看護師の夜勤手当はどのくらい貰える？計算方法や相場を紹介

「看護師の夜勤手当はどのくらい貰えるの？」と考える方もいるでしょう。夜勤手当は職場が任意で支給する手当で、金額は勤務する施設や病棟、勤務体制によって異なります。この記事では看護師の夜勤手当の相場や計算方法について紹介しています。夜勤のメリット・デメリットや向いている看護師の特徴にも触れていますので、夜勤に興味がある看護師の方はぜひ参考にしてください。

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夜勤手当とは

夜勤手当とは、夜勤が必要な業態において、従業員が夜間に働いた分支給される手当のことです。夜勤手当の金額や適用する時間は、法律で規定されていません。夜勤手当の支給は任意となっているため、勤務先の給与規定で決められています。

手当の算出方法も勤務先によりさまざまで、夜勤1回につき定額で支払われる場合か、夜勤時間帯に勤務した分を時給換算して支払われる場合が一般的です。

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看護師の夜勤手当の相場はどのくらい？

看護師の夜勤手当の相場は、勤務形態によっても異なります。ここでは、夜勤の勤務形態である2交代制と3交代制にわけて、夜勤手当の相場について紹介します。

2交代制勤務

2交代制は、24時間を日勤・夜勤のシフトにわけて勤務する勤務形態です。2交代制の夜勤では、一般的に16時間勤務（うち2時間休憩）となっています。
日本看護協会「2020年病院看護実態調査報告書」によると、2交代制で貰える夜勤手当の平均は、夜勤1回あたり11,286円でした。同調査において、2交代制のひと月の夜勤回数は平均4.7回という結果も出ており、1ヶ月あたり約5万円前後の夜勤手当が貰える計算になります。

3交代制勤務

3交代制は、24時間を日勤・準夜勤・深夜勤のシフトにわけて勤務する勤務形態です。3交代制の夜勤では、どのシフトも8時間勤務となっています。
日本看護協会「2020年病院看護実態調査報告書」によると、3交代制で貰える夜勤手当の平均は、準夜勤1回あたり4,154円、深夜勤1回あたり5,122円でした。また、同調査において、3交代制のひと月の夜勤回数は準夜勤・深夜勤を合わせて平均7.7回となっています。仮に1ヶ月のうち準夜勤を4回、深夜勤を4回行った場合、合わせて約37,000円ほど夜勤手当が貰える計算になります。

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深夜割増賃金は労働基準法で定義されている

夜勤中の賃金は、日中に働いた場合と同じ時給換算で計算されているわけではありません。労働基準法によると、午後10時から午前5時の間に働く人へは深夜割増賃金を適用することとし、1時間あたり基礎賃金の25％以上を上乗せすることと定義されています。職場によっては深夜割増賃金を夜勤手当という名称で支給するところもありますが、深夜割増賃金の性質をもつ場合は、労働基準法の計算方法に則った賃金を支給する必要があります。

なお、休日出勤などほかの手当が付く条件と深夜勤務が重なった場合は、割増率を合算する決まりです。同じく労働基準法にて、時間外勤務は基礎賃金の25％以上、法定休日労働は35%以上などほかの手当についても割増率が決まっています。そのため、休日出勤で深夜勤務となった場合、1時間あたり基礎賃金の60％以上を上乗せすることになります。

ここでは、夜勤手当と深夜割増賃金がそれぞれ別に支払われる職場で、基本給210,000円の人が、1ヶ月に150時間働く場合を想定し、深夜割増賃金はどのくらいなのか考えてみましょう。
まず、基本給を時給換算して、1時間あたりの時給と深夜割増賃金を算出します。

• 基本給210,000円÷150時間＝1,400円（時給）
• 時給1,400円×0.25＝350円（1時間あたり上乗せされる深夜割増賃金）

この例では、1時間あたり上乗せされる深夜割増賃金が350円であることがわかりました。1ヶ月あたりであればどれくらいの深夜割増賃金を貰えるのか、前述の夜勤回数を参考に、2交代制の場合と3交代制の場合を試算してみましょう。

2交代制の深夜割増賃金の計算例

2交代制の夜勤を仮に午後4時から午前8時までの勤務で、午後8時と午前2時に1時間ずつ休憩をとるシフトとします。この場合、深夜割増賃金が適用される午後10時から午前5時の7時間が勤務時間に含まれますが、うち1時間の休憩があるので、実際に割増が適用されるのは6時間分となります。そのため、350円×6時間で1回の夜勤で上乗せされる深夜割増賃金は2,100円です。

前述の夜勤回数を参考に1ヶ月に4回夜勤を行うと考えると、1ヶ月で上乗せされる深夜割増賃金は9,600円となります。

3交代制の深夜割増賃金の計算例

3交代制の場合、仮に準夜勤が午後4時から午前0時まで（うち午後8時から1時間休憩）、深夜勤を午前0時から午前8時まで（うち午前4時から1時間休憩）のシフトとします。
準夜勤で深夜割増賃金が適用されるのは、午後10時から午前0時までの2時間なので、350円×2時間で1回の準夜勤で上乗せされる深夜割増賃金は700円です。
深夜勤で深夜割増賃金が適用されるのは、休憩を除いた午前0時から午前4時までの4時間なので、350円×4時間で、1回の深夜勤で上乗せされる深夜割増賃金は1,400円です。

前述の夜勤回数を参考に、1ヶ月に準夜勤と深夜勤を4回ずつ行うと考えると、1ヶ月で上乗せされる深夜割増賃金は8,400円となります。

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看護師の夜勤手当が高い職場は？

看護師の夜勤手当は、病院や病棟などにより額が異なります。夜勤手当が高い職場として挙げられるのが、救急病棟・ICUなどの部署です。急患対応や緊急手術が多い部署、急変するリスクの高い患者が入院している病棟などは、夜勤手当が高めに設定されています。業務を進めるうえで看護師に負担がかかる部署であるため、その分を手当として還元しているようです。

また、病床数の多い病院も夜勤手当が高い傾向があります。病床数の多い病院は、経営母体の法人が大きい医療機関であることがほとんどで、福利厚生が手厚いことが魅力。そのため、夜勤手当も高い病院が多くみられます。ただし、病床数が多いということは、患者が多い分忙しい職場だという一面も。病院によっては、離職者が多いことから手当を充実させているという内情もあるようです。

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看護師の夜勤のメリット

看護師が夜勤を行うことで得られるメリットは、以下のとおりです。

• 日勤のみで働くよりも給料がアップする
• 2交代制であれば夜勤明けが1日休みになる
• 日中に自由な時間ができる
• 夜間対応が経験できる

前述のとおり、夜勤を行うと夜勤手当や深夜割増賃金を受け取れるため、日勤のみで働く場合と比べて給与アップが見込めます。また、2交代制の場合、夜勤明けは1日休みにしなければならないのが決まりです。夜勤明けにゆっくり身体を休められたり、日中に自由な時間ができたりするメリットを得られるでしょう。

勤務面のメリットは、夜間独特の対応や少人数での急変・急患対応を経験できることです。夜間対応は慣れない方にとっては難しく、精神的に負担を感じることもありますが、看護師としてのスキルアップに繋げられます。

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看護師の夜勤のデメリット

看護師の夜勤にはデメリットも存在します。デメリットについても理解しておきましょう。

• 生活リズムが不規則になり、疲れがたまりやすい
• 3交代制であれば、準夜勤の翌日に日勤となることもある
• 勤務中、十分仮眠が取れないこともある

夜勤のある職場の多くは、日勤と夜勤が入り混じったシフトになっています。勤務時間が変わることで、食事や睡眠の時間も日によって変わることになり、どうしても生活リズムが不規則になりがちです。
さらに3交代制であれば、施設によって準夜勤で深夜に帰宅した翌日、朝から日勤のシフトが組まれることもあります。疲れが取れないまま、次の勤務に行くこともあり、疲れがたまってしまうこともあるでしょう。

また、夜勤中は休憩時間や仮眠時間が設けられていますが、少人数で勤務しているため緊急対応が必要になると人手が必要になり、忙しい日は十分に仮眠が取れないこともあります。

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夜勤が向いている看護師の特徴

夜勤が向いている看護師の特徴は、給料をアップさせたい人や体力がある人です。前述のとおり、夜勤には手当や割増賃金が付きます。給料をアップさせたい人には夜勤もある勤務がおすすめです。

また、夜勤では生活リズムが不規則になったり、忙しい日もあったりします。体力に自信がある人であれば、ほかの人より疲れを感じずに勤務を続けられるでしょう。

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看護師の夜勤手当は2交代制勤務の方が高い傾向がある

• 夜勤手当とは、夜間に勤務した従業員に対して職場が任意で支払う手当のこと
• 夜間の勤務のうち、深夜割増賃金の対象時間帯と支払金額は労働基準法で定義されている
• 看護師が働く職場の中で、救急病棟・ICUや大規模病院は夜勤手当が高い傾向がある
• 夜勤が向いている看護師は、給料をアップさせたい人や体力がある人

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