仕事内容・働き方

支援相談員とは?仕事内容や資格要件、ほかの職種との違いを紹介

生活支援員資格仕事内容6 months ago

「支援相談員とはどのような職業なのかよくわからない」という方もいるのではないでしょうか。支援相談員は、介護老人保健施設で利用者からの相談業務に対応する職業です。この記事では、支援相談員の仕事内容や必要な資格、向いている人の特徴について説明しています。生活相談員やケアマネジャーといった相談業務に就くほかの職種との違いにも触れていますので、ぜひご覧ください。

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支援相談員とは

支援相談員とは、介護老人保健施設(老健)で利用者や家族に対し、相談対応を行う介護職員のことです。老健以外の介護施設にも相談業務を請け負う専門員はいますが、支援相談員は介護老人保健施設で働く相談員を指します。

厚生労働省「介護老人保健施設(参考資料)」によると、介護老人保健施設では、利用者100人に対し1人以上の支援相談員を配置することが義務付けられています。

相談業務だけでなく、ほかの介護施設や行政機関の担当者と連携し、利用者が適切なサービスを受けられるようサポートするのも支援専門員の役割です。

介護老人保健施設とは

支援専門員の職場である介護老人保健施設とは、要介護認定を受けている高齢者のうち、介護ケアやリハビリが必要な方が入居する介護施設です。介護保険法第8条第28項にて定義されています。
厚生労働省「介護老人保健施設(参考資料)」では、在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設、リハビリテーションを提供する機能維持・改善の役割を担う施設であると位置づけられています。

入居型介護施設のなかでも、介護老人保健施設では「利用者の機能を回復させ、自宅での生活に戻れるようにする」のが目標とされます。サービス内容は、食事・入浴・排泄介助といった身体介護だけでなく通院同行やリハビリもあり、機能回復に重きを置いてケアを行っているのが特徴です。終身利用は想定されていない施設のため、3か月ごとに利用者の機能の現状を審査し、入居継続・退所判定を行っています。

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支援相談員とほかの職種との違い

支援相談員以外に、介護施設や福祉施設で相談業務を行う職種は複数あります。相談業務を行う職種は名称も似ていますが、勤務場所や資格要件などが異なっていますので、混同しないように確認しておきましょう。この記事では、支援相談員とほかの相談業務を行う職種3種を比較しました。違いについては以下のとおりです。

                                                                     
支援相談員生活相談員ケアマネジャー相談支援専門員
業務対象者要介護認定を受けている高齢者とその家族要支援・要介護認定を受けている高齢者とその家族要支援・要介護認定を受けている高齢者とその家族身体・知的障がいがある方とその家族
勤務場所介護老人保健施設介護老人保健施設以外の介護施設介護施設、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター指定相談支援事業所、基幹相談支援センターなど
仕事内容利用者からの相談対応、ほかの介護施設や行政機関との調整利用者からの相談対応、ほかの介護施設や行政機関との調整ケアプランの作成、介護給付費の管理、利用者からの相談対応など障害福祉サービス利用計画の作成、成年後見制度利用支援、住宅入居・就労支援
資格要件なしなし介護支援専門員の資格取得が必須相談支援従事者初任者研修の履修が必須

比較した3種の職種についての詳細は、以下で紹介します。

生活相談員

生活相談員は、介護老人保健施設以外の介護施設や高齢者福祉施設などで働く相談員で、「ソーシャルワーカー」とも呼ばれます。仕事内容は支援相談員とほぼ同じで、特養や有料老人ホームといった終身利用を想定した施設にもいるのが特徴です。仕事内容は同じでも、利用者に紹介する支援サービスや求められることは異なっています。

資格・実務経験は問われませんが、社会福祉士や介護福祉士、介護福祉士実務者研修、介護職員初任者研修を持っていると就業に有利でしょう。

ケアマネジャー

ケアマネジャーは介護施設の施設形態に関わらず、介護保険を利用する方をサポートする職種です。相談業務も行いますが、ケアプランの作成や介護給付費の管理が主な業務となっています。特にケアプランの作成は、ケアマネジャーだけが行える業務です。専門性が必要となる職種であり、ケアマネジャーとして働くには、介護支援専門員の資格が必須となります。

ケアマネジャーは活躍できる場所も幅広く、介護施設に勤めるケアマネジャーは「施設ケアマネ」、居宅介護支援事業所に勤めるケアマネジャーは「居宅ケアマネ」と呼ばれるのが特徴です。また、介護施設だけでなく、地域包括支援センターにも活躍の場があります。

相談支援専門員

相談支援専門員は、障害福祉サービスを利用したい人や障がいがある人が自立した生活を送れるよう、相談支援を行う職種です。支援相談員や生活相談員、ケアマネジャーとは異なり、障がいがある方を対象として仕事を行っています。

障がいがある人や家族からの相談を受け、障がい福祉サービス利用計画を作成したり、障がい者福祉施設と連携して適切なサービス利用に繋げたりするのが主な仕事です。障がい福祉サービスの利用開始や利用継続のサポートを行う役割として、窓口の役目をもつ指定相談支援事業所や基幹相談支援センターに勤務しています。

