職種・資格情報

認定薬剤師とは?種類や取得方法、注目の資格を紹介!

7 months ago

「認定薬剤師とはどのような資格?」と疑問に思っている方もいるでしょう。認定薬剤師とは、特定の分野において専門性があることを証明できる薬剤師の資格です。この記事では、認定薬剤師の資格制度や取得方法、数十種類ある資格の種類について解説しています。なかでも注目の資格の詳細や、認定薬剤師を取得することのメリットについても説明していますので、ぜひご覧ください。

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認定薬剤師とは

認定薬剤師とは、資格取得により、専門分野における知識・技能に特化していることを認定された薬剤師のことです。認定薬剤師は、特化している分野により数十種類に分かれています。希望の資格を取得するためには、資格要件に従って決められた講習を受け、認定試験に向けて勉強していくことになります。

認定薬剤師は、薬剤師に付加価値を与える資格です。認定薬剤師としての認定を受けるには、薬剤師国家資格をもっていることが前提となります。

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認定薬剤師の主な種類一覧

認定薬剤師の種類やそれぞれの認定機関、申請条件などを紹介します。

がん治療関連の認定薬剤師資格

がん治療に関する認定薬剤師は以下のとおりです。

名称
認定機関
薬剤師の実務経験
認定試験
その他の申請条件(一部)
がん薬物療法認定薬剤師 一般社団法人日本病院薬剤師会 3年以上 - 所定単位(40時間、20単位以上)取得
- がん患者への薬剤管理指導の実績50症例以上
外来がん治療認定薬剤師 一般社団法人日本臨床腫瘍薬学会 3年以上 - 講習または研修を60単位以上取得
- 外来のがん患者のサポート事例を10例提出
緩和薬物療法認定薬剤師 一般社団法人日本緩和医療薬学会 5年以上 - 緩和医療に関する学会発表2回以上
- 患者への薬剤に関する指導実績提出
抗菌化学療法認定薬剤師 公益社団法人日本化学療法学会 5年以上 - 薬剤師として抗菌化学療法に5年以上関わっていることを示す所属する施設長または感染対策委員長の証明が必要
- 規定を満たす症例15例以上を報告

疾患・診療科別の認定薬剤師資格

疾患・診療科別の分野に特化した認定薬剤師資格は、以下のような種類があります。

名称
認定機関
薬剤師の実務経験
認定試験
その他の申請条件(一部)
感染制御認定薬剤師 一般社団法人日本病院薬剤師会 3年以上 - 所定単位(20時間、10単位)以上取得
- 感染制御に貢献した業務内容および薬剤師として薬学的介入により実施した対策の内容を20例以上報告
HIV感染症薬物療法認定薬剤師 一般社団法人日本病院薬剤師会 3年以上 - 所定単位(10時間、5単位)以上取得
- HIV感染症患者に対する指導実績が10症例以上
腎臓病薬物療法認定薬剤師 一般社団法人日本腎臓病薬物療法学会 5年以上 - 学会の指定単位を直近3年間で12単位以上取得
- 10年間に3回以上学会発表
糖尿病薬物療法認定薬剤師 一般社団法人日本くすりと糖尿病学会 問わない - 学会の指定単位を20単位以上取得
- 自験例の実績10例以上
- 筆頭発表者としての学会発表1回以上
精神科薬物療法認定薬剤師 一般社団法人日本病院薬剤師会 3年以上 - 所定の単位(40時間、20単位)以上取得
- 精神疾患患者に対する指導実績が30症例以上
妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師 一般社団法人日本病院薬剤師会 3年以上 - 所定の単位(20時間、10単位)以上取得
- 妊婦・授乳婦の薬剤指導実績が15症例以上
小児薬物療法認定薬剤師 公益財団法人日本薬剤師研修センター 3年以上 - 小児薬物療法研修会における研修を修了
- 小児薬物療法認定薬剤師新規認定のためのレポートを提出し、合格していること
救急認定薬剤師 一般社団法人日本臨床救急医学会 5年以上 - 学会の学術集会参加・発表により指定の単位数を取得
- 救急医療に関する業務をつうじて患者の治療に自ら参加した症例25例以上提出
- 筆記試験に合格する

その他の認定薬剤師

ここでは、上記2項に当てはまらない種類の認定薬剤師資格について紹介します。薬の中でも漢方に特化した資格や、薬学生に対し指導が行える資格などがあり、実務経験を問わないものもあるようです。

名称
認定機関
薬剤師の実務経験
認定試験
その他の申請条件(一部)
プライマリ・ケア認定薬剤師 一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会 問わない - 学会の指定単位を50単位以上取得
在宅療養支援認定薬剤師 一般社団法人日本在宅薬学会 3年以上 - 所定の研修講座受講により40単位以上取得
- 学会の学術大会・バイタルサイン講習会への参加
日病薬認定指導薬剤師 一般社団法人日本病院薬剤師会 5年以上 - 既に指定の認定薬剤師3種のうちいずれかを取得済
- 指定の認定実務実習指導薬剤師養成講習会を受講済
認定実務実習指導薬剤師 一般社団法人薬学教育協議会 5年以上 - 現に病院または薬局に勤務している
漢方・生薬認定薬剤師 公益財団法人日本薬剤師研修センター 問わない - 漢方薬・生薬研修会における出席率が80%以上
- 薬用植物園実習レポートを提出して合格する
公認スポーツファーマシスト 公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構 問わない - 基礎講習会と実務講習会を受講
研修認定薬剤師 公益財団法人日本薬剤師研修センター 問わない - 薬剤師研修・認定電子システムの認定申請日から4年以内に指定単位を40単位以上取得

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認定薬剤師で注目の資格5選

前項のとおり、認定薬剤師には多くの種類があることが分かりました。ここでは特に需要が高いとされる5種類について、詳しくみていきましょう。

研修認定薬剤師

研修認定薬剤師は公益財団法人日本薬剤師研修センターが認定している認定薬剤師です。研修認定薬剤師になるには、倫理や医療薬学、薬事関連法規・制度などを学ぶ必要があり、それらの知識を証明できる資格となっています。

申請要件の多い認定薬剤師の中でも、研修認定薬剤師は指定の単位を一定数取得するだけで認定されるため、取得を目指しやすい資格です。調剤薬局で活躍できる「かかりつけ薬剤師」の資格要件にもなっており、近年ではさらに人気が高まっています。

がん薬物療法認定薬剤師

がん薬物療法認定薬剤師は、一般社団法人日本病院薬剤師会が認定している認定薬剤師です。がん領域の薬物療法に関する高度な知識や技術、実施能力を証明できます。

がん患者は年々増えており、がんに対して薬で治療する化学療法を行う患者も増加傾向です。また、抗がん剤は近年新薬が出るスピードも早まっており、次々に新しい成分・効果の薬が実用されていきます。
そのような中、がんの薬物療法に特化した薬剤師がいることで、病院をはじめとする多くの医療機関で、患者はもちろん、医師や医療従事者にも貢献できるでしょう。

在宅療養支援認定薬剤師

在宅療養支援認定薬剤師は、一般社団法人日本在宅薬学会が認定している認定薬剤師です。
2016年の診療報酬改定により、在宅患者訪問薬剤管理指導の点数が引き上げられました。高齢化が進むにつれ、在宅医療を利用する患者が増えてきており、在宅医療における薬剤師の必要性も高まっているからです。

在宅療養支援認定薬剤師は、在宅医療に携わる薬剤師としての知識・技能・態度の3項目を習得している薬剤師として、在宅医療の現場で活躍できます。

感染制御認定薬剤師

感染制御認定薬剤師は、一般社団法人日本病院薬剤師会が認定している認定薬剤師です。
病院には、病気や治療の影響で免疫が下がっている患者が多く入院しています。そのため、麻疹・風疹やインフルエンザなど市中流行する疾患だけでなく、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染症などの特殊な原因菌によっても、院内感染が起こりやすい環境です。
院内感染の対策として、多くの病院には「感染制御部門」が設置されています。

感染制御認定薬剤師は、消毒薬・微生物・耐性菌や感染制御に関する基礎知識をもつ証明となるため、感染症治療や感染制御分野で活躍できるでしょう。

緩和薬物療法認定薬剤師

緩和薬物療法認定薬剤師は、一般社団法人日本緩和医療薬学会が認定している認定薬剤師です。がんの末期患者は、治癒・寛解を目指した積極的な治療を行わず、痛みや苦痛を薬で和らげる緩和ケアに移行することも珍しくありません。緩和ケアで使用する薬には、フェンタニルやモルヒネなどの医療用麻薬も含まれており、使用に慎重な判断が必要なものも多くあります。
緩和薬物療法認定薬剤師は、緩和医療に特化した知識・技能・態度を有する証明として、緩和ケアの現場で活躍できる資格です。

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認定薬剤師になるには

ここでは、認定薬剤師になるにはどうすればよいのか、また資格取得後の更新について紹介します。

申請要件を満たす

認定薬剤師になるには、資格ごとに設けられている申請要件をクリアすることが必要です。申請要件にあげられることが多い項目として、以下の例が挙げられます。

  • 薬剤師としての実務経験年数
  • 研修や講習の受講で得られる単位数
  • 学会での発表回数
  • 専門分野に特化した症例の実績
  • 認定試験の合格

前述のとおり、申請要件は認定を受ける資格により異なります。詳しくは各資格の主催団体のサイトなどで個別に確認するのが良いでしょう。

定期的な資格更新が必要

認定薬剤師の資格のほとんどは、取得後1~5年ごとに更新手続きが必要です。
更新要件として、研修や講習の受講で得られる単位を一定数取得することや、学会での参加・発表実績を求められることがあります。認定薬剤師になったあとも、定期的に研修などに参加し、最新の情報に触れて勉強を続ける姿勢が必要でしょう。

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認定薬剤師を取得するメリットは?

認定薬剤師の資格を取得すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

専門性の証明になる

医学の進歩に従って、薬剤師も医師や看護師のように、専門性の高い人材が求められています。認定薬剤師の資格をもつことで専門性があることを証明でき、ほかの薬剤師との差別化を図れるでしょう。また、資格に関連する業務に就ける可能性も上がります。専門性を深めたい分野の認定薬剤師になることで、希望の部署で働けるかもしれません。

資格手当がつき給与がアップすることも

認定薬剤師は資格として扱われるため、認定薬剤師になることで資格手当がつき、給与がアップする場合もあります。単に認定薬剤師としての知識やスキルを評価されるだけでなく、手当という目に見える形で評価を受けることで、モチベーションアップにもつながるでしょう。

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認定薬剤師とは特定分野の知識に特化した薬剤師の資格

  • 認定薬剤師とは特定分野に特化した薬剤師の資格で、分野ごとに数十種類ある
  • 認定薬剤師になるには資格ごとに異なる申請要件を満たす必要がある
  • 認定薬剤師を取得するメリットは、専門性を証明でき、給与アップに繋がる場合があること

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