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就労継続支援A型とは?支援内容や働く職種、B型との違いを解説

仕事内容4 months ago

「就労継続支援A型とは何をする事業所?」と疑問に思う方もいるでしょう。就労継続支援A型では、心身に障がいがある方へ就労訓練などを行い、就労の機会を提供する事業所です。この記事では、就労継続支援A型の支援内容や職員の仕事内容、働いている職種について紹介しています。就労継続支援B型との違いにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

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就労継続支援A型とは

厚生労働省「障害者の就労支援について」によると、就労継続支援A型とは、通常の事業所での雇用が難しく、雇用契約に基づく就労ができる方に対して、雇用契約を締結して支援を行う事業所です。

障がいのある方へ就労機会や生産活動の機会提供、就労に必要な知識や能力を向上させるための訓練を行っており、利用期間の制限はありません。同資料によると、2021年1月時点の事業所数は3,922件です。

利用者と事業所は雇用契約を結ぶのが特徴で、利用者は作業分の賃金を受け取れる仕組みです。利用者は最低賃金が保証されるという利点もあります。

利用できる人

厚生労働省「障害者の就労支援について」によると、就労継続支援A型を利用できる方の条件は、以下のとおりです。

  • 移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった者
  • 特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業等の雇用に結びつかなかった者
  • 就労経験のある者で、現に雇用関係の状態にない者

18歳以上で上記の条件に当てはまる方は、就労継続支援A型を利用できます。65歳以上の方も、要件を満たせば利用可能です。

利用者の仕事内容

就労継続支援A型の利用者は、どのような仕事を行うのでしょうか。仕事内容の例をみてみましょう。

  • 製パン・製菓の製造・販売
  • 食品製造・加工・販売
  • 調理業務
  • 飲食店のホールスタッフ
  • データ入力業務
  • 農業・農作物販売
  • 清掃業務
  • 木工品・手芸品製作

仕事内容は事業所によって異なるようです。事業所では職業指導員をはじめとする職員が、利用者の業務をサポートしています。

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就労継続支援A型とほかの障がい者施設との違い

障がいのある方を対象とした就労支援施設は、ほかにもさまざまな種類があります。ほかにどのような事業所があるのか、また、就労継続支援A型との違いについても紹介します。

就労継続支援B型

厚生労働省「障害者の就労支援について」によると、就労継続支援B型の施設概要はほぼA型と同じです。大きく異なる点は、施設と利用者が雇用契約を結ばないという点になります。A型と同様、利用期間にも制限はありません。利用できる方の条件は以下のとおりです。

  • 就労経験があり、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者
  • 50歳に達している者、または障害基礎年金1級受給者
  • 上記2項目に該当しない人で、就労移行支援事業者等によるアセスメントにより、就労面に係る課題等の把握が行われている者

同資料によると2021年1月時点の事業所数は13,828件で、A型の3倍以上あることが分かります。

また、就労継続支援B型での利用者の仕事内容は軽作業が多く、短時間の利用も可能です。利用者と事業所は雇用契約を結ばないため、賃金は「工賃」扱いとなり、最低賃金は保証されません。

就労移行支援

厚生労働省「障害者の就労支援について」によると、就労移行支援とは、企業等への就労を希望しており、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる方に対して以下の支援を行う事業所です。

  • 生産活動、職場体験等の活動の機会の提供、その他就労に必要な知識及び能力向上のために必要な訓練
  • 求職活動に関する支援
  • 利用者の適性に応じた職場の開拓
  • 就職後における職場への定着のために必要な相談等の支援

就労移行支援の特徴は、「利用者の最終目的は、一般企業に雇用されること」という点です。そのため、すでに働いている方は利用できません。利用期間は基本的に2年で、延長が認められても最長3年間です。

就労移行支援では、障がいのある方が一般企業への就職を目指して必要な技能を身に付けたり、就職へのサポートを受けたりしています。同資料によると、2021年1月時点の事業者数は3,006件です。

就労定着支援

厚生労働省「障害者の就労支援について」によると、就労定着支援とは、就労移行支援や就労継続支援などのサービスを受け、一般雇用となり6か月を経過した方に対し、日常生活や社会生活、仕事上の問題に関する相談を受けて指導・助言を行う事業所です。

すでにほかの事業所で就労している方が利用対象で、同資料によると2021年1月時点で事業者数は1,351件あります。就労定着支援事業のみで運営されている事業所はあまりなく、実際は就労移行支援事業所が就労定着支援事業を兼ねているケースも多いようです。

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就労継続支援A型の職員の仕事内容

就労継続支援A型で働く職員は、どのような仕事をとおして利用者の支援を行っているのでしょうか。

個別支援計画の作成

就労継続支援A型ではサービス管理責任者を中心に、利用者の障がいの程度や能力に応じて、個別支援計画を立案しています。個別支援計画書を作成するタイミングは、利用者が事業所の利用を開始するときと、最長6か月おきに見直しを行うときです。

個別支援計画書には、就労における目標や就労の内容、達成度の評価などが記載されており、利用者や家族に説明のうえ、同意を得る必要があります。

就労訓練、生産活動の指導・支援

利用者に生産活動の機会を提供することが、就労継続支援A型における最大の目的です。職員は利用者の生産活動の場に立ち合い、作業のサポートや技術指導を行います。

事業所は利用者へ賃金を支払いながら事業を継続する必要があり、事業継続が達成できる最低ラインを下回らないよう、生産活動を管理することが重要です。

また、利用者に対しては作業に対する指導だけでなく、「始業時間に作業を始められるように職場に来る」「出勤したらタイムカードを切る」といった就労に関する基本的なルールの指導も行っています。

利用者の労務管理

就労継続支援A型では利用者と事業所が雇用関係にあるため、事業所が利用者の労務管理も行います。具体的には出退勤管理や給料の支払い、シフト管理などです。利用者の体調管理のサポートなども行っており、一般企業と同様に健康診断も実施します。

就職支援

就労継続支援A型には、キャリアアップを求めて一般企業への就職を目指す利用者もいます。そのため、利用者の就職活動をサポートすることも、就労継続支援A型の重要な仕事です。ハローワークの利用方法を指導したり、市区町村のサポートを受けながら利用者に合う仕事を一緒に探したりします。

利用者や家族の相談対応

就労中に悩みを抱える利用者がいれば、就労継続支援A型の職員は利用者本人や家族の相談を受け、助言や援助を行います。仕事上の悩みだけでなく、日常生活や社会生活に関する相談、必要に応じて精神面のケアを行うことも。面談で得られた利用者や家族の希望を、個別支援計画に反映する場合もあります。

日常生活のサポート

利用者が自立した生活を送り、継続して就労できるよう生活面のサポートを行うのも、就労継続支援A型の役目です。なかには事業所で食事を提供しているケースもあり、栄養バランスを考慮した食事が提供されます。また、利用者は徒歩や公共交通機関などで事業所に通勤するのが基本ですが、送迎サービスを行っている事業所もあるようです。

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就労継続支援A型の人員基準

厚生労働省「障害者の就労支援について」と厚生労働省「指定障害福祉サービス事業者等の指導監査についての一部改正について」によると、就労継続支援A型にはサービス責任者と職業指導員、生活支援員において人員基準が設けられています。

サービス管理責任者は、利用者60人当たり1名以上の配置が必要です。利用者が60人以上の場合は、40人増すごとに1名追加しなければなりません。職業指導員・生活支援員は、利用者10人当たり1名ずつの配置が必要で、職業指導員と生活支援員のうちいずれか1名以上は常勤である必要があります。

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就労継続支援A型で活躍できる職種

前項で説明したサービス管理責任者や職業指導員、生活支援員以外にも、就労継続支援A型で活躍している職種は多くいます。どのような職種がいるのか、みてみましょう。

管理者

管理者は、事業所を統括する役職として、利用希望者への申込の説明や雇用契約業務など、施設運営に関わる業務を多く行っています。働いている職員の勤怠管理や関係機関との調整も、管理者の仕事です。 厚生労働省「指定障害福祉サービス事業者等の指導監査についての一部改正について」によると、管理者はサービス管理責任者と兼務できることになっています。

サービス管理責任者(サビ管)

厚生労働省「指定障害福祉サービス事業者等の指導監査についての一部改正について」によると、サービス管理責任者は、個別支援計画書の作成や計画書どおりにサービス内容が実施できているか確認する職種です。

サービス管理責任者は、利用者の生活状況や障がいの種類・能力を考慮し、ほかの職員にも意見を求めながら個別支援計画を立案します。面談で利用者の希望を把握したうえ、支援が開始したらモニタリングや計画の見直しを行うのもサービス管理責任者の仕事です。ほかの職員へ支援について指導することもあります。

職業指導員

職業指導員は利用者が生産活動を行う現場に入り、作業を指導します。利用者の特性や能力を理解し、適切な指導を行うとともに、日常生活における相談に乗ることも。生産活動のなかで専門的な知識や技術が必要な場合は、その分野の経験者が就任することもあるようです。

生活支援員

生活支援員は、利用者の身体介護や身の回りのサポート、健康管理についての助言、生活に関する相談業務などを行っています。利用者と一緒に生産活動に入ることもあり、総合的に利用者のサポートを行うのが仕事です。

社会福祉士

社会福祉士は、日常生活や社会生活に悩みを抱えている方に対し、社会福祉の立場から助言を行って適切な支援に繋げる専門職です。就労継続支援A型における社会福祉士は、利用者からの相談業務の対応や、就労訓練・日常生活のサポートなどを主に行っています。

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神障がいのある方に対し精神面からケアを行い、社会活動や学業・就業をサポートする専門職です。就労継続支援A型では、生産活動・就職活動に関する悩みがある利用者を専門的な立場からサポートしています。

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就労継続支援A型は障がいのある方へ就労機会を提供している

  • 就労継続支援A型は障がいのある利用者と雇用契約を結んで就労分の賃金を支払っている
  • 就労継続支援A型とB型の違いは雇用契約の有無で、B型では利用者との雇用契約はない
  • 就労継続支援A型ではサービス管理責任者と職業指導員、生活指導員の配置義務がある
  • 就労継続支援A型の職員は生産活動の指導や利用者の日常生活のサポートを行っている

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