豆知識
スーパービジョンとは?福祉・介護現場での進め方や種類を知ろう
4 months ago
「スーパービジョンとは?」と疑問に思っている方もいるでしょう。福祉・介護業界におけるスーパービジョンとは、現場において教育・指導が行われる過程のことです。この記事では、スーパービジョンの主な種類やその詳細について解説しています。スーパービジョンを進めるときのポイントについても説明していますので、ぜひ参考にしてください。
スーパービションとは
介護業界におけるスーパービジョンとは、新人・若手職員が管理者や主任、リーダーから指導・教育を受ける過程のことです。
介護の仕事は知識だけでなく経験も大切なため、OJTで教育を受けながら経験を積む必要があります。スーパービジョンとしてその体制を整えておくことで、十分な経験と知識をもった介護職員を育成するのが目的です。忙しい介護の現場で、新人職員が「誰に質問していいか分からない」という事態も防げます。
また、介護職は楽しいことだけではなく、新人の頃は悩みを抱えてしまうこともあるでしょう。中には体力的・精神的につらさを感じて、離職してしまう人も。スーパービジョンで上司やリーダーに頼ったり相談したりしやすい体制を作っておくことで、職員の離職を防ぎ、介護業界の人手不足を解消する役目も期待されています。
スーパーバイザーとは
スーパービジョンにおいて、指導・教育を行う人を「スーパーバイザー」と呼びます。施設長や施設管理者、リーダーなどがスーパーバイザーになることが多いようです。
スーパーバイザーは介護に関する技術的な指導だけでなく、スーパーバイジーの精神的なサポートも行います。一緒に仕事をすることで日常的に介護スキルとメンタルのサポートを行い、定期面談を行うこともスーパーバイザーの重要な役割です。
スーパーバイジーは、介護職経験の有無や介護知識の有無など、人によって経験値や知識はさまざまで、もちろん性格も人それぞれでしょう。スーパーバイザーは担当するスーパーバイジーのスキルや性格、適性をよく見極め、適切に指導を行うことが求められます。責任をもってスーパーバイジーを育成することで、自分自身の成長にも繋がるようです。
スーパーバイジーとは
スーパービジョンにおいて、新卒職員や転職してきた新人職員など教育を受ける人を「スーパーバイジー」と呼びます。
スーパーバイジーは業務で分からないことがあれば、スーパーバイザーに聞きながら進めていくのが一般的な流れです。仕事に関する悩みもスーパーバイザーに相談して、問題解決を目指します。
スーパービジョンの主な種類
スーパービジョンは、関わる人数や職種により数種類に分けられます。代表的なものは以下のとおりです。
- 個人スーパービジョン
- 集団スーパービジョン
- ピアスーパービジョン
- ライブスーパービジョン
- セルフスーパービジョン
これらのスーパービジョンを組み合わせながら、教育を進めていくことが多いようです。以下では、それぞれのスーパービジョンの詳細について紹介します。
個人スーパービジョン
個人スーパービジョンとは、スーパーバイザーとスーパーバイジーが1対1で話をして行うスーパービジョンです。内容は面談と同じで、1on1(ワンオンワン)と呼ばれることもあります。
基本的には個室に2名で入って行われるため個別性が高く、ほかの人に話しにくい相談や具体的な相談がしやすいのがメリットです。しかし、スーパーバイザーとスーパーバイジーに信頼関係がなければ、成立しにくい一面もあります。
集団スーパービジョン
集団スーパービジョンとは、研修や会議形式をとり、複数人で指導・助言が行われるスーパービジョンのことです。スーパーバイザーが複数人いれば集団スーパービジョンに分類されるため、場合によってスーパーバイジーの数はさまざまで、複数人いる場合と1人の場合があります。
スーパーバイジーは多くの人の意見を耳にできるため、視野を広げられるというメリットがあるようです。スーパーバイザーにとってはほかの人の指導・助言を聞くことで、自分にはない考え方に触れ、問題をより客観的に捉えられるようになります。
ピアスーパービジョン
ピアスーパービジョンとは、同じ立場の人同士でスーパーバイザーとスーパーバイジーに分かれて、指導・助言を行うスーパービジョンを指します。上司・部下の関係で行われるスーパービジョンよりも、意見が言いやすいのが特徴です。
指導係としては未熟な人があえてスーパーバイザーになることで、スーパーバイジーを見て自分の業務を振り返り、自分自身の仕事のやり方をより効率の良い方法に変えるといった効果も期待できます。
ただし、同じような経験・スキルの人同士で指導・助言を行うので、スーパーバイザーは スーパーバイジーに有効なアドバイスができないことも。スーパーバイジーはあまり新鮮な意見を聞けないこともあるかもしれません。
ライブスーパービジョン
ライブスーパービジョンとは、スーパーバイジーの業務中にスーパーバイザーがその場で指導・助言を行うスーパービジョンです。OJTの中で自然と行われていることも多いでしょう。
スーパーバイジーは、業務中に分からないことを聞いてすぐに解決できるうえ、業務における具体的なアドバイスをもらえます。スーパーバイザーは、業務上の問題点や課題を自分の目で把握できる点がメリットです。一方、上司が部下の近くにいて指導するため、スーパーバイジーが緊張してしまい、普段通り仕事ができない事態が起きることも考えられます。
セルフスーパービジョン
セルフスーパービジョンとは、スーパーバイザーとスーパーバイジーが同一人物、つまり自分自身を客観視して問題と解決策を探るスーパービジョンです。自己評価を行うことで、自分で問題を解決する能力を磨けます。
その反面、他人の指導や意見を受けずにスーパービジョンを進めなければならないため、結局、問題解決できないことも。特に、疑問点に関してはセルフスーパービジョンで解消するのは難しいでしょう。
スーパービジョンを進めるときのポイント
ここでは、スーパービジョンを進めるときのポイントについて、スーパーバイザーとスーパーバイジーの立場に分けて確認していきましょう。
スーパーバイザーのポイント
スーパーバイザーが、スーパービジョンを進めるときの主なポイントは以下のとおりです。
- スーパーバイジーから質問や悩み、課題を聞き出す
- 指導や助言が威圧的にならないよう、理解と共感を心がける
- スーパーバイジーが話しやすい雰囲気づくりを行う
スーパーバイザーは指導や助言を行おうとするあまり、自分だけが話をする状態にならないよう気をつけましょう。上司を前に、スーパーバイジーは緊張しているかもしれません。質問や悩みを聞き出せるように、話しやすい雰囲気を作って対話することが大切です。
適度な頷きや相槌を入れつつ、スーパーバイジーが話し終わるまで待ってから話し出すことで、柔和な雰囲気を作れます。指導や助言に入る前に理解と共感を示すことで、スーパーバイジーも安心して話ができるでしょう。
スーパーバイジーのポイント
スーパーバイジーが、スーパービジョンを進めるときの主なポイントは以下のとおりです。
- 個人スーパービジョンや集団スーパービジョン、ピアスーパービジョンを行う前は事前に相談したい問題を整理しておく
- 悩みや質問は隠さずスーパーバイザーに伝える
- 遠慮せずに理解できるまで質問する
スーパーバイジーは、対話方式のスーパービジョンが行われる前に相談したい問題を整理しておきましょう。事前準備をしていないと、対話の時間が設けられても有意義な相談ができません。対話の時間が終わってから、「あのことも話しておけばよかった」と思いだし後悔してしまうこともあるでしょう。
また、担当のスーパーバイザーが上司の場合、悩みや相談を話しにくいと感じてしまう方もいるかもしれません。業務が忙しいと、何度も質問するのを控えてしまう方もいるでしょう。
しかし、スーパーバイジーの求められていることは、自分の悩みや質問を隠さずスーパーバイザーに話すことです。業務中はタイミングを伺う必要がありますが、相談や質問は全てスーパーバイザーへ話して解決を目指しましょう。
1度聞いて分からない箇所があれば、繰り返し聞いても問題ありません。何度も同じ箇所でつまずいているのをスーパーバイザーが把握することで、「ここが難しいのか」「教え方を変えてみようかな」というようにスーパーバイジーへの理解を深め、適切な指導につなげられます。
介護業界におけるスーパービジョンとは教育・指導の過程
- 介護現場でのスーパービジョンとは、新人・若手職員が上司から教育を受ける体制のこと
- スーパービジョンで指導・助言を行う側の人を「スーパーバイザー」と呼ぶ
- スーパービジョンで指導・助言を受ける側の人を「スーパーバイジー」と呼ぶ
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