仕事内容・働き方

PTとは?仕事内容や資格取得の方法、職場を紹介!

資格仕事内容理学療法士3 months ago

「PTって何の略?どのような仕事をしているの?」と疑問に思う方もいるでしょう。PTとは理学療法士のことで、疾患や加齢により運動機能が低下した人へ、機能訓練を行う職種です。この記事では、PTの仕事内容や資格を取得する方法、活躍できる職場について紹介しています。OT、STなどのほかの資格との違いや、年収についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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PT(理学療法士)とは?

PTとは「Physical Therapist」の略称で、理学療法士のことです。PTは、ケガや病気で身体に障がいがある方や障がいの発生が予測される方へ、リハビリを行っています。患者が自立した日常生活を送れるよう、運動機能の維持・向上を目的とし、医師の指示を受けて運動療法・物理療法などを行うのがPTの仕事です。

PTは国家資格のため、職業や資格については理学療法士及び作業療法士法にて、定められています。理学療法士及び作業療法士法において定義されている「理学療法」「理学療法士」は以下のとおりです。

  • 「理学療法」とは、身体に障がいのある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行わせ、および電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。(第一章第二条の1)
  • 「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行うことを業とする者をいう。(第一章第二条の3)

以上を見ても、PTは、医師の指示のもとに理学療法を行う職業であることがわかります。

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PTとほかの資格との違い

PTのほかに、リハビリや身体的な症状に対する治療を行う職業はOTやST、柔道整復師などがあり、それぞれ対応する症状や行う治療法が異なります。ここでは、PTとほかの資格との違いについてみていきましょう。

OT(作業療法士)

OTは作業療法士のことで、日常生活の応用動作の訓練を行う職種です。 
職業情報提供サイトjobtag「作業療法士」によると、OTが行うリハビリは「作業療法」と呼ばれるもので、食事をとる・歯磨きする・字を書くといった日常生活での応用動作になります。また、身体に障がいのある人のリハビリを行うPTと違い、OTは精神障がいのある方に対してもリハビリを行うのが特徴です。

OTも国家資格のため、作業療法士養成校にて3年以上の専門課程を修了して受験資格を得たのちに、国家試験への合格が必要となります。OTの主な職場は、医療機関や障がい者施設、介護施設などです。

ST(言語聴覚士)

STは言語聴覚士のことで、ことばによるコミュニケーションに困難を抱えている人や、嚥下機能の改善が必要な人へ訓練を行う職種です。
職業情報提供サイトjobtag「言語聴覚士」によると、STは声や発音の障がいや摂食障害・嚥下障害、脳卒中後の失語症など、幅広い疾患や症状の患者に対して訓練を行っています。訓練で行われるのは絵カード・文字カードを用いたものや、正しい発音で音を作る発声などです。

STも国家資格のため、国家試験への合格が必要となります。受験資格を得るには高校卒業後、大学・短大・専門学校で3~4年間、専門課程の修了が必要です。4年制の一般大学を卒業した方であれば、2年制の養成学校で専門課程を修了すれば受験資格を得られます。STの主な職場は、医療機関や福祉施設、介護施設などです。

柔道整復師

柔道整復師は、スポーツや日常生活の中で受傷した打撲・捻挫・脱臼・骨折に対して、手を用いた従手整復を施す職種です。
職業情報提供サイトjobtag「柔道整復師」によると、柔道整復師は骨の損傷や関節のずれに対し、整復・固定など症状に応じて正常な状態に戻す処置を行います。ギプスやテーピング、温熱機器などを使用することもありますが、道具を使うことの多いPT・OT・STと異なり、柔道整復師は従手整復が基本です。また、外傷の種類によっては、医師の指示なしで診断から治療まで柔道整復師単独で治療を進められるという特徴もあります。

柔道整復師も国家資格のため、養成学校で3年以上専門課程を修了して受験資格を得たのちに、国家試験への合格が必須です。柔道整復師の代表的な職場は接骨院や整骨院で、医療機関や介護施設に勤めるケースや、スポーツクラブやスポーツチームでトレーナーとして勤めるケースもあります。また、柔道整復師は開業権もあるため、経験を積んだのちに接骨院や整骨院を開業することも可能です。

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PTの仕事内容

PTの仕事内容は、アセスメントや運動療法・物理療法といったリハビリ実施などです。ここではPTの仕事内容について詳しく紹介します。

アセスメント

PTはリハビリを行う前に、患者の状態を確認・評価し、リハビリの方針・計画を立てるアセスメントを行います。現病歴や既往歴、生活状況をヒアリングするだけでなく、筋力や身体の柔軟性、持久力など運動機能・神経機能を細かく計測して現状把握するのがPTの仕事です。
アセスメントで得られた情報をもとに、医師と連携して治療方針・目標を決め、リハビリ開始後は定期的にアセスメントを繰り返すことで、適切なリハビリの提供に繋げています。

運動療法

運動療法は、患者自身の力やPTの手技や器具も用いながら、患者の身体を動かす訓練のことです。立つ・座る・歩く・起き上がるといった生活の基本動作ができるよう、PTが訓練・指導を行って、日常生活動作の回復を目指します。

物理療法

物理療法は、電気や温熱を用いた治療やマッサージのことです。痛みの軽減や血行改善、筋機能回復が期待できるため、より早い回復を目指して運動療法と組み合わせて行われることも多いようです。

補装具の調整・使い方の指導

義肢や杖、車椅子など補装具が必要な患者に対し、補装具を確認・調整したり、使い方の指導を行ったりするのもPTの仕事です。技師・装具の製作を行う義肢装具士と、製作過程で連携するケースもみられます。

