職種・資格情報

助産師と看護師の違いは?資格や仕事、向いている人の特徴

6 months ago

「助産師と看護師の違いは?」と疑問に思う方もいるでしょう。助産師は妊婦・新生児のケアや分娩介助、看護師は診療補助や療養上の世話を主な仕事としています。この記事では、助産師と看護師の違いについて、資格や仕事内容、職場などの面からご紹介。助産師と看護師に向いている人の特徴についてもそれぞれ紹介していますので、ぜひご覧ください。

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助産師と看護師の違いは?

助産師と看護師の違いとして、資格や仕事内容、職場、年収が挙げられます。それぞれどのような違いがあるのか確認しておきましょう。

資格

看護師も助産師も国家資格であり、それぞれ資格取得が必要です。なお、助産師の国家資格は、看護師の資格がないと取得できません。ただし、特例として、看護師と助産師の試験を同時受験する方は、看護師の資格を持っていない状態でも助産師国家試験を受験可能です。
また、看護師と異なり、日本では助産師は女性のみと規定されているため、男性の助産師資格取得は2024年4月現在できないことになっています。

仕事内容

看護師の仕事は医師の診療補助や検査・処置の補助、療養上の世話などで、病気やケガを患っている患者が対象です。産婦人科で働いている看護師も多くいますが、助産師のように分娩介助や妊婦への保健指導はできません。

助産師の仕事は看護師の仕事内容に加えて、分娩介助や妊婦のケア・サポート、新生児のケアなどです。妊婦と新生児に対するケアが主となっています。

職場

厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、2022年末現在、看護師の就業場所別実人員の割合は、最も多い順から病院67.8%、診療所13.7%、介護保険施設等7.7%でした。看護師は医療機関や介護施設、市区町村の保健センターなどに勤めることが多いようです。産婦人科や産科の病院・クリニックに勤める看護師もいますが、助産師の仕事はできず、医師の診療補助や療養上の世話を行うことになります。

同調査において、助産師の就業場所は最も多い順から病院60.7%、診療所23.0%、助産所6.4%でした。
助産師の職場は医療機関の中でも産婦人科・産科がメインです。なお、産婦人科がある総合病院は、ほかの診療科で看護師として経験を積んだあと、産婦人科に異動配属になったときだけ助産師として働くというケースもあるようです。また、看護師と違って、正常分娩を取り扱う「助産院」という施設で働く助産師もいます。

年収

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の年収は約508万円、助産師の年収は約567万円でした。年収は「きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

看護師と助産師の年収の差は、働き方や仕事内容の違いが現れているようです。看護師は、夜勤や休日出勤がない働き方をしている方もいますが、助産師はいつ始まるか分からない出産に立ち会うため、夜勤やオンコール対応をするのが一般的となります。1回のお産が長時間にわたることも珍しくないため、勤務時間が伸びることも。資格手当や分娩介助手当、残業代などにより、助産師の方が年収が高いようです。

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助産師になるには?資格取得の方法

助産師の資格については、保健師助産師看護師法にて定義されています。保健師助産師看護師法において、助産師資格について記載されている箇所は、以下のとおりです。

  • 「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産または妊婦、じょく婦もしくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。(第一章第三条)
  • 助産師になろうとする者は、助産師国家試験および看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。(第二章第七条の2)

以上のことより、助産師は女性でなければならないこと、看護師の国家資格も必要なことが分かります。

また、厚生労働省「助産師国家試験の施行」によると、助産師の受験資格を得るルートについて、以下の2種類があることが記載されています。

  • 看護系大学・短期大学・看護専門学校で3~4年の課程を修了し看護師国家試験に合格後、助産師養成学校にて1年以上の課程を修了する
  • 助産師養成課程のある看護系大学などで4年間の課程を修了する

前者の助産師養成学校は、学校により1年課程か2年課程か異なりますので、自分にあった学校選びが必要です。

後者の4年制養成学校は、多くの場合、卒業時に看護師国家試験と助産師国家試験を同時に受験する形になります。同時受験にて看護師の国家試験が不合格だった場合、助産師試験が合格ラインに達していても資格取得できないため、どちらにも合格できるよう十分な準備が必要です。また、助産師課程に進むのに校内試験がある養成機関もありますので、入学前に助産師課程への進み方について確認しておくのがよいでしょう。

なお、助産師の国家試験は看護師の国家試験と同様に、例年2月上旬に試験、3月下旬に合格発表となっています。

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助産師の仕事内容

ここでは、助産師の仕事内容について詳しく紹介します。

分娩介助

「助産師」という名称のとおり、助産師は陣痛が来てから赤ちゃんを取り上げるまで、お産の介助を行います。産婦人科・産科であれば医師と連携しながら分娩の進行を主導したり、助産院であれば助産師1~2名で対応したりすることもあるようです。近年では、妊婦へ事前に分娩に関する希望を細かく聞いておく医療機関や助産院も増えており、妊婦にあったお産ができるようサポートすることも求められます。

妊婦のサポート

出産を控えている妊婦へ、日常生活上の注意点やアドバイスを伝えたり、妊婦の健康管理・保健指導を行ったりするのも助産師の仕事です。
妊婦健診の際は医師の診察とは別に、妊婦と助産師と1対1で面談を行う機会が設けられています。面談の目的は、妊婦へ生活で困っていることや不安なことはないか聞いたり、出産準備に関する相談事にのったりすることです。中には、ホルモンバランスの乱れや妊娠・出産・子育てへの不安から精神的にナーバスになっている妊婦もいます。助産師は妊婦一人ひとりにあった寄り添いを実施し、精神的なケアを行うのも重要な仕事です。

