まとめ

医療・介護現場の未来につながる介護製品とロボット製品に注目

介護職・ヘルパー正看護師2 months ago

医療・介護の現場では、「こんな製品あったらいいな」と思う瞬間がたくさんあります。
そこで本記事では、現場の声に耳を傾け、試行錯誤を重ねて製品の開発に取り組む企業に注目しました。
介護者と要介護者の双方にとって一助となる介護製品を開発する企業と、人とロボットが共存する社会構築を目指した製品開発に取り組む企業をご紹介します。
多様なアイデアと人々の思いにより誕生した製品は、現場の人手不足解消や業務効率化につながるだけでなく、未来にとって大きな一歩となることでしょう。

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ハーベストクラフト株式会社

医療・介護の現場に実際に「あったらいいな」と思えるような製品づくりに寄与するハーベストクラフト株式会社。工夫を形にできたら…という思いから、医療・介護用品の製品開発に取り組んできた企業です。
同社代表を務める土井 淳氏は、在宅療養の医療に長年携わってきた医師としての経験を活かし、現場の一助となる介護製品の商品化を実現させています。

また、「医療における知見や工夫から考えられたデザイン」をコンセプトとしたユニバーサルデザイン住宅の事業も展開。あらゆる世代の人たちが病気や障がいに関係なく、心地よく暮らせるようなデザインの創出を目指しています。
近年では、ユニバーサル関連のイベントやパラスポーツのラボにも積極的に参加している同社。障がいの有無や年齢、国籍に関係のない広域的な交流を図り、さまざまなアイデアの創出や、現場への情報流通へとつながるよう尽力しています。

今回注目したのは、同社が介護現場向けに開発した主力となる2つの製品です。
1つは、移乗や移動時の補助具として誕生した持ち手つきタスキ「ココもって!」。もう1つは、介護される側の声をもとに生まれた持ち手つきサポーター「ヨイショっと!」です。これら2つの介護製品は、医療・介護現場の一助となるよう思いを込めて開発されました。
本記事では、現場の現状や課題について触れつつ、介護者の負担軽減にもつながる同社製品の魅力をご紹介します。

介護や現場の問題・課題について

超高齢社会を迎えた日本では働く高齢者が年々増加傾向にあり、医療・介護現場においても、人手不足の問題に加え、労働者の高齢化についても考えなければならない課題となっています。

そこで、厚生労働省では2020年3月に「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン)」を策定。働く高齢者を対象とするものですが、事業主側にも職場環境改善の取り組みが求められています。
ガイドラインでは、労働者に対して「自らの健康づくりに積極的に取り組むこと」を推奨。基礎的な体力を維持するための一例として、腰痛予防のストレッチについて取り上げられています。
また、腰痛発生率が高い医療・介護分野においては、「リフト、スライディングシート等を導入し、抱え上げ作業を抑制」する対策についても明記されています。そのため、各事業所では、職場環境の改善に向けてさまざまな対策を講じています。

同社が開発した持ち手つきタスキ「ココもって!」は、要介護者を安全にサポートするための補助具であるとともに、介護者の腰痛予防や負担軽減にもつながる製品として注目を集めています。エイジフレンドリーな職場づくりの一助となる介護製品といえるでしょう。

持ち手つきタスキ「ココもって!」

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▲画像提供:ハーベストクラフト株式会社


「ココもって!」は、移乗や移動時の介護が必要な方のために誕生した補助具です。
特徴は、介護する側が装着する仕様であること。少ない力で身軽かつ安全に介助できるのが利点です。

同製品には持ち手となるグリップ部分が6ヶ所設けられており、麻痺の状態や握力の強さなどの介護レベルに合わせて持ち方を思案できます。また、リュックサックを背負うように簡単に装着できる点も魅力ポイント。タスキのようなシンプルな作りで蒸れにくく、コンパクトなサイズ感により軽量さを実現しています。

移乗や移動の介助を行う際によく見られるのが、要介護者が介護者の衣服を掴んでしまうというケースです。その際に、互いにバランスを崩し、転倒してしまう可能性があります。また、無理な姿勢が生じることで、要介護者と介護者の双方が腰を痛めてしまうといったリスクもあるでしょう。
このような心配事を回避するために、現場の声をもとに誕生したのが同製品です。
日々さらなる改良を重ね、消毒を行いやすいように持ち手の部分にビニールカバーを装着した製品の発売を予定しています。より快適に使用できるよう、常に製品のアップデートが行われている点にも注目です。

同製品は、「エイジフレンドリーガイドライン」に明記されている職場環境の改善策としても活用が期待されます。
介護者の腰痛予防や身体への負担軽減対策として、医療・介護分野で大いに役立てられることでしょう。

持ち手つきサポーター「ヨイショっと!」

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▲画像提供:ハーベストクラフト株式会社


「ヨイショっと!」は、介護される側の声をもとに生まれた介護製品です。
ベッドやトイレの介助、車椅子移動、自主リハビリなど、さまざまな場面での活用が期待されます。

同製品は、麻痺や運動障がいのある方が自身の手や腕を使って楽に足を持ち上げられるように、サポーターに持ち手が付いているのが特長です。また、グリップ部分には、指を引っ掛けるだけで簡単にサポーターを取り外せる仕様になっていることもポイントの一つ。太ももやスネ部分に着用して、介助者が両手で持ち上げることもできます。

介助する目的のほかに、自主リハビリサポートとして使用することも可能です。
理学療法士などの指導のもと、個人の介護度や体調に応じて、過度な負荷がかからないように持ち手をつかんでトレーニングを行います。
自分の力で筋肉を鍛えることは、個人のモチベーション維持・向上にも期待が膨らみます。
筋力トレーニングで実証されているのは、軽度の要介護者であれば要介護度が改善する効果がみられたこと。そのため、近年では、リハビリメニューの一環として筋力トレーニングを導入する医療・介護施設が増えつつあるようです。

また、「できる限り自分でできることは自分でやりたい」という要介護者の思いが健康寿命を伸ばすことにもつながると、医療・介護の現場だけでなく、多くの自治体でも注目を集めています。

■詳細情報
ハーベストクラフト株式会社
持ち手つきタスキ 「ココもって!」
持ち手つきサポーター 「ヨイショっと!」

Senxeed Robotics株式会社

Senxeed Robotics(センシードロボティクス)株式会社は、テクノロジーが進化し続けるこの世界で、人とロボットが共存する社会を見据えた社会構築を目指している企業です。
同社では、ロボットの活用を推進するべく、複数のロボットを組み合わせたインダストリーソリューションを提案。これまで培ってきた経験とノウハウを活かした企画・開発・提供を行っています。
積極的に取り組んでいるのは、最先端の有用なロボット開発です。業務効率化をはじめ、「ロボットだから提供できる価値・意義」に重きを置いた新たな製品づくりに注力しています。

記事スクショ

本記事では、「人とロボットで共に生きる世界を作っていく」という同社の思いが詰まった3つのロボットに注目してみました。
近年ではあらゆる場所で見かけるようになったサービスロボットたち。人の代わりに配膳をしたり、コミュニケーションを取ったりなど、同社が手掛けたロボットたちもさまざまな場所で活用されています。

配膳ロボット「CADEBOT」

配膳ロボット「CADEBOT(ケイドボット)」は、ロボットの顔や音声、本体の色など、施設の雰囲気に合わせてカスタマイズできる製品です。

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▲画像提供:Senxeed Robotics株式会社


全面には大型ディスプレイが搭載されているので、動画や画像を大きく表示でき、宣伝効果を期待できます。また、後面には自動センサー付きのトレイを4層設置。負荷はトータルで40kgまで対応しており、まとめて運べるパワーも十分あります。
走行性能は、制振性の高い特殊なホイールにより、ドリンクやスープなどの配膳もこなせるほどスムーズな移動が可能です。
そっと運ぶCADEBOTの姿は、その空間と対面する人々を優しく包み込むことでしょう。

近年では、介護施設においても配膳ロボットの活躍が期待されています。
その背景として、日々の配膳作業をロボットに任せることによる業務効率の向上が挙げられます。また、施設入居者とのコミュニケーションの一環を担える点も導入メリットの一つです。
ロボットとのコミュニケーションによる新たな刺激は、高齢者の五感に良い影響を与える可能性も秘めているといわれています。そのため、ロボットを新しい仲間として迎え入れる施設もさらに増えてくるかもしれません。

AIコミュニケーションロボット「Cruzr」

人の代わりにAIが受付や案内業務を担うAIコミュニケーションロボット「Cruzr(クルーザー)」。
非接触の接客を必要とする場合や、人員を割けない場合などに「いてくれたらいいな」と思う製品です。

あらかじめ指定した場所に向かって、ツアーガイドのように商品やサービスを解説しながらフロア内を移動します。独自のSLAM技術により人や物に反応してぶつかる心配もありません。安全に案内できるため、美術館や水族館などの施設をはじめ、店舗やショッピングモール、医療機関などあらゆる場所に導入を検討できます。
また、オプションで検温機能を追加することもできるため、インフルエンザなどの感染症が流行する時期にはさらなる活用が期待できそうです。

さらに、顔認証機能により、個人を特定したコミュニケーションの構築が可能。
多言語の文字と音声に加え、モーションによるやり取りで人とのスムーズな意思疎通を実現しています。

マルチ清掃ロボット「CLEINBOT」

マルチ清掃ロボット「CLEINBOT(クレインボット)」は、多様な機能を搭載し、あらゆる場所で活用できるよう開発された製品です。

タイマー設定による自動清掃を行えるほか、清掃状況をオンラインで監視できるシステムも搭載されています。掃除が行き届いているかどうかを遠隔で把握できるため、業務時間の短縮にもつながるでしょう。
マルチ清掃機能として、吸引、水拭き、ブラッシングが可能。1台で3役をこなす優秀さを備えています。
給水タンクと排水タンクは引き出すだけで簡単に扱える仕様になっており、メンテナンスも楽に行えるのも魅力ポイントです。
また、Silentモードを搭載した静音設計により、ゆったりと生活を送る高齢者施設でも安心して導入できるでしょう。

■詳細情報
Senxeed Robotics株式会社
ホスピタルロボットソリューション

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