リハビリ記録の作成

PTはリハビリを施行したら、患者ごとにリハビリの実施内容やアセスメント、改善点などを記載したリハビリ記録を作成します。リハビリ記録は診療報酬・介護報酬請求のために必要なため、リハビリを行うたびに作成が必須です。

運動機能低下予防

運動機能の低下を予防するための運動を指導するのも、PTの仕事です。現在健康で、身体機能に問題がない方に対して、PTは保健センターなどで運動機能低下を防止するための体操やトレーニングなどを指導・教育します。

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PTが活躍できる職場

PTが活躍できる職場について紹介します。

医療機関

病院やクリニックなどの医療機関に勤めるPTは多くいます。
急性期病院であれば、早期退院を目的にしたリハビリがメインです。リハビリテーション専門病院や回復期・慢性期の病院であれば、長期的な目標を立ててリハビリを進めていくため、患者と関わる期間が長くなります。退院に向けて患者宅を訪問し、自宅で自立した生活が安全に送れるよう、家屋の環境調査を行うこともあるようです。

介護施設

PTは介護施設にも勤務しています。介護老人保健施設(老健)の利用者は、最終的に機能を回復させて自宅に帰ることが目標です。そのため、PTは運動機能を回復させるために集中的なリハビリを行うことを求められます。通所施設であるデイサービスやデイケアにいるPTは、身体介護やレクリエーションへの参加も行いながら、リハビリを実施するようです。また、訪問看護事業所に勤めるケースでは、在宅で療養生活を送っている患者に対し、在宅でできるリハビリのプログラムを行います。

その他の施設

障がい者施設では、機能回復よりも新しい機能を獲得する目的で運動療法が必要とされており、PTが勤務しているケースがみられます。保健所・保健センターに勤務するPTもおり、運動機能低下を予防するための教育や啓発活動を行うこともあるようです。また、スポーツチームやスポーツジムに勤務するPTはケガ予防や機能改善だけでなく、トレーニングや健康管理にも携わり、包括的にアスリートのサポートを行います。

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PTになるには?国家試験について

PTになるには、国家試験に合格する必要があります。ここではPTの受験資格や試験概要、国家試験の合格率についてみていきましょう。

受験資格

理学療法士及び作業療法士法によると、理学療法士国家資格の受験資格を得るには、理学療法士養成校(大学・短大・専門学校)で3年以上の専門課程を修了する必要があります。なお、すでに作業療法士の資格を持っている方は、理学療法士養成校で2年以上の課程を修了すれば受験資格を得られる規定です。

理学療法士養成校については、公益社団法人日本理学療法士協会「養成校一覧」によると、2024年4月時点で通信制の養成校はありません。ただし、養成校の中には夜間制を採用している学校がありますので、働きながら理学療法士を目指したい方は、夜間制の学校を選ぶのが良いでしょう。

試験概要

厚生労働省「理学療法士国家試験の施行」によると、理学療法士の試験は例年2月に実施され、合格発表は3月下旬です。一般問題と実地問題からなる筆記試験形式で、受験場所は全国8か所にあります。なお、重度の視覚障がいを持っている方は、口述試験および実技試験にて受験可能です。

厚生労働省「第59回理学療法士国家試験及び第59回作業療法士国家試験の合格発表について」によると、2024年実施分の合格ラインは、総得点279点中168点以上(正答率約60%)でした。正答した問題のうち、実地問題は120点中43点以上(正答率約35%)の得点が必要です。

合格率

2022~2024年実施分の理学療法士国家試験の合格率は、以下のとおりです。

受験者数 合格者数 合格率
第57回(2022年) 12,685人 10,096人 79.6%
第58回(2023年) 12,948人 11,312人 87.4%
第59回(2024年) 12,629人 11,266人 89.2%

参照:厚生労働省「第57回理学療法士国家試験及び第57回作業療法士国家試験の合格発表について」、厚生労働省「第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について」、厚生労働省「第59回理学療法士国家試験及び第59回作業療法士国家試験の合格発表について」

理学療法士国家試験の合格率は、7~8割で推移していることがわかります。

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PTの年収

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、PT(OT、ST、視能訓練士含む)の年収は、約432万円(年収はきまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額で算出)となっています。

ほかの医療系・介護系職種との比較

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、PT(OT、ST、視能訓練士含む)と、ほかの医療系・介護系職種の年収は以下のとおりです。

医療系職種 年収
医師 1,436万4,700円
薬剤師 577万8,700円
看護師 508万1,700円
准看護師 407万1,100円
診療放射線技師 536万9,700円
臨床検査技師 508万4,900円
PT(OT、ST、視能訓練士含む) 432万5,200円
介護支援専門員(ケアマネジャー) 421万6,200円
介護職員(医療・福祉施設等) 371万3,800円
訪問介護事業者 389万9,500円

参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」(年収はきまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額で算出)

PTの年収は医療系では看護師や臨床検査技師よりやや低いですが、介護系では高い方といえるでしょう。
医療系職種の中でも看護師は夜勤がある勤務形態の方もいます。診療放射線技師や臨床検査技師は急患や急変に対応するために、頻度は少ないものの夜勤やオンコールがあるケースも見られるようです。一方、PTなどのリハビリに携わる職員は夜勤やオンコールがないことが一般的なため、夜勤やオンコールによる手当の有無が、年収の差として現れていると考えられます。

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PT(理学療法士)とはリハビリや機能訓練を行う職種

  • PTとは理学療法士のことで、理学療法を用いたリハビリを行う職種
  • PTはOTやST、柔道整復師とは違い、立つ・座るなどの基本動作の訓練・指導を行う
  • PTは医療機関や介護施設だけでなく、障がい者施設やスポーツチームで働く場合もある
  • PTになるには養成校で専門課程を修了したのち理学療法士国家試験の合格が必要

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