仕事内容・働き方

福祉住環境コーディネーターとは?資格の合格率や仕事内容を紹介

資格仕事内容4 months ago

福祉住環境コーディネーターについて、「仕事内容は?」「資格試験の難易度は?」と気になっている方もいるでしょう。福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障がいのある方など介護が必要な方が暮らしやすいよう、住環境についてアドバイスを行う専門家です。この記事では、福祉住環境コーディネーターの仕事内容や資格について解説します。資格取得までの道のりや活躍できる職場も説明するので、ぜひ参考にしてください。

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福祉住環境コーディネーターとは

福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障がいのある人など介護が必要な人が生活しやすい環境を作ったり整えたりできるよう、助言・指導を行う専門家のことです。医療や福祉だけでなく建築に関する知識も必要で、福祉住環境コーディネーターとして働くには、資格取得が必要となります。

福祉住環境コーディネーターの資格は、問われる知識やスキルのレベルによって、3級から1級までに分かれています。 3級は生活者視点の基礎知識、2級は実務レベルの知識・スキル、1級は住まいやまちづくりなど幅広い活動ができる知識・スキルが問われます。

福祉住環境コーディネーターとしての専門性を実務上で発揮したいと考える方は、2級以上の取得が求められるでしょう。

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福祉住環境コーディネーターの資格について

福祉住環境コーディネーターになるには、資格試験に合格する必要があります。ここでは、福祉住環境コーディネーターの資格について詳しくみていきましょう。

資格概要

東京商工会議所「福祉住環境コーディネーター検定試験」によると、福祉住環境コーディネーターの資格に受験要件はなく、年齢や学歴、実務経験に関わらず受験できます。

3級と2級については、順番に取得しなければならないといった制限はありません。資格をすぐに実務に活かしたいという方は、いきなり2級から受験してもOKです。ただし、1級を受験するには2級に合格していることが条件となります。

2級・3級

2級と3級の資格試験は、受験方法がIBT方式またはCBT方式から選べるようになっています。IBT方式は、受験者のパソコン・インターネット環境から受験する方法です。CBT方式は、全国各地のテストセンターと呼ばれる試験会場に赴き、備え付けのパソコンで受験します。

例年、7月中旬から8月上旬と11月中旬から12月上旬の2回、受験のチャンスがあり、試験期間内で都合の良い日時を選択して受験する仕組みです。「いきなり2級を受けて不合格になり、結局資格が取れないという結果になるのが不安…」という方も、2級と3級の併願受験が可能なため、両方受験するのも一つの方法でしょう。試験は多肢選択式で、試験時間は90分間です。100点満点中、70点以上で合格となります。

1級

1級の受験方式はCBT方式のみです。1級は年に1回、12月中旬に試験が行われ、2・3級と異なり試験日は1日のみで設定されています。

試験は90分ずつの前半・後半に分かれており、前半は多肢選択式、後半は記述式です。前半・後半ともに各100点満点で、それぞれ70点以上取得しなければなりません。

合格率

東京商工会議所「福祉住環境コーディネーターとは データ」によると、2022年度と2023年度の各級の合格率は以下のとおりです。

級数 受験年度 受験者数 合格者数 合格率

3級
2022年度
5,616人
2,183人
38.9%
2023年度
5,372人
2,197人
40.9%

2級
2022年度
1万3,263人
4,903人
37.0%
2023年度
1万4,344人
5,471人
38.1%

1級
2022年度
285人
16人
5.6%
2023年度
234人
34人
14.5%

受験者数は、実務として活用できる最低レベルの2級の受験者が最も多くなっています。2級・3級の合格率は、ともに約4割です。

1級になると受験者が大幅に減るうえ、合格率は15%以下となっており、難易度が高いことが分かります。

受験している人の特徴

東京商工会議所「福祉住環境コーディネーターとは」によると、福祉住環境コーディネーター(2・3級)を受験した方の保有資格の状況は以下のとおりです。

資格種別 保有資格名 割合
(複数回答あり)




福祉系
福祉用具専門相談員
19.5%
介護福祉士
18.3%
介護職員初任者研修
13.8%
介護支援専門員
5.6%
社会福祉士
2.9%


医療系
理学療法士
8.7%
作業療法士
5.1%
看護師
3.0%



建築系
宅地建物取引士
5.9%
二級建築士
4.2%
一級建築士
2.2%
インテリアコーディネーター
2.0%
その他
8.8%

福祉住環境コーディネーターの資格取得を目指す方は、すでに福祉系の資格を持っている方が多いことが分かります。中には、建築士や宅地建物取引士など建築系の資格を持っている方もいるようです。

同調査において発表されている受験者の業種では、3級を受験した方は短大・専門学校生が最も多く34.4%でした。次いで高専・高校生が14.0%、大学生・大学院生8.6%となっており、3級受験者の半数以上が学生という結果です。

