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認定保育園と認可保育園の違い、メリット・デメリットを紹介
5 months ago
「認定保育園と認可保育園は何が違うの?」と思う方もいるでしょう。認定保育園は認可外保育園の一種で、自治体独自の基準を満たしている保育園のことです。認可保育園は国の基準を満たし都道府県知事の認可を得た保育園を指します。この記事では認定保育園と認可保育園の違いや、働くメリット・デメリットについて解説していますので、ぜひご覧ください。
認定保育園とは
認定保育園とは、各自治体が定めている一定の基準を満たした保育園のことです。認定保育園の制度があるかは自治体によって異なり、川崎市や相模原市などの自治体は認定保育園の制度を活用しています。
なお、認可保育園のように国の基準を満たしているわけではないため、認定保育園は認可外保育施設の一種となります。
また、東京都や茨城県守谷市など一部の自治体では、認定保育園と同様の保育園を「認証保育園」と呼ぶ場合もあるようです。
認定保育園と認定こども園の違い
「認定保育園」と似ている言葉に「認定こども園」がありますが、両者は全くの別物です。こども家庭庁「認定こども園概要」によると、認定こども園は、教育と保育を一体的に行う特徴があり、幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持っている施設を指します。認定保育園は基本的に市町村から認定を受けますが、認定こども園は主に都道府県から認定を受けて運営されています。
認定保育園(認証保育園)と認可保育園の違い
認定保育園(認証保育園)と認可保育園の違いは、国の定める保育園設置基準を満たしているかにあります。認可保育園の基準となる保育園設置基準は、施設の広さやスタッフの配置、給食設備などに基準が設けられているのが特徴です。
認定保育園と認証保育園はほぼ同義のため、ここでは茨城県守谷市の例を参考に、認可保育園と認証保育園(認定保育園)の基準の違いをみてみましょう。
定義 | - 保育を必要とする児童を保育する目的で設置され、県で認可を受けた施設 | - 保育を必要とする児童を保育する目的で設置され、認可を受けていない施設(認可外保育施設)の中で一定の基準を満たし、市が「認証保育園」として認証した施設 |
設置者 | - 公立:守谷市 - 私立:法人 |
- 個人 - 法人 - 任意団体 |
定員 | - 原則として60人以上 | - 10人以上 |
1人あたりの保育室の面積 | - 0歳児:4.95㎡以上 - 1歳児:4.95㎡以上(乳児室・ほふく室込み) - 2歳児以上:1.98㎡以上 |
- 0歳児:1.65㎡以上 - 1歳児:1.65㎡以上 - 2歳児以上:1.98㎡以上 |
対象者 | - 保育が必要な小学校就学前児童 | - 市内に住所を有し、保育が必要な小学校就学前児童であって、認可保育所への利用保留となっている児童 |
屋外遊戯場 | - 2歳児以上1人あたり3.3㎡(一部代替の公園等の場合あり) | - 設けることが必要(代替の公園等の場合あり) |
保育士(有資格)の配置基準 | - 0歳児3人に対して1人 - 1、2歳児6人に対して1人 - 3歳児20人に対して1人 - 4歳児以上30人に対して1人 ※必要数すべて保育士(有資格)を配置する(経過措置あり) |
- 0歳児3人に対して1人 - 1、2歳児6人に対して1人 - 3歳児20人に対して1人 - 4歳児以上30人に対して1人 ※保育従事者の3分の1以上は、保育士・保健師・看護師・助産師であること ※保育従事者の3分の2以上は常勤職員 |
給食 | - 自園調理により提供 | - 自園調理により提供 ※調理室等を有しない場合は、民間給食サービス等の給食で対応可 |
開所時間 | - 11時間を基本 | - 11時間以上 |
保育料 | - 市が定める保護者の税額に応じた保育料を市が徴取(その他、施設により制服代や延長保育料などの設定あり) | - 市で定める保育料(年齢別に設定)を認証保育所が徴取(その他、園により延長保育料などの設定あり) |
申込方法 | - 市に申し込む | - 認証保育園と保護者との間で直接契約 |
財源内訳 | - 国:2分の1 - 県:4分の1 - 市:4分の1 |
- 市:全額 |
参照:茨城県守谷市もりや子育てひろば「認可保育所と認証保育園の違いについて」
認定保育園や認証保育園は、認可保育園よりも少人数・狭い面積で運営でき、開所時間も長く設定されていたりと運営しやすい・利用しやすい施設となっていることがわかります。認可保育園は国の基準を満たしている保育施設のため、国からの補助金をもらいながら運営できる点も認定保育園との違いです。
認定保育園(認証保育園)の意義
認定保育園には、保育園の数を増やしたり、より利用者のニーズにあった保育サービスを提供したりするといった意義があります。
認可保育園は運営に国からの補助金を利用できる一方で、設立・運営を行うには国の定める保育園設置基準を満たすことが必須です。保育園設置基準は園の面積や人員配置などの基準が厳しいため、認可保育園はそもそもの数が少ないことも。そのため、保育園に入れない待機児童が出てきてしまうことが問題になっています。
そこで、保育園を利用できる環境を整えるために自治体が認定保育園制度を立ち上げ、国の基準よりも保育園を設立・運営しやすい基準を設けたり、補助金を出したりして支援を行っています。
特に認定保育園では、保育園の面積が認可保育園より狭くても良い基準となっていることが多く、駅ビルやショッピングモールの中などのアクセスが良い場所でも運営可能です。また、認可保育園は国が定めた保育方針に則った保育が行われていますが、認定保育園ではより自由な保育方針が認められています。延長保育や土日保育など、認可保育所だけでは対応しきれない多用なニーズに応えている認定保育園もあるようです。
認定保育園や認可保育園で働くメリット・デメリット
認定保育園と認可保育園、それぞれで働くメリット・デメリットについて紹介します。
認定保育園(認証保育園)で働くメリット・デメリット
認定保育園は園独自の保育方針を自由に設定できることが多いため、選択肢に入れることで自分の保育観に合った保育園を探しやすくなるでしょう。
また、施設基準にて園児の定員が認可保育園より少なく設定されていることが多く、子ども一人ひとりとじっくり向き合えるというメリットもあります。
また、駅前やビルのテナントなどで運営されている認定保育園もあり、園の立地が良いというメリットを感じられることもあるようです。
一方、認定保育園は施設基準により認可保育園より施設面積が狭くできるため、できる保育が制限される場合もあります。
また、延長保育や土日保育を積極的に行っている認定保育園もあり、勤務時間が長くなったり、土日休みがとりづらかったりするというデメリットもあるようです。
認可保育園で働くメリット・デメリット
認可保育園のメリットは、国からの補助金を受け取っているので経営が安定している点です。そのため、職員の待遇が比較的良い保育園も多いでしょう。
経営が安定していて働きやすいメリットがある認可保育園ですが、その分人気があり、求人倍率が高いというデメリットもあります。公立の認可保育園であれば職員は公務員となるうえに、職員の配置人数も決まっているので、人員に空きが出なければ応募自体が難しい場合もあるようです。
また、認可保育園は定員が多いため子どもの数が多く、園の規模が大きいことも珍しくありません。100~200人ほどの子どもを預かる大規模な園であれば、運動会や発表会などの行事も大規模となるため、認定保育園より準備が大変になることもあります。
認定保育園と認可保育園の違いは運営基準が国か自治体か
- 認定保育園は自治体の施設基準に則り運営されている、認可外保育園の一種
- 認可保育園は国の施設基準に則り運営されている保育園
- 認定保育園には待機児童の解消や利用者のニーズに合う保育を実現するという意義がある
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