新生児のケア

助産師は新生児に関する知識や技術も持っているため、生まれたばかりの新生児のケアを行う役目もあります。新生児へ沐浴や授乳、ベビーマッサージを行うだけでなく、両親へ新生児の栄養指導を行うこともあるようです。

産後ケア・育児のアドバイス

妊婦が出産したら「産褥期」となり、妊娠期とは違った健康管理などが必要になります。産後のケアも助産師の仕事です。 
また、出産を終えた母親は、これから始まる育児への不安を感じていることも珍しくありません。そのため、助産師は両親へ育児のアドバイスも行います。沐浴の仕方や抱っこの仕方などを教える「育児教室」が開かれる産婦人科もあり、助産師が先生となって育児の方法をレクチャーすることもあるようです。

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助産師に向いている人の特徴

助産師と看護師では、助産師のほうが向いている方の特徴について紹介します。

お産に携わりたい人

お産を主導し、自分の手で赤ちゃんを取り上げられるのは助産師の最大の魅力です。お産に携わりたい人は助産師に向いているでしょう。また、お産に携われることで 自分が妊娠・出産を経験するときに知識やスキルを活かせるという利点もあるようです。 
産婦人科に勤務する看護師は、妊婦の療養上のサポートはできますが、妊婦への保健指導や、自身が中心となって分娩を進めていくことはできません。

メンタルが強く思いやりのある人

助産師には、メンタルの強さと思いやりも求められます。産婦人科で取り扱う妊娠・出産は、残念ながら喜ばしいものばかりではありません。流産や死産になり処置が必要になったり、中絶手術を選択する妊婦もいたりします。妊娠経過や出産に強く不安を抱き、精神的に不安定になってしまう妊婦がいるのも珍しくありません。助産師は対応に難しさを感じたり、悲しい出来事を目の当たりにして気持ちが沈んでしまったりすることもあるでしょう。

そのため、日々さまざまなことが起きても、切り替えて業務にあたれる人が助産師に向いています。妊婦や家族の心理的ケアも助産師の大切な仕事であるため、多忙な中でも思いやりをもって心のケアにあたることが求められます。

体力のある人

助産師には体力も不可欠です。大きな産院であれば、一度に数人のお産が重なることもあり、それぞれの進捗を把握してサポートが求められます。助産院なら、助産師1人で陣痛開始から娩出後まで対応するケースも珍しくありません。また、お産は24時間365日いつ始まるか分からないうえ、1回のお産に十数時間もかかることも。勤務時間が過ぎても、お産が無事に終わるまでサポートを続けることもあり、体力が求められるでしょう。

開業したい人

助産師は自分で助産院を開業することも可能です。保健師助産師看護師法によると、助産師は正常分娩に限り、医師の指示を受けずに1人で分娩介助ができます。医療機関で経験を積み、キャリアアップとして開業して妊婦や赤ちゃんをサポートしていきたい人にも助産師は向いているでしょう。

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看護師に向いている人の特徴

助産師に向いている人の特徴を紹介しましたが、看護師に向いている人の特徴もみてみましょう。

患者の年齢を問わず病気の治療をサポートしたい人

助産師は新生児と妊婦をサポートする職業です。一方、産婦人科以外の診療科で働く看護師は、男女問わず小児から高齢者までさまざまな年齢の患者の治療をサポートできます。より幅広い患者のサポートをしたいという方は、看護師のほうが向いているでしょう。

体力やライフスタイルに合わせて働き方を選びたい人

看護師は、体力やライフスタイルに合わせて柔軟な働き方をすることも可能です。前述のとおり、助産師はお産のサポートのために、夜勤や土日出勤は避けられないこともあります。看護師は、クリニックや幼稚園・保育園、検診センターなどでは、夜勤や土日出勤がない働き方も可能です。自分に合った働き方を選択したい人は、看護師のほうが向いているでしょう。

学校を卒業して早く働きたい人

専門学校などの養成機関を早く卒業して働きたい人は、助産師より看護師のほうが向いています。
助産師の資格を取得するには専門機関で最低4年、専門課程を修了しなければなりません。看護師の受験資格を得るためのルートは何パターンかありますが、高校卒業から看護短期大学や専門学校に入学すれば、最低3年で専門課程を修了し国家資格を受験できます。また、高校から一貫教育の看護師養成機関を選べば、高校3年間を含む5年間で看護師になることも可能です。

養成機関での修学を早く終わらせて、いち早く現場で働きたい方は看護師の資格取得を目標とするのが向いているでしょう。看護師の国家資格を持っていれば、看護師としてキャリアを積み、後から助産師を目指すことも可能です。

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助産師と看護師の違いは分娩介助や母子への保健指導を行えるか

  • 助産師と看護師の違いはケア対象者や仕事内容で、資格も別になっている
  • 同時受験以外の場合、看護師国家資格がなければ助産師国家試験を受験できない
  • 助産師はお産に携わりたい人やメンタルが強く思いやりのある人が向いている
  • 看護師は病気の治療を援助したい人や自分に合った働き方を選びたい人が向いている

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