また、2級を受験した方は社会保険・社会福祉・介護分野に従事している方が最も多く19.7%、医療業・福祉衛生が17.5%となっていました。次いで大学生・大学院生が10.8%となっています。

なお、3級を受験した社会保険・社会福祉・介護分野に従事する方は7.5%、医療業・福祉衛生の方は5.6%と2級を受けた人より少ないため、社会人の方はいきなり2級から受験している方もいることが分かります。

資格取得までの道のり

福祉住環境コーディネーターの試験は、仕事をしながらでも独学で勉強可能です。テキストや過去問を活用して、試験に備えましょう。前述のとおり、いきなり2級を受験して不合格になるのが心配な方は、2・3級を同時受験することにして勉強を進めるのがおすすめです。

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福祉住環境コーディネーターの仕事内容

福祉住環境コーディネーターの仕事内容について、詳しく解説します。

住宅の新築・改修時のアドバイス

高齢者や障がいのある方の住宅をリフォームするときや新築するとき、福祉住環境コーディネーターが住環境のアドバイスを行います。

身体が不自由な方や介護が必要な方が自宅で生活するときは、小さな段差や手すりのない廊下、トイレなどが問題となることも。住環境が適切に整備されていなければ、立ち上がれない・歩けないといった問題が発生したり、転倒したりする恐れがあります。

福祉住環境コーディネーターは住宅内のどこに気をつけるべきかアドバイスを行い、段差をスロープにしたり、トイレや廊下に手すりを付けたりという対応を打ち出すのが仕事です。ときには住宅改修の必要性を感じていない高齢者や障がいのある方へ、住宅改修を勧めることもあります。

福祉用具や介護用具に関するアドバイス

福祉住環境コーディネーターが取り扱うのは、住宅設備だけではありません。杖や歩行器、置き型の手すりなど、自宅で使用する福祉・介護用具のアドバイスも行っています。利用者の介護度・障がいの重さや種類にあわせて、用具に関する情報提供や選定援助を行うのが福祉住環境コーディネーターの役目です。

なお、福祉用具の選定をサポートする資格として「福祉用具専門相談員」があります。福祉用具専門相談員の資格を保有している方が、スキルアップとして福祉住環境コーディネーターを取得し、支援できる幅を広げる例が多いようです。

住宅改修が必要な理由書の作成

福祉住環境コーディネーターの2級以上を取得していれば、介護保険制度を利用して住宅改修を行う際に提出が求められる「住宅改修が必要な理由書」を作成できます。

厚生労働省「福祉用具・住宅改修に関する法令上の規程について」によると、要介護・要支援認定を受けている高齢者が、介護保険制度を利用して住宅改修をする際は、支給申請書とともに「住宅改修が必要な理由書」の提出が必要です。福祉住環境コーディネーターは、利用者の身体・介護状況やヒアリング内容を踏まえ、「利用者は住宅改修により日常生活をどう変えたいか」「改修場所」などの項目を記載します。

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福祉住環境コーディネーターが活躍できる職場

福祉住環境コーディネーターの資格そのものを職業とし、専任で働いている方は少ないようです。ほかの職種として働きながら、福祉住環境コーディネーターとしてのスキルが必要な場面で専門性を発揮することが多いでしょう。ここでは、福祉住環境コーディネーターが活躍できる職場について解説します。

介護・福祉施設、福祉事務所

福祉住環境コーディネーターを持っている方で、介護職員やケアマネジャー、生活相談員として働いているケースがみられます。高齢者や障がいのある方の身体介護・生活援助に携わりながら、自宅の改修を検討している際に具体的なアドバイスを行う形で資格を活かしているようです。

建築事務所、ハウスメーカー

建築士やインテリアコーディネーターといった建築関係の職種の方が、福祉住環境コーディネーターの資格を持っていることもあります。高齢者・障がいのある方が住む家を新築・リフォームする際、ケアマネジャーやMSW(医療ソーシャルワーカー)などと連携しながら住環境を整えるときに資格が役立つようです。

訪問介護・訪問看護

訪問介護や訪問看護で利用者宅に訪問する看護師やリハビリ職員、介護職員で、福祉住環境コーディネーターの資格を持っている方もいます。利用者宅を訪問した際、専門知識を活かして手すり・スロープなどの住宅設備や、杖や車いすなどの介護・福祉用具についてのアドバイスを行っているようです。

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福祉住環境コーディネーターは要介護者に適した住環境を作る職種

  • 福祉住環境コーディネーターは高齢者や障がいのある方の住環境を整える専門家
  • 福祉住環境コーディネーターの資格は3級から1級まであり実務に活かせるのは2級以上
  • 福祉住環境コーディネーター2級以上で住宅改修が必要な理由書を作成できる
  • 福祉住環境コーディネーターは介護職員や看護師、建築士など幅広い職種が取得している

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