など専門職の配置人数が決められており、「人員配置基準」と呼ばれています。介護分野の人員配置基準は介護保険法により定められており、基準を順守しなければ罰則などの対象にもなり得るため、必ず遵守すべき項目です。

実際の人員配置基準を見てみると、厚生労働省「訪問介護・訪問入浴介護」によると、訪問介護事業所における介護職員の人員配置基準は「常勤換算方法で2.5人以上」です。常勤換算の数値は勤務している職員数ではなく、常勤職員何名分の労働力があるのかを表すため、単純な人数で表せないことが分かります。

事業所で働く職員には、フルタイムで働く常勤職員と、パートタイムで働く非常勤職員が混在していることも珍しくありません。そのため、人員配置基準が単純に職員数を数える方式の場合、基準人数を満たしていても施設によって実質の労働力にばらつきが出る状態になってしまいます。
どのような勤務条件の人が働いていても、どの事業所でも平等に労働力を考えられるように、常勤換算の考え方が必要なのです。

常勤と非常勤の違い

常勤換算上での常勤と非常勤の違いは、労働時間で区別されます。事業所には就業規則があり、常勤職員の所定労働時間について規則内で定められていることが一般的です。その所定労働時間どおりに働く職員は「常勤職員」、所定労働時間よりも短い労働時間で働く職員は「非常勤職員」と区別されています。

通常、「常勤職員」は正社員を指す言葉として用いられますが、常勤換算上では正社員であるかは関係ありません。
あくまでも労働力を把握するための計算なので、雇用契約が契約社員やパートでも、常勤職員の所定労働時間と同じ労働時間で働く職員は「常勤職員」として計算します。

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常勤換算の計算方法

常勤換算を行うときは、非常勤職員の勤務時間を常勤換算し、実質何名勤務していることになるのか割り出します。計算式は以下の2パターンあり、どちらでも同じ値が出ます。

  • 1.非常勤職員の1ヶ月(4週間)の労働時間÷常勤1名あたりのフルタイム労働時間+常勤職員の人数
  • 2.全職員の1ヶ月(4週間)の労働時間÷常勤1名あたりのフルタイム労働時間

下記では、1番目の計算式を用いた計算例を紹介します。

常勤換算の計算例

就業規則に定められた常勤職員の所定労働時間が週40時間(月160時間)の事業所に、以下の5名が勤務している場合の常勤換算人数を計算します。

  • Aさん(常勤):8時間/日、週5勤務
  • Bさん(常勤):8時間/日、週5勤務
  • Cさん(非常勤):7時間/日、週5勤務
  • Dさん(非常勤):5時間/日、週3勤務
  • Eさん(非常勤):6時間/日、週4勤務

まず、非常勤職員であるCさん・Dさん・Eさんの1ヶ月(4週間)の労働時間を求めます。
1ヶ月の労働時間は、「1日の労働時間×週の勤務日数×4週間」で求められるため、結果は以下のとおりです。

  • Aさん(常勤):8×5×4=160時間
  • Bさん(常勤):8×5×4=160時間
  • Cさん(非常勤):7×5×4=140時間
  • Dさん(非常勤):5×3×4=60時間
  • Eさん(非常勤):6×4×4=96時間

非常勤職員であるCさん・Dさん・Eさんの時間だけをすべて足すと、296時間です。
前項の1番目の式に当てはめると、296時間÷160時間+2人=3.85となります。
常勤換算の計算では小数第2位以下は切り捨てとされているため、この事業所の常勤換算は3.8人です。

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常勤換算におけるケース別取り扱い

常勤換算では、実際に業務に従事している時間を計算するのが原則です。では、以下のケースではどのように取り扱えば良いのでしょうか。

有給休暇や出張で欠員がいる場合

常勤職員が有休や出張でいない場合は、勤務時間に含むとされていますが、非常勤職員が同様の理由で欠員となる場合は、勤務時間に含まれません。

育休明けなどで短時間勤務の常勤職員がいる場合は、条件を満たしたうえで常勤に数えることが可能です。 厚生労働省「人員配置基準等」では、職員が育児・介護休業法による育児の短時間勤務制度等を利用する場合、週30時間以上の勤務で常勤換算での計算上も「1」(常勤)と扱うことを認めると定義されています。

産休・育休・介護休暇中の職員がいる場合

常勤職員が産休・育休・介護休暇中などで1か月以上勤務に入らない場合は、常勤換算から外して考えます。休暇中の職員がいる場合でも、人員配置基準を満たす必要がありますので、人員配置基準を満たせなくなる場合は欠員補充が必要です。

なお、基準をクリアできるのであれば、常勤職員の代わりに非常勤職員を増員しても問題ありません。

兼務職員がいる場合

介護業界では、併設している施設に勤務する場合や、管理者とヘルパーなど複数の業務を兼務する場合も珍しくありません。

厚生労働省「人員配置基準等」によると、兼務職員がいる場合は同一敷地内で同一法人が運営している事業所であって、並行的に行われることが差し支えない場合のみ、勤務時間を合算して常勤換算できると定義されています。
 
場所が離れている事業所で兼務している場合や、介護業務と看護業務など並行して行うのが難しい業務は、時間を分けて計算されることが多いようです。詳細な決まりは施設のある自治体により基準が異なるため、兼務職員の常勤換算に関しては自治体に確認することをおすすめします。

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常勤換算とは職員が実質何名で働いているかを示す数値

  • 常勤換算とは全職員の労働時間が常勤職員何人分にあたるか示した数値のこと
  • 常勤換算は介護保険法で定められている人員配置基準に利用されている
  • 常勤換算における常勤職員は所定労働時間どおりフルタイムで勤務する職員を指す

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