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支援相談員の仕事内容

支援相談員の仕事内容は、以下のとおりです。

  • 利用者、家族からの相談対応
  • 入所・退所の管理、機能評価
  • 行政やほかの施設との連絡・調整・打ち合わせ
  • 介護職員としての業務

前述のとおり、支援相談員の主な仕事は、利用者や家族からの相談対応です。介護老人保健施設を利用したい方へ介護サービスを案内・提案し、実際に利用が決定したら、入所案内や日程調整を行います。費用の相談に対応することも珍しくありません。また、サービス利用中の方から要望やクレームがあった場合も、対応するのは支援相談員です。

入居中の方に対しては、3か月ごとに機能評価を行って利用継続・退所の判断を行います。退所するのは身体機能が回復して自宅へ戻る方だけでなく、思うような回復が見られず、より介護度の高い方が入居する介護施設に行く方や、持病が悪化して病院へ入院する方も。支援相談員は行政やほかの介護施設と連携し、利用者に適した退所先や介護サービスを検討します。

また、介護老人保健施設では、支援相談員が介護職員の業務を兼務することも珍しくありません。身体介助やリハビリ介助の手助けに入ることがあります。

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支援相談員の資格要件とは?

支援相談員は、資格要件として明確な定義はありません。ただし、相談業務のノウハウや介護・福祉分野の知識が必要となるため、社会福祉に関する資格が実質的に資格要件となる施設が多いようです。ここでは、支援相談員の資格要件としてよくあげられる資格を3つ紹介します。

社会福祉士

社会福祉士は社会福祉分野の専門職で、日常生活に問題を抱えている人の相談対応を行い、支援に繋げる職種です。高齢者施設だけでなく、障がい者福祉施設や児童福祉施設、医療機関・教育機関・行政機関など、幅広い施設で相談員として活躍できます。

社会福祉士は国家資格ですので、社会福祉士養成機関で必要な単位を取得し、相談援助業務の実務経験を積んだのちに、国家試験の合格が必要です。

精神保健福祉士

精神保健福祉士は精神疾患の方や身体・知的障がいがある方の、日常生活や社会復帰をサポートする専門職です。「精神科ソーシャルワーカー(PSW)」とも呼ばれます。

精神保健福祉士は、医療機関にかかっていない相談者を受診に繋げる活動や退院後の住居の確保、就学・就労支援などを行います。
精神保健福祉士も、社会福祉士と同様に国家資格です。養成機関で必要な単位を取得し、相談援助業務の実務経験を積んだのちに国家試験に合格すると資格が取得できます。

社会福祉主事任用資格

社会福祉主事とは、自治体の福祉事務所で、社会福祉に関する業務を行う職員のことです。福祉事務所で社会福祉主事として働くには、社会福祉主事任用資格を取得したうえで地方公務員試験に合格する必要があります。
社会福祉主事は、福祉事務所で生活保護申請の受付や生活保護受給者への相談事業、就労支援などを行っています。

社会福祉主事任用資格は、資格を取るために社会福祉に関する知識が問われるため、支援相談員の資格要件として定めている事業所も多いようです。資格取得には、養成機関にて必要課程を履修する、都道府県等が行う講習会で指定科目を履修するなどの方法があります。なお、社会福祉士または精神保健福祉士をすでに取得している方は、社会福祉主事任用資格を持っていると見なされます。

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支援相談員に向いている人とは?

支援相談員は、コミュニケーション能力がある人が向いています。介護サービスの支援が必要な方のなかには、どのようなサービスを受ければよいのか、自分が何に不自由しているのかがわからなかったり、うまく伝えられなかったりする方もいるでしょう。支援相談員は、そのような方から必要な情報を聞き出す能力が必要です。

支援内容を紹介・提案する場面も多いため、わかりやすく、理解してもらえるように伝える力も必要でしょう。利用者・家族とだけではなく、同僚やほかの施設の職員とも密接にコミュニケーションをとることが必要です。

支援相談員にはコミュニケーション能力や相談業務の知識があることも大切ですが、人の役に立ちたいと思っている人が向いています。支援相談員の仕事はやりがいを感じられる楽しい場面ばかりではなく、多忙なときがあったり、難しい要求やクレームの対応に悩んだりするときもあるでしょう。

しかし、どのような業務も利用者のためになっていることには変わりありません。高齢者や家族の生活がよりよくなるよう、役に立ちたいという気持ちを持っている人は、やりがいをもって仕事を続けられるでしょう。

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支援相談員とは介護老人保健施設で利用者の相談対応をする職種

  • 支援相談員とは、介護老人保健施設で相談業務に従事する専門職
  • 支援相談員は利用者の機能評価やほかの施設との調整、介護業務なども行っている
  • 支援相談員に資格要件はないが、社会福祉に関する資格を持っていると就職に